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第23章 白魔
黄金の決着
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「もう、無理です……」
戦端をひらいた王女に続いて、とうとう双子王子も侵攻してきたという報告が上がってからそう時間を置かず、戦況報告に来た兵士は、ダラダラと流れる頭部の出血を押さえながら、血の色に染まった目で訴えた。
「あの方たちは怪物です。エルバータ戦の折、かの地の者らが双子殿下を『災害』と呼んで逃げまどいました……今なら彼らの気持ちがわかります。我らはただの獣人、災害は止められません。無理です……っ!」
顔を引きつらせた弓庭後に代わり、これ以上の士気の低下を恐れた将軍が、「連れて行って手当てしてやれ」と退室するよう促したが、負傷兵は蜂に刺されたように叫んだ。
「どうか! どうか一刻も早く降参されて、殿下方を止めてください! 閣下のため盾になっている仲間たちを、どうかお救いくださいぃっ!」
絶叫しながら引きずられて行った兵士の言葉は、その場の誰もを絶句させた。
対策のため書斎に集まっていた軍隊長らも、時間稼ぎのためひとり抜け二人抜けして応戦に向かい、残っているのは弓庭後を含め五名ほどになっていたが。
そうこうする間にも届くのは、絶望的な報告ばかり。
「第三部隊全滅、第四部隊は 歓宜王女に制圧されました!」
「第二部隊全滅! 第一部隊は双子殿下に交渉を申し入れるも返答はなく、猛攻を受けております! このままでは第一部隊も全滅です!」
弓庭後はギリギリと歯ぎしりした。
「双子め……! ウォルドグレイブの拉致が成功しても、交渉できぬでは意味が無い。その前に殲滅されてしまうではないか!」
ハイエナのグラース隊からの報告が届くまで時間がかかる。その前に話し合いの場を設けておかねばならないのに、その申し出を伝えることすらできない。
王族が短期決戦に出ているのは明白だから、交渉に応じないことも計画の内なのかもしれないが……。
「まさか、正妃と王子の存在をまるっきり無視してかかって来るとはな」
弓庭後は冷笑を浮かべて、青くなって震えている妹を見つめた。
泉果はついさっき、皓月が娼館に行ってしまったと泣きついてきたのだが。
弓庭後一族の存亡がかかるこのときにフラフラ出て行く馬鹿な甥も、その息子の管理ひとつできない妹も、弓庭後の怒りと焦燥を煽るばかりで、怒鳴りつけたくなるのをこらえるのがやっとだ。
こうなっては、妻子の不在はせめてもの幸運だったと弓庭後は思う。
妻は旅行が趣味で、今は遠方の親戚の家に滞在しているはず。娘の久利緒は王都にいるので心配ではあるが、この場よりは安全だろう。
そんなことを考えていたら、とんでもない報告が入った。
「王女殿下から『アルデンホフ大臣捕獲』と伝令が参りました!」
「双子殿下の軍に、皓月殿下が捕らえられたとの情報あり! 確認中です!」
泉果が「ひっ」と悲鳴を上げて卒倒し、あわててそばにいた将軍が支えた。
弓庭後は怒りのあまり虎の声で吠えた。
なんということだ。
頼みの綱の皓月を奪われるとは。
「閣下……もはや、白旗を上げるしか無いのでは。これ以上被害を広げぬためにも」
沈痛な面持ちで言う将軍に、ほかの者たちも弓庭後の顔色を窺いつつ同意する。
弓庭後とてそうしたいのは山々だが、投降後の命の保証はもちろん、一族郎党が苛烈な処罰を下されぬよう、できるかぎり有利な条件を確約しておきたかったのだ。
そのためには、ウォルドグレイブの確保が絶対条件。
だが未だ成功の連絡は届かないし、悠長に待っていられる状況でもない。
この場にいる将たちは歴代の弓庭後家当主に仕えてきた家柄の者ばかりで、忠誠心も強い。その彼らですら、主の投降を望んでいるのがひしひしと伝わってきていた。
弓庭後は深くため息を吐いて、長椅子に横たえられた妹の頬を、いささかきつく叩いて起こした。そうして、目ざめた途端、「皓月!」と飛び起きた泉果を制して、
「よく聞け。こうなったら、お前が使者に立つのだ」
「わ、わたくしが!?」
「閣下……」
すぐさま降参することを期待していた将たちは、あからさまに落胆した。
戦のことだけ考えていればいいお前たちとは、立場が違うのだと。喉元まで出かけたのを、弓庭後は必死でこらえた。
これ以上、彼らの士気を下げるわけにはいかない。
妹の肩に手をかけ、まっすぐ目を見て言い聞かせた。
「敵陣まで行けとは言わない。門前で敵将を呼び寄せ、交渉に応じるよう盈月に伝えさせろ。正妃相手では敵もさすがに攻撃できまいし、伝言を無視されることもないはず」
泉果は怯えて躊躇したものの、皓月のためだと言うとどうにか応じた。
この妹が王の寵愛を得られていればと、今さらながら、弓庭後は深く落胆する。
どうにか得た子供も、双子や王女の資質には遠く及ばないし。
――今はともかく、事態を打開しなければ。
泉果に指示を出していると、城全体が、ズン、と連続して衝撃を受けた。
「何だ!?」
「誰か! 今のは何だ!」
驚愕する中、執事がよろめきながらやって来た。
「旦那様、大変です! 西の門に……!」
それだけ言って腰を抜かした執事を置いて、皆が西門を見下ろすことのできる部屋まで走った。
そうして、そろって絶句した。
吹雪になぶられる黄金の髪、堂々たる体躯の男が、すでに破壊された門の内側に立っている。
領民たちは西の門にも押し寄せていたらしいが、彼らも今や、警備にあたる兵たちと共に、雪の上に跪き恍惚とその男を見上げていた。
そこにいるのは、盈月――まごうことなき虎の王。
と、視線を感じたか、明るい笑顔がこちらを見上げた。
目が合うと、ちょいちょいと人差し指を動かす。出てこいと言うように。
が、すぐに反応できずにいると、急に部屋の端の窓が割られた。大きな石が投げ込まれたのだ。途端、雪が吹き込み、室内を風が渦巻く。
驚愕した一同がとっさに見下ろした先には、常に王に付き従う巨木のような侍従長が、その手に瓦礫を掴んで立っていた。
侍従長は低いがよく通る声で、「申し上げます」と瓦礫を掲げた。
「こちら、城の西壁を少々壊して作った瓦礫にございます」
「……は!?」
「なんですって!?」
驚きのあまり声が戻った。
弓庭後兄妹が目を剥いた先、羆の侍従長はいつものように微笑んで、
「少し丸太を壁にぶつけてみましたら、ひび割れました」
平然と言う。
それはもしや、破城槌のようなものではないのか。さっきの揺れと轟音もそれか。
ただし、そのための装置は無く――
盈月が「昔はよく、城攻めするとき二人がかりでやったよな」と笑った。
「久し振りにやったら、やっぱ楽しいわ」
「陛下との共同作業ですので、修繕費が必要でしたら陛下宛てでお願いいたします」
たった二人で破城槌。
だがその言葉が誇張でも冗談でもないことを、弓庭後は知っている。
それこそ怪物級の馬鹿力のこの二人は、本当に丸太すら振り回せるのだから。
二人を囲む兵士たちが、感極まったように、こぶしを何度も突き上げた。
「国王陛下万歳!」
「伝説の、陛下と刹淵侍従長のご活躍を、この目で見られるとは!」
兵士たちの興奮につられたか、領民たちも口々に王を称えた。
「やはり我らを守ってくださるのは、王族の皆様だ!」
「弓庭後侯爵はいざというとき、簡単に我らを見捨てるとよくわかった」
歓呼に応えながら、盈月はもう一度、弓庭後に向け指をクイクイと動かした。
「わざわざお迎えに来てやった王を、いつまで待たせるつもりだ? 出てこねえならこっちから、壁に大穴開けて入るぞ。――それとも、うちの可愛い息子たちを楽しませる玩具として、八つ裂きにされたいか?」
弓庭後に選択の余地は無かった。
日没後に突如はじまった王族の来襲から、朝を待たずの投降だった。
戦端をひらいた王女に続いて、とうとう双子王子も侵攻してきたという報告が上がってからそう時間を置かず、戦況報告に来た兵士は、ダラダラと流れる頭部の出血を押さえながら、血の色に染まった目で訴えた。
「あの方たちは怪物です。エルバータ戦の折、かの地の者らが双子殿下を『災害』と呼んで逃げまどいました……今なら彼らの気持ちがわかります。我らはただの獣人、災害は止められません。無理です……っ!」
顔を引きつらせた弓庭後に代わり、これ以上の士気の低下を恐れた将軍が、「連れて行って手当てしてやれ」と退室するよう促したが、負傷兵は蜂に刺されたように叫んだ。
「どうか! どうか一刻も早く降参されて、殿下方を止めてください! 閣下のため盾になっている仲間たちを、どうかお救いくださいぃっ!」
絶叫しながら引きずられて行った兵士の言葉は、その場の誰もを絶句させた。
対策のため書斎に集まっていた軍隊長らも、時間稼ぎのためひとり抜け二人抜けして応戦に向かい、残っているのは弓庭後を含め五名ほどになっていたが。
そうこうする間にも届くのは、絶望的な報告ばかり。
「第三部隊全滅、第四部隊は 歓宜王女に制圧されました!」
「第二部隊全滅! 第一部隊は双子殿下に交渉を申し入れるも返答はなく、猛攻を受けております! このままでは第一部隊も全滅です!」
弓庭後はギリギリと歯ぎしりした。
「双子め……! ウォルドグレイブの拉致が成功しても、交渉できぬでは意味が無い。その前に殲滅されてしまうではないか!」
ハイエナのグラース隊からの報告が届くまで時間がかかる。その前に話し合いの場を設けておかねばならないのに、その申し出を伝えることすらできない。
王族が短期決戦に出ているのは明白だから、交渉に応じないことも計画の内なのかもしれないが……。
「まさか、正妃と王子の存在をまるっきり無視してかかって来るとはな」
弓庭後は冷笑を浮かべて、青くなって震えている妹を見つめた。
泉果はついさっき、皓月が娼館に行ってしまったと泣きついてきたのだが。
弓庭後一族の存亡がかかるこのときにフラフラ出て行く馬鹿な甥も、その息子の管理ひとつできない妹も、弓庭後の怒りと焦燥を煽るばかりで、怒鳴りつけたくなるのをこらえるのがやっとだ。
こうなっては、妻子の不在はせめてもの幸運だったと弓庭後は思う。
妻は旅行が趣味で、今は遠方の親戚の家に滞在しているはず。娘の久利緒は王都にいるので心配ではあるが、この場よりは安全だろう。
そんなことを考えていたら、とんでもない報告が入った。
「王女殿下から『アルデンホフ大臣捕獲』と伝令が参りました!」
「双子殿下の軍に、皓月殿下が捕らえられたとの情報あり! 確認中です!」
泉果が「ひっ」と悲鳴を上げて卒倒し、あわててそばにいた将軍が支えた。
弓庭後は怒りのあまり虎の声で吠えた。
なんということだ。
頼みの綱の皓月を奪われるとは。
「閣下……もはや、白旗を上げるしか無いのでは。これ以上被害を広げぬためにも」
沈痛な面持ちで言う将軍に、ほかの者たちも弓庭後の顔色を窺いつつ同意する。
弓庭後とてそうしたいのは山々だが、投降後の命の保証はもちろん、一族郎党が苛烈な処罰を下されぬよう、できるかぎり有利な条件を確約しておきたかったのだ。
そのためには、ウォルドグレイブの確保が絶対条件。
だが未だ成功の連絡は届かないし、悠長に待っていられる状況でもない。
この場にいる将たちは歴代の弓庭後家当主に仕えてきた家柄の者ばかりで、忠誠心も強い。その彼らですら、主の投降を望んでいるのがひしひしと伝わってきていた。
弓庭後は深くため息を吐いて、長椅子に横たえられた妹の頬を、いささかきつく叩いて起こした。そうして、目ざめた途端、「皓月!」と飛び起きた泉果を制して、
「よく聞け。こうなったら、お前が使者に立つのだ」
「わ、わたくしが!?」
「閣下……」
すぐさま降参することを期待していた将たちは、あからさまに落胆した。
戦のことだけ考えていればいいお前たちとは、立場が違うのだと。喉元まで出かけたのを、弓庭後は必死でこらえた。
これ以上、彼らの士気を下げるわけにはいかない。
妹の肩に手をかけ、まっすぐ目を見て言い聞かせた。
「敵陣まで行けとは言わない。門前で敵将を呼び寄せ、交渉に応じるよう盈月に伝えさせろ。正妃相手では敵もさすがに攻撃できまいし、伝言を無視されることもないはず」
泉果は怯えて躊躇したものの、皓月のためだと言うとどうにか応じた。
この妹が王の寵愛を得られていればと、今さらながら、弓庭後は深く落胆する。
どうにか得た子供も、双子や王女の資質には遠く及ばないし。
――今はともかく、事態を打開しなければ。
泉果に指示を出していると、城全体が、ズン、と連続して衝撃を受けた。
「何だ!?」
「誰か! 今のは何だ!」
驚愕する中、執事がよろめきながらやって来た。
「旦那様、大変です! 西の門に……!」
それだけ言って腰を抜かした執事を置いて、皆が西門を見下ろすことのできる部屋まで走った。
そうして、そろって絶句した。
吹雪になぶられる黄金の髪、堂々たる体躯の男が、すでに破壊された門の内側に立っている。
領民たちは西の門にも押し寄せていたらしいが、彼らも今や、警備にあたる兵たちと共に、雪の上に跪き恍惚とその男を見上げていた。
そこにいるのは、盈月――まごうことなき虎の王。
と、視線を感じたか、明るい笑顔がこちらを見上げた。
目が合うと、ちょいちょいと人差し指を動かす。出てこいと言うように。
が、すぐに反応できずにいると、急に部屋の端の窓が割られた。大きな石が投げ込まれたのだ。途端、雪が吹き込み、室内を風が渦巻く。
驚愕した一同がとっさに見下ろした先には、常に王に付き従う巨木のような侍従長が、その手に瓦礫を掴んで立っていた。
侍従長は低いがよく通る声で、「申し上げます」と瓦礫を掲げた。
「こちら、城の西壁を少々壊して作った瓦礫にございます」
「……は!?」
「なんですって!?」
驚きのあまり声が戻った。
弓庭後兄妹が目を剥いた先、羆の侍従長はいつものように微笑んで、
「少し丸太を壁にぶつけてみましたら、ひび割れました」
平然と言う。
それはもしや、破城槌のようなものではないのか。さっきの揺れと轟音もそれか。
ただし、そのための装置は無く――
盈月が「昔はよく、城攻めするとき二人がかりでやったよな」と笑った。
「久し振りにやったら、やっぱ楽しいわ」
「陛下との共同作業ですので、修繕費が必要でしたら陛下宛てでお願いいたします」
たった二人で破城槌。
だがその言葉が誇張でも冗談でもないことを、弓庭後は知っている。
それこそ怪物級の馬鹿力のこの二人は、本当に丸太すら振り回せるのだから。
二人を囲む兵士たちが、感極まったように、こぶしを何度も突き上げた。
「国王陛下万歳!」
「伝説の、陛下と刹淵侍従長のご活躍を、この目で見られるとは!」
兵士たちの興奮につられたか、領民たちも口々に王を称えた。
「やはり我らを守ってくださるのは、王族の皆様だ!」
「弓庭後侯爵はいざというとき、簡単に我らを見捨てるとよくわかった」
歓呼に応えながら、盈月はもう一度、弓庭後に向け指をクイクイと動かした。
「わざわざお迎えに来てやった王を、いつまで待たせるつもりだ? 出てこねえならこっちから、壁に大穴開けて入るぞ。――それとも、うちの可愛い息子たちを楽しませる玩具として、八つ裂きにされたいか?」
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