記憶のかなた

みやち

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エンジョイ!フランスライフ!

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料理がうめぇのなんのて。海外で心配なことはご飯が口に合うか合わないか、なんていうけどそんな心配は全て取り払われました。アンドレさんまじ神…

_________________________________________

「奏多お腹すいただろ、アンドレが飯振る舞ってくれるから座って待っとけ!」

お宅に着いて早々俺のお腹の虫が騒ぎ出し、落ち着く間もなくご飯を振舞ってもらうことになった。申し訳ないけど、とってもありがたい。アンドレさんの手伝いをしようとしたが、ろくに料理をしたことがないことを思い出し大人しく待とうと思ったが、

「奏多~!家案内するから荷物持って2階来い!」

ご飯を待つ間に部屋と荷物の整理をしろとのお達しだ、理にかなっている。ところでこの家でっかいな…

「家超広い、やばい!鬼ごっこもかくれんぼも余裕じゃん!」

「バカ丸出しだからやめろ~、まぁここ一応郊外だしアンドレそれなりに高給取りだし…。あ、そこの右手の部屋が当分お前の部屋になるところだぞ!」

綾人おじさんがぶつぶつ言ってるけど、気にしないし聞こえないしそれよりも部屋が気になって仕方ない。
わーい!とドアを開けると、そこには思った倍シックにまとまった空間が広がっていた。

「綾人おじさん、なんか超かっこいいけどこの部屋、日本の俺の部屋の100倍イケてるんだけど、ほんとにこの部屋に住んで良いの?」

「おうともよ、泊まるような客ほぼこねぇし使ってもらって構わないぞ!」

やったー!!!わー!!!俺の部屋(仮)めっちゃかっこいい!!!

「ただ発情期とかはどっかホテルとかシェルターに行ってもらわねぇとだめかもなぁ、俺のときもお前の時も」

あ、忘れてた。ここに来た意味がすっかり頭から抜けてるとかほんとに自分が嫌になる。

「そうだよね、Ωだもんね…」

フランスに来ることになった要因を思い出して、これからどうなるのか少し不安になる。



「オーイ!リョウとカナタ!ごはんできたヨー!」

「はーい、今行くねアンドレさん!綾人おじさん下行こ、早くしないと冷めちゃうや」



現実から逃げるように階下に駆け出した俺を見て、綾人おじさんが感情が良くわからない複雑な顔をしているのが頭にこびりついた。

そして冒頭に戻る。
「うまい、うますぎるよアンドレさん、なにこれ」

「ハハハッ、ただのパスタダヨ!」

「アンドレの飯は超うめぇよ、なんせ三つ星のオーナーシェフだからな」

「...スイーツ作る方がすきネ」

そう言って冷蔵庫からなんか超おしゃれなジュレ?とか、ケーキとかシュークリームとか色んなのがなった大皿が出てきた。全部食べて良いらしい。

「幸せすぎて太りそう。」

「奏多、俺は既に3kgは増えてるぞ。」

え、これだけ美味しいもの食べてておじさん3kgしか太ってないの?やばくない…?年齢不詳だし、お肌もトゥルトゥルだし…

「どんな運動してるの?」

「お前もつがいが出来たらそのうちわかるさ…」

そう言っておじさんが遠い目をするのを、アンドレさんがニッコニコで見ていた。

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体重キープの秘訣は夜の運動って訳ですな…むふふ…by作者
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