ちょいクズ社畜の異世界ハーレム建国記

油揚メテオ

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第三章 戦争編

第83話 テンプテーション

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 家に帰ってきてから数日が経過していた。
 やっぱり我が家はいい。
 戦場とは比べるべくもない。
 命の危険なんてないし、小うるさいジジイもいないし、誰かの死を目の当たりにすることもない。
 夜は温かいベッドで寝れるし、好きなものを食べれる。
 なによりも、女は抱き放題だ。
 本当に無事に帰ってこれてよかった。

 そんなわけで、ここ数日俺は思い切り自堕落な生活を送っていた。
 好きなだけ寝て、好きな事をして過ごし、腹いっぱい食べて、女を抱く。
 ちなみに今は、右手にぐったりしたセレナを抱え、左手でカンナさんの腰を抱いている。
 当然だが、3人共全裸だ。
 今、俺がいるのはセレナの寝室だ。
 ベッド上に3人で座っている。
 いつものようにここでセレナを人格崩壊まで抱いた後、片付けに入ってきたカンナさんに襲いかかってみた。
 そのまま、セレナに時間を止めさせ、めくるめく淫らな3Pを堪能したのだ。

「……あー、あー」

 最初は2人同時になんて嫌とか言ってたセレナも、今は呻くだけだ。
 これは同意したと見ていいだろう。

「喉が渇いたんですけど」

「はいはい。うむっ」

 カンナさんが口移しでワインを飲ませてくれる。
 酒には強くないので、普段はあまり飲みたいと思わないのだが、カンナさんの唇越しに飲むと異常に旨く感じる。

 時間を止めているのでわからないが、今日で何日目だろうか。
 何か食べたくなったら、机の上に山のように積まれたフルーツをカンナさんが食べさせてくれた。
 どうでもいいけど、フルーツはいつになっても腐らなかった。
 時間を止めているからだろうか。

「あん、もう! コウくん!」

「うあ……」

 とりあえず、両手でカンナさんとセレナの乳を揉む。
 セレナは呻くだけで、少しリアクションに乏しい。
 両手に感じる2つの巨乳。
 セレナのはどこまでも柔らかく手が乳に沈んでいく。
 カンナさんのは張りがあって、大きいのに形が全く崩れていない。
 揉むと心地よい弾力が伝わってくる。
 それにしても、なんというか。

 本当に帰って来てよかった!!!

 これは戦争で頑張った俺へのご褒美だろう。
 当然の権利だ。
 決してクソ野郎に磨きをかけているわけではない。

「それにしてもなんというか、時間魔法をこんな風に使うとは思いませんでした」

 胸を揉まれながら、カンナさんは普通に話し始める。
 さっきからかなり揉みしだいているのに、カンナさんはたまにぴくっとする程度だ。
 呻いてくれたのは最初だけだった。
 そういうことへの耐性がかなり強いのだろうか。
 今でもピンピンしているし。
 セレナは完全にぐったりしているのに。
 乳首はコリコリなので、感じていないわけではないと思うのだが。

「時間魔法って他に使いみちがあるんですか?」

 とりあえず、カンナさんの話に乗っかってみる。
 時間魔法の使いみちは、ルーナにバレずに思う存分セレナを抱く事だ。
 それ以外に何か使いみちがあろうか、いやない。

「……本気で言っているんですか? 戦っている最中に時間を止められちゃったら、何も出来ずに殺されちゃうじゃないですか」

「あ、あー」

 戦闘ね。
 魔法を戦いに使うとか。
 その考えはなかったわー。

 確かに時間を操る敵って漫画とかだと最強キャラ扱いだった気がする。
 まあ、時間を止められたら手も足も出ないしな。
 こっちも時間を操れるようにならないと勝てないと思う。

「……コウくん。最近、コウくんが毎日抱いているセレナお嬢様は、実は世界最強の吸血鬼なんだって判ってますか?」

 言われて、左手のセレナを見る。
 虚ろな瞳に、だらしなく開いた口、全く座っていない首がこてんと傾いている。
 うーむ。
 とても世界最強には見えない。

「まあ、最近のセレナお嬢様は幸せそうなので、文句はないのですが」

 とても幸せそうには見えないが。
 とりあえず、セレナの頬を軽く叩いて意識を戻してみる。
 赤い瞳に僅かな光が戻る。
 さすがにぐったりしすぎな気がして、心配だったのだ。

「……あう、あ、も、もっと、もっとしてくだしゃい、ごしゅじんしゃま」

 これは幸せというか、頭がハッピーになっちゃったというか。
 少し心配になったので、セレナを胸元に抱きよせて頭を撫でた。

「はう、ご、ごしゅじんしゃま、だいしゅき、だいしゅきー」

 セレナは頬をこすりつけてくるが、その力はあまりに弱々しい。
 確か筋力ステータスが8万くらいあった気がするが。
 俺の800倍だ。
 うん、きっとセレナは疲れているのだろう。
 このまま頭を撫でて寝かせよう。

「……本当に、セレナお嬢様が元気になられて良かったです。ぐすっ」

 カンナさんが俺とセレナを見ながら、少し涙ぐんでいた。
 今のに泣く要素あっただろうか。

「そんなに元気なかったんですか?」

「ええ。血はお摂りにならないし、一日中ずっとベッドにうつ伏せになってコウくんの残り香を嗅いでいるし、それはもう心配で……。ルーナお嬢様が脱走してからは、心配して気が紛れたのか、少しはマシになりましたが」

 そんなセレナは想像できないが。
 セレナはいつのまにか、腕の中で可愛らしい寝息を立てている。
 こんなセレナも想像できなかったが。

 セレナはなんだかんだ言ってもともと情が深かった。
 でも、そんなに心配してくれるとは思っていなかったのだ。
 とりあえず、セレナの頭を優しく撫でておいた。

「本当にコウくんが無事に帰ってきて良かったです。お姉ちゃんもうれしいです。少し男らしい顔つきになりましたね」

「そうでしょうか」

 自分では全く感じないが。
 というか、男らしいと言われても、もともと男だし。

「ええ。戦いを経験して成長した少年の顔をしています。とってもお姉ちゃん好みですよ」

 カンナさんは俺の頬を両手で包み込んだ。
 少年とか言われると複雑な気分だが。
 すぐ目の前で、慈愛に満ちた赤い瞳で見つめられる。

「でも、この辺で成長するのは止めてください。このまま顎とか割れてきちゃったら、お姉ちゃんは泣いちゃいますからね」

 32歳になった俺でも顎は割れていなかったので安心して欲しいとでも言えばいいのだろうか。
 というか、顎? 顎あったかな……。

 そのままカンナさんとキスをした。
 カンナさんとのキスは濃厚でいい。
 俺はカンナさんの鋭く伸びた犬歯の裏をチロチロと舐めてみた。
 セレナはこれをすると腰砕けになるのだ。
 吸血鬼特有の性感帯と見た。
 しかし、カンナさんはぴくりとするだけで、悪戯を咎めるような目を向けてくる。
 うーむ、やっぱりカンナさんは性の耐性が高い。
 そんなカンナさんをアヘアヘ言わせたくなってしまう。
 性技レベル10でも足りないのだろうか。

「そういえば、カンナさんも深淵魔法っての使えるんですか?」

 ふと気になったので、唇を離して聞いてみた。
 深淵魔法はセレナが使っている時間魔法の事だ。
 たぶん、深淵魔法はカテゴライズで、他にも種類がある気がするのだ。

「キスの途中にいきなりですね……。ええ、使えますよ。私が使えるのは精神魔法ですね。ちゅっ」

 言いながら、カンナさんが再び唇を寄せてくる。

「ルーナお嬢様を眠らせた時に使ってた魔法です。深淵魔法は、他にも空間魔法と重力魔法があります」

 カンナさんは説明しながら、ついばむようなキスを挟んでくる。
 なんだこれ。
 すごく気になることを教えてもらっているのに、頭がぼーっとして集中できない。
 カンナさんはキスが上手すぎる。

「空間魔法はカレリア姉様が使えます。重力魔法は見たことないですね」

「か、カンナさんの精神魔法ってどんなことが出来るんですか?」

 キスの雨に身悶えながら、なんとか聞いてみた。

「うーん、相手を混乱させたり、眠らせたり、精神魔法は深淵魔法の中でも一番地味ですけど、結構色んな事ができますよ? 例えば、コウくんを魅了して、お姉ちゃんにメロメロにすることも出来ます」

 カンナさんは悪戯っぽい表情を浮かべている。
 ふむ、魅了か。
 自分で言うのもなんだが、俺は既に結構カンナさんにメロメロな気がするが、これ以上があるのだろうか。
 ちなみに、メロメロの定義は相手にエロいことをしたい気持ちだと思っている。
 異論は認めない。
 というか。

「それ、俺にかけてみてくれませんか?」

 もしかしたら、一度精神魔法を受ければ覚えられるかもしれない。
 回復魔法はそれで覚えられたのだ。

「いいんですか? ルーナお嬢様とセレナお嬢様が悲しみますよ?」

「効果は永続なんですか……」

 それはさすがにルーナに悪いか。
 というか、怖い。

「まあ、手加減すれば一時的にもできますが」

「じゃあ、それでお願いします!」

 とりあえず、抱いていたセレナを優しくベッドに横たえる。
 あの感じではしばらく起きないだろう。
 そして、カンナさんに向き直った。

「……変なことをお願いする子ですね。まあ、一度、メロメロになったコウくんも見てみたい気もしますが」

 メロメロになった自分なんて気色悪くて想像したくないが。
 精神魔法取得のためにはやむを得ない。

「それじゃあ、お姉ちゃんの目をよく見てくださいね。今すぐに、お姉ちゃんの事を好きで好きでたまらない、可愛い弟にしてあげますから」

 カンナさんの赤い瞳を見つめる。
 その瞳が僅かに光った気がした。

「行きますよ。魅了(テンプテーション)!」

 瞬間、視界が歪んだ。
 そして、靄がかかったようになる。
 その中に、絶世の美女がいた。

 漆黒の艶やかな髪、透き通るような白い肌。
 切れ長の目には深い知性を感じさせ、肉厚の唇のなんと柔らかそうなことか。
 こんな美しい女性は今まで見たことない。
 しかも、女性は一糸まとわぬ姿だった。
 肉感的な身体は見事なプロポーションで、黄金比とはこの事かと実感させられる。

 女性からは桃色のオーラのようなものが漂って見えて、その全身が輝いてすら見える。

 め、女神だ。

「どうですか? コウくん。お姉ちゃんは?」

 その美しい声音に胸がどうしようもなく高鳴る。

 お姉ちゃん?
 この女神が、俺の姉……だと……?

「うおおおおお! お姉ちゃん!」

 俺は抑えきれなくなって姉を押し倒した。
 姉とは押し倒すものだ。

「きゃっ! こ、コウくん、強引すぎますよ!?」

「お姉ちゃん、好きだ、大好きだあああ!」

 俺は思いの丈をお姉ちゃんに全力でぶつけた。
 まだ俺に人を愛する感情が残っていようとは驚きだ。


 お姉ちゃんはすべてが最高だった。
 何をしても優しく受け止めてくれる。
 お姉ちゃんの全てを、俺のものにしたい。
 俺は今まで培ってきた全てのエロ知識をお姉ちゃんで実践した。
 性技レベル10のその先へ――。

『性技スキルが房中術スキルへ進化しました。』
『房中術スキルレベル1を取得しました。』



 あれからどれくらい経っただろうか。
 お姉ちゃんの身体は最高だ。
 時間というものを全く感じさせない。
 このまま死ぬまで続けられそうだ。
 お姉ちゃんで腹上死と言うのも良いかもしれない。

 そういえば、途中、なんか見知らぬ女が邪魔をしてきた。
 女は何か喚いていたが、お姉ちゃんを愛すのに夢中でよく聞こえなかった。
 というか、お姉ちゃんとの愛を邪魔するとは、嫌な女だ。
 とりあえず、軽く犯して床に転がしておいた。

 くだらないことに時間を取られてしまった。
 こんなことをしている間に、お姉ちゃんと何回出来ただろうか。
 すぐにお姉ちゃんとのまぐわいに戻る。

 ああ、お姉ちゃん、最高だ。究極の女だ。

 俺はそのままお姉ちゃんを愛し続けた。





 気がつくと、酷い頭痛がした。
 なんか様々な耐性ログがバラバラと流れている。

 なんだ。
 一体、何があったんだ。

「……やっと解けましたか」

 俺の下でカンナさんが疲労困憊していた。
 荒い息をつき、顔をげっそりさせている。
 なぜかべちょべちょだし。

 というか、いつのまにか両手をベッドに押さえつけて、カンナさんを組み敷いていた。
 咄嗟に謝って、カンナさんの上から降りる。

「……ふ、ふふ、やりますね。こ、この私をここまで追い詰めるなんて」

 カンナさんはよろよろと身を起こそうとするが、その全身はガクガク震えている。
 なんか吹いてるし。
 結局、身を起こすことは出来ずに、ベッドにぐちゃっと崩れ落ちた。

 これは一体、どういうことだろう。
 多分、俺のせいなんだろうが。
 一体、何が……うっ、頭が!

 そして、薄ぼんやりと記憶が戻ってくる。

 そうだ。
 俺はカンナさんに精神魔法を掛けてもらったんだった。
 それで、カンナさんが妙に魅力的に思えてきて、やりまくったんだった。
 しかし、取得可能スキル一覧を確認してみても、精神魔法はなかった。
 結局取得できなかったらしい。
 それよりも、性技スキルレベル10が消えて、房中術なるスキルを覚えているのが気になるが。
 字面からして怪しい雰囲気がプンプン漂っている。
 黒い危険なオーラを発しているような気さえする。

 というか、カンナさんは大丈夫だろうか。
 恐らく俺史上最長時間を、全力全開で抱いた気がするのだが。
 ルーナやセレナといったかつての尊い犠牲者の顔が脳裏に浮かぶ。
 あいつらはもう、かつての姿は見る陰もなく……うう、哀れな。
 2人に比べたら、普通に人語を喋っているカンナさんはさすがなのだが。

「カンナさん、大丈夫ですか?」

 とりあえず、声をかけてみた。

「え、ええ。これでもかつては淫蕩の限りを尽くした身。10日や20日激しく抱かれた所で、どうにかなるようなことはありません。もう少しお相手してもいいですよ? こ、コウくんが出来るならですが」

 カンナさんはいつものように余裕の表情を浮かべてみせるが、全身をガクガクプシャプシャ言わせながら言われても説得力がない。
 ただ、淫蕩の限りとか言われると、かつてカンナさんの相手をした奴を想像して嫉妬してしまう。
 ここは完全に俺の女にしておくべきだろうか。
 とはいえ。

「いえ、もう帰ります。そろそろルーナを抱きたくなってきたので」

「…………化物ですか。私が言うのもなんですが」

 なんかしばらくルーナを抱いていない気がする。
 定期的にルーナを抱かないと落ち着かないのだ。

 なぜかドン引きしているカンナさんを残して、脱ぎ散らかした服を持って部屋の外に向かう。
 その時、何か柔らかいものが足に当たった。

「あう」

 なぜかセレナが床で股を広げて痙攣していた。

「……お、おねがい、わ、わたしのことも、あ、愛してよ」

 セレナはぐったりしながら、さめざめと泣いていた。
 セレナは泣いても美人だった。
 というか、愛してとか言っているが、ちゃんと毎日愛しているじゃないか。
 ちなみに、愛すると犯すは同義である。
 これも異論は認めない。

 とりあえず、身体に力が入らないらしいセレナを抱えてベッドまで運ぶ。
 同じく身体に力が入らないらしいカンナさんの横にべちょりと寝かせておいた。

 世界最強の吸血鬼真祖と伝説の吸血公が並んでぐったりしている。
 言い知れぬ達成感がある。

 楽しかったので、ぜひまたやろうと思いました。

 そんな事を考えながら、俺は意気揚々と部屋から出た。


 時間が流れ出す感覚がする。
 セレナの時間魔法が解けたのだろう。
 娑婆の空気は美味い。

 とりあえず、淫臭を落とすために風呂に向かう。
 途中、フィリスとすれ違った。

「わわっ! コウ様! なんで裸なんですか!?」

 フィリスは慌てて両手で顔を覆うが、ばっちり目の所に隙間を作っていた。
 見ないふりをしたいなら、もう少し努力して欲しいのだが。
 まあ、フィリスはルーナ捜索の恩があるので、裸くらいいくらでも見せるのだが。
 ちなみに、フィリスにはちゃんと、先日お礼として血をたっぷり吸ってもらった。

「……悪いけど、後を頼むな」

 とりあえず、フィリスにそんな言葉をかけて肩を叩いておく。
 フィリスが向かう先にはセレナの部屋があった。
 カンナさんもああなってしまった今、頼めるのはフィリスしかいないのだ。
 セレナの部屋は、触手的な何かが生えてきてしまいそうなほど、謎の液体にまみれている。
 きっと掃除するのは大変だろう。
 ただ、残念な事に俺は掃除が嫌いだし、後始末という言葉はもっと嫌いだ。
 ここはフィリスのメイド力に期待するしかないのだ。

「え? え? 後ってなんですか?」

 戸惑うフィリスを残して、颯爽と風呂に向かう。

 風呂にゆったりと浸かっていると、突然、フィリスの悲鳴が聞こえたが気にしないことにした。



 家に帰ると、ちょうど夕食の時間だった。
 ルーナが鼻歌を歌いながら晩御飯を作っている。
 なんか久しぶりに見た気がする。

「あ、おかえり。もうすぐご飯できるからな」

 そう言ってルーナが出迎えてくれた。
 俺は後ろから覆いかぶさるようにルーナを抱きしめた。
 ルーナの匂いと抱き心地は、本当に落ち着く。

「わわ、ちょっと待ってって。お鍋が吹いちゃうから! もう少し我慢しろ。ご飯を食べ終わったら、な?」

 ルーナがそう言うので、俺は大人しく夕食の時間まで我慢した。
 そして、夕食が終わるのと同時にルーナに襲いかかった。
 契約は正確に履行されるべきだからだ。


 ルーナがいつもの水芸を披露し始め、気を失ったのは夜更け過ぎだった。
 なんか久しぶりな気がして、いつもより激しくしてしまった。
 ルーナの身体を気遣っていつものように水を飲ませてから、外に出る。

 火照った身体に夜風が心地よい。

 ふと冷静に考えてみると、俺って性欲が凄いんじゃなかろうかという気がしてきた。
 今まで、あまり考えたことがないのだが。
 セレナとカンナさんを散々抱いた後、ルーナをいつも以上に激しく抱いてしまった。
 テクノブレイクという言葉が脳裏を過るが、まだその兆候はない。
 まあ、皆とびきりの美人なので、気持ちの方は判るのだが、それに身体がついてくるのが不思議だ。
 そもそも質量保存の法則的に、あの液体は一体どこから出現しているのかという気になってくる。
 考えても謎は深まるばかりだ。
 そして、俺は気づいた。
 きっとノリコさんのお陰であろうということに。
 異世界に転生する際に授けてくれた異能力だと思う。

「ノリコさん、本当にありがとうございます。お陰で、充実した日々をテクノブレイクすることなく過ごせています」

 とりあえず、天に向かって手を合わせて拝んでみた。
 信仰はこうして生まれるのかと思った。

 その時、突然、俺の視界は見覚えのある純白の世界に包まれていった。
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