ちょいクズ社畜の異世界ハーレム建国記

油揚メテオ

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第七章 王国剣術大会編

第263話 終焉の魔王

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 稲光は、黒雲に孕まれていた。
 ゴロゴロと。
 黒い大気に、紫電がまとわりつく。
 そんな中、宙に浮かぶ女が一人。
 双眸には鋭い赤光。
 漆黒の髪を波打たせ、青白いまでの肌を雷光が照らす。
 口元に引かれたのは鮮烈な紅。
 鋭い牙をむき出しにしながらも――。

「あーっははは!」

 ――嗤う女は、酷く美しかった。
 風にはためく髪と同じ、漆黒のマント。
 2つもボタンの外された胸元には、豊満な谷間が覗く。
 黒いブラウスにコントラストになって、輝くように目立つ白い乳房だった。

「…………」

 馬車の窓から呆然と見上げる俺の視線の先。
 カンナさんは、やけにノリノリで、邪悪さと色気を振りまいていた。
 曇天をバックにばたばたと翻っているのは真っ黒なスカート。
 あれ、エプロンを外したメイド服だと気づいたのはその時だった。
 なんというか。
 本当にメイド服っていうのは、エロさの宝石箱だと思いましたまる。
 普段はきっちりとまとめ上げている髪を、下ろしたカンナさんも良かった。
 完璧に着こなしているメイド服を着崩しているのも良かった。
 近所にこんな……凶悪にエロいお姉さんが住んでる俺って、幸せ者なんだなってしみじみ思った。

「ようこそ、エルフ共。ここをかのアサギリ子爵の領地と知っての狼藉ですか?」

 上空のカンナさんは、目を細めながらそれっぽいセリフを言っている。
 今出てきたアサギリ某って、もしかして俺のことだろうか。
 今、俺狼藉してる側の馬車にちゃっかりと座っているので冷や汗が出てくる。

 バサバサと、飛竜がはためく音も聞こえる。
 カンナさんの周囲に付き従うのは竜騎士達。
 リュデュアの火竜もいた。
 何してんのあいつら。
 竜騎士達のせいで、カンナさんの禍々しさが強化されていた。

「な、なんて禍々しい魔力だ……!」
「……まさか奴が……ま、魔王!?」
「エスメラルダ様と三代目の乗った馬車を守れ! 死守するんだっ!!」

 エルフの皆さんは大慌てだった。
 わらわらと俺たちの馬車に集まってくる。
「あの飛んでるのって知り合いなんです」とか言える雰囲気じゃなくて胃が痛くなった。
 まあ言わなきゃいけないんだけど。

「馬車を中心に迎撃陣を敷け! 急げっ!!」

 そんな時、何やら必死なイーデさんがやってきた。
 部下に指示をする様が堂々とした金髪イケメンだった。
 死ねと思った。
 まあ。
 こいつになら気を使わずに何でも話せるから良いか。

「……あの、あの飛んでる人って悪そうに見えるけど、そんな事なくて。人よりちょっとフェラチオの上手いエッチなお姉さんなんです」

「な、何をおっしゃっているのか全然わかりません!!」

 俺の必死の説明にイケメンはますます混乱していた。
 なんで理解できないんだろう。
 栄養が見た目に全部いってるから、脳がスカスカなんだろうか。

「な、なんでスカスカとかゆーの!?」

 なぜかルーナに被弾していた。

「……ふふふ、まずは小手調べ」

 その時、上空のカンナさんが不敵に嗤う。

「フレイム・ペイン!!」

 両手を高く掲げるカンナさん。
 曇天にじわりと、炎が出現する。
 火のついた写真に黒い穴が開く様に。
 じわりと。
 燃え盛る火の玉だった。
 じわり、じわりと空中に出現していく火の玉。
 その数、数百。

「……降り注げ」

 風を切り裂く音がした。
 ひゅん、ひゅんと。
 数百の火の玉が、雨のように降ってくる。
 壮絶な光景だった。
 身の危険を感じながらも、美しくて。
 俺も、エルフたちも、その圧倒的な光景を、逃げようともせずに呆然と見上げてしまう。
 完全にただのメテオだった。
 あ、これ俺死ん――だと思ったのもつかの間、火の玉は俺たちを通り越して、背後の草原に降り注いていく。
 ごおっ、ごおっと大地を抉る音を残して。
 火の海に包まれる草原。
 からん。
 馬車を守る、とあるエルフが持っていた剣を落とした音だった。
 圧倒的な力に、抵抗を諦めたらしい。
 わかるわー。

「むう……」

 そんな声を漏らしたのは、俺と同じく上空のカンナさんを見つめていたエスメラルダさんだった。

「魔力操作で対空しつつ、火と土の二重詠唱デュアルスペル。あの娘、いくつの魔術式を同時展開しておるんじゃ……。相変わらずやっとる事は暴走しとるが、大した魔術センスじゃのう……」

 なんか感心してるが、俺にはそんなセリフよりも気になることがあった。
 馬車の窓から身を乗り出すようにして、上空を見上げるエスメラルダさん。
 しかし、思うように身を乗り出せていない。
 なぜなら大きすぎる爆乳が窓枠にむにゅっと引っかかっているから。
 なんて素晴らしい光景だろう。
 引っかかった爆乳で、カンナさんのメテオが霞んだとすら思える。
 思わずエスメラルダさんの肩をとんとんしてしまう。

「なんじゃ、婿殿?」

 そして、サムズアップと懇親のアサギリスマイル。

「なんじゃ!? なんかイラッとした!!」

 お祖母様はキレていた。

「というか、セレナ!! 早くなんとかせんか! あの暴走娘はお主の眷属じゃろう?」

 エスメラルダさんはカンナさんを知っているらしい。
 というか娘て。
 あのカンナさんを娘呼ばわりできるのは、大陸広しと言えどもエスメラルダさんだけ。
 なぜならカンナさんはよんひゃk……。

「あらあら、逃げ道がなくなっちゃいましたねぇ。くふふ、あは、あーはっはは!」

 失礼な事を考えていたら、カンナさんが悪者全開なセリフを吐いていた。
 さっきのメテオは逃げ道を塞ぐためだったらしい。
 まんまラスボスの行動だったが、カンナさんが楽しそうなので良しとする。
 まあでも、たしかにそろそろ止めなきゃまずい気がする。
 カンナさんを止められるのなんて、確かにセレナしかいないのだが。

「……なんでしゅかあ、だんにゃしゃま? ……わかった、チュウだ。チュウしゅるー!」

 目にハートマークを浮かべたセレナは、必死に唇を押し付けてくる。
 エロ可愛いけど、今じゃなかった。
 セレナの目には俺しか写ってなくて困る。

「……この女はもうダメじゃな」

 お祖母様にもあっさりと見放されていた。
 ダメとか言わないであげて欲しい。

「……ふふふ。さて仕上げの時間です。操糸傀儡舞踏会マリオネットダンス!」

 とかなんとか言っている間に、カンナさんからバカでかい魔力が放たれる。
 俺ですら複雑な魔力なのがわかる。
 その瞬間。

「な、なんだ!? 身体が?」
「動かない……」
「か、勝手に……!?」

 周りのエルフさんたちから悲鳴が聞こえ始める。
 みんなガクガクとアルコールの禁断症状みたいな動き。
 なんか絶対にやばい魔法かけられている……!?

「……ふふふ、これでもうあなた達は身動き一つ取れません。私の思うがままの操り人形になりました。あはは!」

 ええ!?
 というか、俺も体を動かせなかった。
 かかってる?
 俺にもかかってんじゃん!?
 何これ気持ち悪っ!

「……まずは隣の人と尻の穴でも掘り合ってもらいましょうか。私を笑わせて御覧なさい。その後で殺します」

 ええええ!?
 そんなアーッな展開ある?
 男と尻を掘り合うんなんて嫌すぎる!!

「くっ……や、やめろ……!」
「俺たちは親友同士だろ!? なんでお前まんざらでもない顔してんだ!?」
「あ、あああアッーーーーー!」

 エルフ兵の皆さんは阿鼻叫喚に包まれていた。
 が、しかし。

「く、くううう! 身体が動かないっ……うう、ぐすっ」
「なんですか、これは!? 勝手に……!」
「くっ、あ、アサギリくん……!」

 泣きべそをかくルーナに、がくがく震えるエレイン、俺に必死に手を伸ばすアーニャ。
 …………。
 あれ?
 これはこれでアリじゃね?
 外のエルフの皆さんはアッーかもだけど、俺は普通にアナルセックスを楽しめば良い気がしてきた。
 さすがカンナさんだ。
 どんな状況でもいつも味方してくれる。

「こんな状況だ。仕方ない。お前ら、とりあえず脱いで尻を差し出――」

「なんでそうなるんじゃ!?」

 ズボンを下ろそうとしていたら、エスメラルダさんに殴られた。
 あれ?
 エスメラルダさんは普通に動いていた。
 カンナさんの魔法が効いてないんだろうか。
 エスメラルダさんのアナルを掘るチャンスだったのに。

「千人を同時に精神魔法にかけるのには驚いたが、妾の抗魔力には――って、いやああああああ!!」

 誇らしげに爆乳を張っていたエスメラルダさんが、突然顔を覆ってしゃがみ込む。

「な、なんですぐに――そ、出すの!?」

 はて。
 なんか変なものでも出しただろうか。
 おれが出してるのなんてちんこくらいなのだが。

「それじゃ!! このスケベ!!! わ、妾になんてもの見せるんじゃ!! この、このっ!!」

 真っ赤になったエスメラルダさんが、目を閉じながらガスガス殴ってくる。
 ちんこ見ただけでこの反応。
 なんて可愛いお祖母様か。
 ちんこ見せるどころか挿れまくっちゃったルーナたちにはない反応だった。
 必死に目を閉じてしゃがみこんでいるエスメラルダさん。
 ちょっとからかいたくなってしまう。

「わかりました。……はい、仕舞いましたよ。もう目を開いて大丈夫です」

「ほ、本当に? ……っておっきくなってるじゃないかああああああ!!!」

 真っ赤になったエスメラルダさんは、目の前の勃起ちんこを見て叫ぶ。
 吐息がかかって、ちょっと気持ちよかった。
 思い切り殴られたけど、俺は満足だった。
 完全にセクハラだけど、すげえ楽しかった。
 全裸にコートだけを来て、ご開帳☆とかやっちゃう変態さんの気持ちが、少しわかってしまった。

「うう、真っ黒だった……」

 馬車の床に座り込んでプルプル震えているエルメラルダさんを見ていると、少し胸が傷んだが。
 爆乳に顔を埋めて、プルプル震えていた。
 そういうエロい事をするからだぞ、と言いたい。

「アッーーー!」
「アッーーー!」
「アッーーー!」

 馬車の外から、変な声が3連発で聞こえた。
 カンナさんが罪を重ねている声だった。
 そろそろなんとかしなくては、と思うのだが。

「だんにゃしゃま……なんでエスメラルダにだけおちんちん見せるの? しぇれなにも見せてくれなきゃヤダあ!」

 肝心のセレナは無駄に可愛くジェラるだけだった。
 ぐいぐいとおっぱいを押し付けてくるセレナ。
 セレナにもカンナさんの精神魔法は効いていないようだった。
 精神に深刻なダメージを負っているようにも見えるが。
 つうかこれ詰んだな。
 はっきり言ってカンナさんを止められる人がいない。
 セレナはこれだし、エスメラルダさんは爆乳ガード中だし。
 どっちも俺のせいな気もする不思議。

 そんな時だった。

「はあ……」

 馬車内に漏れたのは、女のため息。
 いい女特有のアンニュイなため息。
 すくっと立ち上がった金髪のメイドさん。
 すたすたと無言で馬車を降りていく。
 その凛とした立ち振舞と、ふわりと漂う花の残り香。
 カレリアさんの匂い。
 そうだ。
 カレリア姉さまがいた!

「あーっははは! いい感じよ? さあ、このまま私のために踊りなさい!」

 上空でノリノリのカンナさん。


「……いい加減にしなさい、カンナ?」

「あーはっは、はっは……はは……」

 高笑いをしていたカンナさんの声が止まる。
 そして、地上を見てピタッと止まった。

「怒るわよ?」

「げえっ!? カレリア姉様!?」

 悪役全開のカンナさんは、漫画みたいに目玉を飛び出させていた。
 さすがBBAは昭和のリアクションがわかっている。
 げえって。
 あ、身体が動くようになった。
 カレリアさんのおかげだ。
 とりあえず、俺も馬車の外に出てみた。
 抱きついたままのセレナを連れて。

「コウ君!? セレナお嬢様!? エ、エスメラルダさんまで!?」

 まだ顔を赤くしたままのエスメラルダさんもついてきたらしい。
 うーうー唸りながら、俺を警戒している。
 可愛い。

 カンナさんがするすると降りてくる。
 その姿は、どこかしょんぼりとしていて。
 さっきまでの悪役っぷりが嘘のようだった。
 そんなカンナさんを、綺麗な金色の眉を寄せたカレリアさんが見つめている。
 怖かった。
 すとん、と地上に降り立ったカンナさん。
 そんなカンナさんを、つい今しがたまでアーッしていたエルフ兵が取り囲む。
 イーデさんとクッコロさんもいた。
 衣服が乱れていないところを見ると、イーデさんは無事だったらしい。
 つい舌打ちしそうになるが、全裸で触手に巻かれたクッコロさんが悲惨すぎてどうでも良くなった。
 クッコロさんは、カンナさんの魔法に関係なくエロピンチに遭っていたらしい。
 でも、良い乳だった。
 ナイスおっぱい!

「…………」

 怨嗟の視線にさらされたカンナさん。
 気まずそうにしながらも。

「おほん、」

 咳払いを一つして、スカートの裾を持って一礼。
 ふわりと舞う黒いメイドスカート。
 そして。

「コウくん、セレナお嬢様。長旅、お疲れさまでした。さあ、疲れたでしょう? お家でお茶でもいかがですか?」

「「「「ええええええ!?」」」」

 普通のメイドモードになったカンナさんにその場の全員が引いた。
 さすがカンナさんだった。
 咳払い一つであの惨状をなかったことにしようとしている!?

「え? なんか文句ありますか?」

「「「「…………」」」」

 カンナさんに睨まれて、ビクッと萎縮するエルフの皆さん。

「……カンナ?」

「カ、カレリア姉様」

 そしてカレリアさんに睨まれて、ビクッと震えるカンナさん。
 強弱の関係が成立しすぎて胃が痛い。

「そ、そもそもですね!! 私に命令したのはミレイちゃんであって! お姉ちゃんは仕方なくエルフ共を皆殺しにしようと……!!」

 なんか責任転嫁を初めたカンナさんは、剣呑なセリフを吐いていた。


「コ、コウさん……!」

 そんな時、村の方から息を切らしたミレイがやってくる。
 俺を見て、茶色の瞳に涙を溜めながら。
 亜麻色のふわふわしたくせっ毛が懐かしい。
 ミレイのお腹はずいぶん大きくなっていた。

「ただいま、ミレイ」

「コウさん!! さ、さみしかった!!! うう、うあああああっ!!」

 抱きしめた瞬間、嗚咽を漏らすミレイ。
 愛おしさがこみ上げてくる。
 ミレイの懐かしい柔らさと匂い。
 安心する。
 帰ってきて良かった。

「……ちゃ、ちゃんとルーナさんを連れ戻して来ましたか?」

「ああ、ミレイのお陰だ」

「良かった……」

 泣きながらも微笑むミレイ。
 鼻と鼻を触れ合わせて。

「コウさん……あむっ」

 俺とミレイは、久しぶりの口づけをした。
 舌を絡め合いながら、ミレイの唾液の味を噛みしめる。
 たっぷりと10分。
 キスをし終わった俺達は、顔を離して見つめあう。
 いい雰囲気だった。

「ところで、ミレイちゃん」

 魔王が邪魔をするまでは。

「ひ、ひいいっ!! カンナさん!?」

「……ミレイちゃん、お姉ちゃんに命令しましたよね? 伯爵夫人として。お姉ちゃん今、無実の罪で疑われて大変なんです。ちゃんと責任とってくれますよね? 伯爵夫人なんだから」

「えええええ!? あ、あの、コウさん? わ、私たしかに、その……あの……」

 カンナさんに肩を抱かれたミレイは、子鹿のようにガタガタと怯えていた。
 そんなカンナさんとミレイの図。
 どう見ても凶悪犯に脅迫される被害者の図だった。
 カンナさんアウト!

「カンナ。いい加減にしなさい? 身重のミレイ様に心労をかけないで。大人しく罰を受けなさい。全身バラバラ世界旅行に行きなさい?」

「ええええ!? そ、それだけは……カレリア姉様、それだけは勘弁して下さいっ!!」

 カレリアさんがパンと両手を合わせて魔力を込めだした。
 全身バラバラ世界旅行って何……?
 吸血鬼の罰ゲームが想像できなくて怖い。
 あのカンナさんが土下座しようとしてして――ピタッと止まる。
 そして、俺を見て口を開く。

「わかりました。お姉ちゃん罰を受けます。でも、お仕置きをするのはカレリア姉様じゃなくて、コウくんがいいです! コウくん、お姉ちゃんにお仕置きして下さい!」

 なぜ俺に振るのか。
 みょんみょんと膨大な魔力を込めていたカレリアさんの目がギロリとこちらを向く。
 こわいこわい。
 ここは知らんぷりを――。

「悪いお姉ちゃんにアレなお仕置きしすればいいじゃないですか!」

 ――するなんて、いけないことだと思います。
 アレ。
 アレなお仕置き。
 妄想が爆発した。

「カレリアさん」

 カレリアさんに真剣な目を向ける。
 俺は本気だった。

「な、なんでしょうアサギリ様」

 泣く子も黙るカレリア姉様すらたじろぐほどに。

「――ここは、俺に預けてくれませんか?」

「カンナのお仕置きを、人間のあなたがすると?」

 カレリアさんの赤い瞳が俺を射抜く。
 迫力がすごくてチビリそうだった。
 でも、カンナさんにエッチなお仕置きしたいじゃんね。

「俺はただの人間ではありませんし――ここの領主は俺ですから」

 1ミリも思ってないそれっぽいことを言ってみました。

「か、閣下……!!」

 なんかエレインが口元を覆っていたが。

「アサギリ様……」

 じっと見つめてくるカレリア姉様。
 ここが正念場だった。
 余計な事を考えたら負ける。
 カンナさんのおっぱい、カンナさんの太もも、カンナさんのデカ尻。
 俺は真剣にエロいことを考えた。

「……負けました」

 カレリアさんは、小さく笑って、そんな事を言った。
 この人、結構目が節穴だぞ。

「カンナへの罰は、アサギリ様にお任せします。……妹の事、よろしくおねがいします」

 そう言って、ペコリと頭を下げる。
 ちょっと胸が傷んだ。

「任せて下さい。来るんだ、カンナ」

「コ、コウくん……!! 成長して、姉を越えようとする弟……お姉ちゃん、ドキドキして濡れちゃいます……」

 それっぽい演技をしてみたら、嬉しそうについてくるカンナさん。
 どうでもいいけど、カンナさんは全然反省していなかった。
 今日は攻めまくってやろう。
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