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妹のような大切な子だから side 志貴

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俺は、決して手を出したらいけない、年下の片思いの相手がいる。

隣の家に住んでいる5歳年下の幼馴染の堀田芽生

芽生は、肌が雪のように白く、小さくて華奢な百合の花のような守ってやりたくなるような子だ。
大きな二重の瞳に、ふっくらした小さな唇。
ゆるいウエーブのかかった茶色い地毛。
誰もが彼女を一目見るだけで恋をする。

俺は、芽生が5歳の少女の頃から、大人の女性になる姿、を、ずっと見てきた。

芽生が小学5年の時に、急に大人びてきて、高校1年の俺は、この時から、芽生に、欲情してしまい、マズイと思った……。

俺は、ロリコンじゃない

と、当時の俺は、かなり、葛藤した。

芽生に、手を出さない自信は無かったけど、懐いて、毎日、寝る前に俺の部屋に遊びに来る彼女を拒否る事ができず、俺は、狼にならないよう、必死に耐えた。


芽生に手を出したらいけない。

俺を兄と慕って懐いてくれる芽生との関係を壊したくない。

俺は、芽生に手を出さないために、適当に見た目がタイプの女性と付き合い、欲情を発散した……。

好きでもない相手に欲情をぶつける行為は、ただの排泄行為と同じで、ただ、虚しく、でも、発散させないと、芽生に手を出してしまいそうな俺がいて、辞める事ができなかった。

俺が大学院修士課程を卒業し、就職してからは、仕事柄、残業や飲み会で帰宅が23時過ぎることから、芽生は日曜日にしか、俺の部屋に来なくなった。

寂しいなと思いつつも、ほっとしている俺がいた。

毎週日曜日、俺に寝起きドッキリを仕掛けてくる芽生。

俺の理性を試しているのかと思うような、襲って下さいという事ばかり仕掛けてくる芽生。

毎週金曜日の夜に、欲情を発散させるために付き合ってる恋人とホテルで逢瀬を重ねた。
芽生との日曜日を平常心で過ごすために……。

芽生は、俺が女性と付き合って別れてを繰り返すのを知っている。

『もう、別れたの?流行っ、2週間続いてないじゃん!!』

俺は、同じ相手と身体を何度も重ねあわす事ができなかった。
芽生と見た目がかけ離れているから、1度やったら、興味を失い欲情が湧かないから……。


そんな俺だけど、勤めている会社の総務に、芽生に見た目が似ている子を見つけた。
だから、同期に合コンをセッティングして貰い、口説き落とし、その子を欲情の発散相手として交際する事にした。

芽生と比べたら、月とスッポン

芽生と似てるのは、背と体型と、肌の白さぐらい。

だから、毎週、金曜日の夜から土曜日の夜まで一緒に過ごしていても、彼女の事を、愛してはいない……。

俺が毎週のように外泊をしてるから、母さんに理由を聞かれ、話を濁していたけど、あれこれ煩く言われるから、職場で知り合った彼女と過ごしてると、打ち明けた。

それが仇となった……。


土曜日の夜に、職場の飲み会帰りで、酔って足元がおぼつかない芽生に、

「他の女性を触った手で、わたしを触らないで。わたしは、大丈夫。もう、わたしの事を構わないで」

と、俺が芽生の手を取ろうとしたら、拒絶された。
そして、芽生の大きな瞳から、涙が溢れ、流れた。

母さんが、俺に彼女ができて毎週泊まりでデートをしてる事を、芽生に、話したようだった……。

「志貴くんなんて、大嫌い。わたしに優しくしないで!!」

芽生が走りのタクシーを捕まえ、家と反対方向に向かって行った。

俺は、芽生を追いかけようとしたが、タクシーに乗られたら、どうしようもできない……。

芽生にひたすら、LINE通話をかけ続けた。
家に帰り、芽生の母さんに事情を話し、芽生に連絡をして貰った。
それでも、芽生は出なかった。

芽生が無事に帰ってくる事を、俺は、ひたすら祈った……。


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