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陰謀に陥れられ side蓮翔

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九州、中国、四国地方は、昔から神崎工務店が勢力を振るっていて、スーパーゼネコンでも入る隙はない。

デザイン重視の建築物に強く、そして代々社長と副社長が夫婦で建築デザインを手がけてるのもあり、神崎工務店は人望が厚く信頼ができる建築会社として中堅ゼネコンだが西日本で大手ゼネコン並の仕事を請け負ってた。

だが、大手ゼネコンみたいに建築物の素材を生産するための設備投資をする事はできない。
その面を補強するために馬島建設とタッチを組んで建築物を建てる事が決まり、俺は天才建築士の神崎玲斗に弟子入りするために福岡支社に意匠設計第1課長として転勤する事になった。

神崎玲斗に俺は建築デザインのコンペで勝てた事がない。
彼の描く建築デザインはデザインもさながら安全性も高く、そして低コストで建てる事ができる。
天才建築士から建築デザインの技術を盗んでこいと、俺は拓磨さんに単身赴任させられた。

凛子も一緒に連れて行きたかったが、
『神崎玲斗に建築デザインのコンペで勝たないと凛子はやらん!!』
と言われ、引き離された。

毎週金曜日は東京本社での勤務にしてくれたから週末をそのまま週末を凛子と過ごす事ができ、凛子不足で仕事に身が入らなくなる事はなかったが、早く東京に戻ってきたくて、がむしゃらに神崎玲斗の手がけた建築物を見て学び、共に働き、建築デザインの技術を習得した。

2年間の福岡支社の転勤生活を終え、俺はやっと東京に戻ってこれた。

福岡支社で神崎玲斗社長と彩花副社長の信頼を得て、共同開発として西日本地区の大規模建設に携われるように持っていった。

『桐嶋くん、馬島建設辞めてウチにこない?』

仕事面に関して、神崎工務店に勤める方が自由に建築デザインができやり甲斐を感じられると思う。

『すみません。彼女が東京で待ってるので』
『馬島建設の御令嬢と婚約してるんだっけ?桐嶋くん、有能だもんね。うちの一花《いちか》はどうっていいたいけど、あの子、中学1年生だからなぁ……。残念」

彩花副社長が俺が東京に戻る日にわざわざ見送りにきてくれて、そんなやりとりをした。

神崎社長と副社長に俺はかなり可愛がって貰った。
凛子という愛しい恋人がいなかったら、俺は神崎工務店に転職していたと思う。
それを見越して、腹黒い拓磨さんが凛子を東京に残したかのかもしれない。

俺が神崎工務店に転職させないために……。

凛子という餌をぶら下げられ、福岡支社で成果を出し意匠設計士としても成長し、俺は東京本社に戻ってきた。

東京に戻ってすぐに凛子と区役所に婚姻届を提出しに行った。

凛子を奥さんにしたくて、そのためだけに俺は福岡支社の業績を挙げた。

凛子をやっと奥さんにする事ができた。

新婚生活初日は新居で2人きりで食卓を囲みたい。
俺と離れて暮らしている平日に料理教室に通ってた凛子。

新居に入り、ダイニングテーブルの上に置かれた薔薇の花と綺麗に盛り付けられたローストビーフやカルパッチョを見て、凛子が俺の帰りを待ち望んでいた事が強く伝わり、凛子が愛しくてならなかった。

食事の前に抱きたかったけど、夜は長いからなんとか昂まる情欲を抑え、サーロインステーキを焼く凛子の後姿を見てた。

エプロンをつけてキッチンに立つ凛子に、理性が本能に負けて襲ってしまったが、凛子が作ってくれた料理が冷めたらいけないから早急に1度目の逢瀬を終わらせた。

凛子が愛しくてならない。

凛子が作ってくれた最高のディナーと凛子が拓磨さんからせしめたと思われる高級ワインを飲む。

拓磨さんが死ぬまでに1度は味わいたいと言ってた5大シャトーの内の2つ。

妹には激甘な拓磨さんだから、結婚祝い名目に凛子に取られたのだろう。

グラスで1杯ずつ飲み、残りはコルクで蓋をしてワインクーラーの中に戻した。
凛子は拓磨さんに一滴も飲ます気は無いと思うが、凛子はいつも日付が変わる前に寝落ちするから、凛子が眠った後にこのワインを土産に拓磨さんの部屋に行き、飲み明かそうと思った。

凛子は拓磨さんの事を毛嫌いしてる。
親以上に凛子に対して、スカート丈や門限や大学の受講する講義やレポートetc細かすぎるぐらい口を出してたから仕方がないとは思う。

だが、俺と凛子が付き合い初めてからは俺に凛子の事を委ねて見守ってくれた。
箱入り娘の凛子が俺と同棲できたのも拓磨さんのおかげで、拓磨さんに感謝してる。

食事を終え、先にお風呂に入る。
ジャグジーがついたバスルーム。
別府温泉の温泉の素が入った湯に浸かるも、お風呂から上がってからの凛子との情事に胸が高まり、落ち着かず、早々に上がった。

食器の片付けですぐにベッドに押し倒せないのは理解してる。
外食の方が良かった気もしたが、凛子が新居でディナーをとりたいというからそうした。
料理を終えた凛子にキッチンでバックで抱き、あまりの気持ちよさにすぐに果ててしまい、まだまだ凛子が足りなくて食事をしながらも凛子との情事の事ばかりを考えてた。

凛子がお風呂を済ませたら、夫婦としての初夜を迎える。

インテリアプランナーとして凛子は独り立ちしたから子供を産み育てるならタイミング的に今。
拓磨さんから『籍を入れたらすぐに子供を作れ』と悪魔の囁きもされ、避妊無しで抱いてしまった。

凛子と夫婦になれたが離れて暮らした時間があるからか、離れられなくなる絆が欲しかった。

寝室で凛子を待つ間、スマホゲームをしてた。
凛子が初夜だからか普段絶対に着る事がない、淡いピンクのフリルがついた、でも胸の谷間や脚の付け根が丸見えのコスチュームで寝室に入ってきて、かなり胸が昂まる。

脱がせたいけど、脱がせたくない。

スケスケのショーツだけ脱がせ、早急に2度目の子種を凛子の子宮に注いだ。

凛子が愛おし過ぎて止まらない。

これから毎日、凛子と同じベッドで眠れるとわかってはいても、遠距離期間が長くて止まらない。

勃起が止まらなく、すぐに3回戦をおっぱじめようとしたら、インターフォンが鳴り続ける。

無視して凛子の乳房に吸い付いてた。
15分ぐらい嫌がらせで鳴らされ、イライラから力が入り、凛子に怒られた。

妹を溺愛する兄の拓磨さんが結婚祝いに来たのだろうと思って、パジャマを着て玄関のドアを開けると、福岡支社で俺のインテリアプランナーとついていた吉川がいて驚いた。

しかも、妊娠したとエコー写真を出してきて、そして沖縄の案件で泊まり込みで現場監査に訪れた際に俺が朝起きれないからと合鍵渡してたからとんでもない写真を撮られてた。

その写真を見て、凛子に失望した眼差しを向けられ、新婚早々に家出された。

吉川は神崎工務店のビル建築設計課の妻子がいる田辺課長と不倫してた。
田辺課長が俺を馬島建設から追いやり、神崎工務店に転職させようと企てたとわかった。

凛子以外の女を抱く気にはなれない。

凛子に誤解され、新婚早々に家出され、俺は途方に暮れた。

凛子が出て行ってすぐに玄関のドアを閉めて吉川を追い出した。


次の日の朝、ドアのインターフォンが鳴り開けると拓磨さんがいて、「凛子の事で話がある」と中に入ってきた。

「……桐嶋、飲みながら話そう。俺は妹は可愛いがお前の味方だ。お前に会社を辞められたら困る。凛子との関係修復の方法を考えよう。座れ」

拓磨さんが冷蔵庫から凛子が作り置きしてた鶏ハムとマカロニサラダを出してきて、昨日残しておいたシャトー・ラトゥールとシャトー・マンゴーをワインクーラーもワインクーラーから出し、食器棚からワイングラスと箸もダイニングテーブルの上に置く。

朝っぱらからワインを飲みながら向き合って話をする。

「お前、福岡支社のペアでインテリアプランナーしてた吉川さんって子を孕ませたって本当か?一緒に裸で寝てる写真とエコー写真を見せられたって凛子が言ってたけど?まだ産まれてないなら弁護士通して慰謝料払って堕ろさせる方向で話をつけよう」

拓磨さんは凛子から昨日の夜に起こった事を聞いたようだった。

「吉川の腹の子は俺の子じゃない。あとあの写真は出張先のホテルで吉川が合鍵で勝手に入ってきて知らないうちに撮られてた。俺は凛子以外を抱いたりしてない」

「……だよな。桐嶋がそういう奴じゃないとわかってたから凛子を託した。腹の子が産まれてDNA鑑定したらお前の子じゃないというのはすぐ証明されるが、それまで誤解されたままになる。吉川に嘘をついたと吐かせれたらいいが、あぁいう女は嘘を突き通すからな……」

拓磨さんは特定の彼女を作らず、BARで好みの女性をナンパして一夜限りの関係を持ってる。
ゴムは必ず装着しやった後に女性の膣内に緊急ピルを入れ、避妊を怠らない。
何度か、遊んだ女性が『妊娠した。責任取って!!』とゼミ室に殴り込んできた。
『俺はヘマはしない。本当に俺の子な訳?産まれてDNA鑑定して本当に俺の子だったら養育費払うわ』
冷たく遇らった拓磨さんに、ゼミ生全員が凍りついた。

拓磨さんは男女間のいざこざに慣れてる。ワインを飲みながら、これからどうするかについて話し合った。

「吉川が神崎工務店の田辺課長と不倫してるのは福岡支店で知れ渡ってるんだな。お前が浮気をして馬島建設の御令嬢と破談になれば居づらくなって神崎工務店にくると企てたか。
週明けに福岡支店に行って、吉川と田辺課長の不倫について社員から聞いて回ってくる。それと探偵雇って浮気の証拠写真を撮るよう依頼してくる」

拓磨さんが味方になってくれて心強かった。

「凛子に離婚届にサイン貰ってくるよう言われたから先に凛子に書かせてからお前に渡す。しばらく離婚したふりをしろ。変に言い訳するより距離を置いた方がいい」

凛子とやっと夫婦になったのに、近くにいるのに触れられない。
身の潔白を証明し、凛子と関係修復をしたい。



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