ちょいクズ社畜の異世界ハーレム建国記

油揚メテオ

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第七章 王国剣術大会編

第265話 神淫

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 薄暗い簡素な部屋。
 しんとした静けさの中に、渦巻く熱気。
 充満するのは、男女の匂い。
 ベッドの上には、汗で皺だらけになったシーツ。
 そして、俺の目の前には、美しい脚を開く黒髪の美女がいた。
 むき出しになった美女の股間。
 愛液と精液は、てらてらと薄明かりを反射する。
 湯気が出そうな程、火照ったそこからは、一筋の白い液体が垂れていた。
 それはカンナさんが俺のものになった証。
 ついさっきまで、エルフたちを恐怖のるつぼに叩き落としてた邪悪な魔王が、俺に中出しされて、ザーメンを垂らす姿はグッと来るものがあった。

「コウくん……」

 魔王は頬を赤らめて、俺に期待を込めた目線を送る。
 小指をぷっくりとした赤い唇で咥えながら。
 とろんとした赤い瞳で。
 エロすぎんだろ! と言いたい。
 股おっぴろげて、なんて顔で見つめてくるのか。
 このままでは、またバブーとむしゃぶりついてしまう。
 散々むしゃぶりついた上で中だしまで決めてしまったのだが。

 そもそも俺はカンナさんをお仕置きに来たのだ。
 せっかく俺についてきてくれたエルフさん達に、尻穴掘り合わさせるとか鬼畜の所業である。
 さすがにやりすぎな気がした。
 カレリア姉様の全身バラバラ世界旅行は……語感からもうヤバそうだから、勘弁してもらうとしても。
 イキすぎて泣かすくらいは、してもいいんじゃなかろうか。

「どうしたんですか? 早くお姉ちゃんのおまんこペロペロして下さいな」

 この余裕綽々なカンナさんがイキすぎて泣く様が想像できないが。
 エロい経験がありすぎて、いつも手のひらで転がされてる気しかしない。
 だがしかしですよ!!!

「あっ……コウくん……んっ!」

 無言でカンナさんの秘部に唇を付けた。
 嬉しそうなカンナさんの喘ぎ声。
 びちゃびちゃに濡れたエロい肉ひだ。
 一発やった後なので、カッと熱を帯びている。
 ムワッと匂うのは、濃厚なカンナさんの匂いと、ザーメンの匂い。
 中だしマンコに口をつけたことを激しく後悔した。
 誰だよ、こんな臭えザーメン出したの!? シネ!!!
 ……私ですが。

「んっ……コウくんっ……!」

 鼻にかかったような声を上げるカンナさん。
 感じているようにも聞こえるが、何度も肌を合わせた俺にはわかる。
 まだまだ余裕であることが。
 カンナさんの喘ぎはやたらエロい。
 吐息を漏らすようで、普段よりもわずかに甲高くて。
 しかし、カンナさんが喘ぐのは感じているからではなく、俺を喜ばせるためである。
 カンナさんの本気喘ぎを聞いたのは、いつだったか。
 精神魔法をかけられた俺が、狂った猿のように犯しまくった時だけである。
 つまりカンナさんは、基本的に接待喘ぎなのだ。

「上手ですよ、コウくん、んっ! ……お姉ちゃんのおまんこは美味しいですか?」

 カンナさんが優しく頭を撫でてくれた。
 接待喘ぎだったとしても、普通にエロいので、セックスにビビりまくりの童貞でも一瞬で自信を持ってチンコをバキバキにすることだろう。
 しかし、俺の名はアサギリコウ。
 伊達に毎日平均15時間女を抱いているわけではない。
 この程度の接待喘ぎを真に受けるほど――って己のチンコをチラ見してみたらビンビンに起っていたけど。
 バキバキではない。
 ビンビンに勃起していただけなので、まだセーフだ。

「んんっ……はう……そ、そんなにペロペロしたら、おまんこがふやけちゃいますよう、んっ!」

 そんなセリフを吐きながら、ぴくんと仰け反るカンナさん。
 天井を向いたたわわな乳房がぷるんと震える。
 言うことも、やることもいちいちエロい。
 だが、これは演技だ。
 騙されちゃいかん。
 バキバキになったちんこがベッドに突き刺さりそうだけど我慢だ。
 ばぶーとおっぱいにむしゃぶりつきたくなるけど我慢なのだ。
 ぺろぺろ。
 俺は必死にカンナさんの秘部に舌を這わせた。
 舌に唾液をまぶして潤滑油にする。
 口呼吸をすると舐めている箇所が冷えるので鼻呼吸で。
 舌で皮をかき分けて、勃起したカンナさんのクリトリスを、ひたすら舐めた。
 ぺろぺろ。

「んっ、あっ、んんっ!」

 クンニとは苦行である。
 快楽はない。
 普段は空気にすらあたっていない女の恥豆を舐められる。
 そんな情報面のエロスしかない。

「くんっ、あっ、こ、コウくん……!」

 だが俺はクンニをする。
 女の股に顔を埋めて、必死に舌を動かす様は、滑稽であろう。
 フェラチオと同じく支配されちゃった感もある。
 だが、俺はカンナさんのクリトリスを舐める。
 ぺろぺろ。

「んあっ、あはっ、んんんっ!」

 ぴくぴくと震えたカンナさんがベッドの上で仰け反っている。
 苦しそうにシーツを掴みながら。
 だが、演技だ。騙されちゃいかん。
 ただひたすら舐めるのみ。
 ぺろぺろ。

「あっ、かはっ、んあ!」

 クンニリングスのコツは一定のリズムである。
 変に緩急とかをつけてはいけない。
 飽きてパイ揉みとかもしてはいけない。
 ただひたすらクリトリスを舐め続けるのだ。

「コ、コウくん!! お姉ちゃん、もう!! あ、ああああっ!」

 ぷるぷる震えたカンナさん。
 じわりとまんこからトロトロした愛液が湧き出してくる。
 軽くイッただろうか?
 いや、カンナさんはこんなものではない。
 この愛液は……演技だ!!

「ええええ!? あんっ、あっ、んなああっ!!」

 ギューッとカンナさんが太ももを絡みつけてくる。
 頬で感じる太ももの感触がエロかった。
 だが、負けない。
 エロいフランケーシュタイナーかけられても、俺は負けない。
 ぺろぺろ。

「あぎゅうっ! ああっ! うあ、い、イッちゃうっ!!!」

 プシャッと顔に熱い潮がかけられる。
 さすがカンナさんだ。
 演技で潮まで吹くなんて。
 このアサギリコウ。
 相手にとって不足なし!!

「ま、まだ!? ……あううっ、んあっ、うううううっ!!」

 俺は集中した。
 舐めることに全身全霊。
 舌先に、思い切り感情を込める。

「んあ、あああああうっ!」

 カンナさんの太ももをガッツリと掴んだ。
 ふらふらと揺れ動いていたマンコを固定する。
 そして、舌先を丸めて。
 ――ぢゅ、ぢゅううううう。
 全力のバキューム。

「あぎいいいいっ!!」

 やたらエロい音を響かせながら、カンナさんの恥豆を吸い上げる。
 そして、ペロペロ。
 ぷしゃぷしゃと演技派なカンナさんは潮を吹きまくっていた。
 くぱくぱと腟内が激しく開閉している。

「こ、こうくん……わたしもう…………」

 弱々しいカンナさんの声。
 まるでアクメっているような……?
 カンナさんはアカデミー賞でも狙っているのだろうか。
 演技派だな、もー!
 そんな時だった。

『房中術LV3を取得しまマママ』

 突然脳裏に流れるログ。
 マママ?

『ERROR:不正アドレス参照。房中術にLV3はありません』

 なんかすげえ嫌な赤字のログが出てきた。
 もとSEとしては胃が痛くなる。

『ERROR:ロールバックに失敗しました』
『ERROR:メモリーがオーバーフローします』

 ポコポコと嫌なログが流れてくる。
 嫌な予感しかしない。

『代替えアクセス実行。神領域へ譁ー隕上せ繧ュ繝ォ逋コ陦後r隕∬ォ』
『謇ソ隱阪&繧後∪縺励◆』

 あ、完全にバグった。
 ちゅぽんっと思わずカンナさんのマンコから口を離してしまう。
 なんかのシステムがバグったんだろうか。
 それはそれで保守担当さんおっつーで良いのだが。
 問題は俺の脳内で流れているログだという事。
 バグったのは俺なんじゃ……?
 ゾクッと背中が寒くなる。

「コウくん……?」

 息を荒げたカンナさん。
 口元に黒髪を貼り付けながら、身を起こそうとする。
 いかんいかんクンニの最中だった。
 バグよりもカンナさんのクンニが大切。
 そう思い直して、再び唾液塗れのマンコに口をつける。

「んっ……」

 そんな時だった。

『謌仙粥縺励∪縺励◆』
『神スキル:神淫を獲得しました』
『房中術が神淫に進化しました』
『神淫:《自己肉棒変動》が使用可能になりました。』

 あ、直ったっぽい。
 文字が読めるようになった。
 神淫?
 神スキル??

 刹那。

「あ、あひいいいいいいいいいっ!!!」

 突然カンナさんの腰が跳ね上がった。
 ぷしゃっぷしゃっじょろろろろろーと黄色い液体が吹き出してくる。
 突然の黄金水。
 とりあえず。

「ごくごく」

「の、飲まな……いで……あああああっいぐうううううううううっ!!!」

 姉の聖水を味わっていたら、再び仰け反るカンナさん。
 なんかさっきと様子が違う。
 これも演技だったらカンナさん女優としてアダルトアワードを取れるんじゃなかろうか。

「あぐうううううううううっ!!」

 びちゃびちゃとエロ液を垂れ流すカンナさん。
 その様子が尋常じゃなかったので、思わず掴んでいた太ももを離してしまった。
 カンナさんはべちゃっとベッドに落ちる。

「あ……が……」

 涎を垂らしたカンナさんが目を回していた。

「大丈夫すか?」

「……な、なにかおかしい……コウくんのベロ……なんか出てる……」

 なんかって何!?
 ぷしゃぷしゃと股間が大変なことになっているカンナさんが妙な事を言っていた。
 さっきの神淫とかってスキルのせいだろうか。
 ぱっと見で、房中術の上位互換っぽいけど。
 舌からオートで媚薬みたいなのが出ちゃってたらどうしよう。
 死んじゃう。
 ルーナやセレナが。

「うう……」

 びくんびくんと、体を痙攣させるカンナさん。
 いつも余裕しゃくしゃくのカンナさんが。

「あ、あう……」

 あの演技派女優のカンナさんがマジイキしている。
 その事実に俺はジーンとした。
 股をおっぴろげてぴくぴくするカンナさん可愛い。

 そういえば《自己肉棒変動》とかってスキルを取得していた。
 肉棒て。
 こんなに漢字を羅列しているのに頭の悪さが爆発している不思議な文字列だった。
 とはいえ、興味はある。
 《自己肉棒変動》ってことは己の肉棒を変動できるんだろうか。
 どゆこと???
 試してみるか。

「……カンナさん、挿れてもいいですか?」

「んあ? あ、う……」

 カンナさんの視点はまだ定まっていなかった。
 つまり合意っていうことで。

「よいしょっと」

 俺はあうあう言っているカンナさんの中ににゅるっとお邪魔した。
 正常位で。

「あうううっ!」

 アクメったカンナさんがべろんっと舌を出す。
 その目はぐるんと上を向いていた。
 ザ・アヘ顔。
 とはいえ、カンナさんの膣内はアクメっているせいかガバガバだった。
 ちなみに俺はガバガバも嫌いではない。
 ガバマンにもキツマンにも遍く愛を。

「んあー!」

 挿入されたカンナさんはガバガバでも感じてはいるらしい。
 ベロをピクピクさせながら唸っていた。
 ここで新スキル発動。

『《自己肉棒変動》が発動しました。』
『肉棒が最適化されます。』

 肉棒を最適化?
 何言ってんの? と思った瞬間。
 ぐにぐにとちんこが脈打ちだす。

「お? んお?」

 不自然なちんこに唸るカンナさん。
 肉棒の鳴動は止まらない。
 うねうね。
 なんかでかくなっていってるような。

「お? お……」

 ぴくぴくと震えるカンナさん。
 肉棒は確実にでかくなっていった。
 ガバガバのカンナさんの膣内をみしみしと押し広げていく。
 そして。

「お、お、おほおおおおおお!?」

 カンナさんがばくんっと跳ね上がった。
 獣のような唸り声を上げて、目をぱちくりさせている。

「こ、コウくん!?」

 アクメから蘇るほど驚いたらしい。
 腰をプルプルさせながら、俺に正気の目を向ける。

「おちんちんっ、あひっ! ど、どうしたんですか? ど、ぼじだんでずがああああああ!?」

 いや、正気ではなかった。
 一瞬人間の言葉を話したものの、一瞬でアヘ顔をさらして仰け反っていく。

「な、なにこええ!? おちんちんおかしい!!! おっきい!! でも苦しくないっ!! き、気持ちいとこに全部あたりゅうううう!!! あぐううううううっ!! あ、あとなんか出てりゅううううううっ!!!」

 仰け反ったカンナさんがぷしゃあああああっと潮を撒き散らしながら、妙な事を言っていた。
 なんか出てるて。
 だから何出てんだよ!?

「あぎゅうううううっ! いくっ!! いくのとまんないっ!!!」

 潮だの小便だのを撒き散らすカンナさん。
 不安そうによろよろと手を伸ばしてくるので、がっしりと掴んでやった。

「いぐうううっ!! ず、ずっとイッてるううううっ!! 壊れちゃうううううっ!!」

 たしかに壊れた蛇口のように股間から各種カンナ汁を垂れ流しまくっていた。
 ぷるんぷるんとカンナ乳も狂ったように揺れている。
 うねうねと膣内はパラレル大回転(?)中である。

「あぐっ――――!」

 そして、カンナさんはピタッと止まった。
 天井を振り仰いだまま。
 ばるんばる揺れていた乳房も静止する。

「あ、ああ……」

 そして、わずかに震えだすカンナさんおっぱい。
 乳首は、腫れているかのようにフル勃起していた。

「ああ、ああああああっ!!! は、はいってくる!!! 子宮の中にまで入ってくるううううう!!!!」

 愚息は、妙なとこまで入っていた。
 そういえばさっき。
 なんか硬いものを突き破った感はあった。

「い、いぐうううううっっひぎいいいいいいいいっ!!! あぎゃあああああああっ!!!!」

 絶叫したカンナさん。
 追い打ちをかけるように肉棒が鳴動した。
 びゅるるるるるっ!! と勝手に射精していく。
 オート射精つきとか。
 《自己肉棒変動》やべえわ。

「あがっ……かはっ」

 顔中の穴を全開にしたカンナさんが、呼吸困難になったかのように口をパクパクさせていた。
 びゅるるるるるっ!!
 そんなカンナさんに、俺のチンコは無慈悲に射精しまくっていた。
 子宮への直接射精。
 しかも全く萎えないという。

「……うう、ぐすっ、ゆるして……もうゆるして……気持ちよすぎて死んじゃう……」

 あのカンナさんが泣いていた。
 顔をぐしゃぐしゃにして。
 少女のように。
 ちょっと可愛そうな気もした。
 が、しかし。

「おらっ」

「きゃっ!?」

 またとないお仕置きチャンスと見た。
 カンナさんを持ち上げてぐるんっと裏返す。
 これまた少女のように可愛い悲鳴を上げたカンナさん。
 そのままベッドに押し付けて、後ろから神淫チンコを押し付ける。

「あぐううううううっ!! ま、待って!?」

 戸惑うカンナさんを無視して、ピストン開始。

「うぎゅうっ!? あへっ、んああっ、あひゃあっっ!!」

 ずりゅんずりゅんと、肉棒がカンナさんの膣内をえぐっていった。
 そのフィット感はマックスで。
 肉棒を出し入れしているというか、癒着した内臓をかき回しているというか。

「あぎゅうううっ、んあ、かはっ、んんっっっ、あぐううううっ!!」

 カンナさんは快感の波に溺れていく。

「さっきは随分と偉そうにしてくれたな、カンナ!?」

「うぎゅううっ、ご、ごめんなさいっ! ごめんなさいー!!!」

 涙を流しながら、絶叫するカンナさん。
 あ、あのカンナさんが謝っている!?
 天上天下唯我独尊お姉ちゃんだったカンナさんが!?

「も、もう許して? う、動かないで、コウくん!!!」

 必死に懇願するカンナさん。
 じょろじょろとベッドにいくつものシミを作りながら、快感に耐えるように顔を両手で掴んでいる。

「ダメだ許さん! このまま孕めっ、カンナ!!!」

「あ、あぐうううっ! 子宮中だしだめえええっ!! はれつしちゃううううっ!!!」

 ノリと勢いで吸血鬼を孕ませようとしながら、一番奥に勢いよく射精した。
 オートで。

「うあっ、き、きてる!? どくどくきてりゅうううううううっ!!!」

 全身を強張らせて、絶頂するカンナさん。
 俺はその真っ白な尻を掴みながら、遠慮なく射精を続け。

 ――『MP:0/290』

 ゼロになったMPを目にして、魔力枯渇に襲われた。
 《自己肉棒変動》はMPを使うらしい。
 マジかよ。
 そんな悪態を付きながら、俺の意識は遠ざかっていった。







 遠く離れた世界の最果て。
 神界と呼ばれる空間にて。
 ノリコ・ヴァルキリーは世界の管理業務に追われていた。
 カタカタと端末を叩きながら、疲労した目をパチパチと瞬きさせる。
 そんな時だった。

「ノ、ノリコ先輩! 大変ですよ!?」

 慌ただしくやってきたのは、後輩だった。
 業務を中断して後輩に向き直る。

「先輩のエインヘリヤルの子が、神スキルを発現させました!!」

「…………?」

 後輩の言葉は、よく理解できなかった。

 極稀にだが、神に迫る技能を発現させる人間がいる。
 類まれなる才能と、日々の弛まぬ努力。
 その2つが合わさると、人の身でありながら神の権能を使用可能になるのだ。
 それが神スキル。
 武術で発現することが多く、発現した者は、神剣、神槍、神箭などと呼ばれる。
 武術以外でも神医や神匠など、神のわざを使用できる人間は存在する。

 そんな神スキルが?
 私のエインヘリヤルに?

 残念な事に。
 本当に残念な事に、現在、私のエインヘリヤルは一人しかいなかった。
 狂ったように腰を振るしか脳のないとびきりのクソ野郎だけなのだ。
 アノ野郎に神スキルが発現するなんてことがあろうか、いやない。

 心を入れ替えて、剣の稽古にでも打ち込んだのかしら?

 エインヘリヤルにした際に、才能は全て与えている。
 努力をしやすいシステムも導入した。
 しかも戦に事欠かない世界に転生したのだ。
 普通に生きていれば、神剣や神魔などが発現してもおかしくはないのだが。
 に生きていれば。

 少し気になった私は、久しぶりにヤツの様子を見てみることにした。
 最近はあまりヤツの様子は見てなかったのだ。
 基本的にロクな事をしてないので。

 端末を操作して、ヤツの現在を写す。

「…………」

 そしていつも通り閉口した。
 ヤツは黒髪の女と裸で抱き合っている最中だった。
 あーいっつもこう!!

「あっ!! えっちなビデオだ! 先輩、エッチなビデオ見てる!!」

 空気を読めない後輩が煽ってきた。

「あ!?」

「……ごめんなさい」

 とりあえず脅しておいた。
 それにしても。
 やっぱりクソ野郎だった私のエインヘリヤルが何の神スキルを発言したと言うのか。

「えーとですね、神淫っていうスキルですね」

 後輩が口にした単語は、聞き慣れない響きだった。

「ええっと……神医スキル?」

「ちがいますよう。神淫です。しんいん!」

 私と後輩の間に、微妙な沈黙が降りた。

「……いん?」

「淫です。あ、文字で書きましょうか?」

「いいえ、結構……」

 あのクソ野郎!!!!
 思わずメキッと拳を握ってしまう。
 そろそろ本気でヤキを入れとかないと……。

「なんか頭痛くなってきたから、先に帰るわ」

「……おつかれさまでーす」







『病気耐性:LV8が発動しました』

 目覚めるとそんなログが流れていた。
 魔力枯渇明けでやたらと重い体。
 そして、首元に感じる熱さ。

「……うう、ぐすっ……じゅるるる」

 涙を流したカンナさんが、俺の首元を吸血していた。
 全裸で、隙間なく俺を抱きしめながら。

「……なんで吸血が効かないんですか?」

 俺が気づいたことがわかると、そんな事を聞いてきた。
 泣きはらした赤い目で。
 俺に吸血が効かないのなんて、ずっと前からそうだったろうに。

「私の眷属に……しちゃおうと思ったのに」

 こつんと額をくっつけてくるカンナさん。
 そして、いつもとは違う、真剣な眼差しを向けてくる。

「私の……私だけのものになりなさい、コウ君」

 そのセリフには、真剣な重みがあった。

「セレナお嬢様にも、ルーナお嬢様にも渡しません。コウ君を連れて逃げます。逃げ切ってみせます」

 まぶたをきつく閉じたカンナさんから、美しい一筋の雫が溢れる。

「……400年生きた女の子宮を堕とした責任……取って下さい」

 そうしてすすり泣かれれば、カンナさんへの愛おしさがこみ上げてくる。
 どう考えてもさっきのセックスはやり過ぎだった。
 カンナさんが泣くほどに。
 でも、俺にルーナやセレナを捨てることはできない。

「……ごめんなさい」

「…………」

 口を固く結んだカンナさんは何も言わない。
 ただ小さく。

「ばか」

 とだけこぼした。
 そんなカンナさんをぎゅっと抱きしめる。
 汗ばんだ身体。
 力の入ってない脱力した身体。
 ……下半身がつながったままの身体。

「……カンナさんだけのものにはなれませんが、これからも愛し続けます」

「コウ君……」

 MPが切れて、俺の一物は通常モードになっていた。
 さっきのアレはヤバすぎた。
 発動させるのはちょっと考えたほうが良いかもしれない。
 カンナさんですらこれなのだ。
 ルーナやセレナに使ったらイキ死ぬかもしれない。

「……じゃあちゃんと毎日、私を愛しに来てくださいね? セレナお嬢様のついでではなく、ちゃんと私だけを……」

 カンナさんにしては珍しくしおらしい事を言っていた。
 たしかにカンナさんとエッチする時は、セレナのついでにーみたいな時が多いかもしれない。
 これからはちゃんとカンナさんと向き合おう。
 ……殺人的なスケジュールの合間を縫って。
 それに。

「カンナさんとエッチする時は、さっきのアレ使ってみてもいいですか?」

 カンナさんなら《自己肉棒変動》の練習ができる。

「……えっ?」

 カンナさんは、顔を青くするのだった。
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