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奇跡の花
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「まずは恐竜の倒し方から教えるよ」
なんかスロウの授業が始まった。
そんなことをしなくても倒せる方法は何個か思い浮かんでいるけど……。
まあ聞いておくだけ聞いておこう。
「まず、やつらは花を探すために嗅覚が尖っている。だから――」
まだ遠いが、奥から地響きと共に恐竜たちがやってきた。
それも1匹や2匹どころではなく5体も。
「もう花がなくて草しかないこれにも反応してやってくるんだ」
少し待つと、遠くにいた恐竜たちがこちらまでやってきた。
別の種類もいるが、どれも全部大きい。
「数が多いから範囲系魔法で一掃したくなるだろう?」
「そりゃあ楽だからな」
「じゃあやってみよう。豪炎球」
小さな火種が飛ぶと、5匹を巻き込んで一気に燃え広がった。
火力も十分にあり、恐竜たちは粉々になるまで燃え尽きた。
火が消えると、恐竜の残骸は粉となり、上には5個の球体が浮かんでいた。
「あれはなんだ?」
「あれは恐竜の核。どういうわけか、恐竜にはああいった核があり、なぜか魔法が効かない」
魔法が効かないか。
そうなるとファラの出番がなくなってしまうな。
「でもあれだけしか残っていないなら放っておいてよくないか?」
「そう思うだろう?もう少し経つと…ほら」
地面の砂が急に動き出し、核を覆った。
いや、砂ではなく燃えた時のチリなんだろう。
それに加えて砂などが混ざっている。
足りない分を足しているようで、最終的には恐竜と同じ大きさになった。
そして何もなかったかのように恐竜が復活したのだ。
「あんな風に核だけを残してしまうと復活してしまうんだ」
「だから核まで潰せってことか。魔法が効かないっていたが、斬ったり砕いたりすればいいのか?」
「正解。ただししっかりと壊してね。壊さないで近くによるとたまに引っ張られるから」
こわっ!
ということは、下手に突っ込んで押し負けたら恐竜の一部になるってこと?
そう考えると怖いな。
「核は大体頭にある。移動したりしないから頭を木っ端みじんに斬れば楽だね」
「簡単に言うなあ」
「でもできるでしょう?」
まあできるけど、もっといい方法がありそう。
そもそも本当に魔法が効かないのか?
「復活した恐竜だが、練習に使っていいか?」
「構わないよ。そのためにあの本を開いて呼んだんだから」
まるでまきえのような扱いだな。
数は少し多いが、練習には十分だ。
まずは試しに魔法でやってみよう。
「岩炎の渦」
「ガガガガッ!」
おっ、効果はありそうだ。
が、核はしっかりと残っていた。
マグマでも溶けたりしないのか。
「それじゃあだめだよー。しっかりと核を潰さないと」
「わかってるって」
しょうがなく、俺は斬龍頭を取り出して頭を手当たり次第に斬った。
ようやく核の感触があり、恐竜を倒せた。
「これは面倒くさいなあ」
「でも僕はそれを何年もやっているからね」
「それでも進歩なかったと」
「なにをー!」
痛いところを突かれたのか、スロウは少し慌てていた。
「ねえ、核を砕けばいいのよね?」
「そうだよ。ハンマーで潰したりできるけど」
「わかったわ」
ファラは前に出て、そして魔法を使い始めた。
「絶対氷結!」
恐竜に魔法が当たると、恐竜はピクリとも動かなくなるほど凍った。
4匹中3匹が凍った。
残り1匹はメル用として足だけを凍らせていた。
「うーん、いいと思うけど氷魔法だとそのうち溶けてしまうよ」
「大丈夫よ。見ててちょうだい」
ファラは手を握ると、それに合わせたように凍った恐竜は砕けた。
中まで凍っているため、核もその時に一緒に砕けた。
「これはすごいなあ。氷系はあまり使ったことが無いから僕には分からなかったよ」
魔法が効かない、わけではなかったようだ。
もしくはファラの魔法が強すぎて限界を突破したとかだったり。
「あとはメルだけど……」
「僕の場合は直接斬ったり砕いたりした方が早いと思うよ!」
「だよねー」
一応試しということで最後の1匹。
メルは恐竜の頭と同じ高さまで飛ぶと、霊槍クリスタルフレイムを取り出して一突き。
見事に核を当てたのだ。
「まさか一発で核を当てるとは……」
スロウはこれまでにないほど驚いていた。
この感覚、雪山以来だなあ。
なんかスロウの授業が始まった。
そんなことをしなくても倒せる方法は何個か思い浮かんでいるけど……。
まあ聞いておくだけ聞いておこう。
「まず、やつらは花を探すために嗅覚が尖っている。だから――」
まだ遠いが、奥から地響きと共に恐竜たちがやってきた。
それも1匹や2匹どころではなく5体も。
「もう花がなくて草しかないこれにも反応してやってくるんだ」
少し待つと、遠くにいた恐竜たちがこちらまでやってきた。
別の種類もいるが、どれも全部大きい。
「数が多いから範囲系魔法で一掃したくなるだろう?」
「そりゃあ楽だからな」
「じゃあやってみよう。豪炎球」
小さな火種が飛ぶと、5匹を巻き込んで一気に燃え広がった。
火力も十分にあり、恐竜たちは粉々になるまで燃え尽きた。
火が消えると、恐竜の残骸は粉となり、上には5個の球体が浮かんでいた。
「あれはなんだ?」
「あれは恐竜の核。どういうわけか、恐竜にはああいった核があり、なぜか魔法が効かない」
魔法が効かないか。
そうなるとファラの出番がなくなってしまうな。
「でもあれだけしか残っていないなら放っておいてよくないか?」
「そう思うだろう?もう少し経つと…ほら」
地面の砂が急に動き出し、核を覆った。
いや、砂ではなく燃えた時のチリなんだろう。
それに加えて砂などが混ざっている。
足りない分を足しているようで、最終的には恐竜と同じ大きさになった。
そして何もなかったかのように恐竜が復活したのだ。
「あんな風に核だけを残してしまうと復活してしまうんだ」
「だから核まで潰せってことか。魔法が効かないっていたが、斬ったり砕いたりすればいいのか?」
「正解。ただししっかりと壊してね。壊さないで近くによるとたまに引っ張られるから」
こわっ!
ということは、下手に突っ込んで押し負けたら恐竜の一部になるってこと?
そう考えると怖いな。
「核は大体頭にある。移動したりしないから頭を木っ端みじんに斬れば楽だね」
「簡単に言うなあ」
「でもできるでしょう?」
まあできるけど、もっといい方法がありそう。
そもそも本当に魔法が効かないのか?
「復活した恐竜だが、練習に使っていいか?」
「構わないよ。そのためにあの本を開いて呼んだんだから」
まるでまきえのような扱いだな。
数は少し多いが、練習には十分だ。
まずは試しに魔法でやってみよう。
「岩炎の渦」
「ガガガガッ!」
おっ、効果はありそうだ。
が、核はしっかりと残っていた。
マグマでも溶けたりしないのか。
「それじゃあだめだよー。しっかりと核を潰さないと」
「わかってるって」
しょうがなく、俺は斬龍頭を取り出して頭を手当たり次第に斬った。
ようやく核の感触があり、恐竜を倒せた。
「これは面倒くさいなあ」
「でも僕はそれを何年もやっているからね」
「それでも進歩なかったと」
「なにをー!」
痛いところを突かれたのか、スロウは少し慌てていた。
「ねえ、核を砕けばいいのよね?」
「そうだよ。ハンマーで潰したりできるけど」
「わかったわ」
ファラは前に出て、そして魔法を使い始めた。
「絶対氷結!」
恐竜に魔法が当たると、恐竜はピクリとも動かなくなるほど凍った。
4匹中3匹が凍った。
残り1匹はメル用として足だけを凍らせていた。
「うーん、いいと思うけど氷魔法だとそのうち溶けてしまうよ」
「大丈夫よ。見ててちょうだい」
ファラは手を握ると、それに合わせたように凍った恐竜は砕けた。
中まで凍っているため、核もその時に一緒に砕けた。
「これはすごいなあ。氷系はあまり使ったことが無いから僕には分からなかったよ」
魔法が効かない、わけではなかったようだ。
もしくはファラの魔法が強すぎて限界を突破したとかだったり。
「あとはメルだけど……」
「僕の場合は直接斬ったり砕いたりした方が早いと思うよ!」
「だよねー」
一応試しということで最後の1匹。
メルは恐竜の頭と同じ高さまで飛ぶと、霊槍クリスタルフレイムを取り出して一突き。
見事に核を当てたのだ。
「まさか一発で核を当てるとは……」
スロウはこれまでにないほど驚いていた。
この感覚、雪山以来だなあ。
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