ちょいクズ社畜の異世界ハーレム建国記

油揚メテオ

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第六章 エルフ王国編

第232話 クズは決意する

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 窓から見える景色は、もう明るくなっていた。
 小鳥の鳴く声が聞こえる。

「えへへ、コウー」

 一糸まとわぬ、生まれたままのルーナが俺の胸元で甘えた声を出している。
 結局、一晩中やってしまった。
 とはいえ、激しくはしていないのでルーナも健在だ。
 いつもだったらとっくに気絶して噴水と化している。
 たまにはこういうセックスもいい。

「あんっ! ……えへへ」

 乳を揉むとルーナが嬉しそうに笑う。
 乳を揉まれて喜ぶ女って結構末期的な気もするのだが。

「……愛する男に胸を揉まれて、喜ばない女がいるわけないじゃないか!」

 可愛い。
 これが俺の嫁かとか、信じられないくらい可愛い。
 嬉しそうに頬を擦り寄せて来るルーナ。
 そのすべすべした美脚を、俺のすね毛脚にからませている。
 連続セックス後の気だるさ。
 なんというか。

「……すごく幸せだ」

「うん……」

 嬉しそうにルーナは目を細めた。
 その背中を撫でる。
 ルーナの真っ白な背中には、かつて俺をかばってついてしまった大きな刀傷がある。
 わずかに盛り上がった醜い傷跡。
 そんな傷跡を撫でていると、愛おしさがこみ上げてくる。
 なんだろうな。
 なんかひらけちゃった気がする。
 昨日は不覚にもルーナに救われてしまった。
 クズを全肯定されてしまった。
 だからと言って、俺はクズじゃないなんて思えないが。

「コウ、大好きだよ……」

 少なくとも、この女は俺を認めてくれる。
 俺なんかを好きだと言ってくれる。
 ……なんと幸せな事か。
 思えば、ルーナだけじゃない。
 セレナもミレイも、リュディア達やエレインだって。
 こんな俺に好意を寄せてくれる女がいる。
 ならば、俺は。
 俺にできることは。

「……お前らを全力で幸せにするわ」

「うん……もう十分幸せだよ。……ん? お前? ってなんだ!?」

 ルーナがめんどくさいことに気づくが、俺は決意した。
 当たり前のことなんだが。
 人が幸せを求めるなんて。
 とはいえ、今回の件で良い線引が出来た。
 他人と己を隔てる線があるとして、ルーナ達は完全に線の内側だ。
 線の内側は、絶対に幸せにしようと思った。

「おい!? 私を愛してるって言ったんだから、浮気は駄目だからな!! ……ミレイと…………まあ、セレナくらいはいいけどさ」

 ものすごく納得のいかない顔だったが、ルーナがセレナまで認知してくれた。
 おお!!
 ちょっと物分かりが良くなった。
 このまま、エレインとダークエルフさんたち100人弱も認知させよう。

「で、でも、これ以上は駄目だからな!? 特にフェルミーとか絶対に駄目だからな!?」

 涙目になったルーナが、押すなよ? 押すなよ? みたいな事を言いだした。
 人、それを前フリと言う。
 というか、そのフェルミーさんである。

「フェルミーさんってあのウェディングドレスの美女だよな?」

「あああああっ!? 美女って言った!! 妻を差し置いてフェルミーを美女って言った!!!」

 ルーナがうるさいので、美乳を揉みしだく。

「んあっ! んんっ……」

 色っぽく喘ぐ、ルーナの耳元で囁いた。

「いや、お前の方が美人だとは思うぜ?」

「え……? コウ……。えへへ、もー! お前はどれだけ私のことが好きなんだ! 盲目! 愛は盲目にも程があるぞ、えへへ!」

 ルーナの機嫌が2秒で直る。
 うちの嫁は相変わらずちょろい。

「で、フェルミーさんって誰なんだ?」

「え? フェルミーはな? フェルミダ・フレ・アイラ・エルフィンって言って、この国の第一王女だ! 私の従兄弟で、幼馴染なんだー」

「ほう……」

 第一王女ってマジモンのお姫様じゃん。
 さらっと従兄弟とか言ってるあたり、目の前の全裸姫のロイヤルっぷりがわかってしまうのだが。
 第一王女に誤爆告白ってどうなんだろう。
 まあ、それは場を和ませるギャグだったってことにするとして。

「……で、あの相手は? フェルミーさんと結婚しようとしてた」

 俺が殴って、歯を折っちゃった人である。

「ああ、あいつな! ……ええと、誰だったかな? フェルミーと結婚しようとしたんだからどっかの公爵家の跡取りだと思うけど……忘れちゃった! えへへ!」

 忘れちゃったのかよ!
 舌をぺろっと出すルーナが可愛かった。
 まあ、前に王国の飲み会みたいなので貴族の顔を覚えまくってたルーナが忘れちゃったのだ。
 たいしたヤツじゃないんだろう。
 つまり、あいつを殴ったこともギャグで済ませられると見た(モブ補正)!
 高い所から思い切り落下していた気もするが、まあ大丈夫だろう。

「なーなー? そんなことより、もう一回セックスしよう? ……またいっぱい膣内なかに出してほしいな?」

 俺の妻はそんなエロいおねだりをする。
 上目遣いが可愛い。

「仕方ないな。あと5回くらいだぞ? さすがに衛兵さんにも悪いしな」

 気遣いのできる男、アサギリコウ。
 近くで、衛兵さんが牢番をしているのだ。
 そう何度も近くでアンアン言ってたら悪いよね。
 すでに一晩中アンアンしてしまったが。

「はーい! えへへ!」

 嬉しそうに笑ったルーナが俺の上に跨って来る。
 ぼたぼたと股間から精液を垂れ流しながら。

 そんな時だった。

「……おはようございます、ルシアリーナお嬢様。ケイオスでございます」

 牢の外から、そんな声がかけられる。
 目をやっても、牢の外には誰もいなかった。
 俺が捻じ曲げた格子があるだけである。
 いや、端っこにチラッと黒い服が見え隠れしている。
 そういえば裸の俺たちを見ないようにしてくれているんだろうか。
 やだ、なんて気遣い。

「ケイオス? 今コウと愛し合ってるんだから、控えなきゃだめじゃないか! 用事なら後にしろ」

 そう言いながら、ルーナがくにくにと俺のちんこの位置を調整している。
 って、なんで挿れる気まんまんなんだよ。

「…………いえ、大奥様からの伝言でございます。その人間の身柄をエリシフォン家で預かることにしたので、一緒に戻って来るように、と」

 ケイオスさん(おそらくルーナんちの執事さん)はものすごく何かを言いたそうに溜めてから、そんな事を言った。

「お祖母様が? ……すごいな、一晩しか経ってないのに。……コウ? せっかくだけど続きは私んちでやろう? ちゃんとベッドもあるし」

 ルーナが残念そうに言う。
 そういえば、牢屋だったなここ。
 とはいえ、嫁の実家とか。
 行きたくないわー。
 気まずいわー。

「お前のトーチャンとかいんの? すげえ気まずいんだけど」

「ああ。お父様はいるぞ。どうでもいいけど。それよりお祖母様とお母様がな……」

 俺の上から降りたルーナがいそいそとブラジャーを付け始める。
 何度見てもルーナがブラを付けるシーンは良い。
 俺の女感がするからかな。
 って、トーチャンどうでもいいのかよ。
 俺からしたら一番会いたくない相手なんだけど。
 絶対に文句言われそうじゃんね。

「まあ、でも私には秘策があるからな! ちゃんとお前との結婚を認めさせてみせる!」

 ブラをぱちんと止めたルーナが嬉しそうに振り返る。
 ぷるんと揺れる美乳がエロかった。

「そういえば言い忘れてたけど、私ね? コウの赤ちゃん出来たんだよ? えへへ」

 ショーツを履こうとするルーナをガン見していたら、嬉しそうにそんな事を言っていた。
 するすると美脚にショーツが上がっていく様は、何度見ても良いものだ。
 ……ていうか。

「お前今なんつった?」
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