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第七章 王国剣術大会編
幕間 白龍のキモチ
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竜種という種族がいる。
吸血鬼と並んで、最強と噂される種族である。
その生体は謎に包まれており、卵生なのか胎生なのかもわかっていない。
また雌雄の区別もなく、古来より多くの魔物学者たちの間でも謎多き種族とされてきた。
わかっているのは、その肉体の強靭さ、高い抗魔力、永遠とも言われる寿命。
そして、竜種の頂点には5匹の古龍が君臨しているという事だけである。
魔の黒龍ギーファルケン。
氷の青龍ヴェルヴェリフォン。
炎の赤龍グルゼーアスト。
雷の黄龍マキシリオン。
そして、光の白龍フェルナノーグである。
そんな竜種の頂点たるフェルナノーグは、エルフ領コレート山脈の麓で雨に打たれていた。
豪雨だった。
響き渡る雷鳴。
初夏の嵐。
無人の戦場跡だった。
ただ1匹、残された巨大な白龍は、ひたすら風雨に耐えている。
白龍は思った。
前にもこんなことあったな、と。
そんなに前ではない。
あの時も、主人に置いていかれたのだ。
そして、神聖なる龍樹の進化の道を諦め、人間へと進化した。
全ては、主人の寵愛を得るために。
その甲斐あってか、主人は以前よりも可愛がってくれるようになった。
それでも――。
我は言ったのだ。
待ってくれ、と。
先の戦にて、本気でブレスを放ったので、元の姿に戻ってしまった。
人間の女の姿に戻るには、莫大な魔力を構築しなければいけない。
だから、待っててくれ、と。
「なんでお前を待ってなきゃいけないんだよ。先帰るわー」
主はそう言って、エルフの雌とオーガの雌を連れて帰っていった。
主の目は、二人の雌に釘付けだった。
我のことなど、見てくれさえしなかった。
……見てくれさえしなかった。
あああああああああ!?
うわあああああああああ!?
嵐の中にあって、白龍の慟哭は、山脈にこだました。
いや、しかし落ち着くのだ。
我が主に期待されているのは、戦働き。
戦場には常に我を連れて行くではないか。
我が名は古龍フェルナノーグ。
世界最強の力を持つ至高の存在。
主に求められるのが、力というのは悪くない。
ふふふ。
自身を取り戻したフェルナノーグは必死に魔力を練り上げた。
そろそろ魔族共が攻めてくる頃合いである。
間に合わせねばならない。
うーん。
うーん。
フェルナノーグは必死に魔力を練り上げる。
一刻も早く、主の元に戻るのだ。
嵐のコレート山脈にて、白龍は孤独な戦いを続けていた。
そして、ついに成し遂げた。
フェルナノーグは間に合った。
美しい青色の髪。
人智を超えて整った顔立ち。
真っ白な透けるような肌。
美しもすらりの伸びた手足。
こっそりと胸を主人好みの爆乳にして。
「あるじ、あるじー! ただいまっ!」
背中の白翼を羽ばたかせて、フェルナノーグは主人の胸に飛び込んだ。
主人は彼女を抱きとめると、その豊満な胸を揉みながら言った。
「あれ? お前どっか行ってたんだっけ?」
「うえええええええ!?」
自分がいなかった事すら忘れていた主人。
ひどい! ひどい!
胸の内で何度も繰り返しながらも、フェルナノーグは思うのだ。
それでも、主が大好き。
吸血鬼と並んで、最強と噂される種族である。
その生体は謎に包まれており、卵生なのか胎生なのかもわかっていない。
また雌雄の区別もなく、古来より多くの魔物学者たちの間でも謎多き種族とされてきた。
わかっているのは、その肉体の強靭さ、高い抗魔力、永遠とも言われる寿命。
そして、竜種の頂点には5匹の古龍が君臨しているという事だけである。
魔の黒龍ギーファルケン。
氷の青龍ヴェルヴェリフォン。
炎の赤龍グルゼーアスト。
雷の黄龍マキシリオン。
そして、光の白龍フェルナノーグである。
そんな竜種の頂点たるフェルナノーグは、エルフ領コレート山脈の麓で雨に打たれていた。
豪雨だった。
響き渡る雷鳴。
初夏の嵐。
無人の戦場跡だった。
ただ1匹、残された巨大な白龍は、ひたすら風雨に耐えている。
白龍は思った。
前にもこんなことあったな、と。
そんなに前ではない。
あの時も、主人に置いていかれたのだ。
そして、神聖なる龍樹の進化の道を諦め、人間へと進化した。
全ては、主人の寵愛を得るために。
その甲斐あってか、主人は以前よりも可愛がってくれるようになった。
それでも――。
我は言ったのだ。
待ってくれ、と。
先の戦にて、本気でブレスを放ったので、元の姿に戻ってしまった。
人間の女の姿に戻るには、莫大な魔力を構築しなければいけない。
だから、待っててくれ、と。
「なんでお前を待ってなきゃいけないんだよ。先帰るわー」
主はそう言って、エルフの雌とオーガの雌を連れて帰っていった。
主の目は、二人の雌に釘付けだった。
我のことなど、見てくれさえしなかった。
……見てくれさえしなかった。
あああああああああ!?
うわあああああああああ!?
嵐の中にあって、白龍の慟哭は、山脈にこだました。
いや、しかし落ち着くのだ。
我が主に期待されているのは、戦働き。
戦場には常に我を連れて行くではないか。
我が名は古龍フェルナノーグ。
世界最強の力を持つ至高の存在。
主に求められるのが、力というのは悪くない。
ふふふ。
自身を取り戻したフェルナノーグは必死に魔力を練り上げた。
そろそろ魔族共が攻めてくる頃合いである。
間に合わせねばならない。
うーん。
うーん。
フェルナノーグは必死に魔力を練り上げる。
一刻も早く、主の元に戻るのだ。
嵐のコレート山脈にて、白龍は孤独な戦いを続けていた。
そして、ついに成し遂げた。
フェルナノーグは間に合った。
美しい青色の髪。
人智を超えて整った顔立ち。
真っ白な透けるような肌。
美しもすらりの伸びた手足。
こっそりと胸を主人好みの爆乳にして。
「あるじ、あるじー! ただいまっ!」
背中の白翼を羽ばたかせて、フェルナノーグは主人の胸に飛び込んだ。
主人は彼女を抱きとめると、その豊満な胸を揉みながら言った。
「あれ? お前どっか行ってたんだっけ?」
「うえええええええ!?」
自分がいなかった事すら忘れていた主人。
ひどい! ひどい!
胸の内で何度も繰り返しながらも、フェルナノーグは思うのだ。
それでも、主が大好き。
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