ベンチャー社長の元彼のヤンデレが異常過ぎる件

鳴宮鶉子

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颯爽と現れた元彼

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納期がなく、私の処理能力を把握し蓮が仕事を振ってくるから、社畜化する事はなく、マイペースに仕事をし、衣食住、何も困る事がない日常。

「……40.2℃!!やばっ、インフル?コロア?」

寝起きに寒気がして関節痛がするから熱を測るとまさかの高熱。
社畜生活から解放され、ほぼ毎日スーパーに行ってるから、流行疾患病を貰ってしまったらしい。

「この違くの内科医院って、どこだろう」

違くの内科医院を探そうとスマホを手にとる。

「莉愛、大丈夫か?」

「えっ!?」

蓮に熱で仕事を休む旨の連絡はしていないのに、スーツではない室内着の蓮がいきなり訪ねてきた事に戸惑う。

「オフィスビル内に内科クリニックが入っている。朝一で診て貰おう」

時刻は午前7時15分。
診察時間まで1時間以上ある。

「冬用布団は確か……」

「氷枕とアイスノン、はい、ポカリ」

寝室に追い込まれ、有無言わず寝かされ、看病される。
私以上に蓮が家にある備品のありかを知ってる事にドン引きする。
この部屋を契約し家具など一式を揃えたのは蓮だけど、全てを把握してる事に驚く。

「秘書に順番待ちさせて1番をとった」

高熱で意識が朦朧する中、横抱きで持ち上げられ、病院へ連れてかれ、

「インフルエンザですね」

抗ウイルス剤を蓮の手で吸入され、帰路につく。


「卵粥作った。食べられるか?」

仕事に行かず、付きっきりで看病してくれる。
私が寝入っている時に仕事部屋のパソコンでメールの返信やAIシステム開発の仕事をしてるが、私が起きたらすぐに部屋に駆けつけてくる。

「……蓮、移ったらいけないから。もう大丈夫だから、帰って。仕事、あるし」

「仕事は大丈夫。莉愛に何かあったら心配だから帰れない」

2日2晩高熱でうなされるも、蓮が氷枕を替えてくれ、熱冷ましの薬を飲ませてくれたから助かった。
熱が落ち着いてる時に着替えのパジャマと下着に、ぬるま湯を入れた洗面器とタオルを持ってきてくれた事もありがたかった。

「蓮……ありがとう」

寝起き5分後に蓮が駆けつけてきた事に対し、なぜっという違和感はあるが、尽くしてくれる蓮に絆されそうになっていた。



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