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第四章 竜騎士編
第143話 アン姉の正体
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いざ、ホテルから出かけようとした時、昨日王様から届けられた1億円をどうするかという話になった。
紙幣ではなく、貨幣の1億円は結構な重さがある。
金貨が1000枚もあるのだ。
さすがに大金を置いて、全員で出かけるのはどうかと思った。
「私に任せて下さい! こんな時のための筋肉ですよ!」
フィリスがそんな頼もしいことを言って、金貨の詰まったデカい宝箱をヒョイッと持ち上げた。
そりゃ、フィリスならそれくらい軽く持てるのは判っているのだが。
ただ小柄なフィリスが巨大な宝箱を持ち上げている様は、なんというかシュールで。
私は人間じゃありませんと公言しているようなものだった。
せっかく可愛らしいワンピースを着て、人間の振りをしているのが台無しだ。
なので、袋に小分けにして全員でちょっとずつ持っていくことにした。
というか分け合った分をそれぞれのお小遣いにしようと思う。
「……小分けにしたって結構な大金ですよね。も、もしも落としちゃったら……」
金貨の詰まった袋を受け取ったミレイがガタガタと震えていた。
気持ちは判る。
「しっかり持ってれば、だいじょうぶですよ! ――あっ」
そう言って、気楽に笑っていたメグが早速金貨袋を落とす。
おい。
「……うう、情けないです。コウ様のお役に立てませんでした。筋肉だけが私の取り柄なのに! 私から筋肉を取ったら、一体何が残るって言うんですか!?」
フィリスが悔しそうに、へたり込んで床をだんだん叩いていた。
そのセリフは、ソフィさんの旦那に言えよと思うのだが。
「筋肉なんてなくったって、フィリスはこんなに可愛いじゃないか」
とりあえず、そう言ってフィリスを慰めてみた。
「……はう。コウ様……」
フィリスは感動したように俺を見上げる。
「な、なんでそんな思わせぶりなことばかり言うんですか!? そんなこと言うなら……」
そう言って、フィリスは両手をギュッと握った。
なんだろう。
なんか嫌な予感がする。
「早く私をコウ様の一日便器とかにしてくださいよっ! はあはあ」
フィリスの目は完全にイッていた。
一日便器ってなんだよ。
「……フィリス? さすがにちょっと最近お下品よ? あんまりそんな事ばかり言っているとお仕置きするわよ?」
さすがに引いたセレナが青筋を立てながら、笑顔を浮かべる。
怖いから。
「ああっ! ごめんなさい、セレナお嬢様! そ、それだけは嫌です! 無限回廊に閉じ込めるのだけは勘弁して下さい!」
真祖のお仕置きが必殺技みたいで、物凄く気になった。
そんなこんなで、よく晴れ渡った冬の青空の下、カンナさんと手を繋ぎながら王都を歩く。
カンナさんのもう一方の手には、アンがしがみついていた。
「ふふ、こうしていると、姉弟というよりも子連れの夫婦ですね」
カンナさんはすこぶる上機嫌だった。
「……はは、まあ」
とりあえず、そんな曖昧な事を言っておいた。
確かにそこだけ見れば、仲の良い親子にしか見えないかもしれないが。
「おい! 何が、まあ、だ! お前と夫婦なのは私だぞ! ひ、ひどい」
俺のもう一方の手に全身でしがみつくルーナの存在が、俺たちの関係性をややこしくしていた。
「もう絶対に離れない! 離れてやらないからな!! うう、ぐすっ」
泣きべそをかきながら、ルーナが更にぎゅっとしがみついてくる。
そんなルーナをズルズルと引きずりながら、街を歩いた。
歩きずれえな。
「ちゃんと自分の足で歩きなさいよ、馬鹿娘。危ないでしょう!? ……というか、そろそろ私と代わりなさい!?」
そんな俺たちにピタッとくっつくようにセレナが付いてくる。
「……うう、カンナ姉様だけずるいです」
セレナの後ろにはフィリスが。
「まったく! コウさまったら、いつになっても抱いてくれないんですよ!」
「……メグさん、若いんだからもっと自分を大切にした方がいいですよ。一回でも抱かれたら、抜け出せなくなりますよ、アレ……」
その更に後ろからはぷんすか怒ったメグと、青ざめたミレイが付いてくる。
何やら失礼な事を言っているミレイは、後でエロいお仕置きをする。
というか、なんだかんだ言って全員ついてきていた。
お買い物に行かなくていいのだろうか。
「……どうせなら、コウさんに似合う服を選んで欲しいので」
ミレイが照れながら可愛いことを言っていた。
俺に選ばせたら、素っ裸の方がまだマシと思うような服しか買えないけどいいのだろうか。
俺たちがやってきたのは、大邸宅だった。
広大な庭に、巨大な白い住居。
どんな億万長者が住んでんだよと思ってしまう。
こんな家にヴァンダレイジジイの孫が住んでいるとは思えないのだが。
うちの近所の元廃屋に住んでいるヴァンダレイジジイは、どちらかというと貧乏だと思うんだ。
「……ホントにここであってるんですか?」
大邸宅の巨大な鉄格子の門の前で、不安に駆られてカンナさんに聞いてみた。
門の前には、立派な鎧を着た守衛さんがきっちりガードしていた。
「ええ。あってますよ。ちゃんと表札にもシュバインベルクって書いてありますし。……高級住宅地の中でも一際立派なお屋敷なので、コウくんの気持ちもわかりますけど」
カンナさんがそう言うので間違いはなさそうだ。
というか、シュバインベルクってどっかで聞いたことがあるような気がする。
どこだったかな。
まあ、ヴァンダレイジジイの名字だからだろうけど。
ジジイの名字なんて綺麗サッパリ忘れていたと思うのだが。
そんなわけで、俺たちは思っていたよりもずっと立派なアン姉宅前でオドオドしていた。
その様は明らかに不審者だったので、門をガードする守衛さんにギロリと睨まれてしまう。
もう帰っちゃうおうかな、と思った。
そんな中、アンは鉄格子の柵に小さな顔を突っ込んでじっと中を覗いていた。
「あっ! おねいちゃん!」
アンが嬉しそうな声を上げると、大邸宅の庭を散策していた一人の女性がこちらを振り向く。
その女性との距離は100メートル程だった。
ぼんやりとしか姿は見えないが。
俺にはわかる。
アレはかなりの美女だ。
あの女性がアンの姉なんだろうか。
これは期待以上の姉妹丼になりそうだぜ……!!
俺は思わず涎をすすった。
「おねいちゃーん!」
アンはそのまま門を開けて中に入っていく。
「あっ、こら!!」
守衛さんが慌てている。
「危ないぞ、アン!」
このままではアンがSP的な人に撃たれてしまうと思ったので、俺も慌ててアンの後を追う。
たったと走るアンに続いて、大邸宅の中を走る。
それにしても広い庭だった。
次第にアン姉の輪郭がはっきりしてくる。
アンと同じ紺色の髪を背中にかかるくらい伸ばした美人だった。
スラリとした良いカラダをしている。
というか、その女性はどう見ても。
ゼ、ゼゼゼ、ゼービアさんだ!!
あれは間違いなく俺のゼービアさんだ!!!
なんということだ。
アンの姉はゼービアさんだったのだ。
俺は運命を感じた。
もう抱いてやるしかない。
「わーい、おねいちゃんだー!」
アンがゼービアさんのスカートに抱きつく。
今日のゼービアさんは青いスカートに白いシャツを着ていた。
普通の女子の普段着と言った感じだ。
鎧女子のゼービアさんの普段着にはギャップ萌え補正が発生する。
昨日のドレスも良かったが、今日は今日で押し倒したくなる。
「アンじゃない!? どうしたの? 一人で来たの? お祖父様も一緒なの?」
「ううん、お兄ちゃんにつれてきてもらったの!」
アンの言葉にゼービアさんが俺を見る。
その瞬間、その顔がボンッと沸騰したように赤くなった。
「あ、あああああ、アサギリ卿!? なんで!? え、えええ!? やだ、私こんな格好で!! いやあああ!」
ゼービアさんはそのまま両手で自身を覆い隠すようにしてしゃがみ込んでしまう。
うーん。
この芳しい処女臭。
というか、全然恥ずかしがるような格好ではないのだが。
乳丸出し裸エプロンルーナを見せてやりたい。
しばらくして、俺たちは邸内に案内された。
広い応接間に案内されて、お年を召したメイドさんにお茶を出してもらった。
お茶を飲みながら、俺は世界のミステリーに思いを馳せていた。
アンの姉が、ゼービアさんだった。
それはわかる。
二人とも整った顔立ちをしている。
歳が離れているが、姉妹なのだろう。
でも、ということは。
ゼービアさんの祖父がヴァンダレイジジイという事になってしまう。
それは全然わからない!
あのサイコパスジジイとゼービアさんの共通点が一個もない。
種族だって、人間であるゼービアさんと妖怪であるジジイは別種族だ。
え、どゆこと???
ミステリーにも程がある。
このままでは、ヴァンダレイジジイをお祖父様と呼ばなくてはいけなくなってしまう。
ゼービアさんが俺のものになるのはほぼ確定なので、仕方ないのだが。
「……ハ、ハイランダー! ちょっとお話が」
いつの間にか、よそ行きの衣装に着替えたゼービアさんに声をかけられた。
ほのかに化粧までキメている。
俺たちを応接間に案内するなり慌ててどこかに行ってしまったが、着替えていたらしい。
格好を気にするくらいなら、裸でいいのに。
ゼービアさんに部屋の隅まで連れてこられた。
「……ちょっとどういうこと!? なんであなたとアンが一緒にいるのよ?」
ゼービアさんに小声でそんなことを聞かれた。
自然と顔が近くなるので、テンションが上がる。
「アンはうちの近所に住んでるんですよ。今回、俺が王都に呼ばれたので、アンもお姉さんに会いたいってついてきたんです」
「……え、ちょっと待って。もしかしてあなたがお祖父様の言ってた騎士なの? お祖父様が引退された時に、私の所に来ないで、どうしても根性を叩き直さなきゃならん、クソ騎士がおるとか言って出て行っちゃったんだけど……」
あのクソジジイ。
俺の根性を叩き直す前に、まず自分の凶状を治せよと思うのだが。
というか。
「一応聞きますけど、ゼービアさんが言ってるお祖父様ってもしかして、ヴァンダレイジジイのことですか?」
「え、ええ。確かにヴァンダレイは私の祖父だけど。ジジイって……」
マジらしい。
この世界には不思議が溢れている。
さすが異世界。
ゼービアさんが言う以上、その事実を受け入れるしか無いのだが。
それにしてもショックだわ。
ちょっと立ち直れないくらいショックだわ。
そんな時、俺より少し身長の低いゼービアさんの服から、僅かに胸の谷間が覗ける事に気づいた。
ゼービアさんの乳は決して大きくはないが、谷間ができるくらいはあるらしい。
その谷間を形成する2つのなめらかな曲線は、ジジイショックに動揺する俺の心を慰撫してくれた。
いや、どうせなら触りたい。
むしろ揉みたい。
そんな事とても口には出せないが。
「……ところで、おっぱい触らせてもらってもいいですか?」
いや、口に出ていた。
ええええ!?
何いってんの、俺。
さすがに引くわ。
嫌いじゃないけど。
「は、はあああ!? いきなり何いってんのよ!? なんで急におっ……胸の話になるわけ!?」
ゼービアさんは真赤になりながら、自分の胸を両手で隠す。
確かに何の脈絡もなかったので、至極まっとうなツッコミだった。
そりゃそうなのだが、おっぱいが目に入ってしまったので仕方ないのだ。
目に入ったから触りたくなるって、ちょっと自分でも何かのヤバイ病気なんじゃないかと思うけど。
「本当に信じられないくらいスケベよね!? ……こんな男勝りな私の胸に、なんでそんなに興味があるのよ……」
ゼービアさんの声は徐々に尻窄みに小さくなっていく。
男勝り?
普段鎧を着ている事を言っているのだろうか。
鎧女子愛好家の俺に対して喧嘩を売っているのか!
「俺はゼービアさんの鎧姿が大好きですよ!」
とりあえず、魂から叫んでみた。
すぐさま、真っ赤になったゼービアさんからしゅーっと湯気が出る。
「……ちょっと、いきなり何言ってんのよ!? す、好きって、そんな……こ、困るわよ」
途端にしおらしくなったゼービアさんがモジモジしていた。
いや、俺が好きなのは鎧コスプレなのだが。
なんか勘違いさせちゃっただろうか。
「…………ちょ、ちょっとだけ触ってみる?」
ボソッとゼービアは言った。
「どこを?」
「………………わ、私の胸」
ついに言いおった!!
合意だ!
これは紛れもない合意だ!!!
「じゃあ、早速」
おもむろにゼービアさんの乳に手を伸ばす。
「い、一回だけ! 一回だけだからね?」
ゼービアさんは真赤になりながら、そんな事を言って身を強張らせていた。
さすが処女。
とはいえ、面白い事を言う。
つまり一撃で決めろと言うことだろうか。
一回揉んだだけで、アヘらせて潮を吹かせないとそれ以上の事はさせてくれないっぽい。
普通に考えたら、そんなことは物理的に不可能なのだが。
異世界に来て、順調にレベルアップした俺の力を見くびるなよ!?
性技を房中術に進化させた今の俺なら――。
そんなわけで、利き手の右手に、俺の全てを込める。
右手には魔力ならぬ、精力がぐんぐんと集中していった。
それはどす黒く禍々しいオーラが可視化しそうな勢いだった。
俺の右手が真っ黒に燃える!
「ね、ねえ、なんかあなたの手おかしくない? すごく嫌な予感がするんだけど」
さすが女だてらに近衛騎士団長を務めるゼービアさんだ。
どす黒いエロオーラに気づいたらしい。
「ちょっとゼービアさんへの想いを込めてみました」
「……わ、私への想いって……そんなに、私の事……」
ゼービアさんは恥ずかしそうにうつむく。
可愛い。
そんなゼービアさんの乳を真っ黒な右手が揉んだ。
むにゅっと素敵な感触がする。
ロケット型と見た。
「あうっ! あ、熱い! な、なにこれ……じんじんって、あ、あああ!」
ゼービアさんがビクビクっと震えた。
太ももをもじもじと擦りあわせ、崩れ落ちそうになるのを咄嗟に支えた。
その全身からは汗が吹き出し、むわっと女の匂いが立ち込める。
ふふふ。
もう少しだ。
さあ、俺にアヘ顔を見せるんだ。
その時だった。
「あ、こんなところにいたー! おねいちゃん、みっけ!!」
絶賛秘め事中の俺たちの前に、天真爛漫な笑顔を浮かべたアンがやってきた。
その純真無垢な瞳に見つめられて、思わずゼービアさんの乳から手を離してしまう。
「……あ、アン? ……ちょっと、待っててね。おねいちゃん、今……」
快楽に歪ませた瞳で、ゼービアさんが口を開く。
その頬には髪が汗で張りついていて、エロかった。
早くアンを追っ払って続きをしようと思う。
多分、俺の一撃は成功している。
「なんかねー、他のお姉ちゃんたちが、おねいちゃんにあいさつしたいっていってるよ!」
アンがそんな事を言うので、思わず部屋の中央に目を向けた。
そこには、ルーナやセレナ達がテーブルに座って俺をギロリと睨んでいた。
……そういえば、皆さんいましたな。
「え? あ、ああ。……そういえばあの女性の方々はどなたなの?」
俺と同じくルーナたちに目を向けたゼービアさんがそんな事を聞く。
なんて答えようか迷っていると。
「あのお姉ちゃんたちはね。みんなお兄ちゃんのオンナだよ!」
「…………」
「…………」
アンの何気ない一言に俺とゼービアさんは押し黙った。
つうか、オンナて。
そんな言葉どこで覚えたんだ。
「え? だってお兄ちゃんよくカービン君にいってるよ。おれのオンナにエロい目をむけるなって」
……あのクソガキ。
この場にいないのに俺の邪魔をするとか。
「え? オンナ? あんな綺麗な人達がみんな? そういえば、あのエルフ、謁見の間にいた……アサギリ卿の妻だって……え、妻がいるのに、なんで私の事……」
ゼービアさんが酷く動揺している。
どうしよう。
多分、悪い方向に行っている。
こんな時どうすればいいのかわからない。
とりあえず。
「いい乳でしたよ!」
そう言って、親指を立ててみた。
即座にビンタされた。
ひどい。
「スケベスケベ! 最っ低! 女の敵! あなたなんて大嫌いよっ!!」
ええ!?
なんか嫌われた!?
「もう帰って! アンは今夜うちに泊めるからっ!!」
涙ぐんですらいるゼービアさんに追い出されてしまった。
「そんな……処女をくれるんじゃ……?」
「な、なっ!? あなたなんかにあげるわけないでしょ! ばかーーー!」
顔を真赤にしたゼービアさんに再びビンタされた。
この俺が2回もビンタされた……だと……!?
冷静に考えると当たり前な気がした。
「……ごめんなさい、お兄ちゃん。……わたしいけないことした?」
見送りに来てくれたアンがしょんぼりしていた。
アンは全く悪くないので、しゃがみ込んでアンに目線を合わせる。
「気にするな。明日になったら迎えに来るから、今日はおねいちゃんにいっぱい甘えろ。……おねいちゃんに会えて良かったな」
そう言って、頭を撫でるとアンは嬉しそうな笑顔を浮かべた。
「うん! つれてきてくれて、ありがとう、お兄ちゃん!」
そんな事を言って笑うアンは可愛かった。
「……あとおねいちゃんには、俺が普段ルーナたちにしている事は言っちゃダメだぞ? ほら、アメやるから」
プロである俺は買収も忘れない。
「わかった!」
アンはあっさり頷いてくれた。
メグのようなボンバーマンにならない事をただ願った。
そして、帰ったらカー坊を殴ろうと思った。
紙幣ではなく、貨幣の1億円は結構な重さがある。
金貨が1000枚もあるのだ。
さすがに大金を置いて、全員で出かけるのはどうかと思った。
「私に任せて下さい! こんな時のための筋肉ですよ!」
フィリスがそんな頼もしいことを言って、金貨の詰まったデカい宝箱をヒョイッと持ち上げた。
そりゃ、フィリスならそれくらい軽く持てるのは判っているのだが。
ただ小柄なフィリスが巨大な宝箱を持ち上げている様は、なんというかシュールで。
私は人間じゃありませんと公言しているようなものだった。
せっかく可愛らしいワンピースを着て、人間の振りをしているのが台無しだ。
なので、袋に小分けにして全員でちょっとずつ持っていくことにした。
というか分け合った分をそれぞれのお小遣いにしようと思う。
「……小分けにしたって結構な大金ですよね。も、もしも落としちゃったら……」
金貨の詰まった袋を受け取ったミレイがガタガタと震えていた。
気持ちは判る。
「しっかり持ってれば、だいじょうぶですよ! ――あっ」
そう言って、気楽に笑っていたメグが早速金貨袋を落とす。
おい。
「……うう、情けないです。コウ様のお役に立てませんでした。筋肉だけが私の取り柄なのに! 私から筋肉を取ったら、一体何が残るって言うんですか!?」
フィリスが悔しそうに、へたり込んで床をだんだん叩いていた。
そのセリフは、ソフィさんの旦那に言えよと思うのだが。
「筋肉なんてなくったって、フィリスはこんなに可愛いじゃないか」
とりあえず、そう言ってフィリスを慰めてみた。
「……はう。コウ様……」
フィリスは感動したように俺を見上げる。
「な、なんでそんな思わせぶりなことばかり言うんですか!? そんなこと言うなら……」
そう言って、フィリスは両手をギュッと握った。
なんだろう。
なんか嫌な予感がする。
「早く私をコウ様の一日便器とかにしてくださいよっ! はあはあ」
フィリスの目は完全にイッていた。
一日便器ってなんだよ。
「……フィリス? さすがにちょっと最近お下品よ? あんまりそんな事ばかり言っているとお仕置きするわよ?」
さすがに引いたセレナが青筋を立てながら、笑顔を浮かべる。
怖いから。
「ああっ! ごめんなさい、セレナお嬢様! そ、それだけは嫌です! 無限回廊に閉じ込めるのだけは勘弁して下さい!」
真祖のお仕置きが必殺技みたいで、物凄く気になった。
そんなこんなで、よく晴れ渡った冬の青空の下、カンナさんと手を繋ぎながら王都を歩く。
カンナさんのもう一方の手には、アンがしがみついていた。
「ふふ、こうしていると、姉弟というよりも子連れの夫婦ですね」
カンナさんはすこぶる上機嫌だった。
「……はは、まあ」
とりあえず、そんな曖昧な事を言っておいた。
確かにそこだけ見れば、仲の良い親子にしか見えないかもしれないが。
「おい! 何が、まあ、だ! お前と夫婦なのは私だぞ! ひ、ひどい」
俺のもう一方の手に全身でしがみつくルーナの存在が、俺たちの関係性をややこしくしていた。
「もう絶対に離れない! 離れてやらないからな!! うう、ぐすっ」
泣きべそをかきながら、ルーナが更にぎゅっとしがみついてくる。
そんなルーナをズルズルと引きずりながら、街を歩いた。
歩きずれえな。
「ちゃんと自分の足で歩きなさいよ、馬鹿娘。危ないでしょう!? ……というか、そろそろ私と代わりなさい!?」
そんな俺たちにピタッとくっつくようにセレナが付いてくる。
「……うう、カンナ姉様だけずるいです」
セレナの後ろにはフィリスが。
「まったく! コウさまったら、いつになっても抱いてくれないんですよ!」
「……メグさん、若いんだからもっと自分を大切にした方がいいですよ。一回でも抱かれたら、抜け出せなくなりますよ、アレ……」
その更に後ろからはぷんすか怒ったメグと、青ざめたミレイが付いてくる。
何やら失礼な事を言っているミレイは、後でエロいお仕置きをする。
というか、なんだかんだ言って全員ついてきていた。
お買い物に行かなくていいのだろうか。
「……どうせなら、コウさんに似合う服を選んで欲しいので」
ミレイが照れながら可愛いことを言っていた。
俺に選ばせたら、素っ裸の方がまだマシと思うような服しか買えないけどいいのだろうか。
俺たちがやってきたのは、大邸宅だった。
広大な庭に、巨大な白い住居。
どんな億万長者が住んでんだよと思ってしまう。
こんな家にヴァンダレイジジイの孫が住んでいるとは思えないのだが。
うちの近所の元廃屋に住んでいるヴァンダレイジジイは、どちらかというと貧乏だと思うんだ。
「……ホントにここであってるんですか?」
大邸宅の巨大な鉄格子の門の前で、不安に駆られてカンナさんに聞いてみた。
門の前には、立派な鎧を着た守衛さんがきっちりガードしていた。
「ええ。あってますよ。ちゃんと表札にもシュバインベルクって書いてありますし。……高級住宅地の中でも一際立派なお屋敷なので、コウくんの気持ちもわかりますけど」
カンナさんがそう言うので間違いはなさそうだ。
というか、シュバインベルクってどっかで聞いたことがあるような気がする。
どこだったかな。
まあ、ヴァンダレイジジイの名字だからだろうけど。
ジジイの名字なんて綺麗サッパリ忘れていたと思うのだが。
そんなわけで、俺たちは思っていたよりもずっと立派なアン姉宅前でオドオドしていた。
その様は明らかに不審者だったので、門をガードする守衛さんにギロリと睨まれてしまう。
もう帰っちゃうおうかな、と思った。
そんな中、アンは鉄格子の柵に小さな顔を突っ込んでじっと中を覗いていた。
「あっ! おねいちゃん!」
アンが嬉しそうな声を上げると、大邸宅の庭を散策していた一人の女性がこちらを振り向く。
その女性との距離は100メートル程だった。
ぼんやりとしか姿は見えないが。
俺にはわかる。
アレはかなりの美女だ。
あの女性がアンの姉なんだろうか。
これは期待以上の姉妹丼になりそうだぜ……!!
俺は思わず涎をすすった。
「おねいちゃーん!」
アンはそのまま門を開けて中に入っていく。
「あっ、こら!!」
守衛さんが慌てている。
「危ないぞ、アン!」
このままではアンがSP的な人に撃たれてしまうと思ったので、俺も慌ててアンの後を追う。
たったと走るアンに続いて、大邸宅の中を走る。
それにしても広い庭だった。
次第にアン姉の輪郭がはっきりしてくる。
アンと同じ紺色の髪を背中にかかるくらい伸ばした美人だった。
スラリとした良いカラダをしている。
というか、その女性はどう見ても。
ゼ、ゼゼゼ、ゼービアさんだ!!
あれは間違いなく俺のゼービアさんだ!!!
なんということだ。
アンの姉はゼービアさんだったのだ。
俺は運命を感じた。
もう抱いてやるしかない。
「わーい、おねいちゃんだー!」
アンがゼービアさんのスカートに抱きつく。
今日のゼービアさんは青いスカートに白いシャツを着ていた。
普通の女子の普段着と言った感じだ。
鎧女子のゼービアさんの普段着にはギャップ萌え補正が発生する。
昨日のドレスも良かったが、今日は今日で押し倒したくなる。
「アンじゃない!? どうしたの? 一人で来たの? お祖父様も一緒なの?」
「ううん、お兄ちゃんにつれてきてもらったの!」
アンの言葉にゼービアさんが俺を見る。
その瞬間、その顔がボンッと沸騰したように赤くなった。
「あ、あああああ、アサギリ卿!? なんで!? え、えええ!? やだ、私こんな格好で!! いやあああ!」
ゼービアさんはそのまま両手で自身を覆い隠すようにしてしゃがみ込んでしまう。
うーん。
この芳しい処女臭。
というか、全然恥ずかしがるような格好ではないのだが。
乳丸出し裸エプロンルーナを見せてやりたい。
しばらくして、俺たちは邸内に案内された。
広い応接間に案内されて、お年を召したメイドさんにお茶を出してもらった。
お茶を飲みながら、俺は世界のミステリーに思いを馳せていた。
アンの姉が、ゼービアさんだった。
それはわかる。
二人とも整った顔立ちをしている。
歳が離れているが、姉妹なのだろう。
でも、ということは。
ゼービアさんの祖父がヴァンダレイジジイという事になってしまう。
それは全然わからない!
あのサイコパスジジイとゼービアさんの共通点が一個もない。
種族だって、人間であるゼービアさんと妖怪であるジジイは別種族だ。
え、どゆこと???
ミステリーにも程がある。
このままでは、ヴァンダレイジジイをお祖父様と呼ばなくてはいけなくなってしまう。
ゼービアさんが俺のものになるのはほぼ確定なので、仕方ないのだが。
「……ハ、ハイランダー! ちょっとお話が」
いつの間にか、よそ行きの衣装に着替えたゼービアさんに声をかけられた。
ほのかに化粧までキメている。
俺たちを応接間に案内するなり慌ててどこかに行ってしまったが、着替えていたらしい。
格好を気にするくらいなら、裸でいいのに。
ゼービアさんに部屋の隅まで連れてこられた。
「……ちょっとどういうこと!? なんであなたとアンが一緒にいるのよ?」
ゼービアさんに小声でそんなことを聞かれた。
自然と顔が近くなるので、テンションが上がる。
「アンはうちの近所に住んでるんですよ。今回、俺が王都に呼ばれたので、アンもお姉さんに会いたいってついてきたんです」
「……え、ちょっと待って。もしかしてあなたがお祖父様の言ってた騎士なの? お祖父様が引退された時に、私の所に来ないで、どうしても根性を叩き直さなきゃならん、クソ騎士がおるとか言って出て行っちゃったんだけど……」
あのクソジジイ。
俺の根性を叩き直す前に、まず自分の凶状を治せよと思うのだが。
というか。
「一応聞きますけど、ゼービアさんが言ってるお祖父様ってもしかして、ヴァンダレイジジイのことですか?」
「え、ええ。確かにヴァンダレイは私の祖父だけど。ジジイって……」
マジらしい。
この世界には不思議が溢れている。
さすが異世界。
ゼービアさんが言う以上、その事実を受け入れるしか無いのだが。
それにしてもショックだわ。
ちょっと立ち直れないくらいショックだわ。
そんな時、俺より少し身長の低いゼービアさんの服から、僅かに胸の谷間が覗ける事に気づいた。
ゼービアさんの乳は決して大きくはないが、谷間ができるくらいはあるらしい。
その谷間を形成する2つのなめらかな曲線は、ジジイショックに動揺する俺の心を慰撫してくれた。
いや、どうせなら触りたい。
むしろ揉みたい。
そんな事とても口には出せないが。
「……ところで、おっぱい触らせてもらってもいいですか?」
いや、口に出ていた。
ええええ!?
何いってんの、俺。
さすがに引くわ。
嫌いじゃないけど。
「は、はあああ!? いきなり何いってんのよ!? なんで急におっ……胸の話になるわけ!?」
ゼービアさんは真赤になりながら、自分の胸を両手で隠す。
確かに何の脈絡もなかったので、至極まっとうなツッコミだった。
そりゃそうなのだが、おっぱいが目に入ってしまったので仕方ないのだ。
目に入ったから触りたくなるって、ちょっと自分でも何かのヤバイ病気なんじゃないかと思うけど。
「本当に信じられないくらいスケベよね!? ……こんな男勝りな私の胸に、なんでそんなに興味があるのよ……」
ゼービアさんの声は徐々に尻窄みに小さくなっていく。
男勝り?
普段鎧を着ている事を言っているのだろうか。
鎧女子愛好家の俺に対して喧嘩を売っているのか!
「俺はゼービアさんの鎧姿が大好きですよ!」
とりあえず、魂から叫んでみた。
すぐさま、真っ赤になったゼービアさんからしゅーっと湯気が出る。
「……ちょっと、いきなり何言ってんのよ!? す、好きって、そんな……こ、困るわよ」
途端にしおらしくなったゼービアさんがモジモジしていた。
いや、俺が好きなのは鎧コスプレなのだが。
なんか勘違いさせちゃっただろうか。
「…………ちょ、ちょっとだけ触ってみる?」
ボソッとゼービアは言った。
「どこを?」
「………………わ、私の胸」
ついに言いおった!!
合意だ!
これは紛れもない合意だ!!!
「じゃあ、早速」
おもむろにゼービアさんの乳に手を伸ばす。
「い、一回だけ! 一回だけだからね?」
ゼービアさんは真赤になりながら、そんな事を言って身を強張らせていた。
さすが処女。
とはいえ、面白い事を言う。
つまり一撃で決めろと言うことだろうか。
一回揉んだだけで、アヘらせて潮を吹かせないとそれ以上の事はさせてくれないっぽい。
普通に考えたら、そんなことは物理的に不可能なのだが。
異世界に来て、順調にレベルアップした俺の力を見くびるなよ!?
性技を房中術に進化させた今の俺なら――。
そんなわけで、利き手の右手に、俺の全てを込める。
右手には魔力ならぬ、精力がぐんぐんと集中していった。
それはどす黒く禍々しいオーラが可視化しそうな勢いだった。
俺の右手が真っ黒に燃える!
「ね、ねえ、なんかあなたの手おかしくない? すごく嫌な予感がするんだけど」
さすが女だてらに近衛騎士団長を務めるゼービアさんだ。
どす黒いエロオーラに気づいたらしい。
「ちょっとゼービアさんへの想いを込めてみました」
「……わ、私への想いって……そんなに、私の事……」
ゼービアさんは恥ずかしそうにうつむく。
可愛い。
そんなゼービアさんの乳を真っ黒な右手が揉んだ。
むにゅっと素敵な感触がする。
ロケット型と見た。
「あうっ! あ、熱い! な、なにこれ……じんじんって、あ、あああ!」
ゼービアさんがビクビクっと震えた。
太ももをもじもじと擦りあわせ、崩れ落ちそうになるのを咄嗟に支えた。
その全身からは汗が吹き出し、むわっと女の匂いが立ち込める。
ふふふ。
もう少しだ。
さあ、俺にアヘ顔を見せるんだ。
その時だった。
「あ、こんなところにいたー! おねいちゃん、みっけ!!」
絶賛秘め事中の俺たちの前に、天真爛漫な笑顔を浮かべたアンがやってきた。
その純真無垢な瞳に見つめられて、思わずゼービアさんの乳から手を離してしまう。
「……あ、アン? ……ちょっと、待っててね。おねいちゃん、今……」
快楽に歪ませた瞳で、ゼービアさんが口を開く。
その頬には髪が汗で張りついていて、エロかった。
早くアンを追っ払って続きをしようと思う。
多分、俺の一撃は成功している。
「なんかねー、他のお姉ちゃんたちが、おねいちゃんにあいさつしたいっていってるよ!」
アンがそんな事を言うので、思わず部屋の中央に目を向けた。
そこには、ルーナやセレナ達がテーブルに座って俺をギロリと睨んでいた。
……そういえば、皆さんいましたな。
「え? あ、ああ。……そういえばあの女性の方々はどなたなの?」
俺と同じくルーナたちに目を向けたゼービアさんがそんな事を聞く。
なんて答えようか迷っていると。
「あのお姉ちゃんたちはね。みんなお兄ちゃんのオンナだよ!」
「…………」
「…………」
アンの何気ない一言に俺とゼービアさんは押し黙った。
つうか、オンナて。
そんな言葉どこで覚えたんだ。
「え? だってお兄ちゃんよくカービン君にいってるよ。おれのオンナにエロい目をむけるなって」
……あのクソガキ。
この場にいないのに俺の邪魔をするとか。
「え? オンナ? あんな綺麗な人達がみんな? そういえば、あのエルフ、謁見の間にいた……アサギリ卿の妻だって……え、妻がいるのに、なんで私の事……」
ゼービアさんが酷く動揺している。
どうしよう。
多分、悪い方向に行っている。
こんな時どうすればいいのかわからない。
とりあえず。
「いい乳でしたよ!」
そう言って、親指を立ててみた。
即座にビンタされた。
ひどい。
「スケベスケベ! 最っ低! 女の敵! あなたなんて大嫌いよっ!!」
ええ!?
なんか嫌われた!?
「もう帰って! アンは今夜うちに泊めるからっ!!」
涙ぐんですらいるゼービアさんに追い出されてしまった。
「そんな……処女をくれるんじゃ……?」
「な、なっ!? あなたなんかにあげるわけないでしょ! ばかーーー!」
顔を真赤にしたゼービアさんに再びビンタされた。
この俺が2回もビンタされた……だと……!?
冷静に考えると当たり前な気がした。
「……ごめんなさい、お兄ちゃん。……わたしいけないことした?」
見送りに来てくれたアンがしょんぼりしていた。
アンは全く悪くないので、しゃがみ込んでアンに目線を合わせる。
「気にするな。明日になったら迎えに来るから、今日はおねいちゃんにいっぱい甘えろ。……おねいちゃんに会えて良かったな」
そう言って、頭を撫でるとアンは嬉しそうな笑顔を浮かべた。
「うん! つれてきてくれて、ありがとう、お兄ちゃん!」
そんな事を言って笑うアンは可愛かった。
「……あとおねいちゃんには、俺が普段ルーナたちにしている事は言っちゃダメだぞ? ほら、アメやるから」
プロである俺は買収も忘れない。
「わかった!」
アンはあっさり頷いてくれた。
メグのようなボンバーマンにならない事をただ願った。
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