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元Sランクの俺、契約を結ぶ
しおりを挟む謎の怪しいピーナスという男を撃退し、必要以上の感謝を受けたレンは、なぜあのように工房を壊されそうになったのかを聞くことにする。
とりあえず埃っぽいところで話すのはあれということで、グレームは工房の奥から小さな椅子を外に運び、工房の外で話を聞くことになった。
それから約五分ほど話を聞いたが、その内容は中々酷いものであった。
「これが理由で儂は鍛治をしなくなった。もう、懲り懲りなんだよ」
「……そんな理由があったんですね」
どうやらグレームは結婚していたらしく、工房の裏には木造建築の立派な一軒家が見えるのだが、そこには過去に妻と娘の三人で過ごしていたらしい。
だが、それは『過去』の話である。
なんとグレームの娘はグランニールのギルドでは有名な冒険者だったらしく、かなりの腕があったとのこと。
娘の名前は《ネル》というらしく、四人でパーティを組んで毎日のようにクエストを受けてグランニールのために戦っていたらしい。
最初はあまり協力的ではなかったグレームであったものの、娘の名声が上がっていくにつれて応援をしたくなったらしく、ネルとその仲間達に武具を作ったのだ。
しかしネルは刀を上手く扱えないのか、刀はパーティの仲間に渡し、ネルは細くしなやかな弓を愛用していた。
そしてある日、グレームはグランニールより更に北にある《竜の山》でしか採取することができない研磨剤に使える鉱石が至急必要になり、ギルドにクエストとして依頼を頼もうとしたときであった。
なんと日頃のお礼をしたいということで、ネル達はグレームの頼みを無償で聞いてくれるという、なんとも美味しい話を持ってきたのだ。
だがそれは悪いと断るグレームであったが、ネルだけでなく他のパーティメンバーも頭を下げてお願いしてくるので、グレームは仕方なく折れてネル達を信用して頼んだらしい。
父親であるグレームに頼られて嬉しいのか、その時のネルの笑顔は今でも忘れないという。
しかし、そんな平和な日常はある日突然終わりを告げた。
翌日になり、夜になっても中々帰ってこないので不安になったグレームが工房の前でネル達の帰りを待ってると、しばらくして二人の少女が工房の前の通路を歩いてきたのだ。
一人はグレームが作った刀を腰に何本もぶら下げた年齢に見合わないくらい綺麗な少女で、もう一人は巨大な槌を担いだ気さくで明るい少女だ。
そんな二人が帰ってきたのでホッと胸を撫で下ろすグレームであったが、銀色の杖をいつも持ち歩いている魔法使いの少女と、肝心な自分の娘の姿がないことに気付き、グレームは間の抜けた表情でその二人に姿のない二人の居場所を尋ねる。
そして帰ってきた答えは『突然現れたSランク指定のドラゴンに襲われ、戦死した』という、あまりにも一瞬では理解出来る内容ではなかった。
グレームは魂が抜けたかのように膝から崩れ落ち、二人の少女はそんなグレームを見て感極まり、今まで我慢してきた感情が解放され、大声で泣き出してしまったらしい。
その後、その話を聞いたグレームの妻は病んでしまい、ネルが戦死してからすぐに病死してしまったとのこと。
一方の残されたグレームは責任を感じて鍛治をしなくなり、客も消えていき廃れていってしまい、今に至るのである。
「研磨剤の代わりになる鉱石を取りに行かせたら死んじまった。研磨剤が必要になるのは儂が鍛冶をしていたからだ。だからもう儂は鍛治をしない、したくないのだ」
「……ちなみに、刀と槌を持った人達はどこに行っちゃったんですか? まだここで生活しているんですか……?」
「それは……分からないが、グランニールにはいないのは確かだ。記憶が正しければ二人はネル達を戦死させてしまった責任を感じ、冒険者を辞めてしまったらしい。今は他の街や小さな村で過ごしているだろうな」
「そうですか……教えてくれてありがとうございます」
グレームの話を一番真剣に聞いていたのはリルネスタで、ネルが戦死したと分かってから下唇を噛み締めてどこか悲しそうな表情をしながらグレームの話に耳を傾けていた。
リルネスタはその手の話に弱く、涙脆いので涙が溢れそうになっているのを我慢しているのだろう。そのせいかグレームに質問する時も若干声が震えており、どこか辛そうであった。
「でも、Sランク指定のドラゴンが現れたのによく二人も逃げて帰って来れましたね。そんなに腕の良い冒険者だったんですか?」
「腕は良い。だがギルドランクはAだったはずだ。確かそこをテリトリーとしてる黒い謎のドラゴンがそのSランク指定のドラゴンを襲ったからその隙をついて逃げ出したらしい」
「黒い謎のドラゴン……ですか」
それを聞き、レンの脳内には前日の夜に見たあの見覚えのない漆黒の影を思い出す。
あのドラゴンと思われる漆黒の影は、レンの頭上を通ってグランニール方面へと飛び去ってしまった。
もしそのドラゴンがグランニール上空を飛び越えて竜の山と呼ばれる山に向かったのなら、Sランク指定のドラゴンを襲ったドラゴンとレンが見たドラゴンは同じである可能性が高くなる。
しかもドラゴンは長命だ。
人間にとって十年という月日は長いものだが、ドラゴンにとっては一瞬に過ぎないだろう。
なので今でもそのドラゴンが竜の山で佇んでいる可能性があると、レンは睨んでいた。
「その話って、今からどれほど昔なんですか? 十年とか経っていたりしますか?」
「いや、今から二年ほど昔だ」
「二年って……結構最近じゃないですか」
「儂は昔だと思っている。妻やネルのことは忘れてはいけないのだが、忘れて過ごさないと儂まで死にたくなってしまってやってられねぇんだよ……」
目元を押さえて項垂れるグレームは、悲痛な声にならない叫び声をあげていた。
「……終いには儂の工房を奪おうとクリプタスの部下が毎日やって来るようになりやがった。だが今回のように手を出したのは今日で初めてだ。クリプタスの野郎、ついに動きやがったな……」
「あれはグレームさんの思い出が詰まった工房なんですよね? そんな大事な物を壊そうだなんて……」
「嬢ちゃん。心配してくれてるのか? でもいいんだ。儂は抗ってきたが、もう限界のようだ」
グレームは椅子を持って立ち上がり、自分の工房へ帰ろうとレン達に背中を向ける。
岩のようにゴツゴツとしており、大きな背中だが、その背中はとても小さく見え、肩が下がりに下がっていた。
「本当に諦めていいんですか?」
「…………なに?」
「レ、レン?」
「そんなにネルさんとの思い出が詰まった工房を簡単に捨ててもいいんですかって聞いてるんですよ」
レンにとって、グレームの行為は逃げに見えた。
圧力に負け、弾圧され、理不尽な鉄槌を前にして諦め、大事な物を手放してしまう。レンにはそれが気に入らなくて仕方がなかった。
そして、グレームはこの時点でクリプタスの戦略に嵌められているのだ。
最初は誰でも抗うことが出来る。だがそれが何日も続き、強硬手段を取られると『もうダメか』と諦めてしまう。
それがどんなに大切なものでも、人間は生き物だ。どれだけ強い意志を持っていようと、それはジワジワと削られ、いつかは無くなってしまう。
そんな卑劣な行為をするクリプタスが、レンにはなによりも気に入らなくてイライラしていた。
「いいわけないだろ! これは儂の工房だ。そしてネルやその仲間達の思い出が詰まった工房だ! これは儂の宝物だ!」
「それが本音なんですね、分かりました。なら、自分は協力しますよ」
「協力? なにをするつもりだ……?」
「用心棒って言えば分かりますか? この問題が解決できるかは不明ですが、しばらくの間この工房を護衛させていただきます」
「え、えーっと。わ、私も! 私も協力しますっ!」
「ありがとう、リルネスタ。リルネスタもいれば百人力だ。どうですか? 自分達なら、絶対に指一本触れさせることなく守りきって見せますよ」
レンが豪語し、それに乗る形でリルネスタが手を大きく上にあげて加担する。
それを聞き、グレームは口を半開きにしてキョトンとしていた。
なぜこんな自分に協力してくれるのかと。
なぜこんな面倒事に自ら突っ込んでくるのかと。
だがグレームはそんな思考を全て捨て、なにも考えず脊椎反射で返答する。
「頼むっ! 儂が出来ることならなんでもする。だから、出来る限り儂の工房を守ってくれ……っ!」
椅子を放り投げ、グレームはレンとリルネスタに向けて懇願するかのように深々と頭を下げる。
だがそれに対しての返答はいつまで経っても返ってこない。それを不審に思ったグレームが顔を上げると、そこには右手を差し伸べるレンの姿があった。
「この手を握ったら契約完了だ。報酬は……グレームさんに任せる。どうだ?」
「……はははっ、それがてめぇの本性か? いや、今はそんなことはどうでもいい。もう一度言う、頼む。儂の……儂達の工房を守ってくれ」
グレームは力強くレンの手を握り締める。
だがあまりにも力を込め過ぎて、自分に比べて小さな手を潰してしまったかとグレームは錯覚して手を離そうとするが、その手は離れないほど強い力で握られ、グレームは目を見開く。
「不思議だ。なぜかてめぇら──違う。お前達に任せたら今までの不安が全部吹き飛んだ気がするぜ」
「それは光栄です。これから色々協力してもらいますが、大丈夫ですか?」
「あぁ! 言っただろ? 儂に出来ることならなんでもすると。あと、今更その喋り方は気持ち悪いからやめてくれ」
「だって、レン。私もいつもどおりの方がいいな」
「……分かった。ではこれからは普通に接する」
「それがいい。よろしく頼むぜ」
固い握手を長時間続け、グレームは満足したのか次はリルネスタとも握手を交わす。
だがリルネスタが女性ということで遠慮したのか、レンと比べて優しく握り、すぐに手放してしまう。
しかしその一瞬でもグレームがどれだけ自分達を頼っているのかがリルネスタにも伝わったようで、リルネスタはレンの顔を見て静かに頷く。
それに対しレンも小さく頷き、早速これからの作戦を決めるため、レンとリルネスタはグレームに連れられ、工房ではなくグレームの住んでいる家へと向かうのであった。
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