ちょいクズ社畜の異世界ハーレム建国記

油揚メテオ

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第四章 竜騎士編

第136話 和睦

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 謁見が終わったので帰ろうと思ったが、今日も夜に戦勝パーティーがあるので参加して欲しいと言われてしまった。
 俺はパーリーピーポー(笑)ではないので、即座に断ったのだが、ルーナが出席するとか言い出した。
 ルーナ曰く、一番戦功を立てた俺が出席しないのはありえないそうだ。
 理不尽すぎる。
 強制参加の飲み会とか、どこの体育会系サークルだよと言いたくなるが、謁見が終わってからルーナがずっとご機嫌斜めなので、大人しく参加することにした。
 パーティーに参加したところで、俺がすることなんて壁や床の素材を調べるだけなので、出席する意味はないと思うのだが。

 そんなわけで俺たちは王宮内の客室で夜まで時間を潰すことになった。
 俺たちが案内された客室は10畳程の個室だった。
 王宮についてからずっと大勢のニンゲンの目に晒されていたので、少しほっとした――。
 ――のも束の間で、個室で3人だけになるなりルーナが説教を始めた。

「なんださっきの陛下への無礼な言葉遣いは!」

 ルーナはマジギレしていた。
 メイクをばっちり決めた今日のルーナはいつもよりも美人度マシマシで。
 怒られた時の圧迫感もマシマシだった。
 なので、とりあえず床に正座する。

「今回、お前は子爵になったんだぞ? 子爵と言えばもう立派な中級貴族だ。これからはちゃんとしたマナーとかも身に着けなきゃダメだ!」

 ルーナにガミガミと説教される。
 子爵なんてなりたくてなったわけじゃないのに……。
 というか、権力者に対してはいつも以上にふざけた口調をしてしまう俺のロックな反骨精神を褒めてほしいくらいだ。

「怖い小娘ね。貴族になったばかりなんだから仕方ないじゃないの。よしよし、私はあなたの味方よ?」

 ルーナに叱られてしょんぼりしていたら、セレナが俺の頭を優しく抱きしめてくれた。
 夢がいっぱい詰まった巨乳に頭を包まれる。
 ああ、柔らかい。
 癒やされるわー。

「甘やかしちゃダメだ!! 大体、さっきのこいつの発言で一番許せないのは……」

 そこで言葉を切ったルーナがギリギリと歯を噛みしめる。
 なんか物凄く許せない発言があったらしい。
 全然身に覚えがないんだけど。

「派遣してくれるなら美人がいいです! ってなんだ!?」

 ルーナは怒りを露わにしながら怒鳴った。
 ああ、そういえば言いましたな、そんなこと。
 ルーナが近くで聞いていたんだった。
 俺としたことがプロにあるまじき失態だ。

「なんで美人がいいんだ!? お前には私がいるじゃないか!!」

 そう言いながら、ルーナの目にうるうると涙が溜まりだす。
 うーん。
 そりゃ俺にはルーナがいるのだが。

「いや、俺だってお前ほどの美人が来てくれるとは思ってないけどさ。どうせなら美人の方がテンションが上がるというか、オッサンだったら反乱を起こすというか……」

 そんな言い訳になっていない言い訳をしてみる。
 すると、ルーナは顔を真赤にして押し黙った。
 え、何この反応。

「…………び、美人? 私が?」

 何を今更。

「誰がどう見たって美人だろう? お前」

「ば、ばか! 突然、そういう事言うな! どういう顔していいかわかんなくなっちゃうじゃないか!」

 ルーナは真赤になったまま顔を両手で覆ってしまう。
 今まで何度か美人だって言ったことあるような気がするんだが。
 というか、さっきまですげえ怒ってたのに……。
 ルーナさんマジちょれえ。
 相変わらず心配になるチョロさだ。

「……お前、もういい歳なんだから自分の見た目くらい把握しておいた方がいいぞ?」

 美人と言われて真赤になっちゃう美人には危険な未来しか待ってないと思うのだ。
 半年後にルーナがAV出演してたら嫌だ。

「だ、だって、学生の頃はよく私の机に、調子に乗るなブスってラクガキが……」

 それは間違いなく嫉妬なんだろうけど、こいつどんだけ暗い学生時代を送ってんだよ。
 友達もいないとか言ってたし、簡単に地雷を踏んでしまいそうなので学生時代の話題は避けるか。

「……でも、そうか。お前には私が美人に見えるのか……。あ、愛は盲目ってやつかな。えへへ」

 なぜか俺がおかしい事になっているが、そう言ってはにかむルーナは尋常じゃなく可愛かった。
 思わず正座を崩して抱きしめてしまう。

「……コウ……もっと強くギュッとして欲しいな?」

 俺に抱きしめられながら、ルーナがそんな事を言う。
 ああ、くそ、可愛いな。

「……ねえ、お前怒っていたんじゃないの? その浅はかさはなんなの? ちゃんと脳みそ入っているの? お前」

 セレナはドン引きしていた。
 脳みそ入ってなくてもいいじゃないか。
 これだけ可愛いんだから。
 なんか機嫌も治ったみたいだし。

 そんなこんなでルーナとイチャついていたら、突然ドアがノックされた。

「お休みの所、失礼します、ハイランダー。お手数ですが、少々謁見の間までご足労願えないでしょうか?」

 ドアの外からそんな声が聞こえた。
 ハイランダー?
 ああ、俺か。
 まあ、ご足労願えないでしょうかと聞かれたら。

「嫌です」

 今、ルーナと良いところなのだ。
 邪魔すんなと言いたい。

「ば、ばか! ちゃんと行かなきゃダメじゃないか!」

 しかし、ルーナにそんな事を言われてしまった。
 まあ、せっかく直ったルーナの機嫌を損ねるのもアレだし。
 仕方ないので行くか。

「でも、さみしいから早く帰ってきて欲しいな……」

 ルーナはしょんぼりしながらそんな可愛いことを言った。
 もう帰ってきたら押し倒そうと思った。



 ルーナとセレナと別れて一人になった俺は、いやいや謁見の間まで戻ってきた。
 今更何の用があるのだろうか。

 しかし、謁見の間にいた人物を見て、俺のテンションは爆上げした。
 そこに立っていたのは、褐色肌のダークエルフだった。
 やや小柄でポニーテールをしたつり目のダークエルフだ。
 その顔に見覚えがある。
 確か抱いたはずだ。

「お久しぶりです。龍神王様。私の事、覚えていらっしゃいますか?」

 そう言ってダークエルフは悪戯っぽい笑みを浮かべる。
 ふっ、この俺の記憶力を甘く見るなよ。
 俺は一度見たものは絶対に忘れない(美女に限る)。

「覚えているさ。内股にホクロがあった子だろう?」

 このダークエルフがそのホクロを舐めると良く鳴いたのまで覚えている。

「……そ、そういう事はこういう場で言わないで欲しいんですが……」

 ダークエルフは恥ずかしそうにモジモジと顔を俯ける。
 そういえば、ここは謁見の間だった。
 王様を始め大勢のニンゲンの目が俺たちに注がれている。
 とたんに胃が痛くなってきた。

「こ、こほん。ハイランダー。そちらは風の民族長のキリア殿だ。この度、我が王国と風の民は和睦を結ぶ事になった」

 王様の脇に立つ陰気な黒ローブの男がそんな事を教えてくれた。
 和睦か。
 ダークエルフ達風の民は全員が俺の女だ。
 なので王国と戦争する理由は全くない。
 和睦するのは妥当だ。

「ついてはハイランダーに和睦の調停に立ち会って貰いたいのと、風の民が貴殿の家臣になりたいと言っているのだが、いかがする?」

 黒ローブの男がそう言うと、キリアと言うらしいダークエルフが俺に跪く。

「改めまして、風の民族長のキリアと申します。以前、臣下の礼はさせて頂きましたが、この場で我が一族を正式な家臣として頂けないでしょうか?」

 家臣も何も既に風の民は全員俺のものだ。

「いいよ」

 なのであっさりとOKしてみた。

「ありがとうございます!」

 キリアの顔がぱあっと明るくなる。
 ダークエルフのキリアは当然のように美人だった。

「……しかし、古龍(エンシェントドラゴン)に加えて、飛竜を駆る一族までアサギリ殿個人の戦力になるというのは……あまりに強力過ぎませんか? いくらハイランダーとは言え、王国の一家臣にすぎない者が強大な力を持つのは危険かと思われます」

 謁見の間の両脇に控えていた家臣の一人がそんな事を言う。
 その家臣は俺にとても好意的とは言えない目を向けている。
 多分俺が嫌いなのだろう。
 まあ、嫌われたら嫌い返せばいいので全然問題ないが。
 多分、あまり絡むことは無さそうだし。

「……ふっ、そんなの今更だ。案ずるだけ無駄よ。なあ、ハイランダー?」

 王様が嘲笑を浮かべながらそんな事を言った。
 なんかよく分からないので、愛想笑いを返す。
 俺の反応に両脇に控えていた家臣たちがざわついた。
 一体、なんだと言うのか。

 その後は、王様とキリアがなんかの書類にサインするのをただ見守った。
 多分、和睦の手続きなんだろうが。
 ふと思うのだ。
 これ俺いる必要ある?
 さっさと客室に戻ってルーナにエロいことをしたいのだが。

 とりあえず脳内でルーナを押し倒していると、30分位で和睦の手続きは終わった。

 謁見の間からの退出が許されたので、キリアと一緒に部屋を出る。
 キリアも俺たちと同じように客室を用意されているらしいので、そこまで送ることにした。
 ちなみに、一応前回の蛮族侵攻戦での敵だったキリアは今夜の戦勝パーティーには参加しないらしい。
 物凄く羨ましかった。

「……それにしても族長だったんだな。風の民の族長ってもっとヨボヨボの婆さんを想像してたよ」

 キリアと並んで王宮の長い廊下を歩きながら、そんな世間話を振ってみた。

「ふふ、これでも一族の長老ですから、結構なお婆ちゃんなんですよ? 我が一族は歳をとってもあまり見た目が変わらないのでわからないでしょうけど。あ、寿命は人間と一緒ですよ?」

 どう見ても20代くらいにしか見えないキリアがそんな事を言った。
 風の民まじかよ。
 不老で美女しかいない種族とか。
 あれ、なんだろう、感動のあまり目から汗が出てきた。
 なんという素敵種族だ。
 絶対に絶滅させてはいけない。
 頑張って子種を仕込もうと心に誓った。
 ちなみに、子種は仕込むが責任は取らない。

「ど、どうされたんですか? 竜神王様。あ、こんなお婆ちゃんを抱いちゃったので、お気を悪くされちゃいましたか?」

 キリアが不安そうな顔でそんな勘違いをしていた。
 全然お婆ちゃんには見えない上に、とても美味だったのでお気を悪くするわけない。
 というか、カンナさんもそうだけど、この世界に来てから老婆の価値観が変わってしまった。

「そんなわけないだろ」

 そう言いながらキリアの腰を抱く。
 キリアは抵抗せずに身を寄せてくる。
 適度に引き締まった女体だった。
 たまらない。

「……それにしても、龍神王様の正式な家臣にして頂けて良かったです。きっとリュディアも喜びますよ」

 おお。
 リュディアか。
 あいつ元気かな。

「あの子、竜神王様と別れてからひどい状態なんですよ。この前なんか、外で犬用の首輪をつけて、あの時はここで散歩してもらった。楽しかったなとかブツブツ言ってて……本当に、心配で……」

 それは心配になりますな……。
 そういえば、過酷な奴隷生活(笑)を送っている時、夜中に全裸のリュディアに首輪つけて外を散歩したな。
 今にして思えば、どう考えてもやりすぎでドン引きだが。
 あの時はリュディアも喜んでいた。

「しばらくしたらリュディアも連れて、龍神王様の領地に参ろうと思うんですが、よろしいですか?」

「おー来い来い」

 俺は深く考えもせずに頷いた。
 リュディアが来たらたっぷりかわいがってやろう。

「あ、私の部屋ここです」

 いつの間にかキリアの用意された客室に到着してしまったらしい。

「……せっかくなので、少し寄って行かれます?」

 キリアがそう言うので、お邪魔することにした。
 キリアの客室は俺たちの客室よりも狭かった。
 当然だが、そこは個室というか密室だ。
 密室に美女と二人きりになってしまっては、ムラムラがどうしても抑えきれなかった。
 なので、そのままキリアを押し倒した。
 俺に服従しているらしいキリアは全く抵抗しないどころか。

「……私も結構な犬(男)を飼ってきたつもりなんですが、龍神王様の前ではただのメスに成り下がってしまいます。物凄くお上手なので……今日もかわいがってくださいね?」

 そんな可愛いことを言う。
 なんだこのババア。
 本気になっちゃうじゃないか。
 さすが長老だ。

 そんなわけで戦勝パーティーが始まるギリギリまでキリアを抱き倒した。
 慌てて戻ると、ルーナがむくれていて焦った。
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