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クラーの町
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「大丈夫でしょうか?」
今は冒険所の奥の部屋。
受付の人もいてファラとメルのことを心配している。
「初日からそんな心配したら心臓が持たないよ?」
「初日?」
「仮にもドラゴンだよ?疲れたところを狙うのが普通なんだ。何日か掛かると思うけど」
そんなんにめんどくさいんだ。
ゲームだとそんなに継続し続けると制限がかかる。
だから大体長くても1時間で倒し終わる。
「まあすぐに戻ってくるよ」
「いやいやいや、そんなわけないじゃない」
「来るって、そろそろ聞こえてくると思うよ」
「「聞こえる?」」
その瞬間、外でズシンという音が響いた。
同時に建物も揺れた。
「地震!?」
「ただいまー」
「メルさん!?それにファラさんまで」
「さっきの音はまさか……」
「うん、アクアシャークドラゴンだよ」
受付の人とサリーさんは窓から外を見た。
そこには正真正銘アクアシャークドラゴンがいた。
あー、こいつか。
夏のイベントで倒しまくったのを思い出したわ。
「そんな馬鹿な……」
「偽物……じゃないよね?」
「マスター、こんな化け物の偽物をつくる人なんていませんよ」
そんな目を見開くほどなのか?
そいつぐらいならみんな周回していたぞ。
ざっと数えても100万体はお亡くなりになっている。
「これで終わりかしら?」
「随分楽だったねー」
「もう何が何だか……」
「私ももう嫌だよ。とにかくこれで終わり。特Sレベルの依頼ができてSレベルじゃないのはおかしいからね」
「では手続きをするのでお待ちください」
手続きは見れないらしく、ギルドの中にある机へ。
「「あっ」」
机に向かう途中、Bレベルのランドが座っていた。
でかくてすげえ目立つ。
他の席はみんなが座っているから空いていない。
しょうがない、立って待っているか。
「ディラさん!こちらの席をどうぞ!」
「えっ、いいのか?依頼の紙があるあたり話し合ってるんじゃないの?」
「大丈夫です!さあ、どうぞ」
そんな大きな声で言わないでくれ、周りがざわついてて恥ずかしい。
というか随分丸くなったな。
驚きの変化だよ。
「この前は失礼しました。俺はランドといいます」
「よ、よろしく」
何か、これはこれで怖いよ。
何かのボスになったみたいでなんか落ち着かない。
「ディラさん、先にですがディラさんの分が完成したのでお持ちしました」
受付の人がカードを持ってきてくれた。
何か学生証みたい。
書いてあるのは名前とSという文字。
「やはりSレベルを取りましたか」
「うん、珍しいんだろ?」
「はい、元々は7名いましたが8名になりました」
俺が8番目か。
いつも1番を目指していたけど、流石にこれは無理だな。
何せこの世界がいつからあるのかも知らないんだ。
「しかしこんな短期間でまたSレベルを取る方がいるとは」
「最近誰か取ったのか?」
「はい、この近くにある王国、ガルガンで出たそうです。たしか名前は……」
「ヴェル・ユーラスさんです。元1番隊隊長でした」
「1番隊?軍隊でもいるのか?」
「そうです。1から5まであり、5は情報、4は護衛、3は接近戦で2は魔法、そして1は全部できる者だけが集まります。俺は元々3番隊の兵士として入っていましたが、1番隊は別格です」
そんなところにいた隊長か。
少し興味がある。
「そのガルガン王国は近いの?」
「近いですが、いるとは限りませんよ。冒険者なので」
「そりゃそうか」
「そういえばディラさんの別名はないんですか?裏に書いてあると思うんですが」
裏を見てみると何か書いてある。
えっと、なになに。
「人間神、ってゲームの時に言われたことあるぞ」
まさかのかぶり。
こんなことあるか?
「ファラさんとメルさんのカードもできました。どうぞ」
「なんて書いてある?」
「破滅の堕天使」
「逆鱗の竜人」
「まんまだな」
「「違うわ(よ)!」」
戦っているときを想像すればピッタリなんだけどなあ。
今は冒険所の奥の部屋。
受付の人もいてファラとメルのことを心配している。
「初日からそんな心配したら心臓が持たないよ?」
「初日?」
「仮にもドラゴンだよ?疲れたところを狙うのが普通なんだ。何日か掛かると思うけど」
そんなんにめんどくさいんだ。
ゲームだとそんなに継続し続けると制限がかかる。
だから大体長くても1時間で倒し終わる。
「まあすぐに戻ってくるよ」
「いやいやいや、そんなわけないじゃない」
「来るって、そろそろ聞こえてくると思うよ」
「「聞こえる?」」
その瞬間、外でズシンという音が響いた。
同時に建物も揺れた。
「地震!?」
「ただいまー」
「メルさん!?それにファラさんまで」
「さっきの音はまさか……」
「うん、アクアシャークドラゴンだよ」
受付の人とサリーさんは窓から外を見た。
そこには正真正銘アクアシャークドラゴンがいた。
あー、こいつか。
夏のイベントで倒しまくったのを思い出したわ。
「そんな馬鹿な……」
「偽物……じゃないよね?」
「マスター、こんな化け物の偽物をつくる人なんていませんよ」
そんな目を見開くほどなのか?
そいつぐらいならみんな周回していたぞ。
ざっと数えても100万体はお亡くなりになっている。
「これで終わりかしら?」
「随分楽だったねー」
「もう何が何だか……」
「私ももう嫌だよ。とにかくこれで終わり。特Sレベルの依頼ができてSレベルじゃないのはおかしいからね」
「では手続きをするのでお待ちください」
手続きは見れないらしく、ギルドの中にある机へ。
「「あっ」」
机に向かう途中、Bレベルのランドが座っていた。
でかくてすげえ目立つ。
他の席はみんなが座っているから空いていない。
しょうがない、立って待っているか。
「ディラさん!こちらの席をどうぞ!」
「えっ、いいのか?依頼の紙があるあたり話し合ってるんじゃないの?」
「大丈夫です!さあ、どうぞ」
そんな大きな声で言わないでくれ、周りがざわついてて恥ずかしい。
というか随分丸くなったな。
驚きの変化だよ。
「この前は失礼しました。俺はランドといいます」
「よ、よろしく」
何か、これはこれで怖いよ。
何かのボスになったみたいでなんか落ち着かない。
「ディラさん、先にですがディラさんの分が完成したのでお持ちしました」
受付の人がカードを持ってきてくれた。
何か学生証みたい。
書いてあるのは名前とSという文字。
「やはりSレベルを取りましたか」
「うん、珍しいんだろ?」
「はい、元々は7名いましたが8名になりました」
俺が8番目か。
いつも1番を目指していたけど、流石にこれは無理だな。
何せこの世界がいつからあるのかも知らないんだ。
「しかしこんな短期間でまたSレベルを取る方がいるとは」
「最近誰か取ったのか?」
「はい、この近くにある王国、ガルガンで出たそうです。たしか名前は……」
「ヴェル・ユーラスさんです。元1番隊隊長でした」
「1番隊?軍隊でもいるのか?」
「そうです。1から5まであり、5は情報、4は護衛、3は接近戦で2は魔法、そして1は全部できる者だけが集まります。俺は元々3番隊の兵士として入っていましたが、1番隊は別格です」
そんなところにいた隊長か。
少し興味がある。
「そのガルガン王国は近いの?」
「近いですが、いるとは限りませんよ。冒険者なので」
「そりゃそうか」
「そういえばディラさんの別名はないんですか?裏に書いてあると思うんですが」
裏を見てみると何か書いてある。
えっと、なになに。
「人間神、ってゲームの時に言われたことあるぞ」
まさかのかぶり。
こんなことあるか?
「ファラさんとメルさんのカードもできました。どうぞ」
「なんて書いてある?」
「破滅の堕天使」
「逆鱗の竜人」
「まんまだな」
「「違うわ(よ)!」」
戦っているときを想像すればピッタリなんだけどなあ。
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