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さて、俺はどうしようか。
倒していくとしたら万能立方体で戦うのが楽そうだな。
それとは逆に、極力避けていくのもありだ。
なんて考えていると、倒しやすいと思ったのか、俺をターゲットにして敵がやってくる。
「子供がこんなところに――ぐふっ!」
「やあ!昨日ぶりだね」
そんなやってきた敵を一蹴してやってきたのはカロルだった。
「なんだ?先に潰しに来たのか?」
「いやいや、ヒビくんとはこんなところではなく、トーナメントで戦いたいからね」
「なら手助けか?」
「そうそう。ここは共闘しようじゃないか」
理由はさておき、俺にとっても都合がいい。
結局戦うことになるだろうし、周りに気を配りながら戦うよりはトーナメントで戦った方が楽。
何より、カロル相手ならまだしも、他の人に当たったら死にかねない。
「仲間はどうした?」
「あ、見てたのね。サザンって言うんだけど、あいつなら参加していないよ。こういうの興味ないみたいだし」
それは良い情報だ。
警戒しているやつが出ないとなると、気が楽になる。
ならさっさと終わらせようか。
「万能立方体」
「へぇー面白い魔法を使うね。いや能力?」
「魔法だ。カロルと戦わないならこれで十分だろうからな」
現に1個だけで何人か倒せている。
カロルは魔法を使うことなく素手で敵を倒していく。
強いやつはカロルだけだったのか?
「って、そんな簡単には行かないな」
「どうしたの?」
「こっちはやめるぞ。別の方へ行こう」
「りょーかい!どういう訳かは分からないけど」
今、奥に飛ばした万能立方体が破壊された。
しかも一瞬で反応が消えたところから考えると、一撃でだ。
バトルロイヤルは1個だけで行けると思ったが、しっかり強いやつが隠れているじゃないか。
となると、厄介なのは今壊したやつとカロルの2人だな。
顔だけでも確認したかったが、壊されたばかりの今は鉢合わせるのは回避しておきたい。
数も減っていき、残りわずかとなった。
あの後から戦っているが、骨のあるやつはいない。
あと少しで終わりだが、段々と面倒くさい相手がちらほらいる。
「うおおおおぉぉ!!」
「衝」
「効かん!」
押し出しでアウトにさせようにも、一筋縄ではいかない。
特に獣人が強すぎる。
今けっこう強く打ったんだが、それでも受け切っている。
足での踏ん張りが強すぎるな。
「まだまだあああぁぁ!――うおっ!?」
「氷床。じゃあね!」
「くそおおおぉぉ!!!」
足で踏ん張るから、その足を使えなくさせる。
カロルとは今、共闘しているからいいが、やっぱり敵にすると厄介だ。
隙を見て押し出そうと思ったが、真後ろですら隙が無い。
それにしても、さっき万能立方体を壊したやつはどいつだ?
そろそろ顔が割れてもおかしくはないんだが。
「魔法矢!」
「ざんねーん。遅すぎるぞー?」
「それはどうかな?」
弓を射るエルフと軽々避けるチーターの獣人。
遅いと言っているが、弓だから普通に見たら遅いわけがない。
逆にチーターの獣人が速過ぎるんだ。
「何を言って――んなっ!?」
「1度避ければ安全とは限らないわよ?」
「く…そが…」
さきほど飛んできた矢がチーターの獣人へと刺さっている。
後ろに行った矢は、方向を変えて背中に当たったようだ。
死ぬことはなく、見た感じは麻痺しているようだ。
俺の目がおかしくなっていなかったら、矢は急に方向を変えた。
ブーメランのようにならまだ分かるが、言葉通りくるりと回った。
魔法矢と言っていたから、方向が変わる効果でもあるのだろう。
問題は今のうちに倒しておくべきかだ。
これぐらいなら今のうちに――
「ここで残り10人となりましたあああぁぁ!!試合終了です!!」
「あ、終わったみたいだね」
残念だが、ここでバトルロイヤルが終了。
結局万能立方体を壊したやつが見つからないうえに、エルフも倒せなかった。
バトルロイヤルが終わると、トーナメントの対戦表が出来るまで休憩とのこと。
10人まで残ったからシオリも気づいたかもと思ったが、国王の席には誰もいない。
いつの間に帰ったんだ?
「ヒビ、お疲れ様です」
「メアリ。どうやって来たんだ?」
「普通に来れましたよ?休憩中ですから、観客も休憩をしていますし」
だから闘技場内ではないここ近くまで人が多いのか。
残ったやつらの顔は覚えているが、人が多くて分からない。
残っているとしたら…。
「この子は?」
「メアリです。ヒビの…お嫁さんです」
そう言って俺の腕へと寄り添ってきた。
可愛いのはいいんだが、人前だとやっぱり恥ずかしい。
「へぇー。ふむふむ…」
「えっ?なんですか…?」
「君がヒビくんの…」
カロルはジロジロとメアリを見る。
不快に感じ、俺はメアリとカロルの間に割るこんだ。
「ん?」
「ジロジロ見るのはやめろ。これからは敵になるんだぞ」
「ごめんごめん。そんなに大切なんだね」
「当たり前だ」
カロルは笑うと、選手用の待機室へと向かった。
「そっかそっか。じゃあまた後でね」
「随分と自由な人ですね」
「ああ見えても、俺でも分からない強さだからな」
もしかしたら1回戦目から当たるかもしれないんだ。
予定通り、カロルと戦うまで新しい技を使わなくて済んでよかった。
「そうでした。これをどうぞ」
「飯か。ありがとう」
「いえいえ。次も頑張ってくださいね?」
「もちろんだ」
サンドウィッチを渡されたから食べてみる。
もちろん美味しいが、メアリの視線がすごく気になる。
「食べたいならメアリも食べればいい」
「あ、じゃあ少しだけ…」
結局メアリと2人で食べることに。
こういう時でもしっかりと腹は空くんだな。
倒していくとしたら万能立方体で戦うのが楽そうだな。
それとは逆に、極力避けていくのもありだ。
なんて考えていると、倒しやすいと思ったのか、俺をターゲットにして敵がやってくる。
「子供がこんなところに――ぐふっ!」
「やあ!昨日ぶりだね」
そんなやってきた敵を一蹴してやってきたのはカロルだった。
「なんだ?先に潰しに来たのか?」
「いやいや、ヒビくんとはこんなところではなく、トーナメントで戦いたいからね」
「なら手助けか?」
「そうそう。ここは共闘しようじゃないか」
理由はさておき、俺にとっても都合がいい。
結局戦うことになるだろうし、周りに気を配りながら戦うよりはトーナメントで戦った方が楽。
何より、カロル相手ならまだしも、他の人に当たったら死にかねない。
「仲間はどうした?」
「あ、見てたのね。サザンって言うんだけど、あいつなら参加していないよ。こういうの興味ないみたいだし」
それは良い情報だ。
警戒しているやつが出ないとなると、気が楽になる。
ならさっさと終わらせようか。
「万能立方体」
「へぇー面白い魔法を使うね。いや能力?」
「魔法だ。カロルと戦わないならこれで十分だろうからな」
現に1個だけで何人か倒せている。
カロルは魔法を使うことなく素手で敵を倒していく。
強いやつはカロルだけだったのか?
「って、そんな簡単には行かないな」
「どうしたの?」
「こっちはやめるぞ。別の方へ行こう」
「りょーかい!どういう訳かは分からないけど」
今、奥に飛ばした万能立方体が破壊された。
しかも一瞬で反応が消えたところから考えると、一撃でだ。
バトルロイヤルは1個だけで行けると思ったが、しっかり強いやつが隠れているじゃないか。
となると、厄介なのは今壊したやつとカロルの2人だな。
顔だけでも確認したかったが、壊されたばかりの今は鉢合わせるのは回避しておきたい。
数も減っていき、残りわずかとなった。
あの後から戦っているが、骨のあるやつはいない。
あと少しで終わりだが、段々と面倒くさい相手がちらほらいる。
「うおおおおぉぉ!!」
「衝」
「効かん!」
押し出しでアウトにさせようにも、一筋縄ではいかない。
特に獣人が強すぎる。
今けっこう強く打ったんだが、それでも受け切っている。
足での踏ん張りが強すぎるな。
「まだまだあああぁぁ!――うおっ!?」
「氷床。じゃあね!」
「くそおおおぉぉ!!!」
足で踏ん張るから、その足を使えなくさせる。
カロルとは今、共闘しているからいいが、やっぱり敵にすると厄介だ。
隙を見て押し出そうと思ったが、真後ろですら隙が無い。
それにしても、さっき万能立方体を壊したやつはどいつだ?
そろそろ顔が割れてもおかしくはないんだが。
「魔法矢!」
「ざんねーん。遅すぎるぞー?」
「それはどうかな?」
弓を射るエルフと軽々避けるチーターの獣人。
遅いと言っているが、弓だから普通に見たら遅いわけがない。
逆にチーターの獣人が速過ぎるんだ。
「何を言って――んなっ!?」
「1度避ければ安全とは限らないわよ?」
「く…そが…」
さきほど飛んできた矢がチーターの獣人へと刺さっている。
後ろに行った矢は、方向を変えて背中に当たったようだ。
死ぬことはなく、見た感じは麻痺しているようだ。
俺の目がおかしくなっていなかったら、矢は急に方向を変えた。
ブーメランのようにならまだ分かるが、言葉通りくるりと回った。
魔法矢と言っていたから、方向が変わる効果でもあるのだろう。
問題は今のうちに倒しておくべきかだ。
これぐらいなら今のうちに――
「ここで残り10人となりましたあああぁぁ!!試合終了です!!」
「あ、終わったみたいだね」
残念だが、ここでバトルロイヤルが終了。
結局万能立方体を壊したやつが見つからないうえに、エルフも倒せなかった。
バトルロイヤルが終わると、トーナメントの対戦表が出来るまで休憩とのこと。
10人まで残ったからシオリも気づいたかもと思ったが、国王の席には誰もいない。
いつの間に帰ったんだ?
「ヒビ、お疲れ様です」
「メアリ。どうやって来たんだ?」
「普通に来れましたよ?休憩中ですから、観客も休憩をしていますし」
だから闘技場内ではないここ近くまで人が多いのか。
残ったやつらの顔は覚えているが、人が多くて分からない。
残っているとしたら…。
「この子は?」
「メアリです。ヒビの…お嫁さんです」
そう言って俺の腕へと寄り添ってきた。
可愛いのはいいんだが、人前だとやっぱり恥ずかしい。
「へぇー。ふむふむ…」
「えっ?なんですか…?」
「君がヒビくんの…」
カロルはジロジロとメアリを見る。
不快に感じ、俺はメアリとカロルの間に割るこんだ。
「ん?」
「ジロジロ見るのはやめろ。これからは敵になるんだぞ」
「ごめんごめん。そんなに大切なんだね」
「当たり前だ」
カロルは笑うと、選手用の待機室へと向かった。
「そっかそっか。じゃあまた後でね」
「随分と自由な人ですね」
「ああ見えても、俺でも分からない強さだからな」
もしかしたら1回戦目から当たるかもしれないんだ。
予定通り、カロルと戦うまで新しい技を使わなくて済んでよかった。
「そうでした。これをどうぞ」
「飯か。ありがとう」
「いえいえ。次も頑張ってくださいね?」
「もちろんだ」
サンドウィッチを渡されたから食べてみる。
もちろん美味しいが、メアリの視線がすごく気になる。
「食べたいならメアリも食べればいい」
「あ、じゃあ少しだけ…」
結局メアリと2人で食べることに。
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