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エピローグ
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「果蓮、もう30歳だしさ、そろそろ子供が欲しい。産まれてきた子供は俺が責任持って世話をするから!!」
捨て犬を拾ってきて飼いたいとだなをこねる子供のように、一徹は毎日、私に子供が欲しいと催促してきた。
「まだ、無理。性犯罪被害女性の弁護が任される間は、仕事を優先にしたい」
被害女性の傷ついた心情に寄り添うのは、親身になり同調してしまい、かなり辛かったりする。
東條雅哉の離婚裁判は、こちらが有利になる証拠がありすぎて、離婚は当然の事で彼の社会的地位の剥奪と多額の慰謝料請求で大勝利で幕を下ろした。
「そんな事言ってたら、一生、子供に会えないよ」
私の出生について何も語らなかった母が、私が一徹と結婚して幸せになったのを見届けたからか、遂に重い口を開き、全てを打ち明けてくれた。
母は名の知れたゼネコンの御曹司と恋に堕ち、私を妊娠するも、結婚を反対され、逃げるように地元へ戻り、私を産み育てた。
婚約者がいるのに母と交際し、妊娠させた立場ある人な生物学上の父に対して、腹ただしさを感じた。
インテリアコーディネーターとして優秀で、歳を重ねても美しい母。
自分が愛した立場ある男性と結婚ができなかったから、娘の私にそれを成し遂げて欲しいと思ったらしい。
東條雅哉に弄ばれそうになった事と母の打ち明けで、卑劣な性被害にあった女性を助ける仕事をしたいと思った私は、今まで以上に被害女性の弁護に力を入れてた。
「ーーウッ、気持ち悪い」
30歳を迎えて間もなく、急に匂いに敏感になり、吐き気をもようすようになり、生理が遅れてたから妊娠検査薬を使ってみたら陽性が出て、慌てふためく。
確実に避妊してたはずなのに、妊娠してしまった。
もはや積み木化した避妊具の箱の中身は機能性があるのかと疑うも、頭に過るのは子供を熱望する一徹の魔が刺してやらかしたのではという疑い。
検査薬の陽性判定を呆然と見つめる私の隣で、嬉しそうな表情を浮かべてる一徹。
キッと睨みつけると観念して、何度か付けずにやりましたと一徹は白状した。
口コミで私を頼って法律事務所に足を運んでくれる女性のクライアントがいるから、妊娠中と出産後も仕事をセーブしつつも弁護士として勤めた。
私が勤めてる法律事務所は小さな子供を連れての出社を受け入れてくれて、一徹もイクメン社長として積極的に子育てをしてくれた。
リモートワークができるから、一徹の方がお世話をしてる。
長男の誠一に3歳の年の差をあけ、長女の美玲が産まれた。
「ママ、パパが大人の積み木でお城を作ったよ!!」
5歳になる誠一と2歳になる美玲が手を叩いて感心してるけれど……。
「一徹、それは子供が見えないところに収納しといてと言ったよね!!」
私の起業家社長の旦那様は、嫁に尻に敷かれ怒られてばかりな旦那だけど、子供達に好かれてる良き父親。
笑いの絶えない家族団欒のひとときに、幸せを感じてる。
ー完ー
捨て犬を拾ってきて飼いたいとだなをこねる子供のように、一徹は毎日、私に子供が欲しいと催促してきた。
「まだ、無理。性犯罪被害女性の弁護が任される間は、仕事を優先にしたい」
被害女性の傷ついた心情に寄り添うのは、親身になり同調してしまい、かなり辛かったりする。
東條雅哉の離婚裁判は、こちらが有利になる証拠がありすぎて、離婚は当然の事で彼の社会的地位の剥奪と多額の慰謝料請求で大勝利で幕を下ろした。
「そんな事言ってたら、一生、子供に会えないよ」
私の出生について何も語らなかった母が、私が一徹と結婚して幸せになったのを見届けたからか、遂に重い口を開き、全てを打ち明けてくれた。
母は名の知れたゼネコンの御曹司と恋に堕ち、私を妊娠するも、結婚を反対され、逃げるように地元へ戻り、私を産み育てた。
婚約者がいるのに母と交際し、妊娠させた立場ある人な生物学上の父に対して、腹ただしさを感じた。
インテリアコーディネーターとして優秀で、歳を重ねても美しい母。
自分が愛した立場ある男性と結婚ができなかったから、娘の私にそれを成し遂げて欲しいと思ったらしい。
東條雅哉に弄ばれそうになった事と母の打ち明けで、卑劣な性被害にあった女性を助ける仕事をしたいと思った私は、今まで以上に被害女性の弁護に力を入れてた。
「ーーウッ、気持ち悪い」
30歳を迎えて間もなく、急に匂いに敏感になり、吐き気をもようすようになり、生理が遅れてたから妊娠検査薬を使ってみたら陽性が出て、慌てふためく。
確実に避妊してたはずなのに、妊娠してしまった。
もはや積み木化した避妊具の箱の中身は機能性があるのかと疑うも、頭に過るのは子供を熱望する一徹の魔が刺してやらかしたのではという疑い。
検査薬の陽性判定を呆然と見つめる私の隣で、嬉しそうな表情を浮かべてる一徹。
キッと睨みつけると観念して、何度か付けずにやりましたと一徹は白状した。
口コミで私を頼って法律事務所に足を運んでくれる女性のクライアントがいるから、妊娠中と出産後も仕事をセーブしつつも弁護士として勤めた。
私が勤めてる法律事務所は小さな子供を連れての出社を受け入れてくれて、一徹もイクメン社長として積極的に子育てをしてくれた。
リモートワークができるから、一徹の方がお世話をしてる。
長男の誠一に3歳の年の差をあけ、長女の美玲が産まれた。
「ママ、パパが大人の積み木でお城を作ったよ!!」
5歳になる誠一と2歳になる美玲が手を叩いて感心してるけれど……。
「一徹、それは子供が見えないところに収納しといてと言ったよね!!」
私の起業家社長の旦那様は、嫁に尻に敷かれ怒られてばかりな旦那だけど、子供達に好かれてる良き父親。
笑いの絶えない家族団欒のひとときに、幸せを感じてる。
ー完ー
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