Sランクパーティから追放された俺、勇者の力に目覚めて最強になる。

石八

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元Sランクの俺、仲介する

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 異様なまでの闘争心を醸し出す黒竜姫とライゴルグは、体から溢れ出す魔力のせいで黒竜姫は髪が、ライゴルグは体毛が逆だってしまっていた。

 あまりの気迫にレンが一歩後ずさると、ライオウガがレンとリルネスタの服を口で掴んで背中に乗せ、すこし離れた丘の上に連れていってしまう。

 そして魔物の姿から人化魔法で人間の姿になると、右手で顔を押さえて大きなため息を吐いていた。

「ライオウガ! 久しぶり~!」

「まさかお前から接してくるとはな」

『まぁな。今回はちょっと面倒なことが起きるからな……って、くっつこうとするな! 暑苦しい!』

 どこか張り詰めた空気を漂わせるライオウガであったが、脳天気なリルネスタが再会を喜んで近寄ろうとしたので、触れられる寸前で大きく広げた手を前に出し、リルネスタを静止させる。

 そんな序盤からリルネスタによって振り回されるライオウガであったが、すぐに冷静を取り戻して互いを睨み合っている黒竜姫とライゴルグを見て『勘弁してくれよ』と言いたげに髪の毛を掻きむしっていた。

「なぁ、ライオウガ。なんでライゴルグと黒竜姫はあんな睨み合ってるんだ? なんか理由でもあるのか?」

『理由って……そりゃ、あいつらは犬猿の仲だからな。俺は関係ないんだが、実は過去に周囲に大被害が起こる戦闘を繰り広げてな。それっきり、会う度こんな感じだ』

「へぇ~、なんでそんなことになっちゃったの?」

『……なんだけっな。確か勇者と大賢者が関係してるはずだ。あいつら、2人共勇者と大賢者のことを気に入っているからな』

 呆れたようにライオウガがそう言うと、ライオウガの頬すれすれに細い雷と黒い炎が飛び、頬からプスプスと黒煙が上がる。

 どうやらライオウガの発言が聞こえたらしく、黒竜姫もライゴルグも『余計なことを言うな!』と言いたげにライオウガに牙を剥いていた。

『ま、まぁ……その、なんだ。このルドの渓谷ができた要因は俺達だけでなくあの竜も関わってるから、切っても切れない関係なんだよ』

「あれ? 確かルドの渓谷ってライオウガとライゴルグが雷になって山に落ちて、その山が割れてできたんじゃなかったっけ?」

『その解釈で合っている。だが、正確にはここまで谷が大きくなったのはあいつらが戦闘を繰り広げたせいでもあるんだよ。あのときは俺でも止められなくて大変だったぜ』

「それって、かなりまずいんじゃないか?」

『…………なんとかなるだろ』

 なるとかなると言いつつも、ライオウガはどこか自信なさげに明後日の方向を向いていたので、きっと2人の争いに首を突っ込むのが怖いのだろう。

 なにが原因でここまで恨みあってるかは不明だが、このままではルドの渓谷がめちゃくちゃになってしまうかもしれない。

 それだけなら魔物のせいだと言えるのだが、ルドの渓谷の下流方向にはかなり前にお世話になったルドの村がある。

 そこに被害が起きてしまうためなんとか黒竜姫とライゴルグを説得したかったのだが、憎悪というものは膨らむと萎むことはないので、もうレンにはどうすることもなかった。

「止めたくても……止めるのは、厳しいかもな……」

「んー、なんで喧嘩してるかも分からないもんね?」

「そう……だな。それさえ分かれ、ば……まだ、解決できるんだが……な…………」

「そうだよね……でも私にはなんで喧嘩してるか分からないよ~」

「無理も、ない。俺だって……分から、ない…………」

 話せば話すほど呼吸が困難になり、心臓と肺、そしてディオマインに切り裂かれた脇腹が傷んでくる。

 気付けば視界もかすみ、隣で腕を組んで悩んでいるリルネスタの顔すら認識できないほど、目の前の情景にモヤがかかったようにおぼろげになっていく。

 それどころか、口の中が鉄の味と香りに包まれる。

 そのせいでむせこんでしまい、手を受け皿にして咳をすると、胸に突き刺さるような痛みが広がり、手のひらにはドロっとした赤色の液体が吐き出されていた。

「あ……れ…………?」

「……レン? どうしたの? レン……? レンっ!? しっかりして! レンッ!!」

 そんなリルネスタの声を聞いてから、レンはもう立っているかすら分からないくらい意識が朦朧としたまま膝から倒れ込んでしまう。

 そして最後に先ほどまで睨み合っていた黒竜姫と、いつの間にか人間の姿になったライゴルグの『勇者様!?』という呼びかける声を聞き、レンは完全に意識を失ってしまった。



────────



 痛い。

 まるで体を隅から隅まで噛みつかれているかのような、鈍いが確かな痛みが伝わってくる。

 見える景色は、なにもない。
 強いていうなら、金色……だろうか。

 綺麗な渓流や、そびえ立つ山ではなく、目の前は見覚えのある金色の世界が広がっていた。

「ここは……?」

 上を見ても下を見ても、右を見ても左を見ても一面が金色に染まっており、歩きだそうとしても足が動かない。

 そもそもここが地上なのかすら分からない。
 もしかしたら空中なのかもしれないし、海の中かもしれない。

 だが息はできる。
 できるが、息をすればするほど苦しくなるので、極力息はしたくないと思えるほど胸に痛みが走る。

 無意識のうちに手で胸を押さえてしまう。
 そのとき、レンは自分の両腕に小さな鱗がびっしりと生えてきていることを発見し、驚きのあまり体が大きく仰け反る。

 そのせいで尻もちをついてしまい、頭を打ってしまう。

 すると、頭の上から鱗の破片がパラパラと降り注ぎ、頭を撫でると髪の毛ではないなにかの手触りがする。

 それはガサガサとしており、それでいてツヤツヤとしていて、ムニムニと柔らかい。

 どうやらそれは脆いらしく、レンの力で簡単に取れてしまった。

「……っ!? な、なんだこれ……」

 その手に握られていたのは透明だが有色で、まるでゴムのような感触がする鱗であった。

 だがあまりにも大きすぎる。
 なのでレンがそれを捨てるため立ち上がろうとすると、自分の足がそんな鱗に包まれていて、固まってしまって立ち上がることができなかった。

「くそっ、くそっ!」

 その鱗はレンの意思に関係なくどんどん体を蝕んでいき、次第に足から腰にかけて金色の鱗にまるで食べられるかのように侵食されていく。

 なんとか助かるために力を入れるが、ビクともしない。

 しかしせめて腕だけでもと、人間が死に対面したときに見せる謎の生存本能が、鱗だらけで重々しい右腕を無理やり天に向かって持ち上げる。

 そもそも持ち上げたところが上か下かすら曖昧だ。

 しかし、今のレンに正常な判断はできず、意味がなく無駄なことをしてでも生き延びようとわけの分からないことをしていた。

 そして首まで鱗が侵食し、もうダメかと思ったそのとき。

 レンが腕を伸ばした場所に、薄水色のベールのようななにかが垂れ下がってくる。

 それをレンは無意識のまま力任せに掴んでいた。
 すると、まるでそのベールのようななにかから冷たい水が流れてくるような、そんな心地良さが身体中に駆け巡る。

 その瞬間、レンはそのベールのようななにかに引っ張られ、金色の空間から明るい空間に連れていかれる。

 だが不思議にも不快感は感じず、レンはそのまま流されるかのように身を委ねるのであった──

「──はっ!?」

 まるで引きずられるかのように意識を戻すレンは、目をぐわっと見開いて朱色に染まった空と対面する。

「レンっ!」

「んん……リルネスタか」

 少し前に同じようなことがあったような気がするが、レンはそれよりも自分の体の変化に驚いていた。

 まず、息をしても苦しくない。
 吸っても吐いてもズキズキと突き刺さるような痛みはなく、特に違和感があるわけでもないので、気持ちよく新鮮な空気を吸うことができる。

 そしてなにより、立っているだけでも激痛が走っていた体がまるで何事もなかったかのようになっていた。

 腕にできた切り傷も、腹にできた大きく裂かれた傷も、実際に見たわけではないが手で触るだけで治っていることが分かった。

『勇者様。大丈夫ですか?』

「お、おぉ……ライゴルグが膝枕をしてくれてたんだな。どおりで首が痛くないわけだ。ありがとうな」

『あっ……いえ、なんでもありません。治ったのならなによりです』

 あっさりと体を起こしてしまうレンに対し、ライゴルグは少し名残惜しそうに眉を下げるが、レンはそういう人間だと割り切ったのか素直にレンの無事を祝福していた。

 レンの復活に黒竜姫も『心配したぞ』と声をかけていたが、どうもライゴルグが苦手なのかライゴルグとは距離を置いており、ちょうどレンが境界線となって2人の間になっていた。

 一方のライオウガはレンが目を覚ましてからあぐらを解いて寝転がり、レンに背を向けてあくびをする。

 素直じゃないライオウガだが、一応レンが目を覚ますまで目を離さず見守っていたので、思うところがあったのだろう。

 しかし目を覚ましたレンになにも言葉をかけないあたり、やはりライオウガはおめでとうだとかありがとうだとか、そのような言葉を使うのが苦手なのだろう。

 だがレンはそれを既にある程度理解していたので、特に気にすることもなく自分の服を捲り、傷跡すら残ってない腹を見て口を開けていた。

「これは……ライゴルグが治してくれたのか?」

『はい、その通りです。私が様態を見たときは本当に危ない状態でした。むしろどうしてあんなになっているのに動けたのか不思議なくらいです』

「そんなに危険な状態だったのか」

『はい。ディオマインの放出する金色の鱗粉は実は視認できないほど細かな鱗で、簡単に生物の内部に侵入します。そして中からじわじわと蝕んでいくという恐ろしい魔物なのです。ですから大賢者様の体内からも鱗粉を撤去しましたが、勇者様は大賢者様の10倍近くの鱗粉が出てきました』

 どおりで息が苦しいのだと、レンは納得した様子で頷く。

 だがライゴルグは本当に事の重大さが理解しているのかと、難しい顔をして小さなため息を吐きだす。

 しかし柔らかな笑みを浮かべるレンを見て、ライゴルグは胸に手を当てながら微笑んでいた。

 黒竜姫にとってそんな表情をするライゴルグが珍しく、驚きを隠せないのか目を点にしていたが、軽く首を振ってすぐに元通りに戻っていた。

『まったく、お主は本当に人間なのかの? 普通ならこの世を去っている頃じゃぞ』

「いや、まぁ違和感は感じたんだが、そこまで気にならなかったというか……良く分からないんだよな。動いたというより、動けたみたいな」

『それはきっと勇者様の力ですよ。勇者様はただの人間ではありません。勇者様は超越したお方なのです』

『超越……ふっ、わけの分からないことを。しかし、お主のような貧相な猫はそうやって媚を売ることしかできぬからのぉ』

 ライゴルグの発言が面白おかしかったのか、黒竜姫は鼻で笑いながら煽り口調でライゴルグを見下ろす。

 それに対しライゴルグは先ほどのように怒りを顕にすることはなかったが、全身からビリビリと雷が帯びた魔力を溢れさせ、微笑みながら尋常ではないオーラを放っていた。

『そういう傲慢トカゲは身長や胸だけでなく、態度まで無駄にでかいのですね。少し切り落とした方がいいのではないでしょうか?』

『お主こそ、身長や胸だけでなく器量まで小さいとは。呆れるの』

『トカゲの割にはよく喋りますね。その口、縫い合わせた方がいいのでは?』

『はんっ、ぬかせ。お主こそ、猫の割には可愛げがないのぉ。そうじゃ、ほれ、四つん這いになって歩き回ったらどうじゃ? そうすれば少しはマシになるじゃろ』

 互いの煽り合いはどんどんヒートアップしていき、次第に2人の距離が狭まり、額と額がくっついてしまうほど近くまで体を寄せて睨み合っていた。

 見えはしないものの、レンに背を向けているライオウガはきっと額に冷や汗を浮かべているだろう。

 それでも極力関わりたくないのか、知らんぷりをしてそっぽを向いていたが、背中がぴくぴくと震えていたので怯えていることが人目で分かった。

「お前らがなんでそう憎しみ合ってるかは俺には分からんが、あまり互いを貶すな」

『で、ですが……!』

「俺はライゴルグのことを知り尽くしたわけではないが、お前はもっと優しいはずだ。こんな俺に口を挟まれて腹が立つと思うが、あまりそんな汚い言葉は使わないでくれ」

『っ、有り難きお言葉。感謝します、勇者様』

 忠誠を誓うように膝をつくライゴルグに、黒竜姫は再び鼻で笑い飛ばすが、レンに軽く睨まれることで静かになる。

 この2人の間にどんな因縁があるのかは分からない。

 もしかしたら想像を絶するような過去があるかもしれない。

 だがレンはこれから協力関係になる2人に心の底から期待していたからこそ、今回のようにわざわざ面倒事に首を突っ込んだのである。

 しかしだからといってライゴルグのように忠誠を誓ってほしいわけではなく、あくまで平等な立ち位置を所望していた。

 なのでそれを伝えるとライゴルグは立ち上がり、いつも通りの優しい笑顔になってレンの隣に立つ。

 その距離が前に会ったときよりも若干近い気がしたが、レンは気にせず黒竜姫にも語りかけるが、一方の黒竜姫は苦虫を噛み潰したような顔でレンの話を聞き、理解したのか一応頷いてくれた。

 しかしまだ2人の距離感が縮まることはない。
 なのでレンはなぜこのような事になってるのかと、黒竜姫とライゴルグの話に耳を傾けることにした。
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