ちょいクズ社畜の異世界ハーレム建国記

油揚メテオ

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第五章 領地発展編

第152話 ルーナの病 ①

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 朝、目が覚めるとルーナの様子がおかしかった。

「はあ……はあ……うーん……」

 なんか顔が赤くて、呼吸が荒い。
 綺麗な金髪が汗で張り付き、うなされている。

 なんというか、最中みたいな感じだ。
 ただ添い寝をしていただけなのだが。
 エロい夢でも見ているのだろうか。

「おい、起きろ。ルーナ!」

 とりあえず起こそうと思って、その頬に触れて驚いた。

「熱っ!」

 かなりの高熱だった。
 どどどどどどうしよう。
 ルーナは感じているのではなく、熱にうなされているらしい。
 そうだ。
 回復魔法。
 ちょっと痛いけど仕方ない。

(もう無理をしてはいけませんよ!)

 思わず回復魔法を発動させようとした所で、脳裏に怒ったカンナさんの顔が浮かんだ。
 そうだよ、カンナさんを呼んでくれば良いんだ。

「ルーナ、ちょっと待ってろ。今、カンナさんを連れてくるからな!」

 ベッドから跳ね起きて、そう声をかけると、ルーナの美乳がぷるんと揺れた。
 熱があるのに、なんでこいつ裸なんだよ。
 まあ、脱がせたのは私ですが。

「う、うーん……」

 ルーナが悩ましげな声を上げる。
 うーむ。
 熱のせいか、火照っていて良い乳だ。
 ――はっ、いつの間にか乳を揉んでいた。
 こんな事をしている場合ではない。
 とりあえず、タンスから暖かそうな服を出して、ルーナに着せて、家を飛び出した。


「……多分、ただの風邪だと思いますが」

 早朝だと言うのに、カンナさんはすぐに来てくれた。
 ルーナに回復魔法をかけながらそんな診断をしてくれる。

「まあ、最近寒いですからね。ちゃんと暖かくしておかないと、すぐに風邪を引いてしまいますよ」

 ほう。
 そういえば、昨日、リュディアを犯している間、こいつずっと家で全裸待機してたな。

(……もう、待ちくたびれちゃったぞ。……早く抱いて欲しいな?)

 家に帰ると、全裸のルーナがそんな事を言って俺を誘惑した。
 辛抱たまらなくて、そのまま居間で抱きまくったのだが。

「…………」

 そのせいだろうか。
 よく考えれば、真冬にそんなことをしてれば風邪引くわという気がしてきた。
 ちゃんと暖炉に火は入っていたけど。

「夜もちゃんと温かいお風呂に入ったら、すぐにお布団に入らないとダメですよ?」

 風呂場で2回、ベッドで5回はしただろうか。
 その間、ルーナはずっと全裸だった。
 というか、俺毎日何回ルーナに中出ししてんだよ。
 ちょっと引きますわー。
 そんな自分が嫌いではないので、今後もルーナを抱き続けるが。

「う、うーん……コウ?」

 そんな時、ルーナの目が薄く開いた。

「ルーナ!? 大丈夫か!?」

「う、うん。ちょっと頭がぼーっとして、喉がいがいがして、鼻が詰まってるけど……」

 ルーナは目をうるうるさせながら、苦しそうにしている。

「えええ!? だ、大丈夫なのかソレ!? カンナさん、これってヤバイ症状ですよね?」

 まじかよ。
 変な病気だったらどうしよう。

「……いえ、典型的な風邪の症状だと思いますが」

 カンナさんがそんな呑気な事を言っているが、最初は風邪だと思ってたのに……なんて展開はよくあることだ。
 ルーナに何かあったら大変じゃん!!

「と、とにかく回復魔法をお願いします!」

「……回復魔法は怪我とかには有効なんですけど、病気の根治まではできないです。こうして、一時的に体力の回復は出来ますけどね」

 そう言いながら、カンナさんはぽわわーっと回復魔法をかけてくれる。
 まじかよ。
 回復魔法も万能じゃないのか。
 この世界は医者いらずだと思っていたのに。

「物凄く高位の回復魔法ならなんでも直せるらしいですが、私には使えません」

 カンナさんが申し訳なさそうに言った。
 ふーむ。

「じゃあ、病気ってどうやって治せば良いんですか?」

「錬金術師に薬を処方してもらうか、安静に休んでるしかないですね。ルーナお嬢様の症状なら、安静にしていれば大丈夫だと思いますよ」

 カンナさんはそんな事を言うが。

「う、うーん。コウ……はあ、はあ」

 ルーナは苦しそうにしながら、俺を見つめてくる。
 これ絶対に安静にしてるだけじゃダメだって。
 今すぐなんとかしなくちゃ!

「……錬金術師の知り合いっていませんか?」

 セレナ率いるビックリ人間大集合みたいな連中の中に錬金術師はいないだろうかと思った。
 庭師の骸骨とかコックの幽霊とか、セレナのとこは人材? が豊富だ。

「うーん、うちにはいませんねえ。アンデッドに薬なんていりませんから。……コウくんが連れてきた新しい村の人間たちの中にいるんじゃないですか? 錬金術師は最も裾野の広い生産魔法です。あの程度の村にも錬金術師くらいいると思いますよ?」

 ロビンジジイ達の事だろうか。
 今まで錬金術師なんて見たこと無いが、探してみればいるのかもしれない。
 ルーナを治すためだ。
 ダメ元でも探してみるか。

「ちょっと錬金術師探しに行ってきます」

「うーん、本当に安静にしているだけで明日には治ると思いますけどね……。コウくんも結構、ルーナお嬢様にべた惚れですよね」

「は、はあ!? そそそんなことないですけど!!」

 人が困っている時は、助けるのは当然じゃないか。
 カンナさん何言っちゃってんの。
 …………。
 じゃあ、仮にピートが熱出して唸ってたらどうするんだと想像してみた、
 鼻で笑ってお終いである。
 い、いやでも、ルーナは美女枠だし。
 雑魚キャラと一緒にしてはいけない。
 まあ、そんなことより。

「錬金術師を探している間、ルーナのことお願いしてもいいですか?」

 看病に定評のあるカンナさんだ。
 安心してルーナを預けておける。

「……えー。また看病ですか? これでも結構忙しいんですよ、私」

 カンナさんは思い切り不満そうな顔をしている。
 そんな!?
 ルーナがこんなに苦しんでいるのに!?

「そこをなんとか!」

「うーん、今度、丸一日お姉ちゃんの言うことを聞いてくれるなら……」

「お安い御用ですよ!!」

 カンナさんの言うことを聞くなんてむしろご褒美だ。
 一日中、股をペロペロさせられたとしても全然苦じゃない。

「言いましたね!? もう取り消せませんよ? ……ふふふ……おしめ……おしゃぶり……授乳……じゅるり」

 カンナさんが妖艶な笑みを浮かべる。
 なんか不穏な言葉を聞いた気がしたが、気のせいだと思いたい。
 まあ、ルーナのことはカンナさんに任せておけば大丈夫だろう。

「じゃあ、ちょっと錬金術師を探しに行ってくるから、大人しく寝ていろよ?」

 ルーナの顔を覗き込みながら言った。
 ルーナは汗ばんだ真っ赤な顔で俺を見つめる。

「……行っちゃうの? ……そばにいて欲しいな」

 弱々しい言葉で目を潤ませるルーナ。
 思いきり後ろ髪を引かれた。
 どうしよう、かわいい。

「すぐに帰ってくるから」

 そう言って、ルーナの額に軽くキスをした。
 唇で額が熱くなっているのを感じる。
 一刻も早く直してやらねば。
 そう決意すると、俺は家を後にした。
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