ちょいクズ社畜の異世界ハーレム建国記

油揚メテオ

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第五章 領地発展編

第161話 拡大していく村 ③

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 村外れまでやってきてしまったので、そろそろお散歩を切り上げてもいいだろう。

「そろそろ家に戻って、パイズリしてくれないか?」

 そう耳元で囁くと、真っ赤になったままのセレナがこくりと頷いた。
 だいぶアレな事を言ったつもりだが、黙って頷く辺りセレナも結構ヤバい。
 そのまま、セレナの細いくびれに手を回しながら踵を返す。

「――あ、あの! お久しぶりです!」

 その時、どう考えても男のものと思われる声が聞こえた。
 なので当然の如く無視した。
 これからセレナにパイズリしてもらうのだ。
 邪魔すんなと言いたい。

「ちょ、ちょっと待って下さい! 私ですよ。いつかお世話になった行商人のハンスです!」

 そんな名前に聞き覚えはなかった。
 ちらりと振り返って見ると、やっぱり見知らぬ男が立っていた。
 日本にいた時の俺と同年代くらいなのに、悔しいほど顔が整っていて、さわやかな雰囲気を纏った男だった。
 死んでしまえばいい。
 心の底から思った。

 ただ、ちらりと男の背後に見えた荷馬車が気になった。
 いや、荷馬車の御者台に乗った一人の女性。
 赤毛の長い髪をした優しそうな美人だった。
 ケイトさんじゃないか!!
 あの人は、いつかうちに行商に来て、俺に毛生え薬やら精力剤やらを売ってくれたケイトさんだった。
 いつか押し倒そうと思ったので、絶対に忘れない。
 ちなみに、毛生え薬は物置に置きっぱなしで忘れてた。
 精力剤はセレナに使ってみたが、効果を実感する前にセレナが白濁液に溺れそうになったので効いたのかはわからなかった。

「……思い切り効いてたわよ。あの時は殺されるかと思ったわ」

 なぜかセレナが青い顔でガタガタと震えていた。
 世界最強のセレナさんが殺されるわけないのにー。
 冗談もほどほどにである。

「お久しぶりです! ケイトさん!」

 とりあえず、ケイトさんに向かって笑顔で挨拶してみる。
 ケイトさんはにこやかに手を振ってくれた。
 にこやかとか。
 脈ありと見た!

「……あの、なんで私が話しかけたのに妻に反応するんでしょうか?」

 イケメンがなぜか呆れていた。
 というか、こいつ俺のケイトさんを妻呼ばわりとか。
 頭おかしいんじゃないだろうか。
 ケイトさんはこれから俺に抱かれると言うのに。

 とりあえず、イケメンの足元に唾を吐いておいた。

「…………あ、相変わらずですね。そういえば、この度は子爵様になられて、ハイランダーの称号も受けられたそうで、おめでとうございます。アサギリ様」

 唾を吐かれたにも関わらず、イケメンはそんな事を言いながら俺に頭を下げた。
 メンタル強いな、こいつ。

「お、おう」

 というか、なんでこいつ俺の名前を知ってるんだろう。
 名乗った覚えなんて無いのだが。

「今、昇り龍の勢いと噂のアサギリ様の事を知らない商人なんておりませんよ」

 そう言ってイケメンはニヤリと笑った。
 昇り龍とか。
 すげえカッコイイこと言われた。
 厨二心がビンビン刺激される。
 イケメンでムカつくけど、なかなかデキる男だと思えて来た。
 きっと伸びるよ、彼は。

「それで、今日も行商に来たのかしら? なんなら他の娘達も呼んで来るけれど?」

 吸血鬼の長のプライドが~とか言ってたセレナが普通にパシろうとしだす。
 ルーナたちを呼んできてくれるらしい。
 フットワークが軽くて良いのだが、吸血鬼の長としてそれでいいのだろうか。

「ありがとうございます、奥方様。ただ、ちょっとお待ちいただけますか? 確かに行商に来たのですが、この村の隆盛を見て、少しアサギリ様にお話したい事がありますので」

「……奥方様」

 ルーナたちを呼びに行こうとしていたセレナは、イケメン商人の勘違いのセリフを反芻しながら立ち止まる。
 まあ、腕を組んで歩いていた俺達は夫婦にしか見えないのかもしれないが。
 そこに食いつくなよ。
 ルーナが聞いたら泣きわめいてケンカしそうだから。

「で、でも、お客様なのだからお茶くらい出さないといけないわね。グラード、お茶! 気にしないで? 奥方としての当然の勤めなのだから。奥方としての」

 不自然な程上機嫌になったセレナがここにはいないはずのグラードさんに声をかけた。

「いえいえ、奥方様、そんなお構いなく――」

「お茶の準備が整いました、セレナお嬢様」

「――って早! そして誰ですか!?」

 出来すぎる執事のグラードさんが、数秒のうちにテーブルと人数分の椅子、温かい湯気の立ったティーカップを用意していた。
 さっきまでいなかったはずなのにとか、物理法則を無視した手際の良さだとかは、吸血鬼の皆さんには言わない方がいい。


 そんなわけで、グラードさんの用意してくれたテーブルについて、俺とセレナ、イケメン商人とケイトさんの4人でお茶を楽しんだ。
 真冬に外で熱いお茶を飲むというのも風情があっていい。
 美女補正のかかるルーナ茶に比べると数段劣るが、グラード茶もなかなかのものだった。

「――それで、あの、折り入ってお話があるのですが、アサギリ様?」

 グラード茶を一口だけ飲んだイケメン商人が、俺に真剣な眼差しを向ける。
 男に見つめられても、反吐しか出ないので思わず舌打ちが漏れた。

「ちっ! ……なんだよ?」

「…………せ、先日伺った際は、まだ数件の家しかなかったこの辺りも、少しの間に随分家が増えましたね。……あ、あのう、あれから1、2ヶ月しか経ってないのになんでこんなに家が増えてるんでしょうか?」

 舌打ちされてもめげずに話し出したイケメン商人は、村の景色を眺めながら首をかしげた。
 家なんて1日で数件建てられるんだから、1、2ヶ月も建てばそりゃあいっぱい建つだろうよ。
 商人のくせに算数もできないのだろうか。

「ま、まあ、それはいいとして……実は、私たち夫婦もそろそろ店を構えようかと考えております。行商で店を構えられるだけのお金も用意できましたので。ただ、どこに店を出そうか迷っていたのですが、この村の隆盛を見て、先程ケイトと話し合って決意しました」

 そして、イケメン商人とケイトさんは素早く立ち上がると、俺の足元に駆け寄ってきて膝を地面についた。

「どうか、この村に店を出す許可を頂けないでしょうか? 出店料はちゃんと払いますので!」

 そう言って、2人は俺に深々と頭を下げた。
 地べたに頭がついてしまいそうだったので、慌てて辞めさせる。
 まあ、イケメンはどうでもいいのだが、なかなかの美人のケイトさんの顔が汚れるのは忍びない。

 それにしても。
 うちの近所に店を出したい?
 いや、全然いいんだけどさ。
 うちの村は先日引っ越してきたダークエルフの皆さんを加えても、200人強くらいしかいない。
 どこの限界集落だよと言いたくなる人数だ。
 店なんか出しても採算とれないと思うのだが。
 そんな懸念を口に出してみると。

「大丈夫です。昇り龍のようなアサギリ様でございます。民は今後どんどん増え、そう遠くない未来にこの辺りは立派な地方都市になるでしょう」

 昇り龍出た。
 地方都市になるかは甚だ疑問だけど。

「許可する!」

 昇り龍に琴線をビンビンに刺激された俺は、いつの間にか許可を出していた。
 まあ、許可するも何も俺にデメリットは何もないのだ。
 店を出したいのなら自由にすればいい。
 というか、店ってさ。

 脳裏にあるイメージが連想された。

「ありがとうございます! すぐに出店料をお支払いしますので、ケイト!」

「は、はい! あなた」

 なぜか金を出そうとした2人を止める。
 金なんかいらねえっつうの。

 というかですよ。
 店といえばコンビニ。
 コンビニといえばセブン姉さん。

 え、うちの近所にセブン姉さん出来るってことじゃん!!
 すげえテンション上がる。

 そうだよ。
 美女はいるのに、日々の生活に物足りなさを感じていた。
 足りないのはコンビニだったんだ!!
 コンビニとは引きこもりの呪いを受けた俺が唯一行っていい聖域(サンクチュアリ)だ。
 引きこもりのオアシスだ。

 休日だってのにどこにも行ってないどうしよー、やべーよー。
 そうだ、コンビニ行ってコーラとカップ麺買って、雑誌立ち読みしよう。
 これで充実した休日を送った事になる。
 なんせ外出したかんね!

 そんな免罪符を買える場所。
 それがコンビニ。

「あ、あの、出店料をいらないとはどういうことでしょうか? まずは領主様にそれなりの出店料をお支払いするのが普通なのですが……」

 その時、不安そうな顔をしたイケメンが話しかけてきた。
 そんなみかじめ料みたいなのいらねえから。
 どこのヤクザだ。
 それよりも、俺の頭はコンビニのことでいっぱいなのだ。

「どいてろ。今、店を作ってやる」

 両手にバチバチと魔力を込めながら、長年お世話になったセブン姉さんの姿をイメージする。
 ほぼ毎日通っていたその店内は自宅の次にイメージしやすい場所だった。
 正直、メグに作ってやった実家よりもよっぽどイメージしやすい。

「え? 店を作るとおっしゃられているのは……?」

 よく判っていない顔をするイケメンを押しのけて、地面に両手をついた。
 そして《土形成》を発動させて、まずは基礎を固めた。
 本番はここからだ。

 バキバキと盛り上がっていく地面。

 レンガ造りっぽい外壁。
 奥行きのある平屋建て。
 中央にロゴマークが鎮座した平べったい屋根。
 正面はガラス窓で覆われ――。

『警告:世界の禁忌に触れています。』

 ――ると、ノリコさんにボコられるので、泣く泣く普通の土壁にしておいた。
 アブね。
 久しぶりに警告ログ出た。

 あっという間に、目の前にコンビニらしき建造物が出来上がっていた。
 広さは郊外にある、やや大きめのコンビニと言った所だ。
 結構いい出来だと思うのだが。

「…………」

 でも、やっぱりガラス張りじゃないとコンビニっぽくない。
 そろそろガラスを手に入れたい。
 ドアも自動ドアじゃなくて引き戸にしちゃったし。
 その辺りがすげえ悔しい。
 今の俺に出来るのはコンビニっぽいものを作るだけで、本物のコンビニには遠く及ばなかった。
 セブン姉さんの壁は高かった。

「……ごめんな」

 コンビニっぽいものしか作れなかったので、イケメン商人に謝っておいた。

「いやいや! なんで謝られるのですか!? ……と言うより、今魔法で作られたのは、もしかして私共の店なのでしょうか?」

「そうそう。こんな出来の悪いので申し訳ないけど」

「いえ、出来が悪いなんてとんでもございません! これほど立派な大店を一瞬のうちに建てて頂けるなんて……」

「……本当に素晴らしいですわ」

 俺のなんちゃってコンビニを呆然と眺めるイケメンとケイトさん。
 お世辞で言ってる感じではなかった。
 喜んでくれたようなので良かったのだが。

「また風変わりな建物ね。あの中央に書いてあるのは何の印なのかしら?」

 俺の土魔法を黙って見守っていたセレナが、コンビニらしきものの中央に位置するマークを見つめていた。
 そこには大きく書かれた『7』のロゴと、英語で『ELEVEN』の文字。
 こっちの文字ではないのでセレナには読めないのだろう。

 というか、ついついそのまま再現してしまったが。
 あれってアカンやつじゃなかろうか。
 いくら商標登録のない異世界とはいえ、流石に気が引ける。

 どうしよう。
 確かセブン姉さんの名前の由来って、昔は午前7時に開店して、午後11時に閉まってたからだと聞いたことがある。
 とはいえ、そんなのコンビニとは呼べない。
 コンビニとは24時間どんな時でも、たとえ核戦争が起ころうとも閉まらない店のことだ。
 ここは、ゼロトウェンティフォーとでも名付けるか。
 早速ロゴを修正しよう。

「……あ、あの、店を建てて頂いて恐縮ですが、これほどの店のお代はいくらくらいになるのでしょうか?」

 ロゴ修正用の魔力を練っていると、イケメン商人が不安そうな顔で聞いてきた。
 今、集中してんだから話しかけないで欲しい。
 文字を魔法で書くのは難しいのだ。
 フェルさんのネームプレートを作る時に学んだ。

「そんなのいらねえよ。今、集中してんだから話しかけんな」

「ええ!? い、いらないとは……!?」

 集中して、『7』と『ELEVEN』のロゴを消して、『0』と……。
 やべ、トウェンティフォーのスペルわかんね。
 twenty four?
 間違ってたら嫌だからカタカナにしよう。

 そんなわけで、『0』と『トウェンティフォー』のロゴを書いた。
 ついでに、店の裏にイケメンとケイトさん用の家も作っておいた。

「この店の名前はゼロトウェンティフォーにしろ」

「店だけではなく家まで建てて頂いて……その上、名前まで頂けるなんて……うう、ありがとうございます。……あの、本当に全部タダなんですか?」

 感激して涙まで流していたイケメンは最後まで金のことを気にしていた。
 セコい男である。
 金なんて貰っても仕方ないんだって。
 …………。
 そういえば、億レベルの借金があった気がするけど、あれは毎月の給料からちょいちょい支払うし。
 それより、お前の妻を抱かせろよと思う。
 いつかのクソ徴税官のせいでそれも言い辛い。

「ちなみに、ゼロトウェンティフォーの意味は昼でも夜でも、ずっと店を開けるって意味だから。夜中とか大変だろうけどがんばれよ!」

 最後にそう言い残して、セレナの腰を抱いてその場を後にする。
 さっきからずっと我慢しっぱなしだったので、早くパイズリしてもらおうと思う。

「………………あ、あの今なんて?」

 イケメン商人が何か言ってたが、よく聞こえなかった。



 それから数日後。

 リュディアを抱いた後、ふと気になったのでゼロトウェンティフォーの様子を覗いてみた。
 引き戸をガラッと開けて店内に入る。
 うう、自動ドアに電子音がないとコンビニっぽくないのだが。

「あっ、いらっしゃいませ!」

 なんちゃってレジカウンターに立ったケイトさんがにこやかに出迎えてくれた。
 美人な店員さんっていいよね。
 癒される。
 というか、イケメンはどうしたんだろう。

「主人は夜担当なので、今はその、疲れ果てて寝ております……」

 そっかー。
 夫婦で切り盛りしてるんだものな。
 コンビニって大変だなー。
 俺は思い切り他人事のように思った。

 ふとそれじゃあ夫婦の営みが出来ないんじゃないかと思ったのだが、その辺は近いうちにケイトさんを俺が抱けば済む話だ。
 あれ、何の問題もない。

 ゼロトウェンティフォーの店内は、村では収穫できない食料や日用品、薬や酒なども並べられていた。
 エロ本がないのが気になるが、品揃えは結構充実していた。
 どこから仕入れてるのかは知らないけど。
 何よりも店員さんが美人だし。
 これは結構な売り上げが期待できるだろう。

「……それが、はっきり申しますと赤字なんです。先日、ルーナ様がいらして店のものを全部買って頂けましたが、それ以外は全く売れておりません」

 ふむ。
 爆買い中国人観光客みたいなルーナは置いておいて。
 他の村の連中はどうしたんだろう。

「さあ……? 店には足を運んでくださるんですが、何も買っていただけないんです……」

 なんでだろう。
 食料はミレイ農園のを配っているし、最近はダークエルフさんたちが、どこからかマンモスみたいなのを狩ってきてくれるので、その肉を皆にも分け与えている。
 なので、食べ物には困っていないんだろうけど、日用品なんかは普通に不足すると思うのだが。
 俺が以前買った精力剤とかも売られている。
 精力剤は男なら皆欲しがるだろう。
 ちなみに、今、店にある精力剤は全部俺が買い占めるが。

「とりあえず、俺が村の連中になんで買わないのか聞いてきますよ」

「え、そんな……領主様に申し訳ないです」

 恐縮するケイトさんの手をそっととる。
 そして、ついでにそのすべすべの肌をさわさわした。

「俺とケイトさんの仲じゃないですか。気にしないでください」

「…………ど、どんな仲でしたっけ?」

 軽く引いているケイトさんを残して、俺は店を後にした。
 つうか、なんでこんなに美人の店員さんがいる店で買い物しないんだよ!
 あの村の連中は!



「へいへーい! ピッチャーびびってんべー!」

 そんなわけで、真冬だと言うのに外で楽しそうに野球をする村人たちの下にやってきた。
 皆、30代くらいの男たちが、5、6人で村の空き地で野球をやっている。
 いい大人が働きもせず……。
 まあ、人のことは言えないのだが。

 とりあえず、なんでケイトさんの店で買い物をしないのか聞いてみた。

「ああ、あの村外れに出来た店のことだべか? 確かにあそこの姉ちゃんは美人だべや」

 そういえば、思い切り村外れだった。
 あの時はノリと勢いでその場に作ってしまったが、立地がダメな気がしてきた。
 まあ、そんなに広い村じゃないので大丈夫だろう。

「どうせあの姉ちゃんも領主様が食う気なんだべ? おら達にも少しは分けてほしいべ」

「あんな姉ちゃんが嫁になったらよかんべなー」

 いつの間にか村人たちとケイトさんの話題で盛り上がった。

「まあ、ケイトさんはいいよな。スタイルが良い訳でもないが、そこがまた素人っぽくてそそる」

 というか、ケイトさんって人妻なんだけど、誰もイケメンの事を話題にしないのはなぜだろう。
 イケメンは夜担当とか言ってたけど、夜に店に行ったものはいないんだろうか。

「はあ? 領主様、何言ってんだ? 夜は寝るもんだ。店も開いてるわけねえべ」

 夜は寝ないで女を抱くものだと思うのだが。
 誰もゼロトウェンティフォーが24時間営業だって知らなかったらしい。
 つまり、あのイケメンは真夜中に誰も来ない店でポツンと店番している事になる。
 何やってんだ、あいつ。
 ウケる(笑)。
 まあ、それはいいとして。
 今はなんで店で買い物をしないのかが重要なのだ。

「なんでって言われても、おら達金なんか持ってねえべ」

 どうしよう。
 まさかの無一文だった。

「んだんだ。おら達は極貧百姓だべ。昔は、冬に藁で作った草履を街に売りに行って小銭を稼いだりしたもんだけどよ、近頃は食うのがやっとでなあ。この村に来てからは食うのに困ってねえけど」

 なんか泣かせる話をしだしたが、今食うのに困ってなくて、しかも冬なわけだが。

「今、草履作って売りに行けばいいじゃねえか。草履作らねえで何してんだよ」

「「「「「ヤキュ」」」」」

 このダメ人間共が。
 まあ、毎日女を抱いているだけの俺よりは健全な気がするので何も言えないが。
 草履なんて売っても二束三文だろうしなー。
 つうか、どうしよう。
 つまりこの村で金を持っている者がほとんどいないと言うことだろうか。
 ラッセルズも借金取りに追われてたとか言ってたし、ピートは雑魚キャラだし。
 ダークエルフの皆さんは少しは持ってるのかもしれないけど、蛮族とか言われてたくらいだからそこまでではないだろう。
 つまり俺といっぱい溜め込んでそうなセレナくらいしか客になる人間がいない。

 ゼロトウェンティフォー詰んでるじゃん!!

「……つまり、経済が回っていないという事ですね」

 その時、背後から凛とした美声が聞こえてきた。
 聞きなれない女の声だ。
 振り返ってみると、そこには2人の見知らぬ女が立っていた。
 2人とも美人だった。
 制服のようなものをピシッと着こなしたキリッとした美人と、ギャルっぽいメイクをした派手な美女だった。
 ドクンと。
 股間が疼いた。

#############################################
【居住地】
 名称:名も無き村
 人口:約230人。
    コウ、ルーナ、ミレイ、メグ、セレナ、カンナ、フィリス、アン、リュディア、キリア、ダナン、ヴァンダレイ、ピート、カー坊、ソフィ、ダン、ポール、ロビン、マリー、クルガン、ハンス(New!)、ケイト(New!)。
    ラッセルズ(×14)
    ロビンの村の住人(×100)。
    竜騎士(×100)。
    フェルナノーグ。
    ※カレリアと数名のメイド、グラードは森の城に住んでいるため、計上せず。
 戦力:竜騎士100名、フェルナノーグ(戦略破壊兵器)
 農業:ミレイ農園(様々な野菜の収穫が短時間で可能)
    ラッセルきのこ園(なんかキノコ作ってる)
 商業:コンビニ(New!)
 治安:なし
 レジャー施設:公衆温泉
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