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歩き始めて1時間。
まだまだ目的地までは遠いが、やることが景色をみることしかなく、会話が徐々に増えてきた。
「メアリは何か魔法を使えないのか?」
「使えますけど、あまり得意ではないですね」
「なら剣技とか拳法とかが得意なのか?」
「いえ、どちらかと言うと勉学のほうを」
だから魔法を使う素振りもなければ、剣を持っていないし戦う素振りもないわけだ。
まあ姫様だからそうかもしれないだろうが、もしものことを考えて何かをやらせるべきだとは思う。
なによりメアリはけっこう魔力があるのに、苦手なままにしておくのはもったいない。
「歩きながら簡単な魔法を教える」
「どうしてですか?」
「覚えておいて損はないだろう?」
「そうですね。覚えられるならぜひ覚えたいです!」
メアリに合う魔法か。
一般的にどういう順序で進めるのかは分からないため、俺の知っている魔法から探すことになる。
簡単なものなら何個か思い浮かぶが、歩きながらだとさらに限られる。
「まず魔法についてどれぐらい知っている?」
「自分の持っている魔力を用いる攻撃、援護、回復手段ですよね」
「そうだな。中でも攻撃の魔法はよく使われる」
本当はこっちでの使い方はよく知らないが、前の世界だと“魔法がある世界”では“魔法が一番使われる”という傾向がある。
それなら魔法を使ったほうが断然いいに決まっている。
「ちなみにだが、魔法だけではなく能力を混ぜたり、能力だけを使ったほうが威力や効果はある」
「あの角魔人が使っていたようなものですね」
「そうだ。あれこそいい例だ」
敵だが、こうして教える分にはいい例として活躍をしている。
敵だったのが悔やまれるほどにな。
「では私が放電を覚えれば、たくさんの人を回復できますね!」
「…お前はSか」
「エス?」
放電に回復を合わせるなんて誰得なんだ。
ドMじゃない限り誰も受けたがらないぞ。
「放電は“攻撃魔法”。もし回復を付けるなら“別の魔法”がいいだろう」
「そ、そうですね。キズを増やしては意味がないですからね」
まったくその通りだ。
また回復させてプラマイ0にするなら、やらないほうがいい。
それでだが、いい方法はないだろうか。
俺みたいに万能立方体をつくり、回復させたい相手に当てるのもいいと思う。
それを教えてもいいが、せっかくだし別の方法にしよう。
「よく見てろ。光虫」
「おぉ!綺麗です!!」
名前は適当だが、簡単に言えば光っている玉。
夜や洞窟など、暗いところで灯りとしても使える。
ホタルをイメージしてつくってみたが、熱があるわけでもないからこれに能力を付けてもうまく使えそうだ。
「でも虫はちょっと…」
「ならメアリが別の名前を付けてもいい。俺が何となく虫っぽかったから付けただけだからな」
「それなら…うーん…。できてから考えます!」
「好きにしたらいい」
それから歩きながらも練習をしていた。
メアリは魔力を多く持っているため、ノンストップでやれている。
だが、魔力が減ると同時に精神的にも疲れが出てくる。
適度に休憩を取るようにさせた。
それにしても、魔力の量がある割に使うのが生まれて初めて並みに不器用だ。
まるで何かが原因で使いづらくなっているようにも見えるが、何かあるのだろうか。
練習と休憩を交互にしたため時間がかかり、町へ着く少し前。
「出来ました!!」
「やっと出来たか。結構時間がかかったな」
「魔法はそんな簡単に出来ないものですよ!」
灯りを使う魔法だから、初級者向けだと思ったんだが。
まだ小さいものの、自由に動かせているから良しとしよう。
何よりすごく喜んでいるし。
「あとはそれを何個もつくることだな」
「えっ?」
「そりゃあそうだろう。何個もつくれなければ1つ1つ動かさなければならないんだから」
「そうでした…」
喜んでいるが、ようやくスタートラインに立っただけ。
後は数を増やし、能力を付けることだ。
灯りとして使うなら、もっと大きくする必要もあるな。
「まあよくやったと思う」
「ほんとっ!?」
「あ、ああ」
何故さらに喜んでいるんだ。
それに近い近い。
「それで名前は決まったのか?」
「光精霊、なんてどうかな?」
虫を精霊にしただけじゃないか。
まあそれでいいならそれでいいけど。
「いいんじゃないのか。お前らしいと言えばお前らしい」
「メ・ア・リ!!」
「…メアリらしいと言えばメアリらしい」
「もう…」
意外と面倒くさいやつだな。
そこまで名前にこだわるのかよ。
歩き始めて1時間。
まだまだ目的地までは遠いが、やることが景色をみることしかなく、会話が徐々に増えてきた。
「メアリは何か魔法を使えないのか?」
「使えますけど、あまり得意ではないですね」
「なら剣技とか拳法とかが得意なのか?」
「いえ、どちらかと言うと勉学のほうを」
だから魔法を使う素振りもなければ、剣を持っていないし戦う素振りもないわけだ。
まあ姫様だからそうかもしれないだろうが、もしものことを考えて何かをやらせるべきだとは思う。
なによりメアリはけっこう魔力があるのに、苦手なままにしておくのはもったいない。
「歩きながら簡単な魔法を教える」
「どうしてですか?」
「覚えておいて損はないだろう?」
「そうですね。覚えられるならぜひ覚えたいです!」
メアリに合う魔法か。
一般的にどういう順序で進めるのかは分からないため、俺の知っている魔法から探すことになる。
簡単なものなら何個か思い浮かぶが、歩きながらだとさらに限られる。
「まず魔法についてどれぐらい知っている?」
「自分の持っている魔力を用いる攻撃、援護、回復手段ですよね」
「そうだな。中でも攻撃の魔法はよく使われる」
本当はこっちでの使い方はよく知らないが、前の世界だと“魔法がある世界”では“魔法が一番使われる”という傾向がある。
それなら魔法を使ったほうが断然いいに決まっている。
「ちなみにだが、魔法だけではなく能力を混ぜたり、能力だけを使ったほうが威力や効果はある」
「あの角魔人が使っていたようなものですね」
「そうだ。あれこそいい例だ」
敵だが、こうして教える分にはいい例として活躍をしている。
敵だったのが悔やまれるほどにな。
「では私が放電を覚えれば、たくさんの人を回復できますね!」
「…お前はSか」
「エス?」
放電に回復を合わせるなんて誰得なんだ。
ドMじゃない限り誰も受けたがらないぞ。
「放電は“攻撃魔法”。もし回復を付けるなら“別の魔法”がいいだろう」
「そ、そうですね。キズを増やしては意味がないですからね」
まったくその通りだ。
また回復させてプラマイ0にするなら、やらないほうがいい。
それでだが、いい方法はないだろうか。
俺みたいに万能立方体をつくり、回復させたい相手に当てるのもいいと思う。
それを教えてもいいが、せっかくだし別の方法にしよう。
「よく見てろ。光虫」
「おぉ!綺麗です!!」
名前は適当だが、簡単に言えば光っている玉。
夜や洞窟など、暗いところで灯りとしても使える。
ホタルをイメージしてつくってみたが、熱があるわけでもないからこれに能力を付けてもうまく使えそうだ。
「でも虫はちょっと…」
「ならメアリが別の名前を付けてもいい。俺が何となく虫っぽかったから付けただけだからな」
「それなら…うーん…。できてから考えます!」
「好きにしたらいい」
それから歩きながらも練習をしていた。
メアリは魔力を多く持っているため、ノンストップでやれている。
だが、魔力が減ると同時に精神的にも疲れが出てくる。
適度に休憩を取るようにさせた。
それにしても、魔力の量がある割に使うのが生まれて初めて並みに不器用だ。
まるで何かが原因で使いづらくなっているようにも見えるが、何かあるのだろうか。
練習と休憩を交互にしたため時間がかかり、町へ着く少し前。
「出来ました!!」
「やっと出来たか。結構時間がかかったな」
「魔法はそんな簡単に出来ないものですよ!」
灯りを使う魔法だから、初級者向けだと思ったんだが。
まだ小さいものの、自由に動かせているから良しとしよう。
何よりすごく喜んでいるし。
「あとはそれを何個もつくることだな」
「えっ?」
「そりゃあそうだろう。何個もつくれなければ1つ1つ動かさなければならないんだから」
「そうでした…」
喜んでいるが、ようやくスタートラインに立っただけ。
後は数を増やし、能力を付けることだ。
灯りとして使うなら、もっと大きくする必要もあるな。
「まあよくやったと思う」
「ほんとっ!?」
「あ、ああ」
何故さらに喜んでいるんだ。
それに近い近い。
「それで名前は決まったのか?」
「光精霊、なんてどうかな?」
虫を精霊にしただけじゃないか。
まあそれでいいならそれでいいけど。
「いいんじゃないのか。お前らしいと言えばお前らしい」
「メ・ア・リ!!」
「…メアリらしいと言えばメアリらしい」
「もう…」
意外と面倒くさいやつだな。
そこまで名前にこだわるのかよ。
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