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元Sランクの俺、幸先が不安になる
しおりを挟むBランク冒険者でも精鋭で、実力のあるユークとシスティと共にオールイーターを討伐し、ヴァーナライト鉱石を回収してケルアに帰還してから時は過ぎ、5日後。
その期間中、レンとリルネスタはケルアの街中で遊んだり、カラリアの工房に入り浸って世間話をするなど、存分に羽を伸ばしていた。
レンは頼んでおいたヴァーナライト鉱石で補強したナイフを受け取り、リルネスタは自分専用のヴァーナライト鉱石で造られたナイフを手に、頬を綻ばせていた。
そして十分に休息を終えたレンとリルネスタは久しぶりにギルドに顔を出すことを決め、早朝からギルドへの道を肩を並べて進むのであった。
「よいしょっと、ここに来るのも久しぶりだな」
「そうだね~、私はなにかやりごたえのあるクエストを受けたいかな」
「おっ、奇遇だな。俺も今同じことを思っていたところだ」
オールイーターを討伐し、ヴァーナライト鉱石を持ち帰るという難易度の高いクエストを達成したことにより、リルネスタはいつになく張り切っていた。
それは今まで朝起きては外に出て、自由に過ごしてから寝るという生活を過ごした反動なのかもしれないが、冒険者にとってやる気があるということはなによりも良いことであった。
実際のところ、なんやかんや言ってレンとリルネスタはCランク冒険者という肩書きを背負っている。
CランクとなればEやFの頃では受けられなかったクエストも受けれるし、難易度も別格なので、レンも内心ワクワクしながらクエストが貼り付けてある依頼板の方に向かって歩いていく。
だが──
「まさか、全然良いクエストが無いなんてね~……」
「そうだな。気合入れて来た分、ちょっと肩透かしをくらった気分だ」
「はい、こちらお茶です。……まぁ、クエストがないってことは平和ってことですからね。そう考えたら、今が一番幸せかもしれませんよ?」
「そうだけど……うーん、なにか面白いことでも起きないかなぁ」
結局めぼしいクエストが見つからなかったので、レン達はティエリナが担当するクエストカウンターの前に座り、用意してもらったお茶を飲みながら愚痴をこぼしていた。
そんな二人に失笑するティエリナであったが、久しぶりに顔を合わせることができたのが嬉しいのか、どこか子を見守る保護者のような顔で項垂れる二人を見守っていた。
「楽しいこと……ですか」
「例えばレンが前みたいに決闘するとか」
「決闘……悪くはないが、めんどくさいから却下だ。そんなに決闘にハマったなら、リルネスタがやればいいだろ?」
「えー、私はレンが戦ってるところが好きなだけで、決闘をしたいわけじゃないんだよねぇ」
「確かに、リルネスタさんの言ってることも一理ありますね。私もスポーツを見るのは好きですが、やるのはちょっと」
「なるほどな。俺は見るよりも実際にやる方が好きだな」
そんな大して内容が濃いわけでもない会話を続けるレン達。
まだ早朝なだけあってレンやリルネスタ以外の冒険者は少なく、少しはいるものの今のギルドはあまりにも静かであった。
することがないなら休めばいいのだが、これ以上休んでしまうと体が重くなってしまい、サボり癖がついてしまうため今日はなんとしてでもクエストを受注したかった。
だが受注したいといっても、なんでもいいわけではない。労力に見合った報酬や、やり甲斐のあるクエストの方が適当に選んだクエストよりもいいわけで。
とりあえずクエストを受注すればいいのに、納得がいかないから受注しないという、どこか矛盾してるようなしていないような結果になっているのだ。
「ねぇ、ティエリナ。ちょっといい?」
「あれ、ニカさん。どうかしましたか?」
「ううん、大したことないんだけどね。私、今日寝坊しちゃって、クエストの更新を忘れてたんだよね。だから……手伝ってほしいなって」
「それくらいなら全然いいですよ。ではレンさん、リルネスタさん。少し席を開けますね」
と言って、ティエリナは普段隣のカウンターを担当しているニカと共にクエストカウンターを出て依頼板への向かっていく。
それを見ていたリルネスタはレンに『もしかしたら良いクエストがあるかも!』と目をキラキラと輝かせながら伝える。
それはレンも同意見で、早くクエスト用紙が貼り終わらないのかと横目見ながら確認していた。
そして待つこと約5分。
案の定早く貼り付けが終わったことにより、ティエリナはニカとクエストカウンター前で別れて定位置につく。
「あの、見てきてもいいんですよ?」
と、早くクエストを確認したくてたまらなそうにしていた二人を見兼ねてティエリナが声をかけると、レンとリルネスタは素早く立ち上がって依頼板に向かって駆け足で向かっていく。
そして二人は早速新しく貼られたクエスト用紙を右上から左下へと見流していくのであった。
「レン、なにかいいのあった~?」
「いや……ないわけではないが、なんかピンと来ないんだよな」
Dランクモンスターである『ビックホーンベア』の討伐や、Cランク指定であるラット大森林の沼地に生える『ピエトロ』という薬草の採取など、報酬がいいクエストは少なくはない。
だがどうも『これだ!』と決められるクエストはなく、レンは腕を組みながら喉を低く唸らせてもう一度右上から左下へとクエスト用紙を今度はじっくりと確認していく。
そして、レンはあるクエストを目にする。
そのクエストはCランク以上が受けれるクエストで、クエスト用紙に書かれていたある『単語』を見た瞬間、レンは反射的にそのクエスト用紙を手にしていた。
「レン? いいのあったの?」
「いや……いいというか、なんというか」
「? とりあえず見ーせて」
「あっ、ちょっと待て──はぁ、まぁいいか」
レンからの返答を聞かずしてリルネスタはレンが掴んでいたクエスト用紙を奪い取り詳細を読んでいく。
そこには『グランニールまでの護衛を求む』と書いてあり、報酬はあまり美味しくないものの、グランニールまで馬車で移動するということが書いてあった。
リルネスタはそれを見て、なぜレンがこれを選んだのか分からない様子で首を傾げていたが、一人で大きく頷いたと思えばクエスト用紙を持ってクエストカウンターへと向かおうとしていた。
「お、おい。ちょっと待て」
「ん? どうしたの?」
「いや、どうしたもこうしたも。リルネスタはそれでいいのか? 他にやりたいクエストとかないのか?」
「え? うーん……」
リルネスタの肩を掴んで止めにかかるレンにはどこか迷いが見えた。
それは憧れていたグランニールに行けるという好奇心と、リルネスタを自分の私欲に巻き込んでしまってもいいのかという迷いであった。
「でも、レンはここに行きたいんでしょ? えっと、グランニールってところ」
「そうだが……護衛なんて地味だし、つまらないぞ? 正直、このクエストを受ける理由は護衛よりもグランニールに行きたいという私情なんだが……」
「なら、行こうよ! 次いつ行けるか分からないでしょ? だったら行けるときに行ったほうがいいよ!」
こういう時、リルネスタの決断力は迷っている時に背中を押してくれるので非常に頼もしいのだ。
そのおかげでレンの顔からは迷いは消え、リルネスタに『ありがとう』と一言告げ、そのクエスト用紙を一緒にティエリナの元へ運ぶ。
それを見たティエリナは目を大きく見開き、レンの顔を見て『これで夢が叶いますね』と静かに微笑んでいた。
「そう言えば、ティエリナってグランニール出身なんだよな?」
「えっ、そうなんですか?」
「あ、はい。今はこのギルドで生活してますが、昔はグランニールにある実家の方で生活していましたよ」
「だったら、一緒に行かないか? 俺とリルネスタと、ティエリナとカラリアでさ。どうせならちょっとした里帰りをしてみたらどうだ?」
「里帰り……ですか。しかし、私にはギルドの仕事が……」
確かに叶うなら美味しい話ではあるものの、ティエリナは冒険者ではなくあくまでギルド職員なので、ホイホイと遊びに行くことは職務放棄になってしまうだろう。
きっとカラリア辺りなら意気揚々と話に乗ってきそうではあるが、真面目なティエリナはそう簡単にグランニールへ向かうことは難しいのである。
「ふむ、面白い話をしているね」
「あ、ギルドマスター。おはようございます」
「ちょっと見てもいいかな? ふむふむ、なるほど。グランニールまでの護衛か……いいクエストを選んだものだ」
クエストをサッと見たルーセフは、人がいなくて暇なのか少し離れた場所にある椅子に座り、会話に参加してくる。
「ギルドマスター、今日は用事などはないのですか?」
「今日は──というより、ここ最近は用事と呼べる用事がなくてね。そうそう、話は戻すが……ティエリナが良ければワタシはグランニールに少しの間帰省してもいいと思っている」
ルーセフの口から飛び出たまさかの帰省許可に、ティエリナは目に見えた様子で驚き、なにを言えばいいのか分からないのかオロオロとしていた。
だが深呼吸をし、もう一度ルーセフが口にした言葉を脳内で復唱して落ち着いたのか、いつも通りのテンションで話を続ける。
「それは非常にありがたい話なのですが……」
「……? なにか不満かね?」
「……いえ、不満とかではないのですが……その、ごめんなさい。せっかくのお誘いですが、今回は遠慮しておきます」
とだけ言い残し、ティエリナは逃げるようにその場から去ってしまう。
それをリルネスタが追おうとするものの、途中でティエリナの重い横顔を見たせいか、手だけ伸ばしてすぐに立ち止まってしまっていた。
「ティエリナさん、どうしたんだろう……ちょっと辛そうだった……」
「うぅむ、やはりあの件をまだ引きずっているのかもしれんな……」
「……ルーセフさん、あの件とはいったい?」
「話したいのは山々だが、この件はワタシが勝手に話していいことではない。すまないが、今聞いたことは忘れてほしい。レンくん、リルネスタくん。クエスト頑張るんだよ」
そうして、ティエリナの次にルーセフが去っていき、その場にレンとリルネスタはポツンと取り残されていた。
「とりあえず……カラリアのところに行ってみるか?」
「……そうだね。それならこのクエストを受けてグランニールに行こうか」
重々しい空気の中、目的がハッキリとしたことにより二人は気まずさから逃れるようにギルドを後にする。
そして、レンはきっとカラリアを誘っても断れるだろうと思いつつも、罪悪感から逃げ出すべくカラリアの元へゆっくりと向かうのであった。
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