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一
しおりを挟む何ていい天気でしょう!
一日の始まりの朝、今日は洗濯するのにいい日ですわ!
「鷹華!いつまで干しているの!終わったら他の班の手伝いをして!」
「はーい!終わったらすぐ行きまーす!」
私は実業家のお屋敷の給仕をしています。
え?なんでこの仕事を選んだのですって?
それはもちろん、憧れていたからです!
私の母も給仕の仕事をしていて、その背中を見て育ちました。
気づいたら給仕に憧れて必死に勉強をし、今に至りました。
「干し終わりました!何か手伝うこと……あっ!」
私はどこへ行っても給仕ができるようにいろいろと覚えました。
料理に洗濯はもう群を抜いていると自負しております!
「では料理のお手伝いをしますね」
「待って鷹華!!あなたは掃除のお手伝いをしてちょうだい」
「えっ?あ、はい。分かりました」
どうしてでしょうか?包丁を持とうとしたら必死に止められちゃいました。
私も料理をしたかったのですのに……。
「あっ!ご主人様!!」
「おはよう鷹華。今日も早いね」
「はい!これがお仕事なので!」
この方はこのお屋敷のご主人様です。凛々しいお顔で背もお高い。
噂によるとたくさんの女性から求婚されているようですが全部お断りになっているそうです。
「そうだ。この間市場に行ったときに君に似合いそうな髪飾りを見つけたんだ」
「いえいえ!私ごときにもったいないです!」
「そう言うな、もう買ってしまったんだ。俺が付けるのもおかしいだろう?」
桜色の髪飾り。確かに男性が付けるのはおかしいですね。
「分かりました。頂きます」
「つけてあげるからちょっと頭を下げてもらえる?」
「そ、そんなこと――」
「『そんなことまでしてもらうわけにはいきません』はなし。いいからいいから」
ご主人様は少し強引です…。私を恥じらわせて楽しいのでしょうか?
でも、このような方に付けてもらえるのは正直うれしいです。
「うん。思った通り似合っているよ、可愛い」
「本当ですか!」
今までは給仕ばかりに目を向けていて、こういう事は今までしませんでした。
それに可愛い……。異性の方に言われたのは初めてございます。
わ、私顔が赤くなっていませんかね?
「あ、ごめんね。何か仕事があったんだろう?」
「そうでした!髪飾りありがとうございます。仕事に戻らなければならないのでここで失礼します」
「ああ。がんばってね」
そうでした。今はまだ朝の仕事中。掃除のお手伝いをしないと!
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