26 / 60
ガルガン王国
21
しおりを挟む
「さて、どれぐらいかかるかな?」
メルメシア王国を目指して飛び立って数分。
いまだに国は見えない。
「ん?あれはテントか?」
ちょくちょくだがテントが広がっている。
味方のテントか?
「いや、違うな。俺に向かって魔法を撃とうとしている」
来た方向で分かったのか、俺に気づいた者全員が俺に向けて魔法を放った。
「しゃあない、速度を上げるか」
こんなところで道草食っている場合じゃない。
さっさと終わらせたいんだ。
「んげっ!追尾型かよ!」
しかも速度上昇付きと来た。
このままでは当たってしまう。
しかしその先にはまたテントがあった。
「いいこと考えた!」
高度を低くし、地面すれすれまでいった。
そのまま俺はテントを過ぎ、追尾してきた魔法はテントに当たった。
「これで一石二鳥!邪魔な魔法は消えたし敵も減った。あと進軍だったら止めることができたから一石三鳥だったか?」
まあどうでもいい。
さらに速度をあげ、目的地へと向かった。
「へぇ、ガルガン王国よりでかいじゃん」
つくりは似ているものの、規模が全然違う。
というかこの大きさで今まで戦ってこなかったのか。
よほど注意深いのか小心者なのか。
「とっとと頭潰して調べますか」
俺は頭がいそうな城へと向かった。
大体偉い人は上の方にいるからな。
とりあえず屋根に降りた。
「炎ノ刀」
魔法を使い、炎でできた刀をつくりだした。
これがまた便利で温度が高く、発泡スチロールを溶かして切るような感じで物を切れる。
使ってて気持ちい。
「あれ?誰もいないな」
もしかしたらここは物置とか?
でも物は少なく、動きやすい。
「また透明化か」
「お見事、よくわかりましたね。ようこそメルメシア王国へ」
「どうも、それで誰?」
「おっと、申し遅れました。私はメルメシア王国指令総括のヴェル・ユーラスと申します」
いきなり当たりを引いたな。
まさかこんなところにいたとは。
「なんとなく予想を立てていたんだが、まさか当たっていたとはな」
「別に隠すつもりはなかったのですが」
国王を見る限り、あのままずっと悩み続けていたら長くは持たない。
そうなるとメルメシア王国が攻めてきたのは相当最近になる。
俺たち以外にSレベル冒険者がでたと聞いて、その人は現在行方不明。
だから候補に挙げていたけどまさか当たっていたとはね。
「まあそれは置いておいて、今回はルール違反です」
「ルール?ゲームのつもりか?」
「ええ、これは国をかけた戦争です」
「この国はお前のものってことか?国王でもないのに」
「そうですよ、入ってきてください」
ドアが開くと30少しぐらいの男が入ってきた。
ただ、目が虚ろになっている。
「洗脳か?」
「そうです。彼はトッティー・メルメシア、メルメシア王国の国王です」
「洗脳を使うとか最低な奴だな」
「こんな私でも仲間から信頼されているんですよ」
「こんなことをしているやつを信頼するとは、お前の周りは終わっているな」
「ここに来た時から表向きはいい顔をしていましてね。この地位を手に入れるのも簡単でした」
「へぇ、それならその洗脳を解かせばゲームとやらは終わりそうだな」
「そうはさせませんよ。これは私がつくったゲームなのですから」
不意を突いて洗脳を解こうとしたが防がれた。
流石Sレベルなだけあるな。
「そもそも俺たちが参加する義理はない」
「そうですか、ではこれを御覧ください。光映像」
「!? てめぇ……」
「私は以前この方の近くにいました。何か仕掛けてあるかと思いませんか?」
「人質っていうことか」
映像にはガルガン王国の国王が写っていた。
洗脳の次は人質か。
こいつ、本当に自分勝手な奴だな。
「国をかけた戦いならルール違反ってのはなんだ?戦争ならルールも何もないだろう」
「いきなりボス同士が戦ってもつまらないでしょう?」
「……俺は国王でも国の民でもないんだが」
「そんなの知っていますよ。なんのために情報収集させる者を動かしたと思ったんですか」
「そうだったな。ずいぶんと手の込んだことをやっているな」
「強いと暇ですので。新しい遊びを見つけたので力をいれているんですよ」
「遊びで国の取り合い?人の命がかかっているんだぞ!」
「おかしいですかね。井戸から取れる水を1摘も残さず使いますか?使いませんよね」
「人は水なんかじゃねえ!」
気づいたら俺はヴェルに向かって飛んでいた。
「これは時間がありませんね。ルールを簡単に説明します。
ルールは駒を使って戦闘をすること。私たちSレベル冒険者は前線に立つことはできません。ただし駒がいない場合は参加可能です」
「そんなの初めもさせない!」
「説明は以上です。それでは楽しみましょう、帰還」
ギリギリまで引き寄せた瞬間ヴェルは何かの魔法を使った。
俺は頭に血が上ってしまったせいで、まんまと魔法に引っかかってしまった。
「ちっ!仕留め損ねた」
「ディラ?」
「いきなり帰って来たわね」
俺はガルガン王国の城に戻されてしまった。
メルメシア王国を目指して飛び立って数分。
いまだに国は見えない。
「ん?あれはテントか?」
ちょくちょくだがテントが広がっている。
味方のテントか?
「いや、違うな。俺に向かって魔法を撃とうとしている」
来た方向で分かったのか、俺に気づいた者全員が俺に向けて魔法を放った。
「しゃあない、速度を上げるか」
こんなところで道草食っている場合じゃない。
さっさと終わらせたいんだ。
「んげっ!追尾型かよ!」
しかも速度上昇付きと来た。
このままでは当たってしまう。
しかしその先にはまたテントがあった。
「いいこと考えた!」
高度を低くし、地面すれすれまでいった。
そのまま俺はテントを過ぎ、追尾してきた魔法はテントに当たった。
「これで一石二鳥!邪魔な魔法は消えたし敵も減った。あと進軍だったら止めることができたから一石三鳥だったか?」
まあどうでもいい。
さらに速度をあげ、目的地へと向かった。
「へぇ、ガルガン王国よりでかいじゃん」
つくりは似ているものの、規模が全然違う。
というかこの大きさで今まで戦ってこなかったのか。
よほど注意深いのか小心者なのか。
「とっとと頭潰して調べますか」
俺は頭がいそうな城へと向かった。
大体偉い人は上の方にいるからな。
とりあえず屋根に降りた。
「炎ノ刀」
魔法を使い、炎でできた刀をつくりだした。
これがまた便利で温度が高く、発泡スチロールを溶かして切るような感じで物を切れる。
使ってて気持ちい。
「あれ?誰もいないな」
もしかしたらここは物置とか?
でも物は少なく、動きやすい。
「また透明化か」
「お見事、よくわかりましたね。ようこそメルメシア王国へ」
「どうも、それで誰?」
「おっと、申し遅れました。私はメルメシア王国指令総括のヴェル・ユーラスと申します」
いきなり当たりを引いたな。
まさかこんなところにいたとは。
「なんとなく予想を立てていたんだが、まさか当たっていたとはな」
「別に隠すつもりはなかったのですが」
国王を見る限り、あのままずっと悩み続けていたら長くは持たない。
そうなるとメルメシア王国が攻めてきたのは相当最近になる。
俺たち以外にSレベル冒険者がでたと聞いて、その人は現在行方不明。
だから候補に挙げていたけどまさか当たっていたとはね。
「まあそれは置いておいて、今回はルール違反です」
「ルール?ゲームのつもりか?」
「ええ、これは国をかけた戦争です」
「この国はお前のものってことか?国王でもないのに」
「そうですよ、入ってきてください」
ドアが開くと30少しぐらいの男が入ってきた。
ただ、目が虚ろになっている。
「洗脳か?」
「そうです。彼はトッティー・メルメシア、メルメシア王国の国王です」
「洗脳を使うとか最低な奴だな」
「こんな私でも仲間から信頼されているんですよ」
「こんなことをしているやつを信頼するとは、お前の周りは終わっているな」
「ここに来た時から表向きはいい顔をしていましてね。この地位を手に入れるのも簡単でした」
「へぇ、それならその洗脳を解かせばゲームとやらは終わりそうだな」
「そうはさせませんよ。これは私がつくったゲームなのですから」
不意を突いて洗脳を解こうとしたが防がれた。
流石Sレベルなだけあるな。
「そもそも俺たちが参加する義理はない」
「そうですか、ではこれを御覧ください。光映像」
「!? てめぇ……」
「私は以前この方の近くにいました。何か仕掛けてあるかと思いませんか?」
「人質っていうことか」
映像にはガルガン王国の国王が写っていた。
洗脳の次は人質か。
こいつ、本当に自分勝手な奴だな。
「国をかけた戦いならルール違反ってのはなんだ?戦争ならルールも何もないだろう」
「いきなりボス同士が戦ってもつまらないでしょう?」
「……俺は国王でも国の民でもないんだが」
「そんなの知っていますよ。なんのために情報収集させる者を動かしたと思ったんですか」
「そうだったな。ずいぶんと手の込んだことをやっているな」
「強いと暇ですので。新しい遊びを見つけたので力をいれているんですよ」
「遊びで国の取り合い?人の命がかかっているんだぞ!」
「おかしいですかね。井戸から取れる水を1摘も残さず使いますか?使いませんよね」
「人は水なんかじゃねえ!」
気づいたら俺はヴェルに向かって飛んでいた。
「これは時間がありませんね。ルールを簡単に説明します。
ルールは駒を使って戦闘をすること。私たちSレベル冒険者は前線に立つことはできません。ただし駒がいない場合は参加可能です」
「そんなの初めもさせない!」
「説明は以上です。それでは楽しみましょう、帰還」
ギリギリまで引き寄せた瞬間ヴェルは何かの魔法を使った。
俺は頭に血が上ってしまったせいで、まんまと魔法に引っかかってしまった。
「ちっ!仕留め損ねた」
「ディラ?」
「いきなり帰って来たわね」
俺はガルガン王国の城に戻されてしまった。
0
お気に入りに追加
2,002
あなたにおすすめの小説
チートを極めた空間魔術師 ~空間魔法でチートライフ~
てばくん
ファンタジー
ひょんなことから神様の部屋へと呼び出された新海 勇人(しんかい はやと)。
そこで空間魔法のロマンに惹かれて雑魚職の空間魔術師となる。
転生間際に盗んだ神の本と、神からの経験値チートで魔力オバケになる。
そんな冴えない主人公のお話。
-お気に入り登録、感想お願いします!!全てモチベーションになります-
神々の娯楽に巻き込まれて強制異世界転生ー1番長生きした人にご褒美有ります
ぐるぐる
ファンタジー
□お休みします□
すみません…風邪ひきました…
無理です…
お休みさせてください…
異世界大好きおばあちゃん。
死んだらテンプレ神様の部屋で、神々の娯楽に付き合えと巻き込まれて、強制的に異世界転生させられちゃったお話です。
すぐに死ぬのはつまらないから、転生後の能力について希望を叶えてやろう、よく考えろ、と言われて願い事3つ考えたよ。
転生者は全部で10人。
異世界はまた作れるから好きにして良い、滅ぼしても良い、1番長生きした人にご褒美を考えてる、とにかく退屈している神々を楽しませてくれ。
神々の楽しいことってなんぞやと思いながら不本意にも異世界転生ゴー!
※採取品についての情報は好き勝手にアレンジしてます。
実在するものをちょっと変えてるだけです。
異世界楽々通販サバイバル
shinko
ファンタジー
最近ハマりだしたソロキャンプ。
近くの山にあるキャンプ場で泊っていたはずの伊田和司 51歳はテントから出た瞬間にとてつもない違和感を感じた。
そう、見上げた空には大きく輝く2つの月。
そして山に居たはずの自分の前に広がっているのはなぜか海。
しばらくボーゼンとしていた和司だったが、軽くストレッチした後にこうつぶやいた。
「ついに俺の番が来たか、ステータスオープン!」
田舎暮らしと思ったら、異世界暮らしだった。
けむし
ファンタジー
突然の異世界転移とともに魔法が使えるようになった青年の、ほぼ手に汗握らない物語。
日本と異世界を行き来する転移魔法、物を複製する魔法。
あらゆる魔法を使えるようになった主人公は異世界で、そして日本でチート能力を発揮・・・するの?
ゆる~くのんびり進む物語です。読者の皆様ものんびりお付き合いください。
感想などお待ちしております。
悪役令息の三下取り巻きに転生したけれど、チートがすごすぎて三下になりきれませんでした
あいま
ファンタジー
悪役令息の取り巻き三下モブに転生した俺、ドコニ・デモイル。10歳。
貴族という序列に厳しい世界で公爵家の令息であるモラハ・ラスゴイの側近選別と噂される公爵家主催のパーティーへ強制的に行く羽目になった。
そこでモラハ・ラスゴイに殴られ、前世の記憶と女神さまから言われた言葉を思い出す。
この世界は前世で知ったくそ小説「貴族学園らぶみーどぅー」という学園を舞台にした剣と魔法の世界であることがわかった。
しかも、モラハ・ラスゴイが成長し学園に入学した暁には、もれなく主人公へ行った悪事がばれて死ぬ運命にある。
さらには、モラハ・ラスゴイと俺は一心同体で、命が繋がる呪いがオプションとしてついている。なぜなら女神様は貴腐人らしく女同士、男同士の恋の発展を望んでいるらしい。女神様は神なのにこの世界を崩壊させるつもりなのだろうか?
とにかく、モラハが死ぬということは、命が繋がる呪いにかかっている俺も当然死ぬということだ。
学園には並々ならぬ執着を見せるモラハが危険に満ち溢れた学園に通わないという選択肢はない。
仕方がなく俺は、モラハ・ラスゴイの根性を叩きなおしながら、時には、殺気を向けてくるメイドを懐柔し、時には、命を狙ってくる自称美少女暗殺者を撃退し、時には、魔物を一掃して魔王を返り討ちにしたりと、女神さまかもらった微妙な恩恵ジョブ変更チート無限を使い、なんとかモラハ・ラスゴイを更生させて生き残ろうとする物語である。
ーーーーー
お読みくださりありがとうございます<(_ _)>
神に同情された転生者物語
チャチャ
ファンタジー
ブラック企業に勤めていた安田悠翔(やすだ はると)は、電車を待っていると後から背中を押されて電車に轢かれて死んでしまう。
すると、神様と名乗った青年にこれまでの人生を同情された異世界に転生してのんびりと過ごしてと言われる。
悠翔は、チート能力をもらって異世界を旅する。
クラス転移で神様に?
空見 大
ファンタジー
空想の中で自由を謳歌していた少年、晴人は、ある日突然現実と夢の境界を越えたような事態に巻き込まれる。
目覚めると彼は真っ白な空間にいた。
動揺するクラスメイト達、状況を掴めない彼の前に現れたのは「神」を名乗る怪しげな存在。彼はいままさにこのクラス全員が異世界へと送り込まれていると告げる。
神は異世界で生き抜く力を身に付けるため、自分に合った能力を自らの手で選び取れと告げる。クラスメイトが興奮と恐怖の狭間で動き出す中、自分の能力欄に違和感を覚えた晴人は手が進むままに動かすと他の者にはない力が自分の能力獲得欄にある事に気がついた。
龍神、邪神、魔神、妖精神、鍛治神、盗神。
六つの神の称号を手に入れ有頂天になる晴人だったが、クラスメイト達が続々と異世界に向かう中ただ一人取り残される。
神と二人っきりでなんとも言えない感覚を味わっていると、突如として鳴り響いた警告音と共に異世界に転生するという不穏な言葉を耳にする。
気が付けばクラスメイト達が転移してくる10年前の世界に転生した彼は、名前をエルピスに変え異世界で生きていくことになる──これは、夢見る少年が家族と運命の為に戦う物語。
転生したらスキル転生って・・・!?
ノトア
ファンタジー
世界に危機が訪れて転生することに・・・。
〜あれ?ここは何処?〜
転生した場所は森の中・・・右も左も分からない状態ですが、天然?な女神にサポートされながらも何とか生きて行きます。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
初めて書くので、誤字脱字や違和感はご了承ください。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる