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ドラゴンでもチートなのに、竜神になってさらにチートに!

23話:怯え

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   俺が気絶状態から元に戻った時、辺りが焼け野原していた。
   とりあえず、どうしてこんな惨劇になっているのかをそこらでのびている殴触手テネクルビートを起こして聞いてみた。

「ヒッ‥‥‥こ、殺さないでくれ!!」

   起こした殴触手テネクルビートは随分と焦っていた。

「落ち着け。誰もお前を殺さないから」
「ほ、本当だな?   本当に殺さないんだよな」
「あぁ、殺さない」

   俺はひどく不安定な精神状態な殴触手テネクルビートを落ち着かせてから、惨劇の理由について聞いた。
   殴触手テネクルビートが言うには、特訓というわけのわからないものを言ったドラゴンが来たからあわよくばドラゴンを殺して強くなろうとしたらしい。普通、正面からドラゴンには勝てないから。
   もう少しで殺せそうだったが、突然おれが炎を吐き出した。吐き出した炎で殴触手テネクルビートの触手が燃えて随分と数が減った。その炎が周りの木に燃え移って炎が広がったらしい。
   その姿が完全に化け物みたいだったから今こんなふうにガクガクブルブル状態らしい。‥‥‥駄目だ‥‥‥怯え過ぎていて話が出来ない状態だ。仕方がない‥‥‥ルフルットを食べさせるか。‥‥‥そもそも口なんてあるのか?

「とりあえず、ルフルットを食べて落ち着いて。はい」

   そう言って俺はルフルットを渡した。殴触手テネクルビートは俺が渡したルフルットを触手群の根元に突っ込んだ。‥‥‥そこが口か‥‥‥人間ならちょうど頭のてっぺんだな。
   俺はもう一度尋ねてみた。

「落ち着いたか?」
「あぁ‥‥‥すまない。落ち着いた」

   あんなことがあった後だが、俺は特訓を続けたかったから再び殴触手テネクルビートにお願いをしてみた。

「すまないが、もう一度特訓をしてもらえないか?   さっきみたいにならないようにするには連続で当てなければ良い筈だ。もしくは俺がやめろと言ったらやめてくれ」

   正直、断られると思っていたがダメ元で聞いてみた。

「‥‥‥本当に殺さないんだよな‥‥‥?   殺さないならもう一度やってやる」

   なんと返事はOKだった。そこからまた再び、特訓を続けた。俺に向かってくる触手群を俺はする事なく躱して行く。
   暫く躱していたが、俺がやめろと言ったのでやめた。正しい回避方法など戦闘初心者である俺には分からないが左右にステップの回避方法でも別にいいだろう。

「特訓に付き合ってくれてありがとうな。また、今度に来るよ。‥‥‥そうだ。コレやるよ」

   俺は特訓の礼を言ってから【アイテムボックス】の半分お蔵としていたオークの焼き肉をあげた。殴触手テネクルビートは驚いた顔ーー顔なんてどこにあるか分からないから驚いているなんてわからない。ただ、なんとなく雰囲気で察しているーーをした。オークの焼き肉を受け取った殴触手テネクルビートは礼を言って俺と別れた。

「ありがとうな!」

   そうして俺は住処に戻ろうとして何も食べていないことに気づいた。帰り道、適当に何かを狩るか‥‥‥今度は油断せずに。

   ちなみに草陰に隠していたスラ君は寝てました。可愛い寝息をたてて‥‥‥。

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