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vsメルメシア王国
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「じゃあ戻ろうか」
「ああ。デルガン、我々も行こう」
「国王様、肩をお貸ししますよ」
「すまない、ありがとう」
すっかり丸くなった国王はデルガンさんの肩を借りた。
男の友情っていいけど、おっさん同士だと少し微妙。
最前線で戦って負傷した者は全員無事に助かった。
シャゼルさんはもう元気で国王が通るための道をつくっている。
俺たちは国内にまで戻り、国王や最前線にでた人達を見た国民は安心した顔をしていた。
城に着くと、国王は早急に全隊長を集めるよう命令を下した。
「ディラ、無事だったのね」
「ファラ。そっちの方はどうだった?」
「全員無事よ。ただ気絶させられていただけだったわ」
「それは良かった。それと、ごめん……」
「構わないわ。ディラは私たちのリーダーなんだから。リーダーが決めたことに従うだけだわ」
ファラは慰めるために、俺の肩にポンッと手を置いた。
「ディラさん、皆が集まりました」
デルガンさんが俺に報告しにやって来た。
「そうか、でも俺たちはそろそろ行くよ」
「えっ、会議に出ないんですか?」
「ああ、後は国王とみんながいれば大丈夫だろう?」
俺も会議に出て意見を言いたい。
だけど、もし俺の意見が通ると、このまま助言し続けないといけなくなる。
「国王に『ディラ達は旅に出た』と言えば納得するよ」
「本当でしょうか?」
「ああ、今の国王ならしっかり分かるだろうからな」
「は、はあ……」
「それでどちらに行かれるのですか?」
「冒険者らしく何かの依頼を受けようかなって」
冒険者になってからまだ一度も依頼を受けていない。
ヴェルのこともあるが、少し別のことをしたい。
「そうですか。隊長の私はすぐ行かないといけないので、お見送りができませんが」
「いいよそんなの。じゃあ後は頑張れよ」
「はい!二度とこんなことを繰り返さないよう、国王様と一緒に進んでいきます。本当にありがとうございました!!」
「ああ、じゃあな!」
こうして俺たちはガルガン王国の城を後にした。
俺たちが向かった先はガルガン王国内にある冒険所。
何かいい依頼がないか掲示板を見たが、Sレベルの依頼が少ない。
その中で唯一あった特Sレベルの依頼を俺は手に取った。
「これなんてどうだ?氷結の大ゴーレム―アイスマウンテンロックの討伐」
「いいわね。面白そうだわ」
「僕もさんせー!初めて聞く敵だし楽しみ!」
「じゃあこれを受けようか!」
――――――――――――――――――――――――――――――――
「ガルガン王国とメルメシア王国は条約を結んだみたい」
「そうですか。さすがディラさんです」
「いいえ、国王同士でやったみたい」
「ディラさんなしに……。ガルガン国王ですか」
場所は雲の上。
雲の上にはヴェルとエマ、それとシンがいた。
エマは溶けたことが原因で、まだしゃべることができない。
「それで次はどこを呼ぶの?」
「そうですね。次は地獄を呼ぼうと思っています」
「分かった。生贄はどうするの?」
「今探しています。次はどこがいいですかね」
ヴェルは雲が晴れてきた目の前を見た。
その先に大きな国が見える。
「ここがいいかもしれませんね」
「わかった。早速行こう」
「ええ。少し物寂しいですが、精一杯楽しみましょう……!」
「ああ。デルガン、我々も行こう」
「国王様、肩をお貸ししますよ」
「すまない、ありがとう」
すっかり丸くなった国王はデルガンさんの肩を借りた。
男の友情っていいけど、おっさん同士だと少し微妙。
最前線で戦って負傷した者は全員無事に助かった。
シャゼルさんはもう元気で国王が通るための道をつくっている。
俺たちは国内にまで戻り、国王や最前線にでた人達を見た国民は安心した顔をしていた。
城に着くと、国王は早急に全隊長を集めるよう命令を下した。
「ディラ、無事だったのね」
「ファラ。そっちの方はどうだった?」
「全員無事よ。ただ気絶させられていただけだったわ」
「それは良かった。それと、ごめん……」
「構わないわ。ディラは私たちのリーダーなんだから。リーダーが決めたことに従うだけだわ」
ファラは慰めるために、俺の肩にポンッと手を置いた。
「ディラさん、皆が集まりました」
デルガンさんが俺に報告しにやって来た。
「そうか、でも俺たちはそろそろ行くよ」
「えっ、会議に出ないんですか?」
「ああ、後は国王とみんながいれば大丈夫だろう?」
俺も会議に出て意見を言いたい。
だけど、もし俺の意見が通ると、このまま助言し続けないといけなくなる。
「国王に『ディラ達は旅に出た』と言えば納得するよ」
「本当でしょうか?」
「ああ、今の国王ならしっかり分かるだろうからな」
「は、はあ……」
「それでどちらに行かれるのですか?」
「冒険者らしく何かの依頼を受けようかなって」
冒険者になってからまだ一度も依頼を受けていない。
ヴェルのこともあるが、少し別のことをしたい。
「そうですか。隊長の私はすぐ行かないといけないので、お見送りができませんが」
「いいよそんなの。じゃあ後は頑張れよ」
「はい!二度とこんなことを繰り返さないよう、国王様と一緒に進んでいきます。本当にありがとうございました!!」
「ああ、じゃあな!」
こうして俺たちはガルガン王国の城を後にした。
俺たちが向かった先はガルガン王国内にある冒険所。
何かいい依頼がないか掲示板を見たが、Sレベルの依頼が少ない。
その中で唯一あった特Sレベルの依頼を俺は手に取った。
「これなんてどうだ?氷結の大ゴーレム―アイスマウンテンロックの討伐」
「いいわね。面白そうだわ」
「僕もさんせー!初めて聞く敵だし楽しみ!」
「じゃあこれを受けようか!」
――――――――――――――――――――――――――――――――
「ガルガン王国とメルメシア王国は条約を結んだみたい」
「そうですか。さすがディラさんです」
「いいえ、国王同士でやったみたい」
「ディラさんなしに……。ガルガン国王ですか」
場所は雲の上。
雲の上にはヴェルとエマ、それとシンがいた。
エマは溶けたことが原因で、まだしゃべることができない。
「それで次はどこを呼ぶの?」
「そうですね。次は地獄を呼ぼうと思っています」
「分かった。生贄はどうするの?」
「今探しています。次はどこがいいですかね」
ヴェルは雲が晴れてきた目の前を見た。
その先に大きな国が見える。
「ここがいいかもしれませんね」
「わかった。早速行こう」
「ええ。少し物寂しいですが、精一杯楽しみましょう……!」
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