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落ちるトラップって危険度高いと思う
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「ほら、遊んでないでさっさと行くでありんすよ」
「はい…」
まだ始まってないのに俺の体力は赤ゲージ。
瀕死から始まるとかハードすぎる…。
*
「普通のダンジョンだな」
「行ったことあるの?」
「いや、ないけど」
どっちかというとクロのほうが行ったことありそうだけど。
行ってあ事あるならアドバイスを聞きたいな。
「でも迷子になってたからなぁ…」
「なんとなくわかったけどダンジョンなら私も始めてよ」
「意外だね」
「わざわざ行く必要がなかったからね」
そりゃあ外に出ても恐れられる存在だからな。
何かを求めに行くってこともしなかったんだろう。
「それで誰が先導するの?」
「わっちが前に出てあげても――」
「シロが行くー!」
「……」
さすがシロ!
こういう時は前にグイグイ行くね。
「ほ、ほら、行こうよフウちゃん」
「わっちも前に出たかった…」
「どうしたの?」
「なんでもないでありんす!」
後ろでラウくんとフウちゃんが話しているけど。
あの二人あうなぁ。
権力は絶対フウちゃんが持っちゃうけど。
「ガウは前に出なくていいの?」
「モウ、マエニデタクナイ」
「…ごめん」
リーシュちゃんに前に立たされたんだっけ。
悪いことしたな。
「じゃあ俺とシロが前に出るよ」
「なんだかんだジルも前に出たかったのか」
「ジルは目立ちたがりだねー!」
「いや、シロが前に行くと心配なんだよ」
「「「「「たしかに」」」」」
「みんなひどーい!」
事実は事実。
この前も勝手に動いて罠に引っかかったんだから。
「じゃあいこー!」
「あっ!おい!」
ガゴッ
「「「「「ん?」」」」」
足元がスース―する。
これってまさか…。
「「「「「おちてるー!!」」」」」
「うわああぁぁぁ!!??」」
*
「いててて」
「みんないるー?」
「いるよー…」
まさか落下のトラップまであるとは。
というかここで落ちたら最初の層を攻略できないじゃないか。
「そういえばケガがないな」
「みんなもないみたいね」
おかしくない?
少なくとも2階から落ちたぐらいだし。
「「も、もしかして…」」
「!!!!!」
「「みんな!!にげろー!!」」
下に大きなスライムがいた。
「なにこれー!でっかーい!」
「ばかっ!あぶねーだろ!」
「大丈夫みたいだよー?」
あれ?ほんとだ。
なんでだろう?
「これのおかげなのかしら?」
「前の干し肉?」
「そうそう。美味しかったから…はっ!」
「…意地汚いね」
「ちっちがうの!!」
クロ、それはやりすぎ。
でも昨日出たまんまだな。
「よく汚さず持ってたね」
「魔法で保存していたからね」
「まあそれでももうやらないほうがいいよ」
「わかってるわよ!」
干し肉美味いといえば美味いけどなぁ。
硬くて顎がつらいのが難点。
細かくして食べればおやつにもなりそうだな。
「この子どうするー?」
「話せるなら道を聞きたいけど」
まさかしゃべれないよな。
「しゃべれるよ…だってさ!」
「うそだろ!?」
「ほら!ここ!」
シロの近くに滲みがある。
色を変えて文字を表現しているのか。
「ほんとだ…」
「名前はあるのー?」
一回消えて新しい滲みが浮かび上がった。
「マルマルだって!」
「よろしくな、マルマル」
手を差し出したら握手し返してくれた。
器用だな。
みんなも順々に握手をした。
「リーシュちゃんはしないのー?」
「う、うん」
「???」
マルマルは手?を差し出したままキョトンとしている。
本当にしているかはわからないけど。
「ほら、マルマルが可哀そうだろう?」
「うっ!…わかったわよ!」
「!」
「ひぃ!」
「ひぃ?」
「ヌルヌル系はだめなのよ!」
そこまでヌルヌルはしてないけど。
というかヌルヌルしてたらシロはつかんでないぞ。
「思い込みか」
「悪い!無理なものは誰でもあるでしょ!」
「う、うん。悪かったって」
そんな半泣きにならなくても。
無理させないほうがよかったか。
「???」
「あぁ、ごめんごめん。マルマルは悪くないから」
「!!」
「そうだ道!」
忘れていた。
人数が人数だから挨拶すると忘れちゃう。
「道って教えてもらえる?」
「!!」
握手の時の手でOKサイン。
もしかしてだけど。
「人間の姿になれたりできるの?」
「…!!」
「「「「「おおぉ!!」」」」」
少し迷ったあとうにょうにょ動いて調整している。
あんなに大きかったのに人の形になっていく。
高校生ぐらいの大きさに。
「「うおおぉぉ!!」」
「クロちゃん!」
「わかったわ!リーシュちゃん!」
ぐきっ!
「「いてええぇぇぇ!!」」
スライムが女性の形に!
ってところで首をぐきっと。
いいシーンが!!
「なんでオレたちだけ…」
「ラウくんは?」
「ちょっ!フウちゃん!?」
「見てはいけないでありんす!」
なにあれ?羨ましいんだけど。
こっちは首が死にかけたのに。
向こうは抱きつかせている。
「ジルくん、大丈夫?」
「うん。大丈夫だ…よ?」
後ろから声がしたけどみんな目の前にいるんだよね。
後ろにはマルマルしかいないけど。
「しゃべれるの!?」
「うん。ここでは、人の言葉を、しゃべる生物が、いないからね」
「へぇ!ならさっきもそうすればよかったのに」
「人型に、ならないと、だめ」
少し片言なのはそのせいか。
ちなみにしっかり服は着せられている。
「かわいいー!」
「ね!やっぱり合ってたわ!」
「ありが、とう?」
「どこからだしたの?」
「私の魔法で取り出したのよ」
「すごっ!移動に使えないの?」
「力がしっかり使えたらできるけど今は物を移動するぐらいしか使えないわ」
それでも便利だな。
干し肉もそうできればよかったね。
「はい…」
まだ始まってないのに俺の体力は赤ゲージ。
瀕死から始まるとかハードすぎる…。
*
「普通のダンジョンだな」
「行ったことあるの?」
「いや、ないけど」
どっちかというとクロのほうが行ったことありそうだけど。
行ってあ事あるならアドバイスを聞きたいな。
「でも迷子になってたからなぁ…」
「なんとなくわかったけどダンジョンなら私も始めてよ」
「意外だね」
「わざわざ行く必要がなかったからね」
そりゃあ外に出ても恐れられる存在だからな。
何かを求めに行くってこともしなかったんだろう。
「それで誰が先導するの?」
「わっちが前に出てあげても――」
「シロが行くー!」
「……」
さすがシロ!
こういう時は前にグイグイ行くね。
「ほ、ほら、行こうよフウちゃん」
「わっちも前に出たかった…」
「どうしたの?」
「なんでもないでありんす!」
後ろでラウくんとフウちゃんが話しているけど。
あの二人あうなぁ。
権力は絶対フウちゃんが持っちゃうけど。
「ガウは前に出なくていいの?」
「モウ、マエニデタクナイ」
「…ごめん」
リーシュちゃんに前に立たされたんだっけ。
悪いことしたな。
「じゃあ俺とシロが前に出るよ」
「なんだかんだジルも前に出たかったのか」
「ジルは目立ちたがりだねー!」
「いや、シロが前に行くと心配なんだよ」
「「「「「たしかに」」」」」
「みんなひどーい!」
事実は事実。
この前も勝手に動いて罠に引っかかったんだから。
「じゃあいこー!」
「あっ!おい!」
ガゴッ
「「「「「ん?」」」」」
足元がスース―する。
これってまさか…。
「「「「「おちてるー!!」」」」」
「うわああぁぁぁ!!??」」
*
「いててて」
「みんないるー?」
「いるよー…」
まさか落下のトラップまであるとは。
というかここで落ちたら最初の層を攻略できないじゃないか。
「そういえばケガがないな」
「みんなもないみたいね」
おかしくない?
少なくとも2階から落ちたぐらいだし。
「「も、もしかして…」」
「!!!!!」
「「みんな!!にげろー!!」」
下に大きなスライムがいた。
「なにこれー!でっかーい!」
「ばかっ!あぶねーだろ!」
「大丈夫みたいだよー?」
あれ?ほんとだ。
なんでだろう?
「これのおかげなのかしら?」
「前の干し肉?」
「そうそう。美味しかったから…はっ!」
「…意地汚いね」
「ちっちがうの!!」
クロ、それはやりすぎ。
でも昨日出たまんまだな。
「よく汚さず持ってたね」
「魔法で保存していたからね」
「まあそれでももうやらないほうがいいよ」
「わかってるわよ!」
干し肉美味いといえば美味いけどなぁ。
硬くて顎がつらいのが難点。
細かくして食べればおやつにもなりそうだな。
「この子どうするー?」
「話せるなら道を聞きたいけど」
まさかしゃべれないよな。
「しゃべれるよ…だってさ!」
「うそだろ!?」
「ほら!ここ!」
シロの近くに滲みがある。
色を変えて文字を表現しているのか。
「ほんとだ…」
「名前はあるのー?」
一回消えて新しい滲みが浮かび上がった。
「マルマルだって!」
「よろしくな、マルマル」
手を差し出したら握手し返してくれた。
器用だな。
みんなも順々に握手をした。
「リーシュちゃんはしないのー?」
「う、うん」
「???」
マルマルは手?を差し出したままキョトンとしている。
本当にしているかはわからないけど。
「ほら、マルマルが可哀そうだろう?」
「うっ!…わかったわよ!」
「!」
「ひぃ!」
「ひぃ?」
「ヌルヌル系はだめなのよ!」
そこまでヌルヌルはしてないけど。
というかヌルヌルしてたらシロはつかんでないぞ。
「思い込みか」
「悪い!無理なものは誰でもあるでしょ!」
「う、うん。悪かったって」
そんな半泣きにならなくても。
無理させないほうがよかったか。
「???」
「あぁ、ごめんごめん。マルマルは悪くないから」
「!!」
「そうだ道!」
忘れていた。
人数が人数だから挨拶すると忘れちゃう。
「道って教えてもらえる?」
「!!」
握手の時の手でOKサイン。
もしかしてだけど。
「人間の姿になれたりできるの?」
「…!!」
「「「「「おおぉ!!」」」」」
少し迷ったあとうにょうにょ動いて調整している。
あんなに大きかったのに人の形になっていく。
高校生ぐらいの大きさに。
「「うおおぉぉ!!」」
「クロちゃん!」
「わかったわ!リーシュちゃん!」
ぐきっ!
「「いてええぇぇぇ!!」」
スライムが女性の形に!
ってところで首をぐきっと。
いいシーンが!!
「なんでオレたちだけ…」
「ラウくんは?」
「ちょっ!フウちゃん!?」
「見てはいけないでありんす!」
なにあれ?羨ましいんだけど。
こっちは首が死にかけたのに。
向こうは抱きつかせている。
「ジルくん、大丈夫?」
「うん。大丈夫だ…よ?」
後ろから声がしたけどみんな目の前にいるんだよね。
後ろにはマルマルしかいないけど。
「しゃべれるの!?」
「うん。ここでは、人の言葉を、しゃべる生物が、いないからね」
「へぇ!ならさっきもそうすればよかったのに」
「人型に、ならないと、だめ」
少し片言なのはそのせいか。
ちなみにしっかり服は着せられている。
「かわいいー!」
「ね!やっぱり合ってたわ!」
「ありが、とう?」
「どこからだしたの?」
「私の魔法で取り出したのよ」
「すごっ!移動に使えないの?」
「力がしっかり使えたらできるけど今は物を移動するぐらいしか使えないわ」
それでも便利だな。
干し肉もそうできればよかったね。
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