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第六章 エルフ王国編
第227話 襲撃
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古い木製の大きな門だった。
門柱には蔦が絡まり、独特の雰囲気を醸し出している。
俺はそんな門の下を、駆けながらくぐり抜ける。
門の先には、木で作られた街が広がっていた。
巨大な世界樹の根本を道として、それに沿うように木製の建物が整然と並んでいる。
暖かな木々の温もりを感じさせる建物だった。
商店なのだろう。
建物の軒先には、ミミズ文字で書かれた看板が掛かっている。
どこか牧歌的で、ほっこりとした気分になりながら、俺は世界樹の根本を走った。
「待て! 貴様、何を考えている!?」
数人のエルフの衛兵達が槍を構えて向かってきた。
ほっこりしている場合じゃなかった。
《他者重力変動発動》。
「ぐはっ!」 「ば、バカな……」
重力魔法によって、あっさりと潰れていく衛兵たち。
ここに来て、重力魔法が大活躍だった。
産廃魔法とか言ってごめんねー。
「止まれ!」 「一体、何が目的なんだ!?」
エルフの兵隊さん達は、次々に現れる。
厳重な警備体制というのは本当だったらしい。
背中からラグニードを取り出して、構える。
鞘はつけたまま。
「このキ○ガイが!」
ひどい事を言いながら槍を突き出してくるエルフの兵隊。
ラグニードで受け止めた。
仕方なしに、門を突破してしまったのだが。
原動力は、俺がルーナを取り戻したいだけである。
その為に、誰かを殺してはいけないと思った。
拙者、今回は不殺で行くでござる!
かつて愛読していた漫画のイケメン主人公のような事を考えていた時だった。
がすっと。
背中に鋭い痛みを感じた。
「見たか! この異常者が!」
振り返れば、鎧の継ぎ目に槍を突き立てたドヤ顔のエルフ兵士がいた。
え、卑怯じゃね?
後ろからとか反則じゃね?
「クソがっ!」
怒りにまかせて、《火魔法》を発動させる。
「ぎゃああああ!」
あっさりと火だるまになるエルフ兵士。
不殺の誓いは、数秒で破られていた。
仕方ない。
槍で刺されたら、誰だって怒る。
だって、にんげんだもの。あさぎりこう。
「ぐはっ」
正面にラグニードを薙ぎ払う。
冗談みたいに宙を舞うエルフの兵士。
「がはっ!」 「うわああああっ!」
ついでに接近しようとしていた兵士たちを《火魔法》で焼き尽くす。
通りには、大勢の一般市民たちがいた。
皆、一様に俺をポカンとした顔で見つめた後。
「いやああああ!」 「なんだこいつはー!」
悲鳴を上げて逃げていった。
兵士が火だるまにされて、ヤバイと思ったらしい。
通りは、大恐慌に陥った。
気持ちはわかるけど、なんか傷つく。
イジメだろうか。
これだから、外の奴らは!
そういえば、エルフ兵士を何人か倒したのに経験値が入ってこない。
不思議に思って、火炎と共に蹲る兵士たちを見やる。
「う、うぐぅ」
なんとまだ生きていた。
彼らの着ている黄金の鎧は、なんか耐性がついているんだろうか。
ちょっと本気で着てみたいな、この鎧。
まあ、俺にはセレナの鎧があるんだけどね。
真っ赤でかっこいい鎧が。
一瞬、トドメを刺そうかとも思ったが、思い直して走り出す。
俺は別にテロを起こしたいわけでも、虐殺をしたいわけでもないのだ。
ただ、ルーナを取り戻したいだけだ。
「キ○ガイだー!」 「キ○ガイが攻めてきたぞー!!」
逃げ惑うエルフたち。
誰がキ○ガイか。
差別用語はいけないと思います!
まあ、自分たちがなんで襲われているのかわからないんだろうけど。
俺は、大混乱に陥るエルフたちをかき分けるように、ひたすら走った。
「ここは通さぬ! ぐはっ!」
某歌舞伎町のキャバクラのキャッチのように、次から次へと湧いてくる兵士たち。
尽くを、重力魔法で押しつぶす。
いろんな魔法を使ってみたが、これが一番効率が良かった。
「放てーっ!」
空から落下してくる何本もの矢。
どこからか狙撃までされているらしい。
まあ、いつぞやのオークたちの矢に比べたらまだ少ないが。
「おらっ――!」
ラグニードを振り回して、矢を迎撃する。
この程度で、俺を止められると思うなよ。
とはいえ、ウザい。
遠くを眺めると、物見櫓のようなものが目についた。
あそこから狙撃しているらしい。
火魔法で燃やしておいた。
崩れ落ちる物見櫓。
火だるまになって、落下していく人影。
「いやあああ!」 「ま、街が燃えていく!」
エルフの市民たちの混乱が増す。
いやいや。
物見櫓を燃やしただけで、街は燃やしてないですやん。
ちょびっと街の建物にも延焼しているが。
誤差の範囲だろう。
け、経験値のログは出てないしね!
セーフ。
心なしか、大悪党になった気分になりながら、俺は通りを進んだ。
エルフ王国の道は、緩やかな坂道になっている。
世界樹を登っていく作りなのだろう。
進む先には、曲がり角がある。
あそこで折り返して、更に登るのだろうか。
見上げると、例のDQN大聖堂はまだ遠い。
速度を上げながら、角を曲がる。
「ひ、ひいいいいい!」
曲がった所で、エルフの女性が腰を抜かしていた。
金髪を三角巾でまとめた女性。
どこかの店員さんのようで、エプロンをしている。
結構、美人だった。
「やめてっ! 殺さないで、犯さないで!」
その美しい顔を恐怖に歪めながら、ずりずりと後ずさっていく。
エプロンから覗く脚が艶めかしかった。
いやいや、誰も犯さねえって。
そんな事を思いながら、ふと思った。
あれ、犯してもいいんじゃね?
すでに兵隊さんたちを何人も片付けている。
今更レイプした所で、何も変わらないのでは――!
そんな事を考えながら、腰を抜かすエルフの女性に近づいた。
おもむろにエプロンを破いて、その下のシャツも破く。
ぷるんとむき出しになるブラジャーごしのおっぱい。
「あ、ああ……」
ビビりすぎたエルフさんは、ちろちろちーとおしっこを漏らしていた。
嗜虐心を、これでもかと刺激された。
アヘ顔で嬉しそうにしょんべんを漏らすリュディアとは違う。
これぞ放尿プレイの醍醐味。
――りんごーん。
頭上で鳴り響く鐘の音。
ひどく胸をかきむしられる。
こんなことしている場合じゃなかった!
「ナイスおっぱい!」
怯えるエルフ女性にそう言って、親指を立てる。
紳士的な俺は、そのままその場を後にした。
思い切り後ろ髪を引かれるが、今はルーナが大事。
「せやああああっ!」
思い出したように襲いかかってくるエルフの兵士。
ラグニードで迎撃する。
「ぐあっ!」
吹き飛ばされるエルフ兵士。
その弾みで、金色の兜が宙を舞う。
溢れ出てくる金髪。
意外と整った顔。
兵士は、女性だった。
しかも、エルフだけあってやっぱり美人!
「ぐっ、ま、まだだ!」
地面に倒れながらも、俺を睨みつけるエルフ美人さん。
不覚ながらも股間がオッキした。
思わず足を止めてしまう。
くそが、なんて巧妙な罠だ。
敵には孔明がいるらしい。
「この先には通さないっ!」
腰に掃いた剣を抜き放つエルフさん。
とりあえず、ラグニードで弾き飛ばす。
これでエルフさんは丸腰だ。
「くっ……殺せっ!」
詰んだと思ったのか、あっさりと伝説のセリフを口にしていた。
そんなん言われたら、我慢できない!
はあはあと呼吸が荒くなっていくのを感じながら、エルフさんの鎧を毟り取った。
胸鎧を剥がすと、ぽよんとボリューミーな胸が顔を出した。
白いインナーに包まれた良おっぱい。
インナーをめくりあげると、ぷるんと美しい乳房が飛び出てくる。
ツンと主張したピンク色の乳首。
「く、くうっ!」
エルフさんの顔は真っ赤だった。
恥ずかしそうに唇を噛みしめる。
エッッッッロ!!
――りんごーん。
再び聞こえてくる鐘の音。
こんな事してる場合じゃなかった!?
いや、わかってる。
わかってるんだけどさ。
エルフ王国、思いの外、楽しくて。
「ナイスおっぱい!」
そう言い残して、その場を立ち去る。
おっぱいをぽろんとさせたエルフさんは呆然と俺を見送った。
紳士的な俺の態度に、好感度もうなぎ登りだろう。
あとでセックスまでさせてもらおうと思う。
そんな事を考えながら、再び走り出す。
エルフ王国をひた走る。
向かってくる兵士たちを押しつぶし、なぎ払い、気まぐれに火魔法を放つ。
それなりに強い兵士もいたが、レベル35の俺の敵ではなかった。
「逃げろーー!」 「お、犯されるううう!」
逃げ惑うエルフたち。
犯すとか心外なんだけど!!
たまに出会うエルフ女性はもれなく剥いて「ナイスおっぱい」と言うだけである。
聖人君子でもそれくらいやるっつーの。
そんなこんなで目的地は近づいてきた。
世界樹から流れ落ちる巨大な滝。
ドドドと大瀑布の音を聞きながら、それは建っていた。
荘厳な白い石造りの建物。
滝を背景に建つ大聖堂は、神聖な雰囲気を醸し出している。
やっとたどり着いた。
と、思ったのも束の間。
「撃てっ!!」
場違いなほど、美しい声音だった。
何本もの矢が、俺に向かって放たれる。
ラグニードで振り払いながら、見上げると。
暮れゆく陽光の中、一糸乱れぬ陣形で並ぶエルフの兵士たち。
弓を構える彼らの先頭に立つのは――女神だった。
美が形となって、この世に降臨したかと見紛う程の美しさ。
絶世の美女。
「よくここまで来たのう。それは褒めてやる。じゃが、ここまでじゃ」
美女は不敵な笑みを浮かべながら、そんな台詞を口にした。
風にたなびく金色の髪。
完成されきった目鼻立ち。
エメラルドのように美しく光り輝く瞳。
真っ白な頬に桜色の朱が指す。
その美しい顔を、俺はよく知っていた。
「……ルーナ?」
大聖堂の入り口に陣を敷いた美女は、ルーナにそっくりだった。
いや、その瞳に浮かぶ知性の光が、ちょっと違うが。
そして何よりも。
「ここから先は通さぬぞ、人間よ?」
そう言って、金色の弓を水平に構える美女。
その胸は、見事なまでの曲線を描いて盛り上がっている。
銀色の胸鎧をしながらも、抑えきれぬ爆乳の谷間が眩しかった。
ルーナにはあんな胸はついていない。
セレナに匹敵する。
ルーナの顔に、セレナのおっぱい。
か、完璧だ。
絶対に勝てるわけない。
俺は、かつてない強敵に、ひたすら戦慄した。
門柱には蔦が絡まり、独特の雰囲気を醸し出している。
俺はそんな門の下を、駆けながらくぐり抜ける。
門の先には、木で作られた街が広がっていた。
巨大な世界樹の根本を道として、それに沿うように木製の建物が整然と並んでいる。
暖かな木々の温もりを感じさせる建物だった。
商店なのだろう。
建物の軒先には、ミミズ文字で書かれた看板が掛かっている。
どこか牧歌的で、ほっこりとした気分になりながら、俺は世界樹の根本を走った。
「待て! 貴様、何を考えている!?」
数人のエルフの衛兵達が槍を構えて向かってきた。
ほっこりしている場合じゃなかった。
《他者重力変動発動》。
「ぐはっ!」 「ば、バカな……」
重力魔法によって、あっさりと潰れていく衛兵たち。
ここに来て、重力魔法が大活躍だった。
産廃魔法とか言ってごめんねー。
「止まれ!」 「一体、何が目的なんだ!?」
エルフの兵隊さん達は、次々に現れる。
厳重な警備体制というのは本当だったらしい。
背中からラグニードを取り出して、構える。
鞘はつけたまま。
「このキ○ガイが!」
ひどい事を言いながら槍を突き出してくるエルフの兵隊。
ラグニードで受け止めた。
仕方なしに、門を突破してしまったのだが。
原動力は、俺がルーナを取り戻したいだけである。
その為に、誰かを殺してはいけないと思った。
拙者、今回は不殺で行くでござる!
かつて愛読していた漫画のイケメン主人公のような事を考えていた時だった。
がすっと。
背中に鋭い痛みを感じた。
「見たか! この異常者が!」
振り返れば、鎧の継ぎ目に槍を突き立てたドヤ顔のエルフ兵士がいた。
え、卑怯じゃね?
後ろからとか反則じゃね?
「クソがっ!」
怒りにまかせて、《火魔法》を発動させる。
「ぎゃああああ!」
あっさりと火だるまになるエルフ兵士。
不殺の誓いは、数秒で破られていた。
仕方ない。
槍で刺されたら、誰だって怒る。
だって、にんげんだもの。あさぎりこう。
「ぐはっ」
正面にラグニードを薙ぎ払う。
冗談みたいに宙を舞うエルフの兵士。
「がはっ!」 「うわああああっ!」
ついでに接近しようとしていた兵士たちを《火魔法》で焼き尽くす。
通りには、大勢の一般市民たちがいた。
皆、一様に俺をポカンとした顔で見つめた後。
「いやああああ!」 「なんだこいつはー!」
悲鳴を上げて逃げていった。
兵士が火だるまにされて、ヤバイと思ったらしい。
通りは、大恐慌に陥った。
気持ちはわかるけど、なんか傷つく。
イジメだろうか。
これだから、外の奴らは!
そういえば、エルフ兵士を何人か倒したのに経験値が入ってこない。
不思議に思って、火炎と共に蹲る兵士たちを見やる。
「う、うぐぅ」
なんとまだ生きていた。
彼らの着ている黄金の鎧は、なんか耐性がついているんだろうか。
ちょっと本気で着てみたいな、この鎧。
まあ、俺にはセレナの鎧があるんだけどね。
真っ赤でかっこいい鎧が。
一瞬、トドメを刺そうかとも思ったが、思い直して走り出す。
俺は別にテロを起こしたいわけでも、虐殺をしたいわけでもないのだ。
ただ、ルーナを取り戻したいだけだ。
「キ○ガイだー!」 「キ○ガイが攻めてきたぞー!!」
逃げ惑うエルフたち。
誰がキ○ガイか。
差別用語はいけないと思います!
まあ、自分たちがなんで襲われているのかわからないんだろうけど。
俺は、大混乱に陥るエルフたちをかき分けるように、ひたすら走った。
「ここは通さぬ! ぐはっ!」
某歌舞伎町のキャバクラのキャッチのように、次から次へと湧いてくる兵士たち。
尽くを、重力魔法で押しつぶす。
いろんな魔法を使ってみたが、これが一番効率が良かった。
「放てーっ!」
空から落下してくる何本もの矢。
どこからか狙撃までされているらしい。
まあ、いつぞやのオークたちの矢に比べたらまだ少ないが。
「おらっ――!」
ラグニードを振り回して、矢を迎撃する。
この程度で、俺を止められると思うなよ。
とはいえ、ウザい。
遠くを眺めると、物見櫓のようなものが目についた。
あそこから狙撃しているらしい。
火魔法で燃やしておいた。
崩れ落ちる物見櫓。
火だるまになって、落下していく人影。
「いやあああ!」 「ま、街が燃えていく!」
エルフの市民たちの混乱が増す。
いやいや。
物見櫓を燃やしただけで、街は燃やしてないですやん。
ちょびっと街の建物にも延焼しているが。
誤差の範囲だろう。
け、経験値のログは出てないしね!
セーフ。
心なしか、大悪党になった気分になりながら、俺は通りを進んだ。
エルフ王国の道は、緩やかな坂道になっている。
世界樹を登っていく作りなのだろう。
進む先には、曲がり角がある。
あそこで折り返して、更に登るのだろうか。
見上げると、例のDQN大聖堂はまだ遠い。
速度を上げながら、角を曲がる。
「ひ、ひいいいいい!」
曲がった所で、エルフの女性が腰を抜かしていた。
金髪を三角巾でまとめた女性。
どこかの店員さんのようで、エプロンをしている。
結構、美人だった。
「やめてっ! 殺さないで、犯さないで!」
その美しい顔を恐怖に歪めながら、ずりずりと後ずさっていく。
エプロンから覗く脚が艶めかしかった。
いやいや、誰も犯さねえって。
そんな事を思いながら、ふと思った。
あれ、犯してもいいんじゃね?
すでに兵隊さんたちを何人も片付けている。
今更レイプした所で、何も変わらないのでは――!
そんな事を考えながら、腰を抜かすエルフの女性に近づいた。
おもむろにエプロンを破いて、その下のシャツも破く。
ぷるんとむき出しになるブラジャーごしのおっぱい。
「あ、ああ……」
ビビりすぎたエルフさんは、ちろちろちーとおしっこを漏らしていた。
嗜虐心を、これでもかと刺激された。
アヘ顔で嬉しそうにしょんべんを漏らすリュディアとは違う。
これぞ放尿プレイの醍醐味。
――りんごーん。
頭上で鳴り響く鐘の音。
ひどく胸をかきむしられる。
こんなことしている場合じゃなかった!
「ナイスおっぱい!」
怯えるエルフ女性にそう言って、親指を立てる。
紳士的な俺は、そのままその場を後にした。
思い切り後ろ髪を引かれるが、今はルーナが大事。
「せやああああっ!」
思い出したように襲いかかってくるエルフの兵士。
ラグニードで迎撃する。
「ぐあっ!」
吹き飛ばされるエルフ兵士。
その弾みで、金色の兜が宙を舞う。
溢れ出てくる金髪。
意外と整った顔。
兵士は、女性だった。
しかも、エルフだけあってやっぱり美人!
「ぐっ、ま、まだだ!」
地面に倒れながらも、俺を睨みつけるエルフ美人さん。
不覚ながらも股間がオッキした。
思わず足を止めてしまう。
くそが、なんて巧妙な罠だ。
敵には孔明がいるらしい。
「この先には通さないっ!」
腰に掃いた剣を抜き放つエルフさん。
とりあえず、ラグニードで弾き飛ばす。
これでエルフさんは丸腰だ。
「くっ……殺せっ!」
詰んだと思ったのか、あっさりと伝説のセリフを口にしていた。
そんなん言われたら、我慢できない!
はあはあと呼吸が荒くなっていくのを感じながら、エルフさんの鎧を毟り取った。
胸鎧を剥がすと、ぽよんとボリューミーな胸が顔を出した。
白いインナーに包まれた良おっぱい。
インナーをめくりあげると、ぷるんと美しい乳房が飛び出てくる。
ツンと主張したピンク色の乳首。
「く、くうっ!」
エルフさんの顔は真っ赤だった。
恥ずかしそうに唇を噛みしめる。
エッッッッロ!!
――りんごーん。
再び聞こえてくる鐘の音。
こんな事してる場合じゃなかった!?
いや、わかってる。
わかってるんだけどさ。
エルフ王国、思いの外、楽しくて。
「ナイスおっぱい!」
そう言い残して、その場を立ち去る。
おっぱいをぽろんとさせたエルフさんは呆然と俺を見送った。
紳士的な俺の態度に、好感度もうなぎ登りだろう。
あとでセックスまでさせてもらおうと思う。
そんな事を考えながら、再び走り出す。
エルフ王国をひた走る。
向かってくる兵士たちを押しつぶし、なぎ払い、気まぐれに火魔法を放つ。
それなりに強い兵士もいたが、レベル35の俺の敵ではなかった。
「逃げろーー!」 「お、犯されるううう!」
逃げ惑うエルフたち。
犯すとか心外なんだけど!!
たまに出会うエルフ女性はもれなく剥いて「ナイスおっぱい」と言うだけである。
聖人君子でもそれくらいやるっつーの。
そんなこんなで目的地は近づいてきた。
世界樹から流れ落ちる巨大な滝。
ドドドと大瀑布の音を聞きながら、それは建っていた。
荘厳な白い石造りの建物。
滝を背景に建つ大聖堂は、神聖な雰囲気を醸し出している。
やっとたどり着いた。
と、思ったのも束の間。
「撃てっ!!」
場違いなほど、美しい声音だった。
何本もの矢が、俺に向かって放たれる。
ラグニードで振り払いながら、見上げると。
暮れゆく陽光の中、一糸乱れぬ陣形で並ぶエルフの兵士たち。
弓を構える彼らの先頭に立つのは――女神だった。
美が形となって、この世に降臨したかと見紛う程の美しさ。
絶世の美女。
「よくここまで来たのう。それは褒めてやる。じゃが、ここまでじゃ」
美女は不敵な笑みを浮かべながら、そんな台詞を口にした。
風にたなびく金色の髪。
完成されきった目鼻立ち。
エメラルドのように美しく光り輝く瞳。
真っ白な頬に桜色の朱が指す。
その美しい顔を、俺はよく知っていた。
「……ルーナ?」
大聖堂の入り口に陣を敷いた美女は、ルーナにそっくりだった。
いや、その瞳に浮かぶ知性の光が、ちょっと違うが。
そして何よりも。
「ここから先は通さぬぞ、人間よ?」
そう言って、金色の弓を水平に構える美女。
その胸は、見事なまでの曲線を描いて盛り上がっている。
銀色の胸鎧をしながらも、抑えきれぬ爆乳の谷間が眩しかった。
ルーナにはあんな胸はついていない。
セレナに匹敵する。
ルーナの顔に、セレナのおっぱい。
か、完璧だ。
絶対に勝てるわけない。
俺は、かつてない強敵に、ひたすら戦慄した。
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