20 / 25
第1章:のんびり気ままなスローライフ!!
第18話:【変身】
しおりを挟む
いざ、実食!
そう思って食べ始めたこのモンスターーー魔素生物喰らいーー【鑑定】したーーだが、咀嚼していくごとに味が不味くなる‥‥‥とてもじゃないが、食えたものではない。
スラ君はどうだろうと思って、横を見るとスラ君が肉を自らの身体に入れて消化していた。肉が消化される様はまるで炭酸ジュースを振ったようだった。
流石に無理して食っているのではと思った俺はスラ君に聞いた。
「美味しい‥‥‥?」
帰ってきた答えは予想していた『美味しい』や『不味い』とは違ったものだった。
「わかんないの」
味が分からないのか‥‥‥魔素生物の特性かな?確か、味覚って生きていく上ーー現代社会は除くーーでの楽しみの一つって何処かで聞いたような‥‥‥それを感じられないというのは生きる目的が減ることと同義なような‥‥‥流石に極論か‥‥‥。
あ、でも、ゲテモノを食べるときは味が分からないほうがいいから結局、どちらか一方がいいというわけでもないな。
スラ君がゲテモノを食べ終えた頃、俺の脳内にスキルを習得した例のアナウンスが響いた。
ーーーーー
テイムモンスター:個体名(仮)『スラ君』種族名『魔素生物』がスキル:【変身Lv:1】を獲得しました。
【変身】の効果発動。体の一部を取り入れたので、【魔素生物喰らい】に変身できるようになりました。
ーーーーー
えっ?スキルを獲得したのか?スラ君が?‥‥‥でも、なんで俺にもスキルを獲得するアナウンスが聞こえたんだ?不思議だなぁ。
「どらごんしゃん、いまへんなこえがきこえたの、これはなになの?」
「スキルを獲得したことを伝える声だよ」
スラ君が聞いてきたので俺は答えた。本当は『アナウンス』と言いたいが、多分この世界にアナウンスなんて表現はないから言い換えた。
「すきるってこれなの?ぺっ、なの」
そう言ってスラ君は自分の前にある草に向かってつばのようなものを飛ばした。飛ばされたつば(のようなもの)は草に命中して草をドロドロに溶かした。
ドロドロに溶かされた草は水に緑色の絵の具を加えた感じになった‥‥‥もっと具体的にいうと、緑色のスライムだ。モンスターではなく玩具ーースライムを玩具と言っていいのか?ーーの方のスライム。
「これがすきるなの?」
「う、うん。それがスキルだよ‥‥‥」
どう見たってこれはスキルの効果だろ‥‥‥多分、スキルの効果は『つばにものを溶かす力を与える』みたいな感じか?
「スラ君、【変身】っていうスキルの効果が分かる?」
俺はスラ君にスキルの効果を尋ねた。
「えーっとねー‥‥‥へんしんできる、だって」
大体はスキル名の通りか‥‥‥実験してみるか。
「スラ君、【変身】を使ってみてよ」
「うん!!」
スラ君が返事した直後、スラ君の愛らしい形ーー楕円形というのか?ーーがだんだんと膨張して横長に伸びて先ほど見た魔素生物喰らいになった。見た目は牙がない猪‥‥‥完全にそっくりだ‥‥‥ある一点を除いて‥‥‥
「すごいなぁ‥‥‥」
俺は無意識のうちに感想を漏らした。そして、手を伸ばして体を触った。
柔らかい。スラ君のスライムボディーと変わらない柔らかさだ。てっきりもっとしっかりと感触があると思っていた。
「見た目までしか再現出来ないのか‥‥‥どう考えても敵から逃げるためのスキルだな」
その後ちょっと何処が違うか観察していたが、魔素生物喰らいの体が歪んで水色の液体となってそれが集まってスラ君に戻った。
「ダメだよスラ君、勝手に戻ったら」
俺はもうちょっと観察を続けていたかったから勝手に戻ったスラ君を叱った。まあ、『叱る』というよりかは『注意』だけど。
「んー?ボクはなにもしてないよ。かってにもどったのー」
なるほど‥‥‥制限時間付きか。ますます、逃げるためのスキルということが証明されたな‥‥‥実際は違うかもしれないけど。
ぐぅぅぅ~
あ、俺の腹の虫が鳴いている。魔素生物喰らいは不味すぎてあんまり食べてないからな~。
「スラ君、何か狩りに行こうよ」
「わかったなの!!」
1体と1匹(?)は狩りに出掛けた。
—————
スラ君がちょっとなつきましたね。このままなつき度を上げよう。
—————
そう思って食べ始めたこのモンスターーー魔素生物喰らいーー【鑑定】したーーだが、咀嚼していくごとに味が不味くなる‥‥‥とてもじゃないが、食えたものではない。
スラ君はどうだろうと思って、横を見るとスラ君が肉を自らの身体に入れて消化していた。肉が消化される様はまるで炭酸ジュースを振ったようだった。
流石に無理して食っているのではと思った俺はスラ君に聞いた。
「美味しい‥‥‥?」
帰ってきた答えは予想していた『美味しい』や『不味い』とは違ったものだった。
「わかんないの」
味が分からないのか‥‥‥魔素生物の特性かな?確か、味覚って生きていく上ーー現代社会は除くーーでの楽しみの一つって何処かで聞いたような‥‥‥それを感じられないというのは生きる目的が減ることと同義なような‥‥‥流石に極論か‥‥‥。
あ、でも、ゲテモノを食べるときは味が分からないほうがいいから結局、どちらか一方がいいというわけでもないな。
スラ君がゲテモノを食べ終えた頃、俺の脳内にスキルを習得した例のアナウンスが響いた。
ーーーーー
テイムモンスター:個体名(仮)『スラ君』種族名『魔素生物』がスキル:【変身Lv:1】を獲得しました。
【変身】の効果発動。体の一部を取り入れたので、【魔素生物喰らい】に変身できるようになりました。
ーーーーー
えっ?スキルを獲得したのか?スラ君が?‥‥‥でも、なんで俺にもスキルを獲得するアナウンスが聞こえたんだ?不思議だなぁ。
「どらごんしゃん、いまへんなこえがきこえたの、これはなになの?」
「スキルを獲得したことを伝える声だよ」
スラ君が聞いてきたので俺は答えた。本当は『アナウンス』と言いたいが、多分この世界にアナウンスなんて表現はないから言い換えた。
「すきるってこれなの?ぺっ、なの」
そう言ってスラ君は自分の前にある草に向かってつばのようなものを飛ばした。飛ばされたつば(のようなもの)は草に命中して草をドロドロに溶かした。
ドロドロに溶かされた草は水に緑色の絵の具を加えた感じになった‥‥‥もっと具体的にいうと、緑色のスライムだ。モンスターではなく玩具ーースライムを玩具と言っていいのか?ーーの方のスライム。
「これがすきるなの?」
「う、うん。それがスキルだよ‥‥‥」
どう見たってこれはスキルの効果だろ‥‥‥多分、スキルの効果は『つばにものを溶かす力を与える』みたいな感じか?
「スラ君、【変身】っていうスキルの効果が分かる?」
俺はスラ君にスキルの効果を尋ねた。
「えーっとねー‥‥‥へんしんできる、だって」
大体はスキル名の通りか‥‥‥実験してみるか。
「スラ君、【変身】を使ってみてよ」
「うん!!」
スラ君が返事した直後、スラ君の愛らしい形ーー楕円形というのか?ーーがだんだんと膨張して横長に伸びて先ほど見た魔素生物喰らいになった。見た目は牙がない猪‥‥‥完全にそっくりだ‥‥‥ある一点を除いて‥‥‥
「すごいなぁ‥‥‥」
俺は無意識のうちに感想を漏らした。そして、手を伸ばして体を触った。
柔らかい。スラ君のスライムボディーと変わらない柔らかさだ。てっきりもっとしっかりと感触があると思っていた。
「見た目までしか再現出来ないのか‥‥‥どう考えても敵から逃げるためのスキルだな」
その後ちょっと何処が違うか観察していたが、魔素生物喰らいの体が歪んで水色の液体となってそれが集まってスラ君に戻った。
「ダメだよスラ君、勝手に戻ったら」
俺はもうちょっと観察を続けていたかったから勝手に戻ったスラ君を叱った。まあ、『叱る』というよりかは『注意』だけど。
「んー?ボクはなにもしてないよ。かってにもどったのー」
なるほど‥‥‥制限時間付きか。ますます、逃げるためのスキルということが証明されたな‥‥‥実際は違うかもしれないけど。
ぐぅぅぅ~
あ、俺の腹の虫が鳴いている。魔素生物喰らいは不味すぎてあんまり食べてないからな~。
「スラ君、何か狩りに行こうよ」
「わかったなの!!」
1体と1匹(?)は狩りに出掛けた。
—————
スラ君がちょっとなつきましたね。このままなつき度を上げよう。
—————
0
お気に入りに追加
786
あなたにおすすめの小説
貴族に生まれたのに誘拐され1歳で死にかけた
佐藤醤油
ファンタジー
貴族に生まれ、のんびりと赤ちゃん生活を満喫していたのに、気がついたら世界が変わっていた。
僕は、盗賊に誘拐され魔力を吸われながら生きる日々を過ごす。
魔力枯渇に陥ると死ぬ確率が高いにも関わらず年に1回は魔力枯渇になり死にかけている。
言葉が通じる様になって気がついたが、僕は他の人が持っていないステータスを見る力を持ち、さらに異世界と思われる世界の知識を覗ける力を持っている。
この力を使って、いつか脱出し母親の元へと戻ることを夢見て過ごす。
小さい体でチートな力は使えない中、どうにか生きる知恵を出し生活する。
------------------------------------------------------------------
お知らせ
「転生者はめぐりあう」 始めました。
------------------------------------------------------------------
注意
作者の暇つぶし、気分転換中の自己満足で公開する作品です。
感想は受け付けていません。
誤字脱字、文面等気になる方はお気に入りを削除で対応してください。
【完結】捨て去られた王妃は王宮で働く
ここ
ファンタジー
たしかに私は王妃になった。
5歳の頃に婚約が決まり、逃げようがなかった。完全なる政略結婚。
夫である国王陛下は、ハーレムで浮かれている。政務は王妃が行っていいらしい。私は仕事は得意だ。家臣たちが追いつけないほど、理解が早く、正確らしい。家臣たちは、王妃がいないと困るようになった。何とかしなければ…
「クズスキルの偽者は必要無い!」と公爵家を追放されたので、かけがえのない仲間と共に最高の国を作ります
古河夜空
ファンタジー
「お前をルートベルク公爵家から追放する――」それはあまりにも突然の出来事だった。
一五歳の誕生日を明日に控えたレオンは、公爵家を追放されてしまう。魔を制する者“神託の御子”と期待されていた、ルートベルク公爵の息子レオンだったが、『継承』という役立たずのスキルしか得ることができず、神託の御子としての片鱗を示すことが出来なかったため追放されてしまう。
一人、逃げる様に王都を出て行くレオンだが、公爵家の汚点たる彼を亡き者にしようとする、ルートベルク公爵の魔の手が迫っていた。「絶対に生き延びてやる……ッ!」レオンは己の力を全て使い、知恵を絞り、公爵の魔の手から逃れんがために走る。生き延びるため、公爵達を見返すため、自分を信じてくれる者のため。
どれだけ窮地に立たされようとも、秘めた想いを曲げない少年の周りには、人、エルフ、ドワーフ、そして魔族、種族の垣根を越えたかけがえの無い仲間達が集い―― これは、追放された少年が最高の国を作りあげる物語。
※他サイト様でも掲載しております。
〈完結〉この女を家に入れたことが父にとっての致命傷でした。
江戸川ばた散歩
ファンタジー
「私」アリサは父の後妻の言葉により、家を追い出されることとなる。
だがそれは待ち望んでいた日がやってきたでもあった。横領の罪で連座蟄居されられていた祖父の復活する日だった。
十年前、八歳の時からアリサは父と後妻により使用人として扱われてきた。
ところが自分の代わりに可愛がられてきたはずの異母妹ミュゼットまでもが、義母によって使用人に落とされてしまった。義母は自分の周囲に年頃の女が居ること自体が気に食わなかったのだ。
元々それぞれ自体は仲が悪い訳ではなかった二人は、お互い使用人の立場で二年間共に過ごすが、ミュゼットへの義母の仕打ちの酷さに、アリサは彼女を乳母のもとへ逃がす。
そして更に二年、とうとうその日が来た……
神に同情された転生者物語
チャチャ
ファンタジー
ブラック企業に勤めていた安田悠翔(やすだ はると)は、電車を待っていると後から背中を押されて電車に轢かれて死んでしまう。
すると、神様と名乗った青年にこれまでの人生を同情された異世界に転生してのんびりと過ごしてと言われる。
悠翔は、チート能力をもらって異世界を旅する。
【完結】悪役令嬢に転生したけど、王太子妃にならない方が幸せじゃない?
みちこ
ファンタジー
12歳の時に前世の記憶を思い出し、自分が悪役令嬢なのに気が付いた主人公。
ずっと王太子に片思いしていて、将来は王太子妃になることしか頭になかった主人公だけど、前世の記憶を思い出したことで、王太子の何が良かったのか疑問に思うようになる
色々としがらみがある王太子妃になるより、このまま公爵家の娘として暮らす方が幸せだと気が付く
転生幼女の怠惰なため息
(◉ɷ◉ )〈ぬこ〉
ファンタジー
ひとり残業中のアラフォー、清水 紗代(しみず さよ)。異世界の神のゴタゴタに巻き込まれ、アッという間に死亡…( ºωº )チーン…
紗世を幼い頃から見守ってきた座敷わらしズがガチギレ⁉💢
座敷わらしズが異世界の神を脅し…ε=o(´ロ`||)ゴホゴホッ説得して異世界での幼女生活スタートっ!!
もう何番煎じかわからない異世界幼女転生のご都合主義なお話です。
全くの初心者となりますので、よろしくお願いします。
作者は極度のとうふメンタルとなっております…
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる