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第五章 領地発展編
第182話 第4次魔族侵攻戦 ④
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俺を迎え撃とうとするのは、オークの大軍。
どいつも血走った目で殺意を向けてくる。
そんな数多の殺意を受けて、俺は――。
――上等だ。
殺意を上回る怒りを込めて睨み返した。
右手に持ったラグニードが脈打っている。
ドクン、ドクンと火傷しそうな熱を孕みながら。
その度にMPがじわじわと減っていった。
魔剣の効果によって、ラグニードは俺の身長よりも長くなっていた。
左手も添えて、全力で振り抜く。
視界が真っ赤に染まった。
吹き飛んだオークの肉片と血によって。
オークの大軍の先端に、ポッカリと赤い穴が出来る。
周囲のオークが見せるのは怯えの表情。
長くなってもラグニートの切れ味は健在だった。
バラバラと視界に流れてくる経験値取得のログ。
今の一振りで10体以上のオークを屠れたようだ。
すかさずファラチオがオークの死骸を踏みしめながら、歩を進める。
オークの大軍に突っ込んだせいか、酷い獣臭が鼻についた。
臭えなクソが。
「……グルルル」
「グガアア!!」
仲間の死骸を踏みつけられたからか、はたまた敵が接近してきたからか。
怯えていたオーク達が必死に俺を威嚇しようとした。
「うるあああああ!」
こっちも負けじと叫んだ。
喧嘩は舐められたら負けだってヤンキー漫画で学んだ。
そのまま、ラグニードを振るう。
再びオーク共が吹き飛んだ。
その時、背後から悲鳴混じりの喧騒が聞こえた。
振り返ると、さっきまで俺がいた辺りで、フェルさんと黒い何かが絡まりあって喧嘩をしている。
黒い何かというか、黒いドラゴンだろうか。
フェルさんと同じ見た目の色違いに見える。
何、あのフェルさんの2Pカラーみたいなのは。
2匹は怪獣大戦争みたいでちょっと楽しそうだった。
人が苦労しているのに気楽なトカゲである。
かなりイラッとした。
遠くの彼方に目をやると、まだゼービアさんを担いだ化物は豆粒のような大きさだった。
ため息を突きながら、思った。
まだ遠い。
ラグニードの魔力消費は激しく、オークの群れに突っ込んでからファラチオの速度も落ちている。
届くのか。
急がねばならない。
ゼービアさんを抱えた化物も移動しているのだ。
方向的には戦場を離脱しようとしているっぽい。
つうか、その女。
俺んだから!!!
ゼービアさんを想いながらラグニードを振るう。
オーク達は抵抗もできずに肉片へと化した。
ゼービアさんはいい女だ。
艷やかな紺色の髪が美しい正統派美少女だ。
しかも鎧女子。
長過ぎるラグニードに振り回されそうになるのを、腹筋に力を入れて耐える。
そのまま両手に力を込めて、振り戻した。
距離を詰めようとしたオーク共が冗談みたいに吹き飛んでいく。
ラグニードを振り回しながら、脳裏にいろんなゼービアさんの姿が思い出されていく。
その度に、身体の奥底からカーっとしたものがこみ上げてきた。
パーティで着てきてくれた可憐なドレス姿を思い浮かべた。
はにかんだ笑顔が可愛いかった。
アンを抱きしめる姿はとても優しそうで、良いお姉さんに見えた。
乳を揉んでみたらウブな反応で、その細い肩を震わせていた。
ロケット型の良いおっぱいだったし。
まだ処女とか言ってるし。
つうか、どっからどう見ても。
「ただの女の子だろうがっ!!」
怒りで頭がどうにかなりそうだった。
力任せにラグニードを振り回す。
剣が振るわれる度に、オークの肉片が宙を舞った。
女は傷つけるものではなく。
ましてや誘拐するものでもない。
――犯すもんだ!!!
オークを切り飛ばしながら、誰かは知らない遠くの赤い巨人を睨みつける。
絶対に許さん。
クズの風上にも置けぬやつ。
百歩譲って攫った後に犯すならありかもしれないが、絶対に俺の方が気持ちよく処女を散らしてやれる。
だから絶対に取り戻すのだ。
その時、背中や足にガスガスと衝撃を感じた。
僅かにHPが減る。
後ろに回り込んだオーク共が攻撃しているのだろう。
だが、後ろを振り返る余裕なんてなかった。
まだまだ目指すゼービアさんは遠い。
ひたすら前進するのみだ。
『疲労耐性:LV10が発動しました。』
そんなログが視界の端に写る。
思ったより出るのが早かった。
昼間に疲労するとか、社畜として情けない。
お陰で全然疲れた感じはしないが、そういえば全身から汗が吹き出していた。
周囲を化物共の遠慮ない殺気にさらされているせいだろうか。
結構な圧迫感だった。
相変わらず背中は攻撃されまくってるし。
セレナ鎧のお陰でHPはそんなに減っていないからいいのだが。
しかし、不意にそんな攻撃がピタリと止んだ。
「ハイランダー援護します!」
白馬に跨った騎士が馬体を寄せてきた。
シュカシュカと軽快な音を立てて槍を突き出し、オーク共を殲滅していく。
「お背中は我等にお任せを! ハイランダーはどうか存分にその武を示されいっ!」
「ゼービア様をお願いします!!」
背中で感じていた化物共の圧力が綺麗に消えている。
他にも多くの騎士達が追従してくれているらしい。
「お、おう。どうもです」
短くお礼を言いながら、目の前の敵を切り飛ばした。
というか。
頼りになる王国軍の人たちって初めて見たわ。
いつも敵にひーひー言わされている姿しか見たことなかったのだが。
嬉しい誤算だった。
これで目の前の敵だけに集中できる。
「グルアアアっ!」
まだまだ吐き気を催す程、多くのオーク達が襲いかかってくる。
一体一体はザコなのだが。
「うるあっ!」
斬っても、斬っても飽きもせずに襲いかかってくる。
仲間が吹き飛ばされると、一瞬怯えた素振りを見せるのだが。
「――グルルゥ」
すぐに殺気を漲らせて、俺に向かってくる。
その目つきは狂気に侵されているようにも、怯えているようにも見えた。
豚頭の化物にも色々あるらしい。
同情する気はないが。
力を込めて、ラグニードを振るう。
《達人剣術》のお陰で、長物の扱い方もわかるが、もう技術云々の話ではない。
オーク共の数が尽きるか、俺の気力と魔力が尽きるかの戦いだった。
ラグニードが結構魔力を食うせいで、魔法を使う余裕もない。
ラグニードを野球のバットのようにフルスイングして、オーク共を薙ぎ払っていく。
ゼービアさんまでの距離は、さっきよりは近づいたが、まだ遠い。
その時、突然、目の前のオーク達が炎に包まれた。
上空からの激しい炎のブレス。
「コウ、援護する! 貴様は全力で駆け抜けろっ!」
火竜に跨ったリュディアがそんな頼もしいことを言ってくれた。
いつもはただの変態だが、戦場では凛々しく見えた。
いい女である。
「龍神王様には当てないように投槍! 開始!」
よく響くキリアの号令で、オーク共に槍の雨が降り注ぐ。
何体ものオークが串刺しにされて絶命していった。
上空にあるのは、もちろん頼もしい101体の飛竜の影。
ダークエルフ達が援護に来てくれたらしい。
俺と目が合って、嬉しそうにしているダナンさんもいる。
さっき普通にキリアの号令で槍を投げていた騎士団長である。
リュディア達のお陰で、眼の前のオークの壁はだいぶ薄くなっていた。
ファラチオの速度が上がる。
正直に言って、ありがたかった。
《疲労耐性》や《痛覚耐性》のお陰で何も感じないが、先程から剣を振るう速度が落ちていた。
拡張版のラグニードは射程も大きいが、その隙も大きい。
斬撃の合間を縫うようにして、懐に潜り込んできたオーク共に何度も攻撃を受けていた。
次の一撃で吹き飛ばせるのだが。
セレナ鎧のお陰で減るHPは本当に僅かだったが、塵も積もればなんとやらで、俺のHPは半分近くにまで減っていた。
MPは残り3分の1程度だ。
ゼービアさんの方に目をやると、巨大な赤鬼みたいなのに担がれた紺色髪の女性の姿がよく見えた。
もう半分は過ぎただろうか。
届くか!?
そう思った瞬間。
ドドドッと何かが降り注いで来た。
全身に重い衝撃を感じる。
「ぐああああっ」
「グガアア!」
周囲から人間の断末魔の悲鳴が聞こえた。
いや、オークのも混じっている。
見上げれば、空を覆い尽くさんばかりの矢が落下しようとしている。
離れた場所には、弓を構えた夥しいオーク達の姿。
仲間を巻き込むのも厭わない遠距離攻撃。
そこまで認識した所で、全身に矢が命中する。
セレナ鎧の隙間を縫って、何本もの無骨な矢が突き立った。
傷つく自分の身体を見ていると、痛みは感じないが、気が遠くなりそうになる。
HPががくんと減る。
それは別にいいのだが、ファラチオの速度がぐんぐん落ちていくのが気になった。
馬がヤラれたらあっと言う間にオーク共が群がってくるだろう。
そうなっては、ゼービアさんまで届かない。
オーク共を蹴散らしている間に、戦場を離脱されてしまうだろう。
俺から見えるファラチオの首筋や頭部には何本もの矢が突き刺さっていた。
真っ赤な血がどくどくと流れている。
かつて、首を食いちぎられて絶命したディープインパクトの事が思い出されたのだが。
「グギャギャギャ!!」
力を失いかけたファラチオが、おぞましい叫びをあげると、近くのオークに噛み付いた。
「グガ……」
首元を噛みつかれたオークが短く叫ぶと、ファラチオの喉からごくんごくんと何かを飲み込むぞっとする音が聞こえてくる。
すると、ファラチオに刺さっていた矢が次々に抜けていく。
そしてしゅーっと言う音と共に再生されていく傷。
俺にとっては見慣れた吸血鬼特有の反応。
「ギャギャー!!」
元気になったファラチオが再び力強く走り出す。
なにこの馬。
絶対馬じゃないんだけど……。
そう思って、軽く引いたが。
脳裏にドヤ顔を浮かべる貧乳吸血鬼の姿が浮かぶ。
こんな状況なのに思わず吹き出しそうになりながら、フィリスに感謝した。
上空では竜騎士達が、オーク共の矢で追い散らされていた。
あんなのが俺の女たちに当たったら一大事である。
「お前らは、矢の届かない上空まで退避しろ!!」
「そ、それでは投槍の精度が……」
「大雑把でも援護してくれれば嬉しい。これは命令だぞ」
不満を言うキリアにそう言って上空に追っ払う。
あいつらが怪我をすることだけは避けたかった。
とはいえ、キリア達の援護が薄くなったのは痛かった。
襲いかかってくるオーク達の数が明らかに増す。
キリア達を諦めた弓矢が、俺に集中するように無慈悲に振り注いだ。
周りのオーク共を巻き込んでくれるのが有り難いのだが。
ラグニードを振るって矢を払い落としても、全ては落とせずに被弾してしまう。
その隙にオーク共が群がってくるし。
結構なピンチだ。
ゼービアさんの元に辿り着かねばならない。
それなのに、ラグニードがやたら重く感じる。
剣速は、明らかに落ちている。
こうなったら手数で勝負だ。
残りのHPとMPを見るとかなりジリ貧だが。
右手だけでラグニードを持つと、左手に魔力を集中させる。
――《石形成》発動。オーバロード!!
思い描いたのはラグニードと同じ形の大剣。
左手の魔力が稲妻をまとわせながら圧縮されていく。
残りのMPが吹き飛んだかと思うほど減り、左手に黒光りする大剣が生成されていく。
『[魔鉱石の大剣]を装備しました。攻撃力補正+120』
黒曜石ではなかったのが気になったが、完成した大剣はズシリと重かった。
突然出現した大質量に、ファラチオがバランスを崩している。
大剣二刀流は無理があっただろうか。
思いの他、魔力を食ったせいで、MPはゼロになりつつある。
拡張されていたラグニードの刃が、消え入る間近のように点滅した。
だが、ここからだっ!
『根性:LV7が発動しました。』
ラグニードの刃の輝きが戻り、MPはゼロになり、HPが減り始める。
なんかヤバイが、ゼービアさんの所まで持てばよいのだ。
歯が欠けそうなほど、強く食いしばる。
肚に力を込めて、ラグニードを振りかぶった。
「おらあああっ!!」
オーク達が抵抗も出来ずに真っ二つになっていく。
間髪入れずに、魔鉱石の大剣を振るう。
こちらはラグニードほどの切れ味はないが、オーク共が纏まって潰されていく。
両手持ちの時よりも、剣を振るう速度や力は落ちている。
しかし、弱いオークにはもともとオーバキルだったのだ。
攻撃回数が2倍になったことの戦果は、両手持ちの時を補って余りある。
オークの殲滅速度が飛躍的に上がった。
両腕を振り回して、オーク共を薙ぎ払っていく。
ファラチオの駆ける速度がぐんぐん上がっていった。
頭上から降り注ぐ矢。
「うるあああああっ!」
着弾する前に駆け抜けていた。
もともと矢を払うための二刀流だったのだが、予想以上にファラチオの速度が上がっている。
オークで埋め尽くされた大海原を割るように、俺とファラチオは進む。
剣を振るうたびに、腕や肩の矢が突き刺さった部分が激しく熱を発した。
辺りに舞う血風はオークのものだけではなく、俺のものも混じっているだろう。
HPの減りもかなり速い。
それでも、ゼービアさんはすぐ目前にまで迫っていた。
###########################################
LV:30(up!)
称号:悲哀なる社畜、色事師、村長
※悲哀なる社畜:HPに+1000の補正
※色事師:セックスをした相手のステータスを見れるようになる
※村長:村民のステータスに一律+5の補正
立場:龍神王、子爵、ハイランダー
HP:156/1342(+2)
MP:0/270(+10)
筋力:152(+5)
防御:49(+3)
敏捷:52(+2)
器用:47(+1)
知能:92(+3)
精神:73(+1)
スキルポイント:7(+1)
【装備品】
[国剣ラグニード]:攻撃力補正+634
[魔鉱石の大剣]:攻撃力補正+120
[土の剣]:攻撃力補正+30
[真祖のブラッドチェーンメイル]:防御力補正+500
[真祖のブラッドアーマー]:防御力補正+500
[真祖のブラッドガントレット]:防御力補正+500
[真祖のブラッドレッグス]:防御力補正+500
[真祖のブラッドウェストアーマー]:防御力補正+500
[真祖のブラッドヘルム]:防御力補正+500、攻撃力補正+10
[夜王のマント]:火炎耐性、魔法耐性
【持ち物】
高級回復薬 ✕13(-1)※ゲロジジイが飲んだので。
【乗り物】
エンシェントドラゴンのフェルナノーグ
スレイプニルのファラチオ(闇落ち)
【スキル一覧】
・初期スキル
根性:LV7
睡眠耐性:LV10(MAX)
疲労耐性:LV10(MAX)
孤独耐性:LV10(MAX)
精神耐性:LV5
痛覚耐性:LV10(MAX)
病気耐性:LV8
飢餓耐性:LV3
房中術:LV3
・強化スキル
筋力:LV1
・魔法スキル
回復魔法:レベル2:《体力回復》《傷治療》
属性魔法
土魔法:LV3:《土生成》《土形成》《石形成》
水魔法:LV2:《水生成》《水形成》
火魔法:LV2:《火生成》《火形成》
風魔法:LV2:《風生成》《風形成》
属性魔法
重力魔法:LV1:《自己重力変動》
・武器スキル
剣:LV3:《達人剣術》
二刀流:LV3:《達人二刀流》
・体術スキル
打撃:LV2:《応用打撃》
・騎乗スキル
馬:LV1:《基礎馬術》
・生産スキル
裁縫:LV2:《下級糸生成》《下級布生成》
木工:LV2:《下級丸太生成》《下級木材生成》
【取得可能スキル一覧】
使用可能スキルポイント:1
・武器スキル
槍/弓/根/斧/拳
・強化スキル
防御/敏捷/器用/知能/精神
・盗賊スキル
解錠
使用可能スキルポイント:3
・騎乗スキル
飛竜
使用可能スキルポイント:10
・種族スキル
吸血鬼
・魔法スキル
深淵魔法
時間魔法/空間魔法/精神魔法
・騎乗スキル
古竜エンシェントドラゴン
・生産スキル
鍛冶/革細工/錬金術/彫金
どいつも血走った目で殺意を向けてくる。
そんな数多の殺意を受けて、俺は――。
――上等だ。
殺意を上回る怒りを込めて睨み返した。
右手に持ったラグニードが脈打っている。
ドクン、ドクンと火傷しそうな熱を孕みながら。
その度にMPがじわじわと減っていった。
魔剣の効果によって、ラグニードは俺の身長よりも長くなっていた。
左手も添えて、全力で振り抜く。
視界が真っ赤に染まった。
吹き飛んだオークの肉片と血によって。
オークの大軍の先端に、ポッカリと赤い穴が出来る。
周囲のオークが見せるのは怯えの表情。
長くなってもラグニートの切れ味は健在だった。
バラバラと視界に流れてくる経験値取得のログ。
今の一振りで10体以上のオークを屠れたようだ。
すかさずファラチオがオークの死骸を踏みしめながら、歩を進める。
オークの大軍に突っ込んだせいか、酷い獣臭が鼻についた。
臭えなクソが。
「……グルルル」
「グガアア!!」
仲間の死骸を踏みつけられたからか、はたまた敵が接近してきたからか。
怯えていたオーク達が必死に俺を威嚇しようとした。
「うるあああああ!」
こっちも負けじと叫んだ。
喧嘩は舐められたら負けだってヤンキー漫画で学んだ。
そのまま、ラグニードを振るう。
再びオーク共が吹き飛んだ。
その時、背後から悲鳴混じりの喧騒が聞こえた。
振り返ると、さっきまで俺がいた辺りで、フェルさんと黒い何かが絡まりあって喧嘩をしている。
黒い何かというか、黒いドラゴンだろうか。
フェルさんと同じ見た目の色違いに見える。
何、あのフェルさんの2Pカラーみたいなのは。
2匹は怪獣大戦争みたいでちょっと楽しそうだった。
人が苦労しているのに気楽なトカゲである。
かなりイラッとした。
遠くの彼方に目をやると、まだゼービアさんを担いだ化物は豆粒のような大きさだった。
ため息を突きながら、思った。
まだ遠い。
ラグニードの魔力消費は激しく、オークの群れに突っ込んでからファラチオの速度も落ちている。
届くのか。
急がねばならない。
ゼービアさんを抱えた化物も移動しているのだ。
方向的には戦場を離脱しようとしているっぽい。
つうか、その女。
俺んだから!!!
ゼービアさんを想いながらラグニードを振るう。
オーク達は抵抗もできずに肉片へと化した。
ゼービアさんはいい女だ。
艷やかな紺色の髪が美しい正統派美少女だ。
しかも鎧女子。
長過ぎるラグニードに振り回されそうになるのを、腹筋に力を入れて耐える。
そのまま両手に力を込めて、振り戻した。
距離を詰めようとしたオーク共が冗談みたいに吹き飛んでいく。
ラグニードを振り回しながら、脳裏にいろんなゼービアさんの姿が思い出されていく。
その度に、身体の奥底からカーっとしたものがこみ上げてきた。
パーティで着てきてくれた可憐なドレス姿を思い浮かべた。
はにかんだ笑顔が可愛いかった。
アンを抱きしめる姿はとても優しそうで、良いお姉さんに見えた。
乳を揉んでみたらウブな反応で、その細い肩を震わせていた。
ロケット型の良いおっぱいだったし。
まだ処女とか言ってるし。
つうか、どっからどう見ても。
「ただの女の子だろうがっ!!」
怒りで頭がどうにかなりそうだった。
力任せにラグニードを振り回す。
剣が振るわれる度に、オークの肉片が宙を舞った。
女は傷つけるものではなく。
ましてや誘拐するものでもない。
――犯すもんだ!!!
オークを切り飛ばしながら、誰かは知らない遠くの赤い巨人を睨みつける。
絶対に許さん。
クズの風上にも置けぬやつ。
百歩譲って攫った後に犯すならありかもしれないが、絶対に俺の方が気持ちよく処女を散らしてやれる。
だから絶対に取り戻すのだ。
その時、背中や足にガスガスと衝撃を感じた。
僅かにHPが減る。
後ろに回り込んだオーク共が攻撃しているのだろう。
だが、後ろを振り返る余裕なんてなかった。
まだまだ目指すゼービアさんは遠い。
ひたすら前進するのみだ。
『疲労耐性:LV10が発動しました。』
そんなログが視界の端に写る。
思ったより出るのが早かった。
昼間に疲労するとか、社畜として情けない。
お陰で全然疲れた感じはしないが、そういえば全身から汗が吹き出していた。
周囲を化物共の遠慮ない殺気にさらされているせいだろうか。
結構な圧迫感だった。
相変わらず背中は攻撃されまくってるし。
セレナ鎧のお陰でHPはそんなに減っていないからいいのだが。
しかし、不意にそんな攻撃がピタリと止んだ。
「ハイランダー援護します!」
白馬に跨った騎士が馬体を寄せてきた。
シュカシュカと軽快な音を立てて槍を突き出し、オーク共を殲滅していく。
「お背中は我等にお任せを! ハイランダーはどうか存分にその武を示されいっ!」
「ゼービア様をお願いします!!」
背中で感じていた化物共の圧力が綺麗に消えている。
他にも多くの騎士達が追従してくれているらしい。
「お、おう。どうもです」
短くお礼を言いながら、目の前の敵を切り飛ばした。
というか。
頼りになる王国軍の人たちって初めて見たわ。
いつも敵にひーひー言わされている姿しか見たことなかったのだが。
嬉しい誤算だった。
これで目の前の敵だけに集中できる。
「グルアアアっ!」
まだまだ吐き気を催す程、多くのオーク達が襲いかかってくる。
一体一体はザコなのだが。
「うるあっ!」
斬っても、斬っても飽きもせずに襲いかかってくる。
仲間が吹き飛ばされると、一瞬怯えた素振りを見せるのだが。
「――グルルゥ」
すぐに殺気を漲らせて、俺に向かってくる。
その目つきは狂気に侵されているようにも、怯えているようにも見えた。
豚頭の化物にも色々あるらしい。
同情する気はないが。
力を込めて、ラグニードを振るう。
《達人剣術》のお陰で、長物の扱い方もわかるが、もう技術云々の話ではない。
オーク共の数が尽きるか、俺の気力と魔力が尽きるかの戦いだった。
ラグニードが結構魔力を食うせいで、魔法を使う余裕もない。
ラグニードを野球のバットのようにフルスイングして、オーク共を薙ぎ払っていく。
ゼービアさんまでの距離は、さっきよりは近づいたが、まだ遠い。
その時、突然、目の前のオーク達が炎に包まれた。
上空からの激しい炎のブレス。
「コウ、援護する! 貴様は全力で駆け抜けろっ!」
火竜に跨ったリュディアがそんな頼もしいことを言ってくれた。
いつもはただの変態だが、戦場では凛々しく見えた。
いい女である。
「龍神王様には当てないように投槍! 開始!」
よく響くキリアの号令で、オーク共に槍の雨が降り注ぐ。
何体ものオークが串刺しにされて絶命していった。
上空にあるのは、もちろん頼もしい101体の飛竜の影。
ダークエルフ達が援護に来てくれたらしい。
俺と目が合って、嬉しそうにしているダナンさんもいる。
さっき普通にキリアの号令で槍を投げていた騎士団長である。
リュディア達のお陰で、眼の前のオークの壁はだいぶ薄くなっていた。
ファラチオの速度が上がる。
正直に言って、ありがたかった。
《疲労耐性》や《痛覚耐性》のお陰で何も感じないが、先程から剣を振るう速度が落ちていた。
拡張版のラグニードは射程も大きいが、その隙も大きい。
斬撃の合間を縫うようにして、懐に潜り込んできたオーク共に何度も攻撃を受けていた。
次の一撃で吹き飛ばせるのだが。
セレナ鎧のお陰で減るHPは本当に僅かだったが、塵も積もればなんとやらで、俺のHPは半分近くにまで減っていた。
MPは残り3分の1程度だ。
ゼービアさんの方に目をやると、巨大な赤鬼みたいなのに担がれた紺色髪の女性の姿がよく見えた。
もう半分は過ぎただろうか。
届くか!?
そう思った瞬間。
ドドドッと何かが降り注いで来た。
全身に重い衝撃を感じる。
「ぐああああっ」
「グガアア!」
周囲から人間の断末魔の悲鳴が聞こえた。
いや、オークのも混じっている。
見上げれば、空を覆い尽くさんばかりの矢が落下しようとしている。
離れた場所には、弓を構えた夥しいオーク達の姿。
仲間を巻き込むのも厭わない遠距離攻撃。
そこまで認識した所で、全身に矢が命中する。
セレナ鎧の隙間を縫って、何本もの無骨な矢が突き立った。
傷つく自分の身体を見ていると、痛みは感じないが、気が遠くなりそうになる。
HPががくんと減る。
それは別にいいのだが、ファラチオの速度がぐんぐん落ちていくのが気になった。
馬がヤラれたらあっと言う間にオーク共が群がってくるだろう。
そうなっては、ゼービアさんまで届かない。
オーク共を蹴散らしている間に、戦場を離脱されてしまうだろう。
俺から見えるファラチオの首筋や頭部には何本もの矢が突き刺さっていた。
真っ赤な血がどくどくと流れている。
かつて、首を食いちぎられて絶命したディープインパクトの事が思い出されたのだが。
「グギャギャギャ!!」
力を失いかけたファラチオが、おぞましい叫びをあげると、近くのオークに噛み付いた。
「グガ……」
首元を噛みつかれたオークが短く叫ぶと、ファラチオの喉からごくんごくんと何かを飲み込むぞっとする音が聞こえてくる。
すると、ファラチオに刺さっていた矢が次々に抜けていく。
そしてしゅーっと言う音と共に再生されていく傷。
俺にとっては見慣れた吸血鬼特有の反応。
「ギャギャー!!」
元気になったファラチオが再び力強く走り出す。
なにこの馬。
絶対馬じゃないんだけど……。
そう思って、軽く引いたが。
脳裏にドヤ顔を浮かべる貧乳吸血鬼の姿が浮かぶ。
こんな状況なのに思わず吹き出しそうになりながら、フィリスに感謝した。
上空では竜騎士達が、オーク共の矢で追い散らされていた。
あんなのが俺の女たちに当たったら一大事である。
「お前らは、矢の届かない上空まで退避しろ!!」
「そ、それでは投槍の精度が……」
「大雑把でも援護してくれれば嬉しい。これは命令だぞ」
不満を言うキリアにそう言って上空に追っ払う。
あいつらが怪我をすることだけは避けたかった。
とはいえ、キリア達の援護が薄くなったのは痛かった。
襲いかかってくるオーク達の数が明らかに増す。
キリア達を諦めた弓矢が、俺に集中するように無慈悲に振り注いだ。
周りのオーク共を巻き込んでくれるのが有り難いのだが。
ラグニードを振るって矢を払い落としても、全ては落とせずに被弾してしまう。
その隙にオーク共が群がってくるし。
結構なピンチだ。
ゼービアさんの元に辿り着かねばならない。
それなのに、ラグニードがやたら重く感じる。
剣速は、明らかに落ちている。
こうなったら手数で勝負だ。
残りのHPとMPを見るとかなりジリ貧だが。
右手だけでラグニードを持つと、左手に魔力を集中させる。
――《石形成》発動。オーバロード!!
思い描いたのはラグニードと同じ形の大剣。
左手の魔力が稲妻をまとわせながら圧縮されていく。
残りのMPが吹き飛んだかと思うほど減り、左手に黒光りする大剣が生成されていく。
『[魔鉱石の大剣]を装備しました。攻撃力補正+120』
黒曜石ではなかったのが気になったが、完成した大剣はズシリと重かった。
突然出現した大質量に、ファラチオがバランスを崩している。
大剣二刀流は無理があっただろうか。
思いの他、魔力を食ったせいで、MPはゼロになりつつある。
拡張されていたラグニードの刃が、消え入る間近のように点滅した。
だが、ここからだっ!
『根性:LV7が発動しました。』
ラグニードの刃の輝きが戻り、MPはゼロになり、HPが減り始める。
なんかヤバイが、ゼービアさんの所まで持てばよいのだ。
歯が欠けそうなほど、強く食いしばる。
肚に力を込めて、ラグニードを振りかぶった。
「おらあああっ!!」
オーク達が抵抗も出来ずに真っ二つになっていく。
間髪入れずに、魔鉱石の大剣を振るう。
こちらはラグニードほどの切れ味はないが、オーク共が纏まって潰されていく。
両手持ちの時よりも、剣を振るう速度や力は落ちている。
しかし、弱いオークにはもともとオーバキルだったのだ。
攻撃回数が2倍になったことの戦果は、両手持ちの時を補って余りある。
オークの殲滅速度が飛躍的に上がった。
両腕を振り回して、オーク共を薙ぎ払っていく。
ファラチオの駆ける速度がぐんぐん上がっていった。
頭上から降り注ぐ矢。
「うるあああああっ!」
着弾する前に駆け抜けていた。
もともと矢を払うための二刀流だったのだが、予想以上にファラチオの速度が上がっている。
オークで埋め尽くされた大海原を割るように、俺とファラチオは進む。
剣を振るうたびに、腕や肩の矢が突き刺さった部分が激しく熱を発した。
辺りに舞う血風はオークのものだけではなく、俺のものも混じっているだろう。
HPの減りもかなり速い。
それでも、ゼービアさんはすぐ目前にまで迫っていた。
###########################################
LV:30(up!)
称号:悲哀なる社畜、色事師、村長
※悲哀なる社畜:HPに+1000の補正
※色事師:セックスをした相手のステータスを見れるようになる
※村長:村民のステータスに一律+5の補正
立場:龍神王、子爵、ハイランダー
HP:156/1342(+2)
MP:0/270(+10)
筋力:152(+5)
防御:49(+3)
敏捷:52(+2)
器用:47(+1)
知能:92(+3)
精神:73(+1)
スキルポイント:7(+1)
【装備品】
[国剣ラグニード]:攻撃力補正+634
[魔鉱石の大剣]:攻撃力補正+120
[土の剣]:攻撃力補正+30
[真祖のブラッドチェーンメイル]:防御力補正+500
[真祖のブラッドアーマー]:防御力補正+500
[真祖のブラッドガントレット]:防御力補正+500
[真祖のブラッドレッグス]:防御力補正+500
[真祖のブラッドウェストアーマー]:防御力補正+500
[真祖のブラッドヘルム]:防御力補正+500、攻撃力補正+10
[夜王のマント]:火炎耐性、魔法耐性
【持ち物】
高級回復薬 ✕13(-1)※ゲロジジイが飲んだので。
【乗り物】
エンシェントドラゴンのフェルナノーグ
スレイプニルのファラチオ(闇落ち)
【スキル一覧】
・初期スキル
根性:LV7
睡眠耐性:LV10(MAX)
疲労耐性:LV10(MAX)
孤独耐性:LV10(MAX)
精神耐性:LV5
痛覚耐性:LV10(MAX)
病気耐性:LV8
飢餓耐性:LV3
房中術:LV3
・強化スキル
筋力:LV1
・魔法スキル
回復魔法:レベル2:《体力回復》《傷治療》
属性魔法
土魔法:LV3:《土生成》《土形成》《石形成》
水魔法:LV2:《水生成》《水形成》
火魔法:LV2:《火生成》《火形成》
風魔法:LV2:《風生成》《風形成》
属性魔法
重力魔法:LV1:《自己重力変動》
・武器スキル
剣:LV3:《達人剣術》
二刀流:LV3:《達人二刀流》
・体術スキル
打撃:LV2:《応用打撃》
・騎乗スキル
馬:LV1:《基礎馬術》
・生産スキル
裁縫:LV2:《下級糸生成》《下級布生成》
木工:LV2:《下級丸太生成》《下級木材生成》
【取得可能スキル一覧】
使用可能スキルポイント:1
・武器スキル
槍/弓/根/斧/拳
・強化スキル
防御/敏捷/器用/知能/精神
・盗賊スキル
解錠
使用可能スキルポイント:3
・騎乗スキル
飛竜
使用可能スキルポイント:10
・種族スキル
吸血鬼
・魔法スキル
深淵魔法
時間魔法/空間魔法/精神魔法
・騎乗スキル
古竜エンシェントドラゴン
・生産スキル
鍛冶/革細工/錬金術/彫金
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