ベンチャー社長の元彼のヤンデレが異常過ぎる件

恋に盲目 side 蓮

料理に目覚めた莉愛が手作りランチを作って待っててくれてると思うと、早く会いに行きたくて仕事に身が入らない。

「恋愛にうつつ抜かさず、仕事しろよ。アンドロイドの生産数、これでいいのか！！」

「ああ」

莉愛優先で仕事の能率が悪くなり、ライトから叱られる。

料理をしている莉愛の盗撮中継をちらちらと見ながら、事業計画書の確認をする。

AI開者として成功するためにシリコンバレーへ行き、6年もの間、莉愛と一切連絡を取らず離れられていた事が不思議なぐらい、彼女に執着している。
莉愛の心は離れないと思っていたからかもしれない。

AIシステムでアンドロイド人に限りなく動かすアルゴグラム設計は俺しか成功していない。
この技術が漏洩しない限りは、俺が立ち上げたアンドロイドエージェントは安泰。
とはいえ、ビックなとこから開発依頼が殺到していて、対応が追いついていない。

「さっさと莉愛ちゃんと結婚して、仕事に集中しろ！！」

莉愛を取り戻し、常に側に置けるなら、処理能力は25倍まで上がるだろう。

失いかけたかけがえのない存在を取り戻すのに必死。

莉愛が俺から離れていったら、俺は生きた屍になると思う。

「この秋刀魚、脂がのって美味いな！！」

盗聴中継でスーパーでの一部始終見ていた。
真剣な眼差しで秋刀魚を選別していた莉愛。
大根おろしとすだちも添えて、感動しかない。

「筑前煮も味が染みて美味い！！」

和食に攻め、筑前煮も作ってくれた事に感動。
大根と人参のなますとアサリのすまし汁。

「蓮、もう少し、仕事、任せて欲しい」

ウェートレスアンドロイドは受注依頼のあった開発ではない。
莉愛とのコミュニケーションツールでやってる。
やねこい企業からの案件を莉愛に任せようかと頭に過ぎるも、まだそのレベルではなく、辞めた。

「ありがとう」

ゆっくり技術を身につければいい。
苦悩して追い込まれて精神的に病んで欲しくない。
だから、企業案件は回せない。


「夕飯は？いる？」

「もちろん！！」

幸せな事に莉愛の手料理を昼と夜に食べられる。
経営関係の仕事はライトに任せられるが商品のアンドロイドAIシステムの基礎設計は俺しかできず、かなり業務が溜まってる。

莉愛の事が気になり仕事に集中できない事が敗因。
莉愛が俺の奥さんになって、常に隣に居てくれたら解決すること。

莉愛を奥さんにして、安心したい。