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第四章 竜騎士編
第131話 井戸を作る!
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セレナ邸の庭に行くと、普通にその骸骨はいた。
名前は忘れたけれど、セレナお抱えの庭師のスケルトンだ。
悔しいけどこいつの庭師としての腕は一流だ。
セレナ邸の露天風呂から覗ける庭は、いつも手入れが行き届いていて、それでいて自然な風情も漂っている。
現在は、冬仕様らしく、苔むした庭に、一本の枯れ木がぽつんと立っているが、それはそれで趣があって、センスの良さをビシビシ感じるのだ。
骸骨はカシャカシャと、庭に落ちた枯葉を掃除している所だった。
相変わらず骸骨のくせに芸が細かい。
以前、この骸骨に言われるがまま、地面を掘っていったら地下水を掘り当てた事がある。
あの地下水は、どういう作りになっているのかは未だに不明だが、セレナ邸の庭を流れる小川になっている。
この骸骨なら、井戸を掘り当てるくらい楽勝なんじゃないかと思うのだ。
「なあ、ちょっと手伝って欲しい事があるんだけどさ」
そう声を掛けてみると、骸骨は作業の手を止めて、かしゃりと首をかしげる。
「井戸を掘りたいんだけど、どこを掘れば水が出てくるのか教えてくれないか?」
骸骨は虚ろな眼窩で俺を見ると、かしゃかしゃと顎骨を動かす。
なんか喋ってるんだろうか。
ぜんぜんわかんないんだけど。
スケルトン語に堪能なフィリスがいないと会話が成立しなくて困る。
そんな時、カンナさんがやってきた。
おお、良かった。
「あら、コウくん。お姉ちゃんに会いに来たんですか? 一緒にお医者さんごっこでもして遊びますか?」
何それ。
すごくエロくて楽しそう。
とはいえ、多分、熱中するあまり3日くらいこっちの世界に帰って来れない気がする。
セレナの時間魔法がないと、カンナさんとのお医者さんごっこは危険だ。
「それはまた今度やりましょう。すみませんけど、この骸骨が何を言っているのか翻訳してもらえませんか?」
「……つれない子ですね。たまにはお姉ちゃんと遊んでくれてもいいでしょうに。セレナお嬢様のついでではなくて」
カンナさんは不満そうにしながらも、骸骨に向き直る。
骸骨はカンナさんに向かってカシャカシャと何かを喋った。
「……はあ? これ言葉なんですか? 擬音しか聞こえないんですが」
ええ!?
カンナさんは骸骨にイラッとした顔を向けていた。
いや、俺もそう思うけど。
何度聞いてもカルシウムっぽい音しかしないけど。
フィリスが普通に通訳してたから吸血鬼なら誰でも出来るもんだとばかり思っていた。
「スケルトン語を覚えようとする変な子なんてフィリスくらいしかいませんよ。待ってて下さい。今、フィリスを呼んで来てあげますから」
そうか、あれ出来るのフィリスだけだったのか。
なぜフィリスがスケルトン語やレイス語を覚えようとしたのか本気で不明だ。
資格女子なんだろうか。
「カンナ姉様に私と同じ知的レベルを求めても無駄ですよ、コウ様。カンナ姉様の頭の中は、若い男の子とエッチな事をする妄想でいっぱいなんですから。ほんと姉がショタコンで困りますよ」
呼ばれてやってきたフィリスはのっけから喧嘩腰だった。
なんで毎回ひどい目に合わされているのに、性懲りもなくカンナさんに喧嘩を売るのだろうか。
「……コウくんの前でいい度胸ね、フィリス? それでは、私が変態みたいじゃないの。以前、コウくんの看病をしていた時にお前がこっそり何をしてたのかここでバラすわよ?」
「は、はあ!? あの時は姉様だって、コウ様の☓☓☓を☓☓☓してハアハア言ってたじゃないですか!?」
「そ、それは私とコウくんの仲だからいいのよ! お前なんてコウくんの☓☓☓を――」
放送禁止用語が混じった姉妹喧嘩が勃発し始めた所で、慌てて止めに入った。
「まあまあ! い、今はフィリスに頼みたい事がありますから!」
二人の間に勢い良く割って入ると、カンナさんから発せられていた禍々しい魔力がピタッと止まった。
危ない。
もう少しでフィリスがいつもみたいに物理的に沈黙させられてしまう所だった。
「――まあ、コウくんがそう言うのなら」
「コウ様の頼み事……はあはあ」
カンナさんは不満そうに、フィリスは興奮しながら姉妹喧嘩をやめてくれる。
ふぃ、フィリス……?
「悪いんだけどさ、この骸骨に井戸を掘るのを手伝って貰いたいんだけど、通訳を頼めないか?」
「そんなことでしたら、お安い御用ですよ」
フィリスは笑顔で快諾してくれた。
ただまだ何か言いたそうにモジモジしている。
「……あの、コウ様? 代わりと言ってはなんですが、私からもひとつお願いしたいことがあるんですけど、いいですか?」
フィリスは俺の顔をチラチラ見ながら言った。
いつだったか、俺の血を飲ませてくれと言われた時の事を思い出した。
お願いってなんだろう。
そろそろ抱いてくれとかだろうか。
フィリスには日頃から結構お世話になっている。
ここは房中術レベル2を遺憾なく発揮させて、天上にも登る体験をさせてやるか。
ふふ、まったく最近の俺はモテすぎて困る。
「フィリスの願いならなんでも聞いてやる」
そう言いながら、フィリスの薄い胸を揉む。
たまには貧乳とするのもいい。
おっぱいに貴賎なしだ。
「……ありがとうございます。もう、コウ様のエッチ」
フィリスは恥ずかしそうにしながらも抵抗しなかった。
「フィリス? あまり調子に乗ると塵にしますよ?」
不機嫌になったカンナさんが手にバチバチと魔力を込めていた。
多分、本当に塵に出来てしまうのが怖い。
早速、フィリスに通訳してもらう事にする。
俺は骸骨に向き直ると、改めて井戸掘りを手伝ってくれとお願いしてみた。
骸骨がかしゃかしゃ返事をする。
「さっきからなんなんですか、私の身体をジロジロ舐め回すように見て、そ、そんなに私の恥骨に興味があるんですか……と言っていますが、コウ様?」
うん? フィリス?
何を言っているのかさっぱりわかりませんね。
つうか、恥骨て。
「あの、一応言っておきますが、こちらは庭師のジミーさんではなく、ジミーさんの奥さまのステファニーさんですよ? 一目瞭然ですよね?」
「えええええ!? メスなの、これ!? つうかどの辺が一目瞭然なんだよ!?」
そもそもなぜ骸骨に妻がいるのか全然わからない。
「ちょ、ちょっと! 雌とかこれとか妙齢の女性に対して失礼ですよ? ほら、喉仏が無いじゃないですか? 女性の証拠ですよ」
フィリスがメス骸骨の喉元を指す。
ああ、うん。
そういえば、喉仏ないような気がするけど。
わかりづれえわ。
メス骸骨は俺を見て、再び何かをカシャカシャ言った。
「まあ、地下水の場所くらいは私にもわかるから手伝ってあげてもいいですよ。でも、火遊びはごめんよ、ボウヤ……と、ステファニーさんが言っています」
もはやどこから突っ込んでいいのやら。
つうか、どうやって火遊びするんだろう。
逆に興味が出てきてしまう。
そんなわけで、メス骸骨と通訳のフィリスと一緒に村の中を地下水を探して散策する。
「そういえば、骸骨ってみんな地下水の場所わかるのか?」
種族特性のようなものだろうか。
メス骸骨がカシャカシャと答える。
「いいえ、これは庭師の妻としての当然の嗜みです……だそうです」
庭師すげえな。
風水士とかにジョブチェンジしろよと思ってしまう。
「そもそもこの辺は、豊かな地下水脈が流れているから、どこを掘っても水なんてすぐ出るんですけどね」
結構、村の中を歩き回った所でメス骸骨はそんな事を言い出した(フィリス訳)。
だったら、早く言えよ。
まあ、どこでもいいならこのまま新規住民の家の近くまで歩いて行って、そこに作ろうと思うが。
そんなわけで、新規住宅のある付近の適当な空き地に、土魔法で穴を掘ろうとした。
「あ! そこはダメ。そこから出る水は熱くなっています」
なんだよ! どこでもいいって言ったのに!
うん?
熱い水?
「ここを掘るとお湯が出るということか?」
「そうです。地下には更に地下にあるドロドロに溶けた岩に熱せられて、熱湯になっている地下水があるのです。溶けた岩から変な成分も混じっているから、飲用水には向きません」
人それを温泉という。
え、まじで?
こんな所に温泉が出来たら最高じゃん。
そんなわけで、その場に土魔法で穴を開けていく。
「ああっ! ダメって言ってんのに! もうどうなっても知りませんよ」
メス骸骨がそんな事を言っているが当然のごとく無視である。
どうでもいいけど、相変わらずフィリスの通訳は声音まで再現していて完璧だ。
ひたすら地面を掘る。
何度か硬い岩盤にぶち当たったが、強引に魔力を込めて貫いた。
というかどんだけ掘ればいいんだろう。
最近は街なかにも天然温泉とかが増えてきたが、あれは特殊な機械を使って何キロも掘るのだと聞いた事がある。
何キロて。
ちょっと気が遠くなりかけたが、休憩しがてら何度かのMP枯渇を経て、夕暮れ時にそれは起きた。
奈落のごとく、地中奥深くまで掘り進めた穴が僅かに揺れている。
奥底から、何かが上がってくる。
ドバっと吹き上がったのは泥水だった。
頬にわずかにかかっただけでその泥水が熱湯だとわかる。
温泉だ。
おお。ついに!
絶え間ない努力(半日)によってついに俺は温泉を掘り当てたのだ。
物凄く場当たり的に、温泉を掘り出したが、結構な達成感がある。
このまましばらく吹き出す温泉を放置して、泥水が澄んでくるのを待とうと思う。
というか、温泉って入浴できるかどうかをかなり調査しなくてはいけないと聞いたことがある。
とはいえ、ここにそんな調査を出来る人間はいない。
まあ、明日辺りにピートを入れてみて、大丈夫そうだったら俺も入ろうと思う。
そういえば、引きこもりである俺は温泉に入ったことがない。
誰かに貰った登別カルルスの湯の素をお風呂に入れた事がある程度である。
なので、結構な憧れがあった。
明日が楽しみだ。
「……コウ様、なんか変な臭いがするんですけど」
俺が黙々と穴を掘るのを手伝ってくれていたフィリスが鼻をつまんでいた。
確かに臭いけど、硫黄の臭いというやつだろう。
メス骸骨が途中で呆れて帰ってしまった後もフィリスはずっと俺の傍にちょこんと座っていた。
前から思っていたが、フィリスは付き合いがいい。
俺だったら3秒で帰るけど。
「りょ、領主様、なんですか、これは」
突然、地面から吹き出した温泉に辺りの住民たちが集まってきていた。
そりゃそうなのだが、注目を集めるのは嫌いなので、適当にごまかして、その場を後にする。
あの温泉が入れるなら、皆にも開放しようと思う。
というかですよ。
俺は井戸を掘りに来たのだった。
温泉のせいですっかり忘れていた。
とりあえず、温泉と結構離れた場所を掘ってみた。
温泉と違って、こっちは数分掘っただけで、あっさり水が出た。
この場所も温泉だったらどうしようと思っていたのだが、杞憂だったようだ。
こっちの井戸は温泉と違って、じんわりと水が滲んでいく感じだったので、掘った穴の大きさを大きくして、しばらく水が貯まるのを待つことにする。
やっと当初の目的であった井戸を掘ることが出来た。
辺りはすっかり暗くなっている。
そろそろ帰らないとルーナが心配しそうだ。
「……そういえば、フィリスへのお礼がまだだったな」
温泉掘りに夢中になっていて、すっかり忘れていた。
フィリスに通訳のお礼として抱いてやる的な約束をしたのだ。
フィリスはちょっと顔色が悪いが普通に美人なので、そのうち押し倒そうとはしていたのだ。
ちょうどいい機会かもしれない。
とりあえず、フィリスを抱きしめる。
小柄なフィリスは俺の胸辺りにちょうど顔が収まる。
なかなかのフィット感だ。
「……あの、なんで突然、抱きしめてくれるんですか?」
胸の中でフィリスがモゴモゴと言う。
「え? いや、通訳してくれたお礼に抱いてやろうと思って」
「コウ様……素でそんなことばかり言っていると、いつか誰かに刺されますよ?」
そういえば、ノリコさんにもそんな事を言われた。
とはいえ、ドラゴンの火で焼かれても死ななかった俺だ。
女に刺されるなんてどうということはない。
相手がセレナやカンナさんだったらヤバイけど。
「ただ、今日はもう遅いから、明日ゆっくりと続きをしないか? 明日になったら俺の全身全霊でお前の処女を貰ってやる」
残念だけど、今日はそろそろ帰らないとルーナに怒られてしまう。
「そんなのいくらでもあげますけど、コウ様、勘違いしてます。私のお願いはそんなにお時間を取らせることじゃありません」
フィリスはそう言うと、俺の手の中から離れていってしまう。
ああ、もったいない。
というか、抱いて欲しいんじゃないならなんだろう。
他に女にしてやれる事が全然思いつかない。
「……私、欲しいんです」
フィリスはたっぷり貯めてから口を開いた。
その顔は熱に冒されたように上気し、瞳はトロンととろけている。
可愛い。
「ほんの少しだけで構いませんから、私に恵んで下さい。コウ様の排泄物を」
「…………」
――さて、今日のルーナのご飯は何かな。
「ああ!? コウ様? なんで無視するんですか? あんなに恥ずかしい思いをしたのにっ!」
恥ずかしいと思うなら言わないで欲しかった。
本当にフィリスはベクトルが明後日の方向を向いていて困る。
カレリアさんやカンナさんの妹だけあって、黙っていればただの美人なのに。
黙っていれば。
俺はぎゃーぎゃーと纏わり付いてくるフィリスを無視しながら、ルーナの元に帰った。
#############################################
【ステータス】
名前:コウ
LV:28
称号:悲哀なる社畜、色事師、村長
HP:1337/1337
MP:255/255(+2)
筋力:145
防御:44
敏捷:49
器用:45
知能:87
精神:70
スキルポイント:5
【装備品】
[土の剣]:攻撃力補正+30
[真祖のブラッドチェーンメイル]:防御力補正+500
[真祖のブラッドアーマー]:防御力補正+500
[真祖のブラッドガントレット]:防御力補正+500
[真祖のブラッドレッグス]:防御力補正+500
【スキル一覧】
・初期スキル
根性:LV7
睡眠耐性:LV10(MAX)
疲労耐性:LV10(MAX)
孤独耐性:LV10(MAX)
精神耐性:LV5
痛覚耐性:LV10(MAX)
病気耐性:LV8
飢餓耐性:LV3
房中術:LV2
・強化スキル
筋力:LV1
・魔法スキル
回復魔法:レベル2:《体力回復》《傷治療》
属性魔法
土魔法:LV3:《土生成》《土形成》《石形成》
水魔法:LV2:《水生成》《水形成》
火魔法:LV2:《火生成》《火形成》
風魔法:LV2:《風生成》《風形成》
属性魔法
重力魔法:LV1:《自己重力変動》
・武器スキル
剣:LV3:《達人剣術》
二刀流:LV3:《達人二刀流》
・体術スキル
打撃:LV2:《応用打撃》
・騎乗スキル
馬:LV1:《基礎馬術》
・生産スキル
裁縫:LV3:《下級糸生成》《下級布生成》《下級服飾生成》《修復》
木工:LV2:《下級丸太生成》《下級木材生成》
【取得可能スキル一覧】
使用可能スキルポイント:1
・武器スキル
槍/弓/根/斧/拳
・強化スキル
防御/敏捷/器用/知能/精神
・盗賊スキル
解錠
使用可能スキルポイント:3
・騎乗スキル
飛竜
使用可能スキルポイント:10
・種族スキル
吸血鬼
・魔法スキル
深淵魔法
時間魔法/空間魔法/精神魔法
・騎乗スキル
古竜エンシェントドラゴン
・生産スキル
鍛冶/革細工/錬金術/彫金
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名前は忘れたけれど、セレナお抱えの庭師のスケルトンだ。
悔しいけどこいつの庭師としての腕は一流だ。
セレナ邸の露天風呂から覗ける庭は、いつも手入れが行き届いていて、それでいて自然な風情も漂っている。
現在は、冬仕様らしく、苔むした庭に、一本の枯れ木がぽつんと立っているが、それはそれで趣があって、センスの良さをビシビシ感じるのだ。
骸骨はカシャカシャと、庭に落ちた枯葉を掃除している所だった。
相変わらず骸骨のくせに芸が細かい。
以前、この骸骨に言われるがまま、地面を掘っていったら地下水を掘り当てた事がある。
あの地下水は、どういう作りになっているのかは未だに不明だが、セレナ邸の庭を流れる小川になっている。
この骸骨なら、井戸を掘り当てるくらい楽勝なんじゃないかと思うのだ。
「なあ、ちょっと手伝って欲しい事があるんだけどさ」
そう声を掛けてみると、骸骨は作業の手を止めて、かしゃりと首をかしげる。
「井戸を掘りたいんだけど、どこを掘れば水が出てくるのか教えてくれないか?」
骸骨は虚ろな眼窩で俺を見ると、かしゃかしゃと顎骨を動かす。
なんか喋ってるんだろうか。
ぜんぜんわかんないんだけど。
スケルトン語に堪能なフィリスがいないと会話が成立しなくて困る。
そんな時、カンナさんがやってきた。
おお、良かった。
「あら、コウくん。お姉ちゃんに会いに来たんですか? 一緒にお医者さんごっこでもして遊びますか?」
何それ。
すごくエロくて楽しそう。
とはいえ、多分、熱中するあまり3日くらいこっちの世界に帰って来れない気がする。
セレナの時間魔法がないと、カンナさんとのお医者さんごっこは危険だ。
「それはまた今度やりましょう。すみませんけど、この骸骨が何を言っているのか翻訳してもらえませんか?」
「……つれない子ですね。たまにはお姉ちゃんと遊んでくれてもいいでしょうに。セレナお嬢様のついでではなくて」
カンナさんは不満そうにしながらも、骸骨に向き直る。
骸骨はカンナさんに向かってカシャカシャと何かを喋った。
「……はあ? これ言葉なんですか? 擬音しか聞こえないんですが」
ええ!?
カンナさんは骸骨にイラッとした顔を向けていた。
いや、俺もそう思うけど。
何度聞いてもカルシウムっぽい音しかしないけど。
フィリスが普通に通訳してたから吸血鬼なら誰でも出来るもんだとばかり思っていた。
「スケルトン語を覚えようとする変な子なんてフィリスくらいしかいませんよ。待ってて下さい。今、フィリスを呼んで来てあげますから」
そうか、あれ出来るのフィリスだけだったのか。
なぜフィリスがスケルトン語やレイス語を覚えようとしたのか本気で不明だ。
資格女子なんだろうか。
「カンナ姉様に私と同じ知的レベルを求めても無駄ですよ、コウ様。カンナ姉様の頭の中は、若い男の子とエッチな事をする妄想でいっぱいなんですから。ほんと姉がショタコンで困りますよ」
呼ばれてやってきたフィリスはのっけから喧嘩腰だった。
なんで毎回ひどい目に合わされているのに、性懲りもなくカンナさんに喧嘩を売るのだろうか。
「……コウくんの前でいい度胸ね、フィリス? それでは、私が変態みたいじゃないの。以前、コウくんの看病をしていた時にお前がこっそり何をしてたのかここでバラすわよ?」
「は、はあ!? あの時は姉様だって、コウ様の☓☓☓を☓☓☓してハアハア言ってたじゃないですか!?」
「そ、それは私とコウくんの仲だからいいのよ! お前なんてコウくんの☓☓☓を――」
放送禁止用語が混じった姉妹喧嘩が勃発し始めた所で、慌てて止めに入った。
「まあまあ! い、今はフィリスに頼みたい事がありますから!」
二人の間に勢い良く割って入ると、カンナさんから発せられていた禍々しい魔力がピタッと止まった。
危ない。
もう少しでフィリスがいつもみたいに物理的に沈黙させられてしまう所だった。
「――まあ、コウくんがそう言うのなら」
「コウ様の頼み事……はあはあ」
カンナさんは不満そうに、フィリスは興奮しながら姉妹喧嘩をやめてくれる。
ふぃ、フィリス……?
「悪いんだけどさ、この骸骨に井戸を掘るのを手伝って貰いたいんだけど、通訳を頼めないか?」
「そんなことでしたら、お安い御用ですよ」
フィリスは笑顔で快諾してくれた。
ただまだ何か言いたそうにモジモジしている。
「……あの、コウ様? 代わりと言ってはなんですが、私からもひとつお願いしたいことがあるんですけど、いいですか?」
フィリスは俺の顔をチラチラ見ながら言った。
いつだったか、俺の血を飲ませてくれと言われた時の事を思い出した。
お願いってなんだろう。
そろそろ抱いてくれとかだろうか。
フィリスには日頃から結構お世話になっている。
ここは房中術レベル2を遺憾なく発揮させて、天上にも登る体験をさせてやるか。
ふふ、まったく最近の俺はモテすぎて困る。
「フィリスの願いならなんでも聞いてやる」
そう言いながら、フィリスの薄い胸を揉む。
たまには貧乳とするのもいい。
おっぱいに貴賎なしだ。
「……ありがとうございます。もう、コウ様のエッチ」
フィリスは恥ずかしそうにしながらも抵抗しなかった。
「フィリス? あまり調子に乗ると塵にしますよ?」
不機嫌になったカンナさんが手にバチバチと魔力を込めていた。
多分、本当に塵に出来てしまうのが怖い。
早速、フィリスに通訳してもらう事にする。
俺は骸骨に向き直ると、改めて井戸掘りを手伝ってくれとお願いしてみた。
骸骨がかしゃかしゃ返事をする。
「さっきからなんなんですか、私の身体をジロジロ舐め回すように見て、そ、そんなに私の恥骨に興味があるんですか……と言っていますが、コウ様?」
うん? フィリス?
何を言っているのかさっぱりわかりませんね。
つうか、恥骨て。
「あの、一応言っておきますが、こちらは庭師のジミーさんではなく、ジミーさんの奥さまのステファニーさんですよ? 一目瞭然ですよね?」
「えええええ!? メスなの、これ!? つうかどの辺が一目瞭然なんだよ!?」
そもそもなぜ骸骨に妻がいるのか全然わからない。
「ちょ、ちょっと! 雌とかこれとか妙齢の女性に対して失礼ですよ? ほら、喉仏が無いじゃないですか? 女性の証拠ですよ」
フィリスがメス骸骨の喉元を指す。
ああ、うん。
そういえば、喉仏ないような気がするけど。
わかりづれえわ。
メス骸骨は俺を見て、再び何かをカシャカシャ言った。
「まあ、地下水の場所くらいは私にもわかるから手伝ってあげてもいいですよ。でも、火遊びはごめんよ、ボウヤ……と、ステファニーさんが言っています」
もはやどこから突っ込んでいいのやら。
つうか、どうやって火遊びするんだろう。
逆に興味が出てきてしまう。
そんなわけで、メス骸骨と通訳のフィリスと一緒に村の中を地下水を探して散策する。
「そういえば、骸骨ってみんな地下水の場所わかるのか?」
種族特性のようなものだろうか。
メス骸骨がカシャカシャと答える。
「いいえ、これは庭師の妻としての当然の嗜みです……だそうです」
庭師すげえな。
風水士とかにジョブチェンジしろよと思ってしまう。
「そもそもこの辺は、豊かな地下水脈が流れているから、どこを掘っても水なんてすぐ出るんですけどね」
結構、村の中を歩き回った所でメス骸骨はそんな事を言い出した(フィリス訳)。
だったら、早く言えよ。
まあ、どこでもいいならこのまま新規住民の家の近くまで歩いて行って、そこに作ろうと思うが。
そんなわけで、新規住宅のある付近の適当な空き地に、土魔法で穴を掘ろうとした。
「あ! そこはダメ。そこから出る水は熱くなっています」
なんだよ! どこでもいいって言ったのに!
うん?
熱い水?
「ここを掘るとお湯が出るということか?」
「そうです。地下には更に地下にあるドロドロに溶けた岩に熱せられて、熱湯になっている地下水があるのです。溶けた岩から変な成分も混じっているから、飲用水には向きません」
人それを温泉という。
え、まじで?
こんな所に温泉が出来たら最高じゃん。
そんなわけで、その場に土魔法で穴を開けていく。
「ああっ! ダメって言ってんのに! もうどうなっても知りませんよ」
メス骸骨がそんな事を言っているが当然のごとく無視である。
どうでもいいけど、相変わらずフィリスの通訳は声音まで再現していて完璧だ。
ひたすら地面を掘る。
何度か硬い岩盤にぶち当たったが、強引に魔力を込めて貫いた。
というかどんだけ掘ればいいんだろう。
最近は街なかにも天然温泉とかが増えてきたが、あれは特殊な機械を使って何キロも掘るのだと聞いた事がある。
何キロて。
ちょっと気が遠くなりかけたが、休憩しがてら何度かのMP枯渇を経て、夕暮れ時にそれは起きた。
奈落のごとく、地中奥深くまで掘り進めた穴が僅かに揺れている。
奥底から、何かが上がってくる。
ドバっと吹き上がったのは泥水だった。
頬にわずかにかかっただけでその泥水が熱湯だとわかる。
温泉だ。
おお。ついに!
絶え間ない努力(半日)によってついに俺は温泉を掘り当てたのだ。
物凄く場当たり的に、温泉を掘り出したが、結構な達成感がある。
このまましばらく吹き出す温泉を放置して、泥水が澄んでくるのを待とうと思う。
というか、温泉って入浴できるかどうかをかなり調査しなくてはいけないと聞いたことがある。
とはいえ、ここにそんな調査を出来る人間はいない。
まあ、明日辺りにピートを入れてみて、大丈夫そうだったら俺も入ろうと思う。
そういえば、引きこもりである俺は温泉に入ったことがない。
誰かに貰った登別カルルスの湯の素をお風呂に入れた事がある程度である。
なので、結構な憧れがあった。
明日が楽しみだ。
「……コウ様、なんか変な臭いがするんですけど」
俺が黙々と穴を掘るのを手伝ってくれていたフィリスが鼻をつまんでいた。
確かに臭いけど、硫黄の臭いというやつだろう。
メス骸骨が途中で呆れて帰ってしまった後もフィリスはずっと俺の傍にちょこんと座っていた。
前から思っていたが、フィリスは付き合いがいい。
俺だったら3秒で帰るけど。
「りょ、領主様、なんですか、これは」
突然、地面から吹き出した温泉に辺りの住民たちが集まってきていた。
そりゃそうなのだが、注目を集めるのは嫌いなので、適当にごまかして、その場を後にする。
あの温泉が入れるなら、皆にも開放しようと思う。
というかですよ。
俺は井戸を掘りに来たのだった。
温泉のせいですっかり忘れていた。
とりあえず、温泉と結構離れた場所を掘ってみた。
温泉と違って、こっちは数分掘っただけで、あっさり水が出た。
この場所も温泉だったらどうしようと思っていたのだが、杞憂だったようだ。
こっちの井戸は温泉と違って、じんわりと水が滲んでいく感じだったので、掘った穴の大きさを大きくして、しばらく水が貯まるのを待つことにする。
やっと当初の目的であった井戸を掘ることが出来た。
辺りはすっかり暗くなっている。
そろそろ帰らないとルーナが心配しそうだ。
「……そういえば、フィリスへのお礼がまだだったな」
温泉掘りに夢中になっていて、すっかり忘れていた。
フィリスに通訳のお礼として抱いてやる的な約束をしたのだ。
フィリスはちょっと顔色が悪いが普通に美人なので、そのうち押し倒そうとはしていたのだ。
ちょうどいい機会かもしれない。
とりあえず、フィリスを抱きしめる。
小柄なフィリスは俺の胸辺りにちょうど顔が収まる。
なかなかのフィット感だ。
「……あの、なんで突然、抱きしめてくれるんですか?」
胸の中でフィリスがモゴモゴと言う。
「え? いや、通訳してくれたお礼に抱いてやろうと思って」
「コウ様……素でそんなことばかり言っていると、いつか誰かに刺されますよ?」
そういえば、ノリコさんにもそんな事を言われた。
とはいえ、ドラゴンの火で焼かれても死ななかった俺だ。
女に刺されるなんてどうということはない。
相手がセレナやカンナさんだったらヤバイけど。
「ただ、今日はもう遅いから、明日ゆっくりと続きをしないか? 明日になったら俺の全身全霊でお前の処女を貰ってやる」
残念だけど、今日はそろそろ帰らないとルーナに怒られてしまう。
「そんなのいくらでもあげますけど、コウ様、勘違いしてます。私のお願いはそんなにお時間を取らせることじゃありません」
フィリスはそう言うと、俺の手の中から離れていってしまう。
ああ、もったいない。
というか、抱いて欲しいんじゃないならなんだろう。
他に女にしてやれる事が全然思いつかない。
「……私、欲しいんです」
フィリスはたっぷり貯めてから口を開いた。
その顔は熱に冒されたように上気し、瞳はトロンととろけている。
可愛い。
「ほんの少しだけで構いませんから、私に恵んで下さい。コウ様の排泄物を」
「…………」
――さて、今日のルーナのご飯は何かな。
「ああ!? コウ様? なんで無視するんですか? あんなに恥ずかしい思いをしたのにっ!」
恥ずかしいと思うなら言わないで欲しかった。
本当にフィリスはベクトルが明後日の方向を向いていて困る。
カレリアさんやカンナさんの妹だけあって、黙っていればただの美人なのに。
黙っていれば。
俺はぎゃーぎゃーと纏わり付いてくるフィリスを無視しながら、ルーナの元に帰った。
#############################################
【ステータス】
名前:コウ
LV:28
称号:悲哀なる社畜、色事師、村長
HP:1337/1337
MP:255/255(+2)
筋力:145
防御:44
敏捷:49
器用:45
知能:87
精神:70
スキルポイント:5
【装備品】
[土の剣]:攻撃力補正+30
[真祖のブラッドチェーンメイル]:防御力補正+500
[真祖のブラッドアーマー]:防御力補正+500
[真祖のブラッドガントレット]:防御力補正+500
[真祖のブラッドレッグス]:防御力補正+500
【スキル一覧】
・初期スキル
根性:LV7
睡眠耐性:LV10(MAX)
疲労耐性:LV10(MAX)
孤独耐性:LV10(MAX)
精神耐性:LV5
痛覚耐性:LV10(MAX)
病気耐性:LV8
飢餓耐性:LV3
房中術:LV2
・強化スキル
筋力:LV1
・魔法スキル
回復魔法:レベル2:《体力回復》《傷治療》
属性魔法
土魔法:LV3:《土生成》《土形成》《石形成》
水魔法:LV2:《水生成》《水形成》
火魔法:LV2:《火生成》《火形成》
風魔法:LV2:《風生成》《風形成》
属性魔法
重力魔法:LV1:《自己重力変動》
・武器スキル
剣:LV3:《達人剣術》
二刀流:LV3:《達人二刀流》
・体術スキル
打撃:LV2:《応用打撃》
・騎乗スキル
馬:LV1:《基礎馬術》
・生産スキル
裁縫:LV3:《下級糸生成》《下級布生成》《下級服飾生成》《修復》
木工:LV2:《下級丸太生成》《下級木材生成》
【取得可能スキル一覧】
使用可能スキルポイント:1
・武器スキル
槍/弓/根/斧/拳
・強化スキル
防御/敏捷/器用/知能/精神
・盗賊スキル
解錠
使用可能スキルポイント:3
・騎乗スキル
飛竜
使用可能スキルポイント:10
・種族スキル
吸血鬼
・魔法スキル
深淵魔法
時間魔法/空間魔法/精神魔法
・騎乗スキル
古竜エンシェントドラゴン
・生産スキル
鍛冶/革細工/錬金術/彫金
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