17 / 60
クラーの町
12
しおりを挟む
部屋に入ると書類の詰まれた机が部屋のまん中にあった。
そこにマスターと言われている人が腰かけた。
「そっちの方に座ってくれ。少し話をしよっか」
「……はい」
ああ、怒られる未来しか見えない。
俺たちは悪くないんだ。
これで冒険者になれませんとかやめてくれよ。
「私はサリー・ランダ・ウェルム、サリーでいいよ。それよりよくランドくんを倒したね」
「あ、そういうえばBレベルってなんですか?」
「あれ?まだ話されていない?」
「すみません、渡してから説明をするのですが」
「そっか!じゃあ今話すよ」
冒険者には位があった。
Eレベルから始まり、Aレベル。
そしてSレベルとなる。
位はそのまま強さがわかるようになっていた。
「君たちはEレベルから始めさせるつもりだったけど、Aレベルから始めてもいいかもね」
「そんなすぐ上がれるんですか?」
「試験に合格すればだれでも上がれるよ。なに?AじゃなくてSがいいの?」
「出来ればそうしたいです」
「あはははっ!正直だねー!!」
ぶっちゃけ、めんどくさい。
レベル上げも後半はけっこう辛かったからな。
アイテムを使えば楽なんだけど、それがまた課金アイテムだったから使いたくなかった。
だから上げれるチャンスがあるなら上げておきたい。
「Sランクに上がるためにはある者と戦わないといけないんだ」
「誰ですか?まさかさっきのランドっていう人?」
「ランドくんはBレベルだよ?全然違うよー。正解は私!冒険所のマスターの私に勝てばSランクになれるよ!」
Bのランドという人がだめなら冒険所のマスター。
Sレベルになるためには冒険所のマスターを倒さないといけない。
ということはこの人Sレベルなのか!
「あれ?特Sレベルってのがあると思うんだけど」
「それは依頼の内容。Sレベルは特Sレベル、上位Sレベル、下位Sレベルと分けているんだ。特Sレベルと下位Sレベルは、EレベルとAレベルの差以上に差があるよ」
俺たちはそんな特Sレベルの素材をたくさん持っている。
そうなると特Sレベルは俺たちが普段やっている難易度だ。
「じゃあSレベルの試験とやらをお願いします」
「史上初だろうね、冒険者になって初日に受けるのは」
「無理なんですか?」
「大丈夫だよ!じゃあ移動しようか」
いったん外へ。
向かった先は冒険所近くの大きな建物。
コロッセオのような戦うための場所だ。
「それにしても人が多いね」
「いきなりランドくんを倒して、しかもSレベルの試験を受けるからそりゃあみんな見に来るよ!」
「そんなにSレベルが珍しいの?」
「私を含めて7人。そうそう簡単になれると思わないでね!」
たった7人!?
少なすぎるだろ。
ゲームでレベルカンストは全ユーザーの1%はいた。
1億人もやっていたゲームだから100万人はいる。
Sレベルの門狭すぎね?
「ルールを説明します。ルールは死傷なしの戦闘です。違反した場合は無条件で試験は不合格、そして冒険所から除名が下されます。勝利条件は相手を倒すか降参と言うまでです」
「簡単な模擬戦みたいなものか」
「正解!でもそっちは3人。一人一人の試験だから順番でお願いね」
「誰からにしようか……」
もちろん俺は最初にやりたい。
何せ強い妖精、ゲームの中だとレア中のレアだ。
「めんどくさいから私が決めるわよ。じゃあまず君から」
「俺か?」
願ったりかなったりだ。
さて、この人はどんなものか。
お手並み拝見といこう。
そこにマスターと言われている人が腰かけた。
「そっちの方に座ってくれ。少し話をしよっか」
「……はい」
ああ、怒られる未来しか見えない。
俺たちは悪くないんだ。
これで冒険者になれませんとかやめてくれよ。
「私はサリー・ランダ・ウェルム、サリーでいいよ。それよりよくランドくんを倒したね」
「あ、そういうえばBレベルってなんですか?」
「あれ?まだ話されていない?」
「すみません、渡してから説明をするのですが」
「そっか!じゃあ今話すよ」
冒険者には位があった。
Eレベルから始まり、Aレベル。
そしてSレベルとなる。
位はそのまま強さがわかるようになっていた。
「君たちはEレベルから始めさせるつもりだったけど、Aレベルから始めてもいいかもね」
「そんなすぐ上がれるんですか?」
「試験に合格すればだれでも上がれるよ。なに?AじゃなくてSがいいの?」
「出来ればそうしたいです」
「あはははっ!正直だねー!!」
ぶっちゃけ、めんどくさい。
レベル上げも後半はけっこう辛かったからな。
アイテムを使えば楽なんだけど、それがまた課金アイテムだったから使いたくなかった。
だから上げれるチャンスがあるなら上げておきたい。
「Sランクに上がるためにはある者と戦わないといけないんだ」
「誰ですか?まさかさっきのランドっていう人?」
「ランドくんはBレベルだよ?全然違うよー。正解は私!冒険所のマスターの私に勝てばSランクになれるよ!」
Bのランドという人がだめなら冒険所のマスター。
Sレベルになるためには冒険所のマスターを倒さないといけない。
ということはこの人Sレベルなのか!
「あれ?特Sレベルってのがあると思うんだけど」
「それは依頼の内容。Sレベルは特Sレベル、上位Sレベル、下位Sレベルと分けているんだ。特Sレベルと下位Sレベルは、EレベルとAレベルの差以上に差があるよ」
俺たちはそんな特Sレベルの素材をたくさん持っている。
そうなると特Sレベルは俺たちが普段やっている難易度だ。
「じゃあSレベルの試験とやらをお願いします」
「史上初だろうね、冒険者になって初日に受けるのは」
「無理なんですか?」
「大丈夫だよ!じゃあ移動しようか」
いったん外へ。
向かった先は冒険所近くの大きな建物。
コロッセオのような戦うための場所だ。
「それにしても人が多いね」
「いきなりランドくんを倒して、しかもSレベルの試験を受けるからそりゃあみんな見に来るよ!」
「そんなにSレベルが珍しいの?」
「私を含めて7人。そうそう簡単になれると思わないでね!」
たった7人!?
少なすぎるだろ。
ゲームでレベルカンストは全ユーザーの1%はいた。
1億人もやっていたゲームだから100万人はいる。
Sレベルの門狭すぎね?
「ルールを説明します。ルールは死傷なしの戦闘です。違反した場合は無条件で試験は不合格、そして冒険所から除名が下されます。勝利条件は相手を倒すか降参と言うまでです」
「簡単な模擬戦みたいなものか」
「正解!でもそっちは3人。一人一人の試験だから順番でお願いね」
「誰からにしようか……」
もちろん俺は最初にやりたい。
何せ強い妖精、ゲームの中だとレア中のレアだ。
「めんどくさいから私が決めるわよ。じゃあまず君から」
「俺か?」
願ったりかなったりだ。
さて、この人はどんなものか。
お手並み拝見といこう。
0
お気に入りに追加
2,002
あなたにおすすめの小説
クラス転移で神様に?
空見 大
ファンタジー
空想の中で自由を謳歌していた少年、晴人は、ある日突然現実と夢の境界を越えたような事態に巻き込まれる。
目覚めると彼は真っ白な空間にいた。
動揺するクラスメイト達、状況を掴めない彼の前に現れたのは「神」を名乗る怪しげな存在。彼はいままさにこのクラス全員が異世界へと送り込まれていると告げる。
神は異世界で生き抜く力を身に付けるため、自分に合った能力を自らの手で選び取れと告げる。クラスメイトが興奮と恐怖の狭間で動き出す中、自分の能力欄に違和感を覚えた晴人は手が進むままに動かすと他の者にはない力が自分の能力獲得欄にある事に気がついた。
龍神、邪神、魔神、妖精神、鍛治神、盗神。
六つの神の称号を手に入れ有頂天になる晴人だったが、クラスメイト達が続々と異世界に向かう中ただ一人取り残される。
神と二人っきりでなんとも言えない感覚を味わっていると、突如として鳴り響いた警告音と共に異世界に転生するという不穏な言葉を耳にする。
気が付けばクラスメイト達が転移してくる10年前の世界に転生した彼は、名前をエルピスに変え異世界で生きていくことになる──これは、夢見る少年が家族と運命の為に戦う物語。
成長チートと全能神
ハーフ
ファンタジー
居眠り運転の車から20人の命を救った主人公,神代弘樹は実は全能神と魂が一緒だった。人々の命を救った彼は全能神の弟の全智神に成長チートをもらって伯爵の3男として転生する。成長チートと努力と知識と加護で最速で進化し無双する。
戦い、商業、政治、全てで彼は無双する!!
____________________________
質問、誤字脱字など感想で教えてくださると嬉しいです。
鑑定能力で恩を返す
KBT
ファンタジー
どこにでもいる普通のサラリーマンの蔵田悟。
彼ははある日、上司の悪態を吐きながら深酒をし、目が覚めると見知らぬ世界にいた。
そこは剣と魔法、人間、獣人、亜人、魔物が跋扈する異世界フォートルードだった。
この世界には稀に異世界から《迷い人》が転移しており、悟もその1人だった。
帰る方法もなく、途方に暮れていた悟だったが、通りすがりの商人ロンメルに命を救われる。
そして稀少な能力である鑑定能力が自身にある事がわかり、ブロディア王国の公都ハメルンの裏通りにあるロンメルの店で働かせてもらう事になった。
そして、ロンメルから店の番頭を任された悟は《サト》と名前を変え、命の恩人であるロンメルへの恩返しのため、商店を大きくしようと鑑定能力を駆使して、海千山千の商人達や荒くれ者の冒険者達を相手に日夜奮闘するのだった。
迷い人 ~異世界で成り上がる。大器晩成型とは知らずに無難な商人になっちゃった。~
飛燕 つばさ
ファンタジー
孤独な中年、坂本零。ある日、彼は目を覚ますと、まったく知らない異世界に立っていた。彼は現地の兵士たちに捕まり、不審人物とされて牢獄に投獄されてしまう。
彼は異世界から迷い込んだ『迷い人』と呼ばれる存在だと告げられる。その『迷い人』には、世界を救う勇者としての可能性も、世界を滅ぼす魔王としての可能性も秘められているそうだ。しかし、零は自分がそんな使命を担う存在だと受け入れることができなかった。
独房から零を救ったのは、昔この世界を救った勇者の末裔である老婆だった。老婆は零の力を探るが、彼は戦闘や魔法に関する特別な力を持っていなかった。零はそのことに絶望するが、自身の日本での知識を駆使し、『商人』として新たな一歩を踏み出す決意をする…。
この物語は、異世界に迷い込んだ日本のサラリーマンが主人公です。彼は潜在的に秘められた能力に気づかずに、無難な商人を選びます。次々に目覚める力でこの世界に起こる問題を解決していく姿を描いていきます。
※当作品は、過去に私が創作した作品『異世界で商人になっちゃった。』を一から徹底的に文章校正し、新たな作品として再構築したものです。文章表現だけでなく、ストーリー展開の修正や、新ストーリーの追加、新キャラクターの登場など、変更点が多くございます。
王宮で汚職を告発したら逆に指名手配されて殺されかけたけど、たまたま出会ったメイドロボに転生者の技術力を借りて反撃します
有賀冬馬
ファンタジー
王国貴族ヘンリー・レンは大臣と宰相の汚職を告発したが、逆に濡れ衣を着せられてしまい、追われる身になってしまう。
妻は宰相側に寝返り、ヘンリーは女性不信になってしまう。
さらに差し向けられた追手によって左腕切断、毒、呪い状態という満身創痍で、命からがら雪山に逃げ込む。
そこで力尽き、倒れたヘンリーを助けたのは、奇妙なメイド型アンドロイドだった。
そのアンドロイドは、かつて大賢者と呼ばれた転生者の技術で作られたメイドロボだったのだ。
現代知識チートと魔法の融合技術で作られた義手を与えられたヘンリーが、独立勢力となって王国の悪を蹴散らしていく!
異世界に転生した俺は元の世界に帰りたい……て思ってたけど気が付いたら世界最強になってました
ゆーき@書籍発売中
ファンタジー
ゲームが好きな俺、荒木優斗はある日、元クラスメイトの桜井幸太によって殺されてしまう。しかし、神のおかげで世界最高の力を持って別世界に転生することになる。ただ、神の未来視でも逮捕されないとでている桜井を逮捕させてあげるために元の世界に戻ることを決意する。元の世界に戻るため、〈転移〉の魔法を求めて異世界を無双する。ただ案外異世界ライフが楽しくてちょくちょくそのことを忘れてしまうが……
なろう、カクヨムでも投稿しています。
田舎暮らしと思ったら、異世界暮らしだった。
けむし
ファンタジー
突然の異世界転移とともに魔法が使えるようになった青年の、ほぼ手に汗握らない物語。
日本と異世界を行き来する転移魔法、物を複製する魔法。
あらゆる魔法を使えるようになった主人公は異世界で、そして日本でチート能力を発揮・・・するの?
ゆる~くのんびり進む物語です。読者の皆様ものんびりお付き合いください。
感想などお待ちしております。
大工スキルを授かった貧乏貴族の養子の四男だけど、どうやら大工スキルは伝説の全能スキルだったようです
飼猫タマ
ファンタジー
田舎貴族の四男のヨナン・グラスホッパーは、貧乏貴族の養子。義理の兄弟達は、全員戦闘系のレアスキル持ちなのに、ヨナンだけ貴族では有り得ない生産スキルの大工スキル。まあ、養子だから仕方が無いんだけど。
だがしかし、タダの生産スキルだと思ってた大工スキルは、じつは超絶物凄いスキルだったのだ。その物凄スキルで、生産しまくって超絶金持ちに。そして、婚約者も出来て幸せ絶頂の時に嵌められて、人生ドン底に。だが、ヨナンは、有り得ない逆転の一手を持っていたのだ。しかも、その有り得ない一手を、本人が全く覚えてなかったのはお約束。
勿論、ヨナンを嵌めた奴らは、全員、ザマー百裂拳で100倍返し!
そんなお話です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる