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モンスターのスキルを奪って進化する〜神になるつもりはなかったのに〜

4話:3年間

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   0歳。

   食事はだんだん母乳ーー母さん以外の女性のーーから柔らかい食材を使った離乳食に変わっていって、少しだけ言葉を理解できた。

   本来は言葉を理解できないだろうーー理解できるのかもしれないがーーが、俺は記憶があるために理解することができた。‥‥‥ただ、まだトイレは自分でできない。何故か記憶が消えているから人としての尊厳が保たれている。

   何故言葉を理解できたかといえば、食事の時に繰り返される単語を聞いて探して、それを食事の意味だと考えた。
   食事という単語だけでも、ご飯ということを理解できる。
   多分「ご飯ですよ」的なことを言っているのだろう。

   今、理解できるのは、『起きる』、『食事』、『トイレ』、『寝る』だけだ。

‥‥‥めっっっっっちゃっ‥‥‥暇‥‥‥
   こんなことなら記憶がない方が良かった‥‥‥


♢   ♦︎   ♢   ♦︎   ♢   ♦︎   ♢   ♦︎   ♢   ♦︎   ♢   ♦︎   ♢   ♦︎   ♢  


1歳。

   0歳の時とは違って完全に離乳食になった。
   自分の容姿がずっと気になっていたから早速、鏡で自分の容姿を見てみた。父さんに似て黒髪に、残念ながら(?)母さんには似なかったが、トパーズ黄色の瞳、ショートヘアーで身長は‥‥‥低い。
   まぁ、1歳なんてこんなもんだろって思うことにした。

2歳。

   1歳とあまり変わらない。身長が伸びた。

3歳。

   やっと立てるようになった。これで色んなところ家の中に行ける!   
   俺は早速歩き回った。

   キッチン、自分の部屋、リビング、そして、書庫。
   書庫の中にはたくさんの本があった。この世界は印刷技術が発達してないらしいからこの家がどれだけ裕福か分かるというものだ。

   他にはだいたい言葉が理解できるようになった。そのためなのか、寝る前にあのメイドさんーーレマが絵本を読み聞かせてくれる。
   本の種類は色々あったが、俺が好きなのは、『邪神に立ち向かう全大陸同盟』という話だ。
‥‥‥ネーミングセンスのかけらもないが、話の内容の方が重要だ。
   纏めると、

   昔、色んな種族が争いあっていて、常に戦争状態だったらしい。ところがある時に武神と魔法神の邪神が現れて、世界を滅ぼそうとしたらしい。
   そこで、同盟を組んで多大な犠牲を出して、邪神を倒した、という話だ。

   そのあと、もう戦争は止めよう、ということになったらしい。俺は邪神以外はいい話だと思った。
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