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第六章 エルフ王国編
第211話 セランディア・クエスト ⑥
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あれからしばらくして。
「絶対に許さないんだからな!!」
ルーナの機嫌はまだナナメのままだった。
俺に抱きついて顔を押し付けたまま、フガフガと怒っている。
可愛いのだが、さすがに面倒くさくなってきた。
「……本当にごめんなさい、ルーナさん」
「ミレイはいいんだ! 悪いのはコウだ!!」
さっきからミレイが何度も謝るも、ルーナは俺が悪いの一点張り。
「この泥棒猫!」とか言いながら2人で胃の痛くなるようなキャットファイトを始められるよりはマシなのだが。
「あ、あんなすごいちゅーをミレイとして……! ミレイが夢中になっちゃうのも仕方ないじゃないか! バカ! なんですぐにそうやってかっこよさを振りまくんだ!?」
さすが妻とか言い出すほど犯された女は言うことが違う。
突然のベロチューをかっこよさで表現するとは。
「バカ! コウのバカ!!」
「…………」
まあ、俺が悪いのかもしれないが。
バカにバカと言われるほど腹の立つことはない。
というかですよ。
俺がキスしたのはミレイだ。
行きずりの知らない女とべろんべろんしたわけでもないのになぜこんなに責められなきゃいけないのか。
「……いいだろ、別に。ミレイはお前の友達だろう? ちょっとくらいちゅーしたっていいじゃんか」
言いながら、自分で何を言っているのかわからなかった。
友達なら浮気オーケーとはこれいかに。
「ええええ!? ミ、ミレイって私の……お、お友達なの?」
ルーナは酷く動揺していた。
なぜなのか本気でわからない。
「……わ、私は以前から、ルーナさんとお友達のつもりでいましたよ? ご迷惑でなければですけど……」
照れ照れしながら、ミレイが口を開く。
可愛い。
「ぶぇふっ!」
途端に嗚咽を漏らすルーナ。
目や鼻から液体が噴出している。
ぶぇふっってどんな泣き方だよ。
ルーナはくしゃくしゃに顔を歪めながら、嗚咽を漏らしている。
「お、女友達できたのって、は、はじめてで……あ”、あ”り”がどね、みれい」
お前どんだけ暗い青春送ってんだよ。
「いえ……お礼を言いたいのはこちらの方です。これからもよろしくお願いしますね?」
「う、うん! よ、よどでぃぐね!」
鼻声になりながら、ルーナが歓喜の涙を流す。
ヨドディグネってクトゥルフ的な臭いがして怖いのだが。
なんか知らんけど、ルーナとミレイが友情に花を咲かせていた。
こうして、俺のベロチュー事件はうやむやになった。
「さて、それじゃあ魔物を狩りましょうか!」
気を取り直した感じにミレイがそんな事を言うのだが。
俺たちがいる河原にはモンスターの影なんて見えなかった。
さらさらと流れる小川のせせらぎ。
遠くから聞こえる小鳥のさえずり。
のどかなもんである。
ていうか、俺たちモンスター狩りに来たんだった。
どうやってルーナを説得してミレイと屋外3Pを楽しもうか本気で考えていた。
いや、まあ。
もうそれで良いんじゃないかって気がしてきたけど。
いやむしろセックスしたいな。
今は大体、午前11時くらいだろうか。
普段ならダナンさんにパイズリを決めているパイズリタイムだ。
パイズリしたい。
「向こうの川岸を見てください」
俺のムラムラを無視して、ミレイが遠くを指し示す。
そこには、うにょうにょした物体が何匹か見えた。
何アレ気持ち悪い。
まるでスライムみたいな……ってスライムだな、あれ。
久しぶりに見たけど、かつてお世話になったスライム先輩だった。
なんかいつもの先輩より黄色っぽい気がするが、肝臓でも悪いんだろうか。
先輩、深酒しちゃったんだろうか。
「あれはシャボンスライムっていうスライムの強化個体です。スライムよりは強いですが、危険というほどではないので、訓練には丁度いいかと思います。以前、この場所で見かけたのを覚えてたんですよ」
ミレイがそんな説明をしてくれた。
別に俺とベロチューした場所に来たかったわけではなく、予めレベリングの目星をつけてくれていたらしい。
出来る子である。
とはいえ、スライムの強化個体とか。
ベス的なアレだろうか。オレンジ色じゃなくて、黄色いけど。
「あ! そのスライム知ってる! 石鹸を落とすやつだ!」
バカがバカな事を言っていた。
スライムが石鹸を落とす?
何を言ってんだか。
スライムが石鹸を落としたら石鹸屋さんは廃業だろうが。
石鹸屋さんって聞いたことないが。
「ルーナ。石鹸っていうのはな」
ここはちゃんとした知識を教えてやろうと思った。
「あれだよ……あれ。なんだ、ええと」
石鹸の作り方をおバカエルフに教えてやろうとしたのだが。
あれ、石鹸て何でできてんの??
「うう……コウ……そうやって頭良いところ見せられると困る……ますます好きになっちゃうじゃないか!」
普通に悩んでいたのに、なぜかルーナの好感度がすでに上がっていた。
ちょろすぎて、バグってるんじゃないかと疑いたくなる。
まあ、正解は賢いミレイに教えてもらうか。
そう思って、ミレイをちら見すると。
「石鹸はシャボンスライムのドロップ品です」
「えええええ!?」
まさかのおバカエルフが正解だった。
思わず声を上げてしまった。
そんなバカなと思いつつも、石鹸が何ができてんのかわからないので否定のしようがない。
ただただスライム先輩の有用さに驚くばかりだ。
先輩パねえわ。
「やった! 当たってた!」
ルーナが喜んでいる。
え、俺すげえかっこ悪い。
知ったかぶりかっこ悪い。
「よ、よく知ってたな。偉いぞ」
「えへへ、褒められちゃった」
とりあえず、頭を撫でてごまかすと、ルーナは満面の笑みで喜んでくれた。
胸が痛かった。
「他にもですね。あっちに見える緑色の個体がシャンプースライム。そっちの青色のがリンススライムと言いまして、それぞれシャンプーとリンスを落とします」
ええええ!?
マジかよ、スライムすげえ!
そういえば、異世界なのに妙にアメニティ類が充実していると思ったが。
全てスライムさんのお陰だったのか。
「あとは、こっちのオレンジ色のはティモテスライムと言いまして」
ミレイがなんか懐かしい事を言いだしたが、昭和を思い出すので聞き流しておいた。
そんなわけで、レベル上げが始まったのだが。
ミレイおすすめのシャボンスライムは、思いの外動きが早かった。
しかも臆病で、ちょっとでも攻撃すると、すぐに川に潜って逃げてしまう。
なので、一撃必殺が求められるのだが。
残念なことに俺の鎌スキル(永遠の0)では、一撃でシャボンスライムを仕留めることはできなかった。
そもそも当たらない。
なので。
「おーし、ちゃんと抑えてろよ?」
「わ、わかりましたぞ!」
暇そうな筋肉に、スライムを捕まえさせるという作戦に出てみた。
丸腰の筋肉には、ビビリのスライムも油断するらしく、あっさり捕まえる事ができた。
うにょうにょしたスライムをムキムキの筋肉が羽交い締めにするという、誰得なのかわからない画は心に来るものがあるが、この際だった。
「喰らえ!! 鎌専用ウェポンスキル『クロスリーパー』!!!」
そんな技名をかっこよく叫んで、思い切りデスサイズを振り下ろす。
――力が欲しいか。
相変わらず鎌がそんな事をしゃべるが、だんだん飽きてきた。
「おらっ! こなくそ!! しね! しねええええええっ!!!」
全力で鎌の先っちょをブスブスと振り下ろすこと7回。
「きゅ、きゅー」
シャボンスライムはちょっとかわいそうな声を上げて、しわしわとしぼんでいった。
「やりましたな!!」
なぜか白い泡まみれになった筋肉がニカッと笑う。
シャボンスライムのドロップ品の泡だろうか。
まさかの液状っていう。
泡まみれの筋肉男って誰得だろうか。
ちょっと心に傷を負いそうになった。
あとでミレイに聞いてみたところによると、石鹸は石鹸屋さんが熟年の技術でシャボンスライムから採取するらしい。
液状だから、素人には難しいそうだ。
石鹸屋さんが、ちゃんといたことに驚いた。
ていうかですよ。
苦労して倒してみて、思うのだ。
これすっごくつまんない。
そもそも経験値入らないし。
レベル34の俺には弱すぎるらしい。
その割に苦労しているのだが。
鎌なんてお笑い武器を使っているせいであって……いや、俺のメインウェポンではあるのだが……ノリコさんめっ!!
「あははっ! ほら、私の弓がちゃんと当たったぞ! すごいだろー?」
「さすがですね、ルーナさん。私も……えいっ! えいっ!!」
華麗に矢を放ってスライムを仕留めるルーナに、可愛らしい声で鈍器を振り下ろすミレイ。
何やら友情を芽生えさせた2人は、きゃっきゃと楽しそうだ。
なぜかいつのまにか、ルーナ、ミレイペアと俺、筋肉ペアに分かれていた。
俺、筋肉ペアの負け組感が半端ない。
つうか、なにこれ!!
俺のストレスは限界に来ていた。
「ミレイ!!!」
怒りに任せてミレイを呼びつける。
「どうしました、コウさん?」
小走りにやってきたミレイに、全然楽しくない! と叱りつけてやる。
「パイズリしたい!!」
「えー……」
間違えた。
鉄の胸当てに、押さえつけられた巨乳をぶるんぶるんさせながらやってきたミレイを見ていたらつい。
「……少し休憩ってことで、します?」
呆れながらも、そう言って胸当てを外そうとするミレイは本当にいい女だと思う。
けど、そうではなくて。
「……ここのスライムじゃ俺の訓練にならないんだ。もう少し強い敵がいるとこがいいな?」
とりあえず、ミレイの胸当ての隙間に手を差し込みながら、俺はまじめに言った。
「……んんっ……そ、そうですか……さすが……あんっ……コウさんですね……」
乳を揉まれて、悩ましい声をあげるミレイ。
エロい。
突然のセクハラにも柔軟に対応してくれる出来る女ミレイ。
社畜時代にもそばに居てくれたら、俺の毛根は……。
いや、昔の事を考えるのはよそう。
「くっ……ああんっ! ちょ、ちょっと考えてみます」
乳首をコリコリしていたら、ミレイはそんな事を言って立ち去ってしまった。
まあエロいことされてたら考えもまとまらないだろうから、いいんだけど。
これからはだけさせて、乳首に吸い付こうとしていたのに。
しょんぼりである。
「お、おい! なんでミレイのことだけ呼ぶんだ!? まずは妻である私を呼ばなきゃダメじゃないか!? さ、さみしいじゃないか!!」
しょんぼりしていたら、すぐに涙目のルーナがやってきた。
飛んで火にいるなんとやらである。
「おい、おっぱいをしゃぶらせろ」
「えええええ!?」
とりあえず欲望をぶつけてみると、さすがにルーナは驚いていた。
さもありなん。
「……し、しかたのないやつだな。ちょっとは私への愛を我慢しなきゃだめじゃないか! えへへっ」
しかし、満更でもなさそうに革鎧を脱ぎだすのがルーナクオリティ。
愛じゃねえけど。
ポイッと鎧を脱いで、緑色のチュニックをめくって、おっぱいをぺろんと出そうとするルーナ。
トントン拍子で俺の思惑通りに進んでいるが、ここには筋肉もいるのでまずいんではなかろうか。
「あ、私は首筋を鍛えておりますのでおかまいなく!」
筋肉はなぜか地面に頭を押し付けて、メキメキとキモい音を立てていた。
頭部をめり込ませる勢いなので、ルーナは見えていないようだ。
安心だけど、俺のルーナの乳が蔑ろにされたみたいで腹も立つ。
常にイラッとさせるのが筋肉クオリティ。
「さ、さあ、どうぞ?」
そんな事を考えているうちに、ルーナの美乳が白日のもとにさらされる。
ちょっと照れながらも、俺に向けて両手を広げるルーナ。
その胸元は眩いばかりに白く美しく。
柔らかそうでいて、芸術的な曲線を描く見事なEカップ。
日の下で見ると、その美しさが際立っていた。
太陽に向かってピンと立つ肥大化乳首のエロさは筆舌に尽くしがたい。
エロすぎてくらくらした。
半端ないくらい息子が固くなる。
これは、ちょっとやそっとしゃぶりついたくらいじゃ収まりそうにない。
「……跡付くくらい強くしゃぶりつくぞ?」
ゴクリと喉を鳴らしながら、そんな事を聞いた。
「う、うん……お前のキスマークなんて……も、もういっぱいあるじゃないか」
そんな事を言いながら、ルーナがぷるんと双乳を差し出す。
よく目を凝らしてみると。
「…………」
うっすらとピンク色の跡がいくつも見えた。
もう消えないくらいつけられた、俺の口づけの跡。
それがいくつも。
ルーナの無垢とも言える白い肌に薄っすらと残っている。
全然無垢じゃない犯されまくりの女なのだが。
犯したのが俺という所に、ひどく興奮した。
「ルーナ!!!」
「あっ……んんっ……こ、こう……」
乳房に吸い付くと、ルーナが俺の頭を掻き抱く。
柔らかな乳房。
すべすべの舌触り。
熱を帯びた温もり。
濃い女の匂い。
唇を押し付け、舐め、吸い付き、噛んだ。
「ふっ……んあっ……い、いい……こう……すきだよ……んっ」
その都度、ルーナが喘いでくれる。
後頭部に食い込むルーナの指先。
無意識のうちに、ルーナのスカートを下ろしていた。
そのまま、湿った下着に指を這わす。
熱い湯に指をつけたのかと錯覚するほど、そこはぐちょぐちょに湿っていた。
「……ルーナ」
そのサファイアのような瞳を見つめながら、キスをすると、ルーナはゆっくりと頷いた。
そのまま慣れた手付きで、俺のズボンから一物を取り出す。
これ以上ないほどに屹立した俺の肉棒は、当たり前のようにルーナの股へと吸い込まれていく。
粘膜と粘膜が、熱く湿った音を立てた。
「……コウさん。思い出したんですけど……って、ええええ!?」
そんな時、戻ってきたミレイの驚く声が聞こえた。
「あ、ミレイ……はあはあ……いまコウに愛してもらってる最中だから、ちょっと待ってて……」
「ええええ!? ちょっと目を……数分離しただけでなんで裸になってるんですか?」
ミレイがそんな事を言っているが、ルーナはまだブーツを履いているのでセーフだと思うんだ。
そんな事を思いながらも、ルーナの中にズブズブと一物を沈めていく。
温かい。
「って、なんで言ってるそばから挿れようとしてるんですか? お、お外なんですよ? ……私が言うのもなんですが」
さすがアオカンの女王と名高いミレイである。
多分、俺の女の中で一番屋外で抱いている。
「思い出したんです! セランディア荒野には、古のダンジョンがあって――」
「おお、ダンジョン」
「……コウ。ミレイに見られて恥ずかしいから、早く気持ちよくしてほしいな?」
ミレイが気になることを言っていたが、ルーナがおねだりをするので腰をズブズブと沈めた。
見られて恥ずかしいから、早く気持ちよくして欲しいの意味がわからないが、俺もルーナももう止まらなかった。
爽やかな日差しの中、俺は元気に腰を振るった。
ルーナは元気にあんあんと喘いだ。
天気の良い日にはセックスに限ると心底思った。
にしても、ダンジョンって気になりますな。
「絶対に許さないんだからな!!」
ルーナの機嫌はまだナナメのままだった。
俺に抱きついて顔を押し付けたまま、フガフガと怒っている。
可愛いのだが、さすがに面倒くさくなってきた。
「……本当にごめんなさい、ルーナさん」
「ミレイはいいんだ! 悪いのはコウだ!!」
さっきからミレイが何度も謝るも、ルーナは俺が悪いの一点張り。
「この泥棒猫!」とか言いながら2人で胃の痛くなるようなキャットファイトを始められるよりはマシなのだが。
「あ、あんなすごいちゅーをミレイとして……! ミレイが夢中になっちゃうのも仕方ないじゃないか! バカ! なんですぐにそうやってかっこよさを振りまくんだ!?」
さすが妻とか言い出すほど犯された女は言うことが違う。
突然のベロチューをかっこよさで表現するとは。
「バカ! コウのバカ!!」
「…………」
まあ、俺が悪いのかもしれないが。
バカにバカと言われるほど腹の立つことはない。
というかですよ。
俺がキスしたのはミレイだ。
行きずりの知らない女とべろんべろんしたわけでもないのになぜこんなに責められなきゃいけないのか。
「……いいだろ、別に。ミレイはお前の友達だろう? ちょっとくらいちゅーしたっていいじゃんか」
言いながら、自分で何を言っているのかわからなかった。
友達なら浮気オーケーとはこれいかに。
「ええええ!? ミ、ミレイって私の……お、お友達なの?」
ルーナは酷く動揺していた。
なぜなのか本気でわからない。
「……わ、私は以前から、ルーナさんとお友達のつもりでいましたよ? ご迷惑でなければですけど……」
照れ照れしながら、ミレイが口を開く。
可愛い。
「ぶぇふっ!」
途端に嗚咽を漏らすルーナ。
目や鼻から液体が噴出している。
ぶぇふっってどんな泣き方だよ。
ルーナはくしゃくしゃに顔を歪めながら、嗚咽を漏らしている。
「お、女友達できたのって、は、はじめてで……あ”、あ”り”がどね、みれい」
お前どんだけ暗い青春送ってんだよ。
「いえ……お礼を言いたいのはこちらの方です。これからもよろしくお願いしますね?」
「う、うん! よ、よどでぃぐね!」
鼻声になりながら、ルーナが歓喜の涙を流す。
ヨドディグネってクトゥルフ的な臭いがして怖いのだが。
なんか知らんけど、ルーナとミレイが友情に花を咲かせていた。
こうして、俺のベロチュー事件はうやむやになった。
「さて、それじゃあ魔物を狩りましょうか!」
気を取り直した感じにミレイがそんな事を言うのだが。
俺たちがいる河原にはモンスターの影なんて見えなかった。
さらさらと流れる小川のせせらぎ。
遠くから聞こえる小鳥のさえずり。
のどかなもんである。
ていうか、俺たちモンスター狩りに来たんだった。
どうやってルーナを説得してミレイと屋外3Pを楽しもうか本気で考えていた。
いや、まあ。
もうそれで良いんじゃないかって気がしてきたけど。
いやむしろセックスしたいな。
今は大体、午前11時くらいだろうか。
普段ならダナンさんにパイズリを決めているパイズリタイムだ。
パイズリしたい。
「向こうの川岸を見てください」
俺のムラムラを無視して、ミレイが遠くを指し示す。
そこには、うにょうにょした物体が何匹か見えた。
何アレ気持ち悪い。
まるでスライムみたいな……ってスライムだな、あれ。
久しぶりに見たけど、かつてお世話になったスライム先輩だった。
なんかいつもの先輩より黄色っぽい気がするが、肝臓でも悪いんだろうか。
先輩、深酒しちゃったんだろうか。
「あれはシャボンスライムっていうスライムの強化個体です。スライムよりは強いですが、危険というほどではないので、訓練には丁度いいかと思います。以前、この場所で見かけたのを覚えてたんですよ」
ミレイがそんな説明をしてくれた。
別に俺とベロチューした場所に来たかったわけではなく、予めレベリングの目星をつけてくれていたらしい。
出来る子である。
とはいえ、スライムの強化個体とか。
ベス的なアレだろうか。オレンジ色じゃなくて、黄色いけど。
「あ! そのスライム知ってる! 石鹸を落とすやつだ!」
バカがバカな事を言っていた。
スライムが石鹸を落とす?
何を言ってんだか。
スライムが石鹸を落としたら石鹸屋さんは廃業だろうが。
石鹸屋さんって聞いたことないが。
「ルーナ。石鹸っていうのはな」
ここはちゃんとした知識を教えてやろうと思った。
「あれだよ……あれ。なんだ、ええと」
石鹸の作り方をおバカエルフに教えてやろうとしたのだが。
あれ、石鹸て何でできてんの??
「うう……コウ……そうやって頭良いところ見せられると困る……ますます好きになっちゃうじゃないか!」
普通に悩んでいたのに、なぜかルーナの好感度がすでに上がっていた。
ちょろすぎて、バグってるんじゃないかと疑いたくなる。
まあ、正解は賢いミレイに教えてもらうか。
そう思って、ミレイをちら見すると。
「石鹸はシャボンスライムのドロップ品です」
「えええええ!?」
まさかのおバカエルフが正解だった。
思わず声を上げてしまった。
そんなバカなと思いつつも、石鹸が何ができてんのかわからないので否定のしようがない。
ただただスライム先輩の有用さに驚くばかりだ。
先輩パねえわ。
「やった! 当たってた!」
ルーナが喜んでいる。
え、俺すげえかっこ悪い。
知ったかぶりかっこ悪い。
「よ、よく知ってたな。偉いぞ」
「えへへ、褒められちゃった」
とりあえず、頭を撫でてごまかすと、ルーナは満面の笑みで喜んでくれた。
胸が痛かった。
「他にもですね。あっちに見える緑色の個体がシャンプースライム。そっちの青色のがリンススライムと言いまして、それぞれシャンプーとリンスを落とします」
ええええ!?
マジかよ、スライムすげえ!
そういえば、異世界なのに妙にアメニティ類が充実していると思ったが。
全てスライムさんのお陰だったのか。
「あとは、こっちのオレンジ色のはティモテスライムと言いまして」
ミレイがなんか懐かしい事を言いだしたが、昭和を思い出すので聞き流しておいた。
そんなわけで、レベル上げが始まったのだが。
ミレイおすすめのシャボンスライムは、思いの外動きが早かった。
しかも臆病で、ちょっとでも攻撃すると、すぐに川に潜って逃げてしまう。
なので、一撃必殺が求められるのだが。
残念なことに俺の鎌スキル(永遠の0)では、一撃でシャボンスライムを仕留めることはできなかった。
そもそも当たらない。
なので。
「おーし、ちゃんと抑えてろよ?」
「わ、わかりましたぞ!」
暇そうな筋肉に、スライムを捕まえさせるという作戦に出てみた。
丸腰の筋肉には、ビビリのスライムも油断するらしく、あっさり捕まえる事ができた。
うにょうにょしたスライムをムキムキの筋肉が羽交い締めにするという、誰得なのかわからない画は心に来るものがあるが、この際だった。
「喰らえ!! 鎌専用ウェポンスキル『クロスリーパー』!!!」
そんな技名をかっこよく叫んで、思い切りデスサイズを振り下ろす。
――力が欲しいか。
相変わらず鎌がそんな事をしゃべるが、だんだん飽きてきた。
「おらっ! こなくそ!! しね! しねええええええっ!!!」
全力で鎌の先っちょをブスブスと振り下ろすこと7回。
「きゅ、きゅー」
シャボンスライムはちょっとかわいそうな声を上げて、しわしわとしぼんでいった。
「やりましたな!!」
なぜか白い泡まみれになった筋肉がニカッと笑う。
シャボンスライムのドロップ品の泡だろうか。
まさかの液状っていう。
泡まみれの筋肉男って誰得だろうか。
ちょっと心に傷を負いそうになった。
あとでミレイに聞いてみたところによると、石鹸は石鹸屋さんが熟年の技術でシャボンスライムから採取するらしい。
液状だから、素人には難しいそうだ。
石鹸屋さんが、ちゃんといたことに驚いた。
ていうかですよ。
苦労して倒してみて、思うのだ。
これすっごくつまんない。
そもそも経験値入らないし。
レベル34の俺には弱すぎるらしい。
その割に苦労しているのだが。
鎌なんてお笑い武器を使っているせいであって……いや、俺のメインウェポンではあるのだが……ノリコさんめっ!!
「あははっ! ほら、私の弓がちゃんと当たったぞ! すごいだろー?」
「さすがですね、ルーナさん。私も……えいっ! えいっ!!」
華麗に矢を放ってスライムを仕留めるルーナに、可愛らしい声で鈍器を振り下ろすミレイ。
何やら友情を芽生えさせた2人は、きゃっきゃと楽しそうだ。
なぜかいつのまにか、ルーナ、ミレイペアと俺、筋肉ペアに分かれていた。
俺、筋肉ペアの負け組感が半端ない。
つうか、なにこれ!!
俺のストレスは限界に来ていた。
「ミレイ!!!」
怒りに任せてミレイを呼びつける。
「どうしました、コウさん?」
小走りにやってきたミレイに、全然楽しくない! と叱りつけてやる。
「パイズリしたい!!」
「えー……」
間違えた。
鉄の胸当てに、押さえつけられた巨乳をぶるんぶるんさせながらやってきたミレイを見ていたらつい。
「……少し休憩ってことで、します?」
呆れながらも、そう言って胸当てを外そうとするミレイは本当にいい女だと思う。
けど、そうではなくて。
「……ここのスライムじゃ俺の訓練にならないんだ。もう少し強い敵がいるとこがいいな?」
とりあえず、ミレイの胸当ての隙間に手を差し込みながら、俺はまじめに言った。
「……んんっ……そ、そうですか……さすが……あんっ……コウさんですね……」
乳を揉まれて、悩ましい声をあげるミレイ。
エロい。
突然のセクハラにも柔軟に対応してくれる出来る女ミレイ。
社畜時代にもそばに居てくれたら、俺の毛根は……。
いや、昔の事を考えるのはよそう。
「くっ……ああんっ! ちょ、ちょっと考えてみます」
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まあエロいことされてたら考えもまとまらないだろうから、いいんだけど。
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しょんぼりである。
「お、おい! なんでミレイのことだけ呼ぶんだ!? まずは妻である私を呼ばなきゃダメじゃないか!? さ、さみしいじゃないか!!」
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「おい、おっぱいをしゃぶらせろ」
「えええええ!?」
とりあえず欲望をぶつけてみると、さすがにルーナは驚いていた。
さもありなん。
「……し、しかたのないやつだな。ちょっとは私への愛を我慢しなきゃだめじゃないか! えへへっ」
しかし、満更でもなさそうに革鎧を脱ぎだすのがルーナクオリティ。
愛じゃねえけど。
ポイッと鎧を脱いで、緑色のチュニックをめくって、おっぱいをぺろんと出そうとするルーナ。
トントン拍子で俺の思惑通りに進んでいるが、ここには筋肉もいるのでまずいんではなかろうか。
「あ、私は首筋を鍛えておりますのでおかまいなく!」
筋肉はなぜか地面に頭を押し付けて、メキメキとキモい音を立てていた。
頭部をめり込ませる勢いなので、ルーナは見えていないようだ。
安心だけど、俺のルーナの乳が蔑ろにされたみたいで腹も立つ。
常にイラッとさせるのが筋肉クオリティ。
「さ、さあ、どうぞ?」
そんな事を考えているうちに、ルーナの美乳が白日のもとにさらされる。
ちょっと照れながらも、俺に向けて両手を広げるルーナ。
その胸元は眩いばかりに白く美しく。
柔らかそうでいて、芸術的な曲線を描く見事なEカップ。
日の下で見ると、その美しさが際立っていた。
太陽に向かってピンと立つ肥大化乳首のエロさは筆舌に尽くしがたい。
エロすぎてくらくらした。
半端ないくらい息子が固くなる。
これは、ちょっとやそっとしゃぶりついたくらいじゃ収まりそうにない。
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ゴクリと喉を鳴らしながら、そんな事を聞いた。
「う、うん……お前のキスマークなんて……も、もういっぱいあるじゃないか」
そんな事を言いながら、ルーナがぷるんと双乳を差し出す。
よく目を凝らしてみると。
「…………」
うっすらとピンク色の跡がいくつも見えた。
もう消えないくらいつけられた、俺の口づけの跡。
それがいくつも。
ルーナの無垢とも言える白い肌に薄っすらと残っている。
全然無垢じゃない犯されまくりの女なのだが。
犯したのが俺という所に、ひどく興奮した。
「ルーナ!!!」
「あっ……んんっ……こ、こう……」
乳房に吸い付くと、ルーナが俺の頭を掻き抱く。
柔らかな乳房。
すべすべの舌触り。
熱を帯びた温もり。
濃い女の匂い。
唇を押し付け、舐め、吸い付き、噛んだ。
「ふっ……んあっ……い、いい……こう……すきだよ……んっ」
その都度、ルーナが喘いでくれる。
後頭部に食い込むルーナの指先。
無意識のうちに、ルーナのスカートを下ろしていた。
そのまま、湿った下着に指を這わす。
熱い湯に指をつけたのかと錯覚するほど、そこはぐちょぐちょに湿っていた。
「……ルーナ」
そのサファイアのような瞳を見つめながら、キスをすると、ルーナはゆっくりと頷いた。
そのまま慣れた手付きで、俺のズボンから一物を取り出す。
これ以上ないほどに屹立した俺の肉棒は、当たり前のようにルーナの股へと吸い込まれていく。
粘膜と粘膜が、熱く湿った音を立てた。
「……コウさん。思い出したんですけど……って、ええええ!?」
そんな時、戻ってきたミレイの驚く声が聞こえた。
「あ、ミレイ……はあはあ……いまコウに愛してもらってる最中だから、ちょっと待ってて……」
「ええええ!? ちょっと目を……数分離しただけでなんで裸になってるんですか?」
ミレイがそんな事を言っているが、ルーナはまだブーツを履いているのでセーフだと思うんだ。
そんな事を思いながらも、ルーナの中にズブズブと一物を沈めていく。
温かい。
「って、なんで言ってるそばから挿れようとしてるんですか? お、お外なんですよ? ……私が言うのもなんですが」
さすがアオカンの女王と名高いミレイである。
多分、俺の女の中で一番屋外で抱いている。
「思い出したんです! セランディア荒野には、古のダンジョンがあって――」
「おお、ダンジョン」
「……コウ。ミレイに見られて恥ずかしいから、早く気持ちよくしてほしいな?」
ミレイが気になることを言っていたが、ルーナがおねだりをするので腰をズブズブと沈めた。
見られて恥ずかしいから、早く気持ちよくして欲しいの意味がわからないが、俺もルーナももう止まらなかった。
爽やかな日差しの中、俺は元気に腰を振るった。
ルーナは元気にあんあんと喘いだ。
天気の良い日にはセックスに限ると心底思った。
にしても、ダンジョンって気になりますな。
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弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
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