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元Sランクの俺、不幸な再会を果たす
しおりを挟む昼になり、ギルドがいつもよりも騒がしくなる。
どうやら皆冒険者交流会でやって来るAランク冒険者が気になるのか、昼前から話題が冒険者交流会の件で持ちきりになっていた。
そうなってしまうのは仕方ないだろう。
Aランク冒険者はSランク冒険者ではないものの、あと少しでSランク冒険者という名誉ある称号を授かる可能性がある者達なので、やはり期待はその分大きくなる。
たとえ今回やって来る者達がAランク冒険者になったばかりであろうと、そもそもAランク冒険者というのは普通に冒険者稼業を続けていても到達することがないレベルなので、憧れる者も多いのだ。
Sランク冒険者は無理でも、Aランク冒険者なら。そのような希望を抱く者達も少なくはなく、皆自分のギルドランクを上げるために日々努力しているのである。
「もうすぐですね」
「そうだな……あ、すまん。ちょっとみんなここで待っててくれ。少し用を済ませてくる」
椅子を引いて立ち上がったレンは、ギルドにやって来たユークとシスティを見つけたので、リルネスタ達をその場に置いて少し早足で歩いていく。
そして依頼板の前で肩を並べながらクエストを探すユークの元にたどり着くと、難しい顔をしていたユークは笑顔になり、レンに右手を差し伸べた。
「やぁ、久しぶりだね。元気にしてたかい?」
「あぁ、おかげさまでな」
躊躇うことなくレンはユークの手を取り、固く握手を交わす。
そしてそんなユークを真似てシスティも手を差し伸べるが、レンは本当に握手してもいいのかとユークに目をやっていた。
だがユークは笑いながら『別にそれくらいで僕は怒らないよ』と言っていたので、レンは快くシスティと短めの握手を交わしていた。
「それにしても、珍しいね。レンから僕達のところに来るなんて」
「それは昨日の件について礼を言いたかったからだ。ユークもシスティもリルネスタの面倒を見てくれてありがとうな」
「いやいや、面倒だなんて。僕達は普通に接してただけだよ」
「そうですよ。むしろ昨日はリルネスタさんに魔法のコツを教わりました。そのおかげで少し自信がついたんですよ?」
確かに年齢はリルネスタの方がユーク達より年下だが、魔法に関しては大賢者という天才の上を行っているので、システィがリルネスタから学んだと聞いてもそこまで違和感は抱かなかった。
だがリルネスタは理屈よりも感覚で動いていると思うので、人に魔法を教えることが出来ないのではという考えが生まれていた。
どうやらそんなレンの考えは正しかったらしく、リルネスタの説明は『じわじわ~』や『ぎゅーん!』などの擬音系が多かったらしい。
しかしそれでも真面目なシスティはそんなリルネスタから学ぼうと努力したらしいので、さすがだなとレンは素直にシスティの向上心を称えていた。
「そういえば、今日は冒険者交流会らしいね」
「あぁ、そうらしいな。ユークは選ばれなかったんだな」
「ははは、僕はまだBランクだよ? さすがに選ばれることはないよ。まぁ、いつかは選ばれてみたいけどね」
「俺はもし選ばれても遠慮すると思うな」
「それは面倒だからだろ?」
「……バレたか」
仲睦まじく会話するレンとユークを見て、システィはクスクスと静かに微笑んでいた。
すると突然ギルドの扉が荒々しく開かれ、息を切らした1人の男が膝に手をついて息を整えていた。
優しいユークがその男の背中をさすると、息が整ったのか男はユークに一言だけ礼を言ったと思えば大きく息を吸い、
「交流会の冒険者が来たぞ!」
と大声でギルド全体に聞こえるように叫んでいた。
その言葉により、ギルド内で待機していた冒険者達が『やっとか!』と口を揃えて騒がしくなる。
そしてしばらくレンはユークの隣で待っていると、ギルドの扉が重々しく開かれて4人組の冒険者がギルドの中へ足を踏み入れる。
その冒険者達はこの辺りでは見たことのない顔をしていたので、一目見て冒険者交流会で来た冒険者であると分かったのかギルド内が完全に歓迎ムードになる。
そんな中レンはその4人組と対面し、息を呑んでいた。
なぜなら、そこに立っている者達はレンがヴァンホルンのギルドで活動していたときのパーティメンバーで、先頭に立つギリュウはレンを見かけたと思えば、いきなり嫌味ったらしく睨みつけていた。
「こんなところにいたのか……久しぶりだな、レン……!」
「……お前の──いや、お前らの顔はもう見たくなかったんだがな」
いつになく怒りを露わにするレンに怯んだのか、ユークはシスティの腕を引っ張りながら1歩後ろに引き下がる。
きっと本能的に2人の間に居てはいけないと思ったのか、出来るかぎり自分の存在を消そうとしていた。
「お前が抜けたせいで苦労したぜ。なぁ? それなのになんでお前みたいな足でまといがこんな場所にいるんだ?」
「さぁな、答えるわけねぇだろ」
ガヤガヤと騒がしい空間の真ん中で、レンとギリュウは互いにやっと聞こえるくらいの声で牽制しあう。
「ちょっと、ギリュウ。ちゃんと中まで入ってよね──って、えぇ!?」
「……まさか、こんなところでこんな再会をするとは、思いもしなかったですね」
続いて顔を見せるシスカとラムザを前に、レンは苛立ちが抑えきれないのか肩が震え始める。
だがその肩は何者かに掴まれたことにより、震えが止まる。そんな肩を掴まれたレンが後ろを振り向くと、そこには真剣な眼差しを向けるユークが立っていた。
「レンと彼らにどんな関係があるかは分からない。だがこれ以上はやめた方がいい。行こう」
「おい、待ちやがれ!」
ユークがレンをギルドの奥へ連れていこうとすると、ギリュウがレンの肩を掴もうと声を荒らげながら腕を伸ばそうとする。
だがそんなギリュウ達を事情を知らない大勢の冒険者たちが囲うので、ギリュウはレンの肩を掴めることなく見失ってしまい、舌打ちをしていた。
そんな舌打ちを聞きつつも、ユークはレンとシスティと共に人混みをかき分けていき、リルネスタやティエリナが座っている席を発見し、そこに向かって歩いていく。
そしてリルネスタ達の元に到着するや否や、レンは椅子に座り込んでテーブルを拳で勢い任せに殴っていた。
「レ、レン……どうしたの? ユークさん、システィさん。レンはどうしちゃったんですか?」
「……分からない。でも冒険者交流会でやって来た人達と出会ってからちょっと様子がおかしくてね。レン、大丈夫かい?」
「あ、あぁ。ユーク、ありがとうな。あそこで止めてくれなかった今頃喧嘩になってたかもしれない」
いったいなにが起きたのかレンの帰りを待っていたリルネスタ達は心配そうに首を傾げていたが、ローザはあることを察したのか1人で納得したかのように目をつぶる。
そんなローザの頭の中には、レンがシキ達に明かした話が文字になって並べられていた。
冷静を失ったレンと、他ギルドの冒険者。
たったそれだけの情報で、冒険者交流会で来た者達がレンの仲間だった者達であると、導き出されていた。
「すみません、私はギルド職員としてやるべき事がありますので、少しの間席を外しますね」
『もしかして、冒険者交流会の件ですか?』
「はい、その通りです。では失礼しますね」
「ティエリナさん、頑張ってくださいね!」
リルネスタが声援を送り、ティエリナは軽く頭を下げてギリュウ達のいる方へ歩いて行ってしまうが、レンを心配しているのかどこか思い悩んでいるような顔になってしまっていた。
一方、残されたリルネスタ達はローザを除いてレンがいったいなぜここまで意気消沈しているのか分からず、互いの目を見合ってなにをすべきか考えていた。
「……すまん、ちょっと顔を洗ってくる」
『っ、それなら私も……』
「大丈夫だ。1人で終わる用だからな」
そう言い、レンは手洗い所のある通路へと消えていってしまう。
どんよりと気まずい空気が流れ、リルネスタはライネリアにどうするべきかを相談していた。
だがライネリアもレンの事情を知らないため、なぜレンがあんな風になってしまったのかが分からず、静かに首を横に振っていた。
しかしリルネスタも諦めきれず、今度はローザに聞いてみるが、ローザは少し黙った後に『妾も分からぬ』と嘘をつき、湯呑みに手を伸ばしていた。
『(これは決して妾が口にしてはいけない問題じゃ。彼奴が自分の口から語らぬ限り、先へは進めぬ)』
難しい顔をしつつローザがお茶を飲んでいたので、察しのいいライネリアはローザがなにか知っているのではないかと勘づいていた。
そして意を決したライネリアがローザに声をかけようとしたその時、そんなライネリア達の元にある人物がやって来た。
「すいませ~ん! ちょっといいっすか?」
その人物は独特な話し方をしており、皆はいったい誰なのかと首を傾げていたが、近くでレンとギリュウの口争を見ていたユークとシスティは彼がギリュウの後ろに立っていた人物であることを思いだし、少しばかり警戒心が高まる。
だがそんな普通ならば気付くはずがない警戒心に気付いたのか、その人物は手を前に出しながら首を横に振っていた。
「待ってくださいっす! 俺っちは別に喧嘩をしに来たわけじゃないっす!」
「……じゃあ、いったいなんの用があるんだい?」
「それはもちろん、師匠──じゃなくて、レンさんに会いに来たに決まってるじゃないっすか!」
『レン様に……?』
「そうっす! あ、ちょっと座ってもいいっすか? ずっと歩いてたから足が痛くて……あはは」
「は、はぁ……」
ユークが許可を出す前に、その少年は別のテーブルから椅子を引っ張り出し、腰を下ろしたと思えば呑気に息をついていた。
その少年がなにを思っているのか知らないが、ユーク達はこの空気を読めない少年を前に緊張を高めていく。
この少年がレンとどのような関係があるかは不明だ。
しかしレンがあんな風になってしまった元凶の仲間というだけで、この場の空気はいつになく悪いものになってしまっていた。
「それで、レンになんの用があるんだ?」
「えーっと、まずどこから話せばいいっすかね? あ、俺っちのことはタカギって呼んでほしいっす!」
「なるほど、タカギさんね」
「そんな、俺っちのことはタカギでいいっすよ! 俺っち、そういう堅苦しいの苦手なんすよ」
椅子の上であぐらをかき、タカギは笑い飛ばしながらユークに語りかける。
傍から見たらただのお調子者にしか見えないタカギだが、長年冒険者をやって来たユークには分かっていた。
そのタカギは隙が多いようで、まったく隙がない。一応Bランク冒険者のユークだが、それでもこのタカギには勝つことが出来ないと本能的に察していた。
「そういえば、レンさんはどこにいるんすか?」
「その前に、タカギさんはレンとどういう関係なんだい? まずはそれが知りたい」
「タカギさんじゃなくて、タカギでいいっすよ! んー、まぁそれは置いておいて。レンさんは俺っちの憧れ、尊敬するに値する人っす!」
「レンを憧れ? 尊敬……?」
少なくともタカギはレンの過去を知っている人物であると判断したのか、前のめりになっていたユークは背もたれに背を預けて話を聞く体勢をつくる。
そんな中、ローザはタカギがこの場でレンの過去を話してしまうのではないかと危惧していたが、ここで止めてしまうと嘘をついてしまったことが判明し、リルネスタに問い詰められてしまうので静かに鋭い視線をタカギに向けていた。
だがタカギは能天気なのかお気楽なのかは不明だが、そんなローザの視線に気付くことなく、話を続けようとする。
するとタイミングが良いのか悪いのか用を済ませてきたティエリナが戻ってくる。
ティエリナはレンがいなくなっていることと冒険者交流会でやって来たタカギを見て今はどういう状況になっているのか考えていたが、結局答えは出なかったのか『今戻りました』とだけ口にして椅子に座っていた。
「憧れとか尊敬とかはいいとして、結局のところタカギさんはレンとどういう関係なんだ? Aランク冒険者のタカギさんとCランク冒険者のレンに接点なんてあるとは思えないんだけど」
「え、Cランク!? ってことは、レンさんは冒険者の世界に復帰したってことっすよね!? くぅ~! さすがレンさん! さすがっす!」
1人で盛り上がるタカギだが、今のユーク達はある言葉が頭から離れなかった。
それはまるで当たり前かのように放たれた『冒険者の世界に復帰した』という言葉で、皆はその分かりやすいが色んな意味でわけの分からない言葉に、顔をしかめていた。
「あれ、レンさんからなにも聞かされてないんすか? なら俺っちがレンさんの偉大さを教えてあげるっす! あのかつてヴァンホルンのギルドで最強の冒険者と謳われたレンさんの偉業を! 耳をかっぽじってよく聞くっすよ~!」
尊敬しているレンのことを話せることが余程嬉しいのか、タカギのテンションは上がりに上がっていた。
だが今この場にいるローザを除いた全員は、今まで謎に包まれていたレンの過去が聞けることに興味と得体の知れない不安が募っていた。
その不安の正体は分からない。
だがただ1人、リルネスタはレンがどこか遠くに行ってしまうのではないかという錯覚に陥っていた。
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