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モンスターのスキルを奪って進化する〜神になるつもりはなかったのに〜

29話:死を覚悟

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   俺は日課である腕立て伏せをやり始めた。これからは10回単位で増やしていこうと思っていたため50回まで腕立て伏せを続けた。‥‥‥昨日は35回だから15回も増えたことになるが‥‥‥。あと、これの二倍の数をやればバークスを見返せる。
   ‥‥‥本当に今、俺がやった回数を俺の同じ年齢の奴がやるのか?   いつも思うけど、地球の5歳児とは体の出来が違うな。‥‥‥この世界の5歳児が地球に行ったら世界が滅ぼせるんじゃ‥‥‥は、ハハハ‥‥‥そんなことはあり得ないな。いくら強くても現代兵器には勝てないだろ。

   とまぁ~しょうもない冗談を考えた俺は下に降りて飯を(以下ry)

ーー中庭

   今日も素振りをすると思っていた俺は少し気分が良かった。だが!   次の瞬間、俺の気分は更に良くなった。

「今日は素振りをやめて、今からここから結構離れている森に行く。ウルフを倒そうとするならそろそろレベルを上げて行かないとな」

   モンスター!   スキルとかがある時点で充分ファンタジーだけどやっぱりモンスターーー主にドラゴンとかーーが居ないとファンタジーじゃないと思うのは俺の持論。

「じゃあ、馬車に乗ってーー約1時間ーー近くの森に行くぞ」

   ‥‥‥うっ⁉︎   馬車かよ‥‥‥。馬車は座っている時痛いんだよなぁ~。俺は嫌々ながら豪華な馬車に乗った。豪華といっても、成金野郎が乗っていると思うほどギラギラしていなくてなんていうかその~‥‥‥上品!   そう!   上品って言葉が一番似合う豪華さだ。決して、俺の語彙力がないとかじゃないぞ、うん。‥‥‥俺は誰に向かって言い訳をしているんだ‥‥‥。

ーー(フルドラの)森

   俺は馬車に揺られお尻を攻撃されながら名も知らぬ森に着いた。‥‥‥あぁ~、お尻が痛い~‥‥‥。ガタガタ揺れるたびに馬車が上がって俺も上げられ、そして落ちる。その度にお尻を打つ。なんて欠陥品だ!‥‥‥と思うのは俺だけだろうなぁ~。多分、これがこの世界の常識なんだ。俺も慣れるしかない。

閑話休題

   俺はバークスの後ろについて森の中を歩いて行く。森の中を歩いている時、周りを見渡してみる。周りには木、木、木!   木しかない。それも当然か、ここは森だし。そう思って俺が落胆しているとバークスが声を掛けてきた。

「坊主、周りにある木に【鑑定】を使ってみな。面白いぜ」

   バークスは俺に【鑑定】を使ってみろと言ってきた。‥‥‥【鑑定】?   俺は暫くの間【鑑定】ってなんだと考えた。そして、【鑑定】が何かを思い出した。
   ‥‥‥【鑑定】って使えないゴミスキルじゃねえーか。‥‥‥だけど、コイツもは信頼できることも前に知ったから信じてみるか。そう思った俺は【鑑定】を発動させた。

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【大魔木】
大量の魔力を含んだ木。
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   確かに面白いな。この世界特有の元素(?)、魔力を含んだ木か。‥‥‥他に面白いものはあるか?
   俺は手当たり次第に【鑑定】を発動させた。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
【大薬草】
傷口に直接塗り込むと大きく治癒される。
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   これは欲しい!   そう思った俺は薬草を掴もうとした。

「おい、待てーー

「ギュアアアーーー!!!」

ーー遅かったか‥‥‥。はぁ、あいつを宥めんのはキツイんだぞ。どうすんだよ」

   その時!   大きな咆哮が響き渡った!
   大きな咆哮が響き渡った時、俺は恐怖していた。そして、俺の2、3メートル先に現れる目視5メートルを超える大きなトカゲ。いや、これはトカゲなんてモノではない‥‥‥ドラゴンと呼ぶに相応しい強者のオーラと呼べるものが出ている。
   俺はそのドラゴンが現れた時、どう頑張っても勝てない格差があるのを悟った。それと同時に本能が逃げろ!   と叫んだ気がした。
   だが、俺は恐怖で体が震えて動けなかった。仮に、逃げられてもあの巨体ですぐに追い詰められて食われる。

   ‥‥‥あぁ、俺の2度目の人生は随分と短かったな‥‥‥。3度目は記憶も消えるのか‥‥‥。

   俺は死を覚悟して目を閉じた‥‥‥。

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