ちょいクズ社畜の異世界ハーレム建国記

油揚メテオ

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第五章 領地発展編

第201話 自動演算

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 子供にとっての仕事は、遊ぶ事である。
 とはいえ、子供の頃の1日って今よりだいぶ長く感じた気がする。
 遊んでいるだけでは時間を持て余してしまうだろう。
 めんどくさいと思いながらも学校に通うくらいが丁度いいんじゃないかと思うのだ。
 ニャン子とピョン吉には自由に過ごしなさいとか言った手前、心苦しくはあるのだが。
 まあ、ゆくゆくは2人のためになるだろう。たぶんきっと。

 そんなわけで、俺はルーナ、エレインと猫娘たちをゾロゾロと引き連れて学校建設予定地を探している。

 村にはだいぶ家が多くなってきたが、ちょっと足を伸ばせば空き地なんてまだまだたくさんあった。
 通学の安全性を鑑みれば、村の戦力がそろっているダークエルフ居住地の近くか、家とセレナんちの近くがいいだろうか。
 まあ、ダークエルフさん達のとこは飛竜がいて危ないから、うちの近所の方が良いかな。
 セレナ達もいるし。
 吸血鬼とアンデッドが傍にいて安心って字面だけ見るとおかしいのだが。
 セレナは村随一の人の良さを誇るので、本当に安心なのだ。

 なので学校は、うちとセレナんちの真横に作る事にした。
 俺んちとセレナんちって実は村はずれに建っているので、隣は空き地というか荒野なのだ。
 敷地としては十分だろう。

 だだっ広い荒野を眺めていると、なぜかエレインが涙ぐんでいた。
 白いハンカチをメガネの下に当てている。

「うう……私は感動しました」

 何にだよ。

「閣下の事ですから、何かを作るとしたら、娼館を建てるとかクズな事を言い出すかと思っていたのですが……それが、学校とは……ううっ」

 物凄く失礼な事を言いながら嗚咽を漏らしている。
 俺を何だと……って娼館?
 こいつ天才かよ。
 そうだよ。
 今この村に必要なのは学校じゃなくて娼館なんじゃ……!

「やっぱ娼館を作ろう!」

 俺はすぐさま踵を返した。
 娼館建設予定地を探すために。
 娼館は村の中央に建てなきゃならない。
 ピートんちとかジジイんちを潰して娼館を建てようか。

「ごめんなさいごめんなさい! 変な事を言った私が悪かったですから、学校建てて下さい!」

 しかし、エレインに思い切り引き止められた。
 自分で言い出したくせに。

「まったくお前はバカだなー。愛する私がいるのに娼館なんて建てても仕方ないじゃないか。私にくびったけのくせにい。えへへ」

 ルーナが嬉しそうに抱きついてくる。
 浮気だーとか言わないだけマシだが、バカにバカと言われる程腹の立つことはない。

 まあね。
 娼館を建てたところで、誰が働くんだよという問題があるので諦めてもいいのだが。
 いつか大勢の風俗嬢さん達が大挙して村に引っ越してくるとかないだろうか。

 仕方ないので学校づくりを再開させる。
 やっぱりイメージするのは俺の通っていた小学校だろうか。
 小学生の頃の記憶なんてほとんどないのだが、実家の近所に建っていて、よく見ていたのでその全貌は覚えている。
 実家は田舎だったのでかなり広かった。

 校庭は100メートル走とかが出来るくらいのトラックがあった。
 だから、ええと……まあ300メートル四方くらいの広さがあれば足りるだろう(どんぶり勘定)。
 校庭がそのくらいの広さだとすると、校舎とか体育館を同じくらいの広さに建てればいいんじゃないかな(更なるどんぶり勘定)。

 そんなわけで300メートル×600メートルの広大な敷地面積になる。
 我が村最大の建造物だ。
 実際の面積はええと…………18万平方メートル?
 もはや広すぎて全然イメージできない。

『エクストラスキル開放条件を達成しました。』
『開放条件:複雑な計算をする。』
『開放スキル:学術スキル 《自動演算》』
『取得に必要なスキルポイントは3です。』

 なんかイラっとするエクストラスキルが開放された。
 300×600を複雑な計算とか。
 いやまあ、確かに時間かかったけどさ。
 0の数を数えてただけなんだからねっ!

 しかし、《自動演算》か。
 元SEとしてはそそる響きである。
 計算じゃなくて演算なのが気になるが。
 そもそも計算と演算って何が違うの? と思うので、まあいいか。
 ノリコさんもそんな感じで名付けたんだろう。
 結構いい加減な神様だよね。

 面白そうなので早速とってみる。

『スキルポイントを3ポイント消費しました。』
『《自動演算》を取得しました。』
『使用可能スキルポイントは3ポイントです。』

 取ってみて気づいたのだが。
 3ポイントも消費するとか!
 コスパ悪すぎじゃね?
 まあ、スキルポイントなんてそのうちたまるべ(勘)。

「おい、ルーナ。ちょっと俺に難しい計算問題出してみ?」

 獣娘たちと地面にお絵かきをして、暇そうにしていたルーナに声をかける。

「え? 難しい計算問題? ……7×9?」

「63……」

「えええ!? コウ、すごい!」

 なぜか尊敬の眼差しを向けてくるルーナ。
 明らかに人選を間違った。
 九九のレベルじゃねえか。

「私なんて七の段が覚えられなくて、お婆様にポンコツポンコツってさんざん言われたのに……」

 お婆様じゃなくてもポンコツって言うだろう。

「もー! そんなに私をドキドキさせちゃダメじゃないか! 大好きだよ、えへへ」

 ルーナが嬉しそうに抱きついてくる。
 嬉しいが、九九で好感度が上がるってどうなんだろう。

「1346×8920÷125」

 エレインがメガネをきらりとさせながら聞いてきた。
 ふざけんな。そんなん暗算でわかるわけが……。

「96050.56」

 なんかわかった。

「くっ……ならば! {√{{tan^{-1}{e^{2nπi}}}^{-1}}{∫(-∞,∞)e^{-x^{2}}dx}}^{2}」

 え、エレインさんは何語をしゃべっているの??
 しかし脳裏にぼんやりと数字が浮かんでくる。

「4?」

「か、閣下!!」

 感極まったようにエレインが抱きついてくる。

「お、おい! なんでお前まで抱きつくんだ!? あっちいけー!」

「……昔私がどうしても解けなかった問題をあっさり解かれるなんて……かつての勇者様が残した『勇者の数式』と呼ばれる難問ですのに」

 ふふふ。
 これは気分がいい。
 《自動演算》これは3ポイントの価値がありますわ。
 女達にドヤれる。
 それこそが《自動演算》の使い道だろう。
 念じなくても使えているので、パッシブスキルなんだろうな。
 ――ノリコさん、いつもエロいスキルをありがとう。
 俺は心の中でノリコさんに感謝しておいた。

 とりあえず、ルーナとエレインをギュッと抱きしめてから学校作りを再開させる。
 とはいえ、さすがにデカすぎる建造物だ。
 今日一日で作るのは無理だろう。
 毎日ちょっとずつ作っていこう。
 女達の相手をする以外は暇だし。
 そんなわけで、建設予定地となる敷地に目印として、土魔法で溝を掘っておいた。
 まずは基礎工事からかな。

「え、なんですか、この広さは? 20人くらいの子供が入る学校を作ればいいんですよ?」

 エレインがそんな事を聞いてくる。

「バカ野郎! でか過ぎて困る事はないだろうが!?」

 とか言ってみたが、実際は趣味かな。匠としての。
 あと、ほら、シムシティとか好きだし。

「いえ、困ります。維持費とかご存知ですか? バカなのは閣下ですよ? あと私は女なので野郎じゃないです」

 エレインがめんどくさいことを言ってきたので無視した。

「あら、コウくんじゃないですか」

 そんな時やってきたのは、カンナさんとミレイだった。
 珍しい組み合わせである。
 ミレイは真っ青な顔で、カンナさんに手を引かれている。
 なんだろう。
 これからシメられるみたいな……。

「さっきそこでミレイちゃんに会ったので仲良くお散歩でもしようかと思って」

「…………はい、オサンポです」

 ニコニコしながら言うカンナさんとガタガタ震えているミレイ。
 オサンポってこんなにリンチ臭のする行為だっただろうか。

「あら、そっちの可愛い女の子達は誰ですか?」

 カンナさんとミレイを見て、きょとんとした顔をしていた獣娘たち。
 ついでなので紹介しておいた。

「なるほど。そういった事情なんですか。カンナと言います。こっちの子はミレイちゃんです。よろしくおねがいしますね」

「ミレイです。よろしくおねがいします」

 カンナさんに促されて、真っ青な顔をしていたミレイもにこやかに挨拶をする。

「カンニャン? ミレニャン? ニャン子ですにゃ! よろしくおねがいしますにゃ!」

「……ピョン吉。よろしくね」

 無邪気に挨拶する獣娘たち。
 微笑ましかった。
 しかし、なぜかカンナさんが微妙な顔をしている。
 そしてニャン子に近寄っていき。

「カンニャン? 私はカンナですよ。ちゃんと聞いてましたか? 呼ぶならカンナさんと呼びなさい?」

「ご、ごめんにゃさいにゃ! か、カンニャさん」

「カンニャ? カンナです。カ・ン・ナ!」

「にゃにゃ!?」

 かなりイラッとしたらしいカンナさんは語気を強める。
 可哀想な程に怯えたニャン子が、尻尾を丸めてルーナの背中に隠れた。
 なぜかぴょん吉までガタガタと震えている。

「礼儀のなっていない子はお姉ちゃん嫌いですよ」

 ルーナをすがりつくような目で見つめるニャン子。

「大丈夫だ。お前は私が守ってやる……と言いたい所だが、あいつはちょっと……」

「そんにゃ!?」

 しかし、ルーナは頼りにならなかった。
 困ったニャン子はエレインに目を向ける。

「……わ、私もちょっと……レイプ幇助みたいな事をされたので……」

 ルーナだけでなく、エレインまでカンナさんが苦手のようだった。
 優しくてエロいお姉ちゃんなのに。

「……優しいのはコウさんにだけだと思いますよ?」

 ミレイが怯えながらそんな事を言っていた。
 カンナさんってみんなから恐れられているんだろうか。

「コウくん! お姉ちゃん寂しいです! みんなが仲間はずれにするんですよ?」

 クサい演技をしたカンナさんが抱きついてくる。
 妙な感じだったが、カンナさんのエロい身体が押し当てられて俺は満足だった。
 カンナさんを怖がるとか、みんなおかしいだろ。

「ここここら! こここコウはわたしのだぞ!」

 ルーナが膝をガクガクさせながらそんな負け犬の遠吠えを言っていた。
 そんなに怖いのかよ。

「うふふ、コウくんは本当に可愛いですね」

 しかし、カンナさんはあっさり無視する。
 なんか気まずい。
 ルーナは未だに怯えながらも、カンナさんに何か言おうとしていた。
 ガタガタ震えているのは、生まれたての子鹿のモノマネでもしているのだろうか。
 芸達者な奴である。
 まあ、生まれたての子鹿でも美人に見えるのがルーナの凄いところなのだが。
 その美乳までプルプル揺れているのがまた良い。
 実にいい身体をしている。
 その時だった。

『B88(E) W58 H87』

 そんなアルファベットと数字の羅列が脳裏に浮かんだ。
 ルーナを眺めていたら表示されたのだ。
 え、この数字ってまさか……。
 《自動演算》さんのお陰だろうか?
 神スキル!!!


##########################################
 LV:34
 称号:悲哀なる社畜、色事師、村長、鬼殺し
  ※悲哀なる社畜:HPに+1000の補正
  ※色事師:セックスをした相手のステータスを見れるようになる
  ※村長:村民のステータスに一律+5の補正
  ※鬼殺し:低レベルの魔物に威圧効果
 立場:龍神王、子爵、ハイランダー
 HP:1363/1363
 MP:290/290
 筋力:159
 防御:57
 敏捷:58
 器用:54
 知能:102
 精神:82
 スキルポイント:3(-3)

【装備品】
 [国剣ラグニード]:攻撃力補正+634
 [魔鉱石の大剣]:攻撃力補正+120
 [土の剣]:攻撃力補正+30
 [真祖のブラッドチェーンメイル]:防御力補正+500
 [真祖のブラッドアーマー]:防御力補正+500
 [真祖のブラッドガントレット]:防御力補正+500
 [真祖のブラッドレッグス]:防御力補正+500
 [真祖のブラッドウェストアーマー]:防御力補正+500
 [真祖のブラッドヘルム]:防御力補正+500、攻撃力補正+10
 [夜王のマント]:火炎耐性、魔法耐性

【持ち物】
 高級回復薬 ✕10
 
【乗り物】
 エンシェントドラゴンのフェルナノーグ
 スレイプニルのファラチオ(フィリス調教中)

【スキル一覧】
 ・初期スキル
  根性:LV7
  睡眠耐性:LV10(MAX)
  疲労耐性:LV10(MAX)
  孤独耐性:LV10(MAX)
  精神耐性:LV5
  痛覚耐性:LV10(MAX)
  病気耐性:LV8
  飢餓耐性:LV3
  房中術:LV3

 ・強化スキル
  筋力:LV1

 ・魔法スキル
  回復魔法:レベル2:《体力回復》《傷治療》

  属性魔法
   土魔法:LV3:《土生成》《土形成》《石形成》 
   水魔法:LV2:《水生成》《水形成》
   火魔法:LV2:《火生成》《火形成》
   風魔法:LV2:《風生成》《風形成》

  属性魔法
   重力魔法:LV1:《自己重力変動》

 ・武器スキル
  剣:LV3:《達人剣術》
  二刀流:LV3:《達人二刀流》

 ・体術スキル
  打撃:LV2:《応用打撃》

 ・騎乗スキル
  馬:LV1:《基礎馬術》

 ・生産スキル
  裁縫:LV2:《下級糸生成》《下級布生成》
  木工:LV2:《下級丸太生成》《下級木材生成》

 ・知覚スキル
  死域

 ・学術スキル
  自動演算(New!)

【取得可能スキル一覧】
 使用可能スキルポイント:1
 ・武器スキル
  槍/弓/根/斧/拳

 ・強化スキル
  防御/敏捷/器用/知能/精神

 ・盗賊スキル
  解錠

 使用可能スキルポイント:3
 ・騎乗スキル
  飛竜

 使用可能スキルポイント:10
 ・種族スキル
  吸血鬼

 ・魔法スキル
  深淵魔法
   時間魔法/空間魔法/精神魔法

 ・騎乗スキル
  古竜エンシェントドラゴン

 ・生産スキル 
  鍛冶/革細工/錬金術/彫金
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