異世界最強のレベル1

銀狐

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初めての村

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「ねえねえ、どう起こす?」
「そうね、それより先にSSスクショ撮りたかったけど」
「それは散々調べてなかったからあきらめたでしょ!」

 少し起き始めているのか、どこからか声が聞こえる。
 何の声だ?

「ファラの羽で起こすのはどう?こう、ファサーっと」
「こうかしら?」
「んー、ふがっ」
「「ぷっ!」」

 なんかふさふさしたのが顔の上に乗っかったような、
 そのせいで息がしづらい。
 それに、笑っている声も聞こえる。

「メルの尻尾なんてどう?」
「こうかな?」
「んあっ」
「えっ?」

 抱き枕か?
 ずいぶん細いけど。
 そんな上にあったら抱きつけないじゃないか。
 俺は下に引っ張った。
 あれ?細かったのにちょうどいい抱き心地になった。

「ちょっとメル!抜け駆けは駄目だって!」
「不可抗力だよ!それより助けて!」

 人肌にそっくりでぬくもりもある。
 少し暑い。
 だんだん目が覚めてきた。

「朝か……。えっ?」
「お、おはよーディラ。離してくれるとうれしいけど」

 なんで俺メルを抱いて寝ているの!?
 一体俺の身に何が起きたの?

「ご、ごめん!」
「あはは、僕も悪いことしたからチャラにしよ」
「まったく、ふざけないで普通に起こせばよかったわ」

 何の話だ?
 そういえばさっきまで声が聞こえていたんだっけ。
 夢だったのかな?

「そうだ時間!まだ大丈夫?」
「そうだったわ。そろそろ出発するから早くしたほうがいいわよ」
「僕たちは終わったから、後はディラ待ちだよ」

 まじか!それならさっさと準備を終わらせないと。
 って、なんも荷物がないんだった。
 何もないからそのまま村長のところへ向かった。

「おはようございます。よく寝れましたか?」
「ああ、ぐっすりと」
「それはよかったです。そろそろ出発するので入口のほうへ向かってください」
「りょーかい、お世話になったね」
「いえいえ!この村を助けていただいたほうが大きいです。ありがとうございます」

 村長は頭を深く下げ、お礼をした。

「じゃあ行くか」
「ええ。入口と言っていたけど、あれかしら?」

 ファラが指をさした方向には一台の馬車。
 あれに乗っていくのか?

「お待ちしておりました。ではお乗りください」
「どれぐらいで着くの?」
「大体30分です。窮屈で申し訳ございませんが我慢していただけるとありがたいです」

 30分か。それぐらいなら我慢しよう。
 何も「もっといいやり方をしろ!」とは思っていないし。

 俺たちは馬車に乗り、冒険所がある町へと向かった。
 時間は本当に30分。
 町に着くと俺たちは外へでた。

「到着しました。クラーでございます」
「おー!中世の街中みたい!」
「そうね。おそらく一緒だわ」

 俺たちが馬車から下りると運んでくれた人がなにやらコソコソしていた。

「みなさん、これをどうぞ」
「何これ?」
「悪魔討伐の報酬でございます。金貨10枚ございます」

 見たところ、ゲームのコインと似ている。
 というか瓜二つ。
 それならたくさん持っているぞ……。

「まあ、ありがたくもらうよ。ありがとう」
「いえいえ。では私はこれで」

 馬車の人は町の中へと姿を消した。
 そういえば町に用事があると言っていたな。
 その用事にでも行ったんだろう。
 さて、どこへと向かおうか・

「いったん冒険所というところに行ってみようかしら」
「そうだね!元々それが目的だったんだし!」
「おけ。じゃあ探しながら行こうか」
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