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元Sランクの俺、再度グランニールへ
しおりを挟む天空を優雅に舞う、一匹の黒い竜。
雲を突き抜け、風を切り裂き、人類が到達したことがない高さまで軽々と飛ぶことが出来るのはやはり竜というポテンシャルの高さがあるのだろう。
しかしそうだとしても雲の上まで到達できるのは翼を持つ魔物でも難しく、普通なら雲の上の世界なんて行けるはずがない場所なのだ。
だがその黒い竜は平然と雲の上まで飛び、一生を過ごしても見ることが出来ないであろう広大な雲海の上に影を作り、目的地のグランニールまで翼を羽ばたかせて飛んでいく。
一方その黒い竜の背中に乗っている者達は目の前に広がる絶景に感動しているのか、感嘆の声を漏らしていた。
しかしただ一人。
そんな高いところが苦手なのか、一人の少女は顔を真っ青にしながら全身を震わせ、必死に落ちないようしがみついていた。
「うわわわわ……ど、どどどうして皆そんな平気なのっ!?」
その1人の少女の名はカラリア。
普段の気さくでお調子者の姿はなく、今はまるで生まれたての子鹿のように弱々しく、目に涙を溜めながら腰を抜かしていた。
「痛い痛い。そんな引っ張らないでくれ」
「だ、だだだって! 落ちるかもしれないじゃん!」
「その点は大丈夫だぞ。ローザがエアカットの魔法を使ってくれてるからな。暴れずに普通に過ごしてたら落ちるどころか体制を崩すことも無いぞ」
「そ、そういう問題じゃないんだって!!」
レンは落ちるはずがないと頭の中で思っており、もし落ちそうになってもローザが上手く調整してくれるだろうと信じているので、怖がることはない。
しかしカラリアは落ちてしまった後の事や、飛ばされてしまたらなどと悪い方面で考えてしまうらしく、レンの服にシワが出来るほどカラリアは死にものぐるいでレンの服を掴んでいた。
「そもそも、ティエリナとリルネスタちゃんは怖くないの!?」
「えーと……怖さよりも感動の方が勝ってるから怖くないかな。ほら、こんな景色を眺めることなんて貴重なのよ?」
「私もティエリナさんと同じかなぁ。それに、ローザなら安心できるしね」
「ええぇぇ……ラ、ライネリアさんは!? ライネリアさんもさっきから静かだし、本当は怖いとかじゃないの!?」
『怖い……? そのようなことは思ったこともありませんね。それに、この景色は慣れてますから』
まるで怖がっているカラリアが異常のような雰囲気になっているが、実際はカラリアが正常であって、他が異常であると呼んでも過言ではないのである。
特にリルネスタに関しては動きたくてうずうずしているのかピョンピョン跳ねたり好き勝手に歩いて様々な場所から景色を眺めていたりしているので、傍から見ているカラリアの心臓が何度止まりそうになったかは、説明するまでもないだろう。
『ふむ、そろそろ到着じゃ。一応隠密系の魔法を使っておるのじゃが、万が一のことを考えて山の麓辺りに降りるつもりじゃが、どうじゃ?』
「あぁ、それでいい。頼む」
『承知した』
レンはローザの提案に頷き、委ねることにする。
そして今の会話をティエリナとカラリアに告げると、ティエリナは目に絶景を焼き付けたいのか髪を耳にかけながら一心に眺めており、カラリアは短いようで長い時間がやっとの思いで終わることで力が抜けたのか、レンの服を掴む力が緩まり、辟易したようにため息を吐いていた。
「ここまで2か3時間くらい……? 確かに早くてお尻も痛くないけど……なんだか寿命が縮まった気がするよ……あ、あはは…………」
「それよりも、なんだその荷物の量は。お前だけカバンの大きさがおかしいだろ」
生気のない声で笑うカラリアを置いておいて、レンはその背中に背負われた荷物の大きさに目を張っていた。
ティエリナは家に備品があるためギルドで手続きをしただけで手荷物はほとんどなく、リルネスタもティエリナから借りるそうで荷物は少なかった。
レンは聖剣とポーチといういつも通りの装備で、ライネリアとローザもリルネスタと同じでティエリナから借りるものは借りるらしいのだが、カラリアだけまるで大岩のような荷物が背負われていた。
「……よくそんなの持てるな」
「ん? あぁ……ボクってさ、実はドワーフのワンエイスなんだよね」
「ワ、ワンエイス……って、なんだ?」
「えーと、簡単に言えばボクのひいおじいちゃんはドワーフらしいんだよね。だからその血が混ざってるから、ドワーフの能力っていうのかな。それが少しだけあるらしくて、他の人よりも力があるんだ」
ハーフエルフなど、人間と他種族のハーフは聞いたことがあるが、ワンエイスなど聞いたことがないレンは、素直に感心していた。
もしカラリアがドワーフと人間のハーフなら気付けたかもしれないが、さすがに曽祖父がドワーフだとドワーフの血が薄くなるのか、どこからどうみても純粋な人間にしか見えないので、レンは興味があるのかカラリアをマジマジと観察していた。
「……ドワーフの特徴ってなにがあるんだ? 俺は力持ちであることくらいしか知らないな」
「うーん。例えばさ、ボクの肌って少~し黒いじゃん? なんかドワーフって肌が焼けやすいんだって。あと鍛冶に関する才能が少なからずあるとか」
「なるほどな。外面の変化よりも内面の変化の方が大きいんだな」
「そうだね。あっ、でもドワーフの女性って寸銅体型が多いらしいんだよね。だからボクも寸銅体型なわけで……あはは、ティエリナと同い年なのに……しかもリルネスタちゃんより年上なのに……」
「…………」
胸元を両手で押さえ、掠れた声で笑うカラリアにどう反応すればいいのか分からなくなり、レンはそのまま視線をカラリアから外していく。
いつもは自虐じみたように自分の体型を弄っていたが、カラリアも女性だ。実は気にしているということを知り、レンはなにも言えなくなる。
そもそもレンにはカラリアの気持ちが分からないので声のかけようがないわけで、とりあえずカラリアには同情せず、変に刺激しないようあえてレンはその話題を放置し、皆にそろそろ到着することを告げ、聖剣を腰にぶら下げていた。
『今からは降りることに集中する故、下手に動くでないぞ?』
「あぁ、分かってる」
ローザの飛行速度が落ちていき、ゆっくりと雲の中に吸い込まれていく。
そしてしばらくの間辺り一面が真っ白に染まり、なにが起きているのか分からない状況が続くと、次第に視界が晴れていき下界が見え始めてくる。
完全に雲の下に出るとそこはグランニールが一望できるほどの場所で、本当にあれこれ数時間でグランニールに到着したことに驚いているのか、ティエリナとカラリアは『本当にグランニールだ……』と呟いていた。
そのままゆっくりと滑空しながらローザは高度を下げていき、グランニールを囲む山の麓に降り立つ。
そしてレンが一足先に降りてリルネスタやティエリナに手をかして降りる手助けをしていき、最後にカラリアの番がやってくる。
だがカラリアはいつまで経ってもレンの手を掴もうとしない。もうローザは着陸しているが、それでも地上までは2メートル以上あるので、カラリアは高所恐怖症なのか中々降りようとしなかった。
「んっ、よいしょっと。ほら」
「え、いいの?」
「仕方ないだろ。荷物はローザに下ろしてもらうから、カラリアは俺の背中に乗ってくれ」
「…………お、重かったらごめんね」
そう言い、カラリアはレンの背中に申し訳なさそうに乗り、レンは大して重くないカラリアを背負って慎重にローザの背中から降りていく。
その直後にローザはカラリアの荷物を器用に下ろし、人化魔法を使用したと思えば腰を伸ばして肩を大きく回していた。
『うぅむ。最近人の姿で生活することが多いせいか、なんだかこちらの方が楽な気がしてきたの』
「そうなの? なんか、竜の方が空を飛べるから気持ちよさそうだと思うけどな~」
『それは否めないがの。単純に翼を動かすから疲れるのじゃよ。そのせいで人の姿になると背中が軽くて違和感があるのは仕方ないことじゃがな』
どこか苦しそうにローザが肩を押さえていたので、リルネスタがローザの肩を揉んであげていた。
傍から見たら祖母のため肩を揉んであげている孫の図なのだが、それを言ってしまうと多方向に喧嘩を売ることになってしまうので、レンは心の中にそっとしまっていた。
「いや~、レンさん。ありがとう! まだちょっと足が震えてるけど、レンさんのおかげでもう平気だよ!」
「それはよかった。まぁ、俺の服はシワだらけになったがな」
「あ、あはは……人が悪いなぁ、レンさんは」
「冗談だ」
レンがカラリアをリラックスさせるために冗談を言うと、その効果が早速発揮されたのかカラリアの足からは震えが無くなっていた。
「それにしても、カラリアはレンさんに甘えすぎ。なんで私に頼らなかったの?」
「えー……ボク、ティエリナだったらお腹とか掴んでたよ? 具体的な感触とか口走ってたかもよ? 例えば……うわー、こんなにくびれあるのに出るとこは出てて──」
「今それを言わなくていいから!」
ようやく本調子が戻ってきたのか、カラリアはいつものようにティエリナを弄ってはお腹を押さえて笑っていた。
ティエリナは勘弁してほしそうに眉を下げていたが、カラリアが元に戻って安心したのかどこか表情は柔らかく、まったくと言いたげな様子でカラリアの頭を優しくコツンとしていた。
「さて、レンさん。これから私の家に向かいますが……よろしいでしょうか?」
「あぁー、そうだったな。皆もう準備は出来てるし、俺はいつでもいいぞ?」
「はい、分かりました。では皆さん、今から向かいますよ~」
ティエリナはリルネスタやローザに声をかけ、レンはライネリアに声をかけてから歩き出す。
先頭はティエリナで、その後ろは列にはならずぐちゃぐちゃではあったものの、無駄に広がることなくティエリナの後に続き、グランニールの南門を潜っていく。
レンはなぜか遠い昔に訪れたかのように感じるグランニールに懐かしさを抱きつつも、相変わらず人通りが多い中をひたすら北の方面へ真っ直ぐ進んでいくのであった。
──────────
グランニールの街中をひたすら北方向へ進んでいき、緩やかな坂道を登っていく。
そして北門が見える真っ直ぐで平坦な道に出ると、ティエリナは左手方向に見える急な坂道へと足を伸ばして歩く。
素直について行くレン達の目の前に広がるのは大きな家々が並んだ住宅地。
それはグランニールの中でも規模が小さい割には家の大きさだけは異様に大きく、俗に言う高級住宅地という言葉が似合う風景であった。
先程から右手に見える3メートル程の高さの白い壁と、その奥に見える瓦屋根の立派な家にリルネスタはレンに『あの家、大きいね~』と呑気に語りかけ、レンも『そうだな』と同意する。
そして突如ティエリナが方向転換したと思いきや、ティエリナは先程リルネスタが大きいと名指しした家の門を潜っていくので、ついついレン達は立ち止まってしまう。
そんなティエリナの後をカラリアが軽快なステップで追っていくのだが、レン達は未だに足が動かず、その場で木のように立ち往生してしまっていた。
「皆さん? どうして止まってるんですか?」
「いや、その……もしかして、ティエリナの家って……」
「はい。ここですよ?」
その一言で、リルネスタが『えぇ~!』と耳鳴りがするほどの声で驚愕する。
普段なら『静かにしてくれ』や『近所迷惑になるだろ』とリルネスタを注意するレンであったが、レンも驚きのあまりリルネスタを注意することを忘れ、目の前に佇むケルアのギルドよりも大きいであろう家──ではなく、屋敷を前に声を失っていた。
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