ちょいクズ社畜の異世界ハーレム建国記

油揚メテオ

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第五章 領地発展編

第169話 幕間 エレイン目覚める

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 ――ずちゅずちゅ。

「あんっ、あんっ、んっ、んんっ、そ、そこはだ、ダメですっ! き、気持ちよすぎるからあ、あああっ!」

 耳慣れない音と声に、私は目を覚ました。
 ここはどこだろう。
 辺りは薄暗く、異常な熱気に包まれている。
 そして、鼻につく汗と、栗の花のような臭い。
 一体何が。
 確か私は、村の穀物倉庫にいて。
 信じられないほどの小麦の山を目にして。
 そうだ。
 小麦だ。
 あの小麦はなんなのだ。
 前回の村の徴税の量からは有り得ない収穫量だった。
 一刻も早く調査しなければ。

 そして、身を起こそうとした。
 しかし、ピクリとも動かなかった。
 な、なぜ……。

「も、もうダメですっ! ごめんなさい、先にイキます! おねがい、ギュッとして下さい! んあああっ! ひああああああっ!!」

 その時、女の絶叫が響き渡った。
 なんとか動く首を曲げて、声がした方を見てみる。

「……ううっ、くっ……コウさんも一緒に出してほしかったんですけど……もっとがんばりますから、次は一緒にイってくださいね?」

 目の前の光景に一瞬我が目を疑った。
 なんだアレは。
 男と……2人の女だった。

「ふふっ、何言ってるんですか、ミレイちゃん。次はお姉ちゃんの番ですよ?」

 男も女たちも裸だった。
 男の筋張った背中と、女たちの真っ白な裸体が薄闇にぼんやりと見える。
 一体、何をしているの?
 汗だくの女がはしたなく股を開いて、仰向けに寝ている。
 その女の股に男が腰を当てていた。
 女は穀物倉庫にいたアサギリの情婦のようだった。
 男は背中だけでよくわからないが、多分、アサギリだろう。
 そして、男の腰の近くに顔を寄せた同じく裸の女が四つん這いになっていた。
 艶やかな黒髪を下ろした、驚くほど肌の白い女だった。

 3人で何をしているのだろう。
 全く想像ができない。
 しかし、頭のどこかで警鐘が鳴る。
 あのクズ野郎がやることだ。
 どうせ碌なことじゃないに違いない。

 その時、少し離れた場所に、もう一人裸の女が倒れているのを見つけた。
 銀色の美しい髪の美しい肢体をした女だった。

「ひっ……!」

 私はその女の顔を見て、思わず小さな悲鳴を上げていた。
 おそらく美しかったであろう顔は謎の粘液がドロドロに塗れ、白目を剥き、口をだらし無くなく開けて、舌がべろりと外に出ていた。
 どこか幸せそうな顔にも見えるが、ピクリとも動かずにぐったりしているところを見ると。

 し、死んでいる!?

 なんということだ。
 アサギリは一体何の儀式をしているのだ。
 裸の男女と死体。
 絶対に危険な儀式だ。
 噂に聞く悪魔崇拝という奴だろうか。
 クズだクズだと思っていたが、やっぱり頭もおかしかったらしい。
 アサギリは異常者なのだ。

「まあ、次はカンナさんかな。ミレイは少し休んでろ」

 そんな時、アサギリの呑気な声が聞こえた。
 クズ異常者めっ!

「ふふっ、やっとお姉ちゃんの番ですね。お姉ちゃんは後ろからしてほしいです」

「ええ!? 休んでろって……そんな寂しいこと言わないで下さい! カンナさんとするなら、私はコウさんとキスしたいです……」

 3人の男女が気だるそうに身体の位置を変え始める。
 そして。

 ――ずちゅり。

 私は見てしまった。
 アサギリが立ち上がると、ミレイとか言う女の股から、謎の粘液を滴らせたソレが出てくるのを。

 私は全身が粟立つのを感じた。

 ソレは、まさに悪魔だった。

 真っ黒で。
 筋張っていて。
 ピクピクと蠢く凶悪な姿。
 私の腕ほどもある大きさのそれは、あろうことかクズ貴族アサギリの股間から生えている。

 もう、私にできることは一つしかなかった。

「いやあああああああああああ!!」

 薄暗い部屋に私の絶叫が木霊した。
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