仮面夫婦のはずが執着溺愛されちゃいました

エピローグ

気持ちが通じ合ってから半年が経った。

「結芽、結婚してくれてありがとう」

108本の赤い薔薇の花束を抱えて帰ってきた須藤さん。

“これ以上ないほど愛しています”という花言葉が書かれたカードが花束の中に花束の中に入ってあった。

6月1日に私は須藤さんと結婚した。

「……結芽、悪阻は大丈夫か？」

「……うん」

「結芽、フライドポテト。今日はモスで買ってきた。オニオンリング、食えるか？」

家の中に上がり、ダイニングテーブルにモスの紙袋を置く。

妊娠3ヶ月目で猛烈な吐き気に苦しみ、ここ1ヶ月間、自室のベッドに横になってた。

眩暈と吐き気に襲われ、食べ物の匂いがダメになり、どんなに寝ても寝ても眠気は去らないし、全体的に気怠い。

身体がボロボロになっていく感じは日に日に増していくばかりで、須藤さんに当たり散らし、夫婦別室の生活をしてた。

なのに、須藤さんは、私が食べれそうなものを毎日買ってきてくれて、身体を気遣ってくれた。

安定期に入ってからは私の事が心配で仕事を放置して帰ってきてた須藤さんに、出産までしっかり仕事をさせた。

「結芽、俺たちの子供を産んでくれてありがとう！！」

12月21日ーー最愛の息子、翔真が誕生した。

立ち合い出産で、陣痛に苦しむ私の腰をさすってくれて、強く手を握ってくれてた須藤さん。
産まれてきた子を、助産師さんたちに渡され、満面の笑みを浮かべ抱きしめた。



ーー須藤結翔さんと結婚して夫婦になれて、私はとても幸せです。


【終】