異世界最強のレベル1

銀狐

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クラーの町

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「じゃあ頑張ってね」
「僕たちは上で見ているよー!」

 ファラとメルは上の観客席へ。
 この場には俺とマスターことサリーさんだけ。
 審判の人は危険ということで専用の席で待機。
 専用席の場所は観客席の少し下にあるでっぱりだ。

初心者歓迎ビギナーズボーナス、最初は譲るよ」
「そりゃありがとさん」

 だいぶ余裕だな。
 あの冒険所で襲ってきたランドは隙だらけではあったものの、常に警戒を劣らなかった。
 でもこの人、全然警戒をしていない。
 相当余裕みたいだな。

「じゃあ遠慮なく、麻痺の手パラライシス・ハンド!」

 戦闘不能にするのにはこれが一番だ。
 麻痺で動けなくして止めを刺す。
 ゲームだとこれをよく使っていた。
 今は止めは刺さないけど。

「よっと」
「さすがに避けるよな」

 全力は出していないが手はさほど抜いていない。
 最近戦ったギルドの面子なら確実に当たっただろう。
 そんなやつらもレベルカンストをしている。
 この人、本当に強いぞ。

「じゃあ次はこっちから行くよ!樹海構築メイキング・ツリー!!」

 ボコボコと地面が浮き出てきた。
 穴が空く瞬間、勢いよく木が伸びてきた。
 俺は後ろに引きながら避けつつも、逃げ先を予測して攻撃を仕掛けてきた。

「よく避けるね。Sレベルを受けるだけあるよ」
「そりゃあどうも!」

 生えた木を思いっきり蹴った。
 破片がサリーさん目掛けて飛んでいく。

念動力テレキネシス、残念だったわね」

 破片はサリーさんには当たらず、目の前で止まった。
 二つ魔法を見ただけだが、ある程度の強さが分かった。

「そうだな、世界ランキング10位ってところか」

 今まで戦ったやつから見るにそれぐらい。
 実際に戦ったから何となくだが分かる。

「世界ランキング?なにそれ?」
「こっちの話、まあ言い変えれば俺の敵ではないってこと」
「……言ってくれるね」

 よし、これで向こうもやる気になっただろう。
 ここからがスタートだ。

妖精の金鱗粉フェアリー・スケアルス!」
「羽を出したか。それに初めて見る魔法だ」

 妖精の羽からたくさんの金色の鱗粉が見える。
 何か痛みでもあるのかと思ったけど肌にひたひたとくっつくだけ。
 うげえ、気持ちが悪い。
 水で洗い流したいな。

妖精の傀儡人形フェアリーズ・パペット!」
「うお!?」

 体が、動かない。
 複数の魔法を使う感じなのか。
 興味本位で受けるもんじゃないな。

「はい、これで動けないでしょ?降参するならここでやめてあげるよ?」
「いや、遠慮しておくよ。完全回復パーフェクトヒール
「なっ!?」

 完全回復パーフェクトヒール、言葉通り完全に回復する魔法。
 ただ、魔法Lv.は100のカンスト魔法でクエストの時のみ使える魔法だった。
 PvPに使えない理由は少ない魔力で使える上に、15時間も試合が続いたのが原因だ。
 実際にPvPに使えた時間はおよそ30時間、実装当初は荒れていたなあ。

「そんな……その魔法を使えるなんて人間じゃないわ!神にでもなったの!?」
「えっ、まあ一応神と言われたことがあるけど」
「こんなの勝てるわけないわ!降参!降参よ!馬鹿らしくなってきたわ」

 えー!そんなので終わるの!?
 たしかにPvPに使えないほどの魔法は使ったけど。

「審判!」
「あ、はい!勝者、挑戦者のディラ!」

 あまり納得のいかない俺の勝利で終わった。
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