俺が白月蒼子を嫌う理由

ユウキ ヨルカ

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葉原と感動的に再開の言葉を交わし合った後、蒼子は俺たちが不在の間、部の手伝いをしてくれた輝彦と誠に向かって深く頭を下げた。


「天童くん、霞ヶ原くん。私のせいで2人には大きな迷惑をかけてしまったわね。……本当にごめんなさい。そして、ありがとう」

2人はそんな蒼子を見て、一瞬大きく目を見開くと互いに顔を見合わせ、困ったような笑みを浮かべながら口を開いた。


「白月さん、顔を上げてくれ。俺たちは、これっぽっちも迷惑だなんて思っていねぇよ。むしろ、晴人に頼み事をされたのが嬉しくてたまらねぇんだ! 」

「輝彦の言う通り、こんなの迷惑のうちに入らないよ。……それと、これは晴人と白月さん2人に言えることだけど、これからはもっと僕たちを頼ってよ。僕も輝彦も、2人みたいに特別優秀ってわけじゃないけど、手助けするくらいならいくらでも出来るからさ」

俺と蒼子は、そう言って微笑みを浮かべる2人の言葉を聞いて一瞬目を見合わせると、2人と同じように口元に笑みを浮かべながら言葉を返した。


「……あぁ、そうさせてもらうよ」

***

そうして一通り言葉を交わし合った後、俺と蒼子も3-3教室の後片付けに加わり、約20分ほどで元の教室の状態へと戻すことが出来た。

夏休みから製作を始め、この2日間で沢山の参加者の瞳にあの星空を映してきたプラネタリウムは丁寧に分解し、来年の文化祭まで部室でしっかりと保存することになった。また、教室の壁や黒板に貼られていた写真も、部室にあるポスターと並んで部屋に飾られることに決まった。

こうして、俺たちの活動の記録は形として未来に受け継がれていく。

……来年も、再来年も、ずっとずっと先の未来まで残り続けていくのだ。


そんなことを考えながら備品を部室に運び終えた後、俺たちは、そのままクラスの打ち上げ会に参加するという輝彦と誠と一度別れることになった。
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