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日常
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この世の中には男女の性別に加え、忌々しい第2の性がある。
αは優等種で何をやらせても、完璧で優秀な成績をたたき出す。βはよくいる一般人。Ωは劣等種で孕むことしか出来ない忌むべき存在。αとΩは合わせて人口の1割、βが9割を占めるのがこの世界だ。
男でも子供を産むことができることから、Ωは差別の対象になることが多い。ましてや、3ヶ月に1度発情期があることから、社会的地位も低いことが多い。発情期中のΩは、αと交わることだけを求め、理性も吹き飛んでいるので、俺にとってはフェロモンを撒き散らす災害としか思えない。ろくな目に遭わないことをこの26年間で学んできた。
ただし、α×Ωの夫婦または夫夫からしかαは産まれてこない。それがΩは産むためだけの性と世間が認識する原因なのだろう。俺の父と母は仲が良くいつまで経っても、新婚のような見ていて胸焼けがする夫夫なので、Ωが忌むべき存在と世間に認識されていると知った時、2人に育てられたきた俺は大きな衝撃を受けた。
ただ、『運命の番』と呼ばれるαとΩが出会うとαはΩを溺愛し、ΩはどのΩよりも幸せにしてもらえる…という、都市伝説があるらしい。運命の番のフェロモンはα、Ω共に極上の蜜のような香りで、相手を惹き付けてやまないらしい。
要するに、Ωは自分の運命の番のαを探すことに必死な気がする。もちろん運命の番というのは、嘘か本当かわからないあくまでも都市伝説の域をでない話なので、少しでもいい条件の番相手を見つけるために、やたらと擦り寄ってくるΩもいる。俺はαだったばかりに、周りからの視線やらフェロモンやら腹の探りあいに疲れる日々。毎日告白されたり、縁談を持ちかけられたり。そんな日常から少しでも逃げるためにハンドボールを始めた…はずだった。
しかしどの世界においてもαと言うだけで祭り上げられ、気疲れすることに気づいたのはいつだっただろうか。
自分がβであればと何度望んだことだろう。早くΩの番を見つけろだの、見合いをしろだの周囲はうるさい。ただ普通の生活を送りたいだけなのに、それが許されないのはこの第2の性のせいだ。何度この性を恨んだことか…
顔も良くない、髪の毛もボサボサ、頭もそこそこで背が高いことだけが取り柄のαに、なぜそんなに必死になってアピールするのか。
ハンドボールをしているだけでも、煩わしい視線が俺に突き刺さる。徐々に楽しいと思えなくなっていったのは、俺のせいではないだろう。
ずるずるハンドボールを続けてはいるが、そろそろ父の会社に入らないといけない期限が近づいている。ハンドボールを辞めることに、躊躇いはないが心残りはある。
一試合だけ記憶に残る試合があるのだ。高校1年生になり、1番初めの大会だった。
αは優等種で何をやらせても、完璧で優秀な成績をたたき出す。βはよくいる一般人。Ωは劣等種で孕むことしか出来ない忌むべき存在。αとΩは合わせて人口の1割、βが9割を占めるのがこの世界だ。
男でも子供を産むことができることから、Ωは差別の対象になることが多い。ましてや、3ヶ月に1度発情期があることから、社会的地位も低いことが多い。発情期中のΩは、αと交わることだけを求め、理性も吹き飛んでいるので、俺にとってはフェロモンを撒き散らす災害としか思えない。ろくな目に遭わないことをこの26年間で学んできた。
ただし、α×Ωの夫婦または夫夫からしかαは産まれてこない。それがΩは産むためだけの性と世間が認識する原因なのだろう。俺の父と母は仲が良くいつまで経っても、新婚のような見ていて胸焼けがする夫夫なので、Ωが忌むべき存在と世間に認識されていると知った時、2人に育てられたきた俺は大きな衝撃を受けた。
ただ、『運命の番』と呼ばれるαとΩが出会うとαはΩを溺愛し、ΩはどのΩよりも幸せにしてもらえる…という、都市伝説があるらしい。運命の番のフェロモンはα、Ω共に極上の蜜のような香りで、相手を惹き付けてやまないらしい。
要するに、Ωは自分の運命の番のαを探すことに必死な気がする。もちろん運命の番というのは、嘘か本当かわからないあくまでも都市伝説の域をでない話なので、少しでもいい条件の番相手を見つけるために、やたらと擦り寄ってくるΩもいる。俺はαだったばかりに、周りからの視線やらフェロモンやら腹の探りあいに疲れる日々。毎日告白されたり、縁談を持ちかけられたり。そんな日常から少しでも逃げるためにハンドボールを始めた…はずだった。
しかしどの世界においてもαと言うだけで祭り上げられ、気疲れすることに気づいたのはいつだっただろうか。
自分がβであればと何度望んだことだろう。早くΩの番を見つけろだの、見合いをしろだの周囲はうるさい。ただ普通の生活を送りたいだけなのに、それが許されないのはこの第2の性のせいだ。何度この性を恨んだことか…
顔も良くない、髪の毛もボサボサ、頭もそこそこで背が高いことだけが取り柄のαに、なぜそんなに必死になってアピールするのか。
ハンドボールをしているだけでも、煩わしい視線が俺に突き刺さる。徐々に楽しいと思えなくなっていったのは、俺のせいではないだろう。
ずるずるハンドボールを続けてはいるが、そろそろ父の会社に入らないといけない期限が近づいている。ハンドボールを辞めることに、躊躇いはないが心残りはある。
一試合だけ記憶に残る試合があるのだ。高校1年生になり、1番初めの大会だった。
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