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第三章 戦争編
第70話 旅立ち
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俺は空を眺めていた。
空を眺めるのは好きだ。
広大に広がる蒼穹を見ていると、自分がいかにちっぽけな存在なのかわかる。
自分の悩みなんて大したことないんじゃないかという気になってくるのだ。
とはいえ、戦争に行くことになった鬱さは紛れていないわけですが。
徴税官のオッサン達が帰った後、とりあえず泣きわめくルーナ達を落ち着かせようと思って、我が家でお茶を飲むことにした。
しかし、お茶を飲んでいる最中も女達は泣き続け、まるで俺の葬式でもしているような雰囲気になった。
なので、気分転換に外の空気を吸いに来たのだ。
家の中がすげえ重苦しい。
あータバコ吸いたくなってきた。
というかですよ。
別に戦争に行くのが嫌なわけではないのだ。
日本特有の嫌戦ムードの中で育ったため、戦争にいいイメージなんてないが、いまいちモワッとして上手く想像できない。
まあ、なんとかなるんじゃねえの? っていうレベルだ。
ルーナ達の反応を見ていると、戦争に行く=死ぬみたいな印象を受けるのがそこはかとなく不安ではあるが。
それよりも!
あのオッサンはなんとかていう街に来いと言っていた。
それが嫌で仕方ない。
街に来いとか!
街には恐らくたくさんのニンゲンがいる。
思わず通勤ラッシュ時の新宿駅をイメージしてしまった。
吐き気がする。
そんな人がたくさんいるところになんて絶対に行きたくない!
ルーナに街でデートしようみたいな事を言われても、ずっと断ってきたのに。
ああ、鬱だ。
すこぶる鬱だ。
「どうしたんですか? 顔色が悪いですよ」
突然、かけられた声に振り返ってみると、そこにはカンナさんが立っていた。
「ああ、カンナさん……」
「何か悩み事ですか? お姉ちゃんに話してみて下さい」
カンナさんは優しく微笑んでくれる。
なので、俺は正直に話した。
戦争の事は置いておいて、いかに街に行きたくないかを熱弁した。
「戦争の事を置いとく意味がわかりませんが……。そんなことになっていたのですか。先程、うちにも徴税官がやってきたので、軽くあしらっておきましたよ」
「あしらえたんですか?」
「ええ。セレナお嬢様は名義的に女伯爵の爵位を貰っていますからね。あんな木っ端役人なんて相手をしなくていいのですよ」
そういえば、さっきオッサンがダーグリュン伯爵がどうのとか言っていた。
伯爵は徴税の対象外なのだろうか。
なんて羨ましい。
俺も伯爵になりたい。
というか、それなら俺達の徴税もなんとかしてほしかったのだが。
「……ねえ、コウくん。そういえばセレナお嬢様が廊下でつぶれたカエルみたいな格好で、しかも全裸で謎の液体まみれで倒れてたんですが、何か知りませんか?」
咄嗟に目を反らす。
どうしよう。
身に覚えがありすぎる。
あれは午前中のことだった。
ウールを生成する羊毛が足りなくなったので、さくっと辺りのヒツジを乱獲した帰りにセレナに会った。
ちょっと休憩がてら、お茶でもどうかと誘われたのでセレナ邸に行ったのだ。
セレナに案内されて食堂に向かう最中だった。
目の前にはセレナが魅力的な尻をふりふりさせながら歩いていて。
俺は思わずその場で押し倒してしまった。
だ、だって催したらいつでもさせてくれるって言ってたかんね!
そのまま何発かした後に、なんか物足りなさを感じて、その場で時間を止めさせて、あとはめくるめく淫靡な時間を過ごしたのだ。
「はあ、セレナお嬢様ならコウくんたちを守ることも出来たでしょうに」
な、なんだってー!
欲望をぶつけまくったセレナは、いつものように人格が変わるくらいに衰弱していたので、そっと見て見ぬふりをして放置してきたのだが……。
そのせいで戦争に行く羽目になってしまうとは、なんという不覚。
うぬう。
というか、最後にセレナは濁った目で「もっとしてください、ごしゅじんさま」とか言っていたが、伯爵の爵位を持つ女に言わせてたのだと思うと、ちょっと優越感を感じる。
自分で自分を褒めてやりたくなる。
「……とにかく、セレナお嬢様が正気に戻られたら一緒に伺います」
そう言い残して、カンナさんは帰っていった。
良かった。
セレナをぐちゃぐちゃにしてカンナさんに問い詰められるのは、これで、ええと、4回目? 5回目? くらいだが、さすがにカンナさんも慣れてきたようで、今回はあんまり怒られなかった。
一度怒られたら、呆れて怒られなくなるまで、同じことをしろ。
俺の処世術の1つである。
なんか今のカンナさんとのやり取りの中で取り返しのつかない致命的なミスが発覚してしまった気がしたが、考えても鬱になるだけなので、気にしないことにする。
既に起こってしまった事を悔やんでも仕方ないのである。
そんな事を考えながら、家の中に戻る。
相変わらず、我が家の空気はお通夜状態だった。
物凄く重い。
胃が痛くなってくる。
ルーナは涙を流しながら、どこか座りきった目で何かを真剣に考えている。
物凄く近寄りがたい。
ミレイは泣きはらした目で、何かを覚悟するかのような表情を浮かべている。
こちらも同じく近寄りがたい。
メグは相変わらずグズグズと泣いていた。
こっちは2人程の近寄りがたいオーラを出していなかったので、とりあえず頭を撫でてみた。
「うぐっ、ひっく、こ、コウさま……」
戦争に行く俺を哀れんでくれているのだろうか。
まだ出会ってからそんなに経っていないのに、泣くほど俺の身を案じてくれるのは、少し嬉しい。
「こ、コウさま、わ、わたし、うれしくて。コウさまが、わたしのことを、俺の女だっていってくれて、ぐすぐす」
ちょっと待て。
え、そっち?
あれはオッサンのセクハラからメグ達を守るために、便宜的に言っただけなのだが。
メグは思い切り空気を読み間違えていた。
夜になるとセレナがやってきた。
セレナは俺を見つけた瞬間、ギロリと睨みつけてきた。
うわ、怖っ。
セレナをぐちゃぐちゃにした後は、いつもこうなる。
そして、物凄く怒られる。
とはいえ、いつでもやらせてくれるし、なんだかんだ言いながらも、時間も止めてくれる。
セレナは意外と優しい。
「……それで? 徴兵されたと聞いたのだけれど」
セレナは席につくなり、そう口を開いた。
良かった。
今日は怒られないらしい。
とりあえず、セレナに赤札を見せる。
赤札を見るなり、セレナは大きなため息を漏らした。
「み、三日後になんとかっていう街に来いって……」
街に行くのが嫌すぎて、思わず声が震えた。
ミレイが、ぼそっと、そんなに戦争に行くのが嫌なんですね、とか言って勘違いしていた。
「……そう。恐らくサーガットの街ね」
そうそう。
そんな名前だった。
あー、行きたくない。
セレナは目を閉じて何かを考えている。
「今からお嬢様のお力で、コウくんの徴兵令を取りやめさせることはできませんか?」
カンナさんが俺を見ながら、そんな事を言ってくれる。
「赤札を出される前ならなんとでもなったでしょうけど、今からは無理ね。国の法に背くことになるから。だから、カンナ、悪いのだけれど――」
そう言いながら、セレナは俺をじっと見つめる。
気のせいだろうか。
目が濁って、頬が赤いような気がする。
「――今から一緒にあの王国を滅ぼしに行かない? 2人で行けば今夜のうちに――」
「お嬢様!? 正気に戻られたんじゃないんですか?」
「……だって、このままじゃ、ごしゅじんさまが」
カンナさんがセレナの肩を掴んでガクガクさせているが、セレナは濁った瞳で口から涎を垂らしていた。
うっ、頭がっ!
なんか同じようなセレナを午前中あたりに見た気がする。
いや、気のせいだろう。
とりあえず、そっとセレナ達から目を反らせる。
「王国を滅ぼしちゃったら、私達の食事はどうするんですか!」
カンナさんの悲痛な叫びが聞こえた。
食事とは何を指すのか、考えると鬱になるのでやめておく。
とにかく、今、セレナはあてにならないようだった。
クソ、なんだってこんな時に!
一体、誰のせいだ!?
私のせいなんですが。
あー、それにしても街とか行きたくないんだけど。
その時、がたっと席を立つ音が聞こえた。
立ち上がったのは、ミレイだった。
「コウさん、短い間でしたが本当にお世話になりました」
そう言いながら、ミレイは深々と頭を下げる。
どうした突然。
ミレイは頭を上げると、俺を見つめてにこっと微笑み、一筋の涙を流した。
「明日ここを発ちます。私、あの徴税官さんの女に――」
「ダメだ」
ミレイは俺の女だ。
まだ手は出してないが、隙あらばいつでも抱こうと思っている。
ルーナにバレても、土下座して許しを乞う準備はいつでも出来ている。
何が悲しくてあのオッサンにやらなくてはならないのか。
「で、でも」
反論しようとするミレイを遮るように、ずっと泣いていたルーナが口を開いた。
「そうだ。そんなのダメだ。ミレイがあんなヤツの女になる必要なんてない」
その目は相変わらず座りきっている。
一体、何を考えているのか。
ルーナは俺の方を向くと、真剣な眼差しを向けてきた。
「私もお前と一緒に戦場に行く。お前にどんな危険が迫っても、私が――」
「ダメだ。絶対にダメだ」
この女は何を言っているのか。
黙りこくって何を考えているのかと思えば。
そんな事をさせるわけがない。
もう2度とルーナを危険には晒さない。
戦場に連れていくなど論外だ。
「で、でも、ひとりじゃ寂しいし、お、お前にもしも何かあったら、私は、生きていけない」
真剣な眼差しは一瞬で崩れ、ルーナの目に涙が溜まっていく。
よく泣く女である。
ほぼ半日泣き続けているのにまだ涙が出るらしい。
ちょっと脱水症状が心配になったので、水魔法で水を飲ませておく。
ルーナは泣きながらも、大人しく俺の指を口に含んでこくこくと水を飲んだ。
夜、ルーナを抱いた後によくやっていることなので、もはや条件反射に近い。
雛鳥にエサをやる親鳥の心境だ。
ちょっと癒やされる。
さて、どうするか。
もう、こうなったら女達を連れて夜逃げするか。
こっそりいなくなれば徴税官も行方をつかめずに諦めるかもしれない。
せっかく作った家を捨てるのはもったいないが。
もともとルーナんちの誰かが、ルーナを探しに来たら夜逃げしようとしていたし。
逃げるなら、早いほうがいいだろうな。
ただ。
いざ逃げるとなると、物凄く腑に落ちない。
社畜時代に膨大な仕事を理不尽に振られた時と似ている。
そんなの放って逃げたって、誰も文句は言わないって。
誰が見ても明らかに多すぎる仕事量なのだから。
現に職場の仲間はすぐに辞めていく。
そう思いながらも、ひたすら仕事をこなしていった。
食事をする時間を削って、眠る時間を削って、命を削って。
なんであんな仕事を続けていたのだろう。
今にして思えば、逃げるのは負けた気がして嫌だったのだ。
「――行くか、戦争」
気づけば、そう口にしていた。
その日の夜、泣きじゃくるルーナを抱いた。
最初はあやすように優しくしていたのだが。
「……やっぱり、私もついてく。絶対にお前から離れない」
そんな事ばかり言うので、思い切り激しくして気を失わせた。
「…………わ、わたしもいく、から」
寝言でもそんな事を言い出したので、白目を向くまで抱いた。
またいつかの噴水ルーナになってしまったが、ぴくぴくしながらも俺の手を離そうとしなかったので、念の為、もう何発か抱いておいた。
ふう、これでついてきたくても、明日は起き上がれないだろう。
サーガットの街に期限通りに着くためには、明日の朝にはここを発たなければならないらしいのだ。
そのまま、心地よい疲労感を感じて眠りについた。
翌日の朝、狙い通りルーナは起き上がれない状態になっていた。
というか、まだ白目を向いたままだし、痙攣しているし、ひゅーひゅー心配になる呼吸をしている。
ちょっとやりすぎてしまった感が半端なかったので、見送りに来てくれたカンナさんに後のことを頼んでおいた。
鉄シリーズの防具を着て、月光魔剣を背負って外に出ると、皆が見送りに来てくれていたのだ。
「……コウくんは、お姉ちゃんをなんだと思っているんですか? やり散らかした女の後始末を押し付けすぎです」
ぐうの音も出ないことを言われたが、どんなに考えてもカンナさん以外には頼めないので仕方ない。
「まあ、これから戦場に行く弟の頼みなので聞いてあげますが……怪我をしないでくださいね、コウくん。がんばって男を磨いて帰ってきて下さい」
「はい。行ってきます」
カンナさんと軽く唇を合わせる。
「エインヘリヤルのあなたはいつか戦場に赴くとわかってはいたのだけれど。いざその時になるとダメね。……小娘に何も言う資格がないわ」
セレナは不安そうな顔をしている。
心なしか、やつれているようにも見える。
「これを」
セレナから鎖帷子(くさりかたびら)を渡された。
鎖帷子はメタリックに赤く染まっていて、鎖のひとつひとつが輝きを放っていて美しい。
「昨日慌てて作ったのだけれど、鎖帷子しか間に合わなかったの。本当は装備一式揃えたかったのだけれど」
鎖帷子はセレナお手製らしい。
そういえば、以前戦った時、血液から剣を作り出していた。
もしかして、この鎖帷子はセレナの血でできているのだろうか。
セレナがやつれているのはそのせいだろうか。
鉄の鎧を脱いで、鎖帷子を着てみる。
『〔真祖のブラッドチェーンメイル〕を装備しました。防御力補正+500』
さすがセレナサンだ。
防御力補正が物凄いことになっている。
この鎖帷子に比べれば、鉄の鎧なんて誤差みたいな防御力だが、一応鎖帷子の上に装備しておく。
「よかった。ぴったりね。よく似合っているわ」
セレナはそう言って笑顔を浮かべた。
わずかにコケた頬が痛々しい。
この鎖帷子を作るのに、どれほどの血を使ったのだろう。
血でできた鎖帷子ってちょっとどうなんだろうと思ったが、嫌悪感は全く感じない。
むしろセレナに包まれているようで安心する。
そんな事を考えていたら、本当にセレナが抱きしめてくれた。
「もうあなた以外の血を飲むなんて考えられないわ。その鎖帷子を作るのに結構な血を使ってしまったの。早く帰って来ないと餓死してしまうから」
「ああ、なるべく早く帰ってくるよ。ありがとう、セレナ」
セレナにもキスをする。
「……コウさん、ごめんなさい。私があの時、大人しく徴税官さんの女になっていれば、こんなことには」
ミレイはまだそんな事を言っていたので、最後まで言わせずに抱きしめた。
「お前は俺の女だ。誰にも渡さない。帰ってきたら、最後までさせてもらうからな?」
ルーナがいないのをいいことにミレイにそんな事を宣言してみた。
「……はい。なんでもしてあげますから、どうか無事で帰ってきてくださいね」
はい、確約頂きました。
帰ってきたら即座にミレイを抱こう。
ずっとセクハラだけで我慢していたので、嬉しくて仕方ない。
そのまま、ミレイにもキスをする。
「コ、コウさま!」
メグが何か言おうとしていたので、黙ってキスをする。
また何か空気の読めない事を言い出しそうな予感がしたのだ。
メグの唇は何やら新鮮な感触がした。
まるで初めてキスした女のような。
……そういえば、まだメグにはキスすらしてなかった。
「……やっと、キスしてくれました」
ぼうっとしながらメグはそう言ってくれた。
よかった。
お巡りさんを呼ばれたらどうしようと思った。
まあ、メグは16歳なので合法だ。
ゲート・オブ・ロリコンはまだ開かれていない。
「じゃあ、行ってくるから」
そう言いながら皆を見る。
その時、横でガシャリと謎の金属音が聞こえた。
見れば、いつの間にか横にフルプレートの鎧を着た騎士が立っていた。
よく城とかに飾られていそうな鋼の全身鎧だ。
セレナの城にもあったような気がする。
ただ、この騎士、妙に小さい。
俺より頭一つ分くらい小さい。
「行きましょう。コウ様」
騎士の中からフィリスの声が聞こえた。
そういえば、見当たらなかったな。
「まったく、このバカ」
悪態をついたカンナさんが騎士鎧をバナナの皮のようにべろりと向く。
当然の如く、中からはフィリスが出てきた。
というか、カンナさんはどういう膂力をしているんだろう。
「あなたみたいな吸血鬼丸出しの子が行ったら、人間たちが怯えるでしょう?」
「だから、さすらいの放浪騎士のフリをしようとしたのに、カンナ姉様の馬鹿力のせいで台無しです。どうしてくれるんですか!」
「私に逆らうのフィリス? 妹のくせに生意気な」
「ええ、逆らいますとも! いつまでも私が姉様の言うことを聞くと思ったら痛い目見ますよ!?」
なんか、いつもの姉妹喧嘩が始まった。
「じゃ、じゃあ、皆さん、そういうことで」
さり気なくこの場を後にしようと思う。
「ああっ! コウ様、私まだチューしてもらってないです! 皆にしたのにずるいです!」
しかし、あっさりフィリスに見つかってしまった。
とりあえず、カンナさんに首を締められているフィリスにキスをする。
フィリスは嬉しそうに微笑んだ。
首がミシミシ言っているのが気になるが。
「コウ様、どうかお元気で。ご武運をお祈りしています」
そう言い残して、フィリスの首は嫌な音がして折れた。
普通なら絶対死んでいるが、フィリスなら大丈夫だろう。
こうして、皆に別れを告げて、俺は街に向かった。
街には絶対にたくさんのニンゲンがいる。
そう思うと、自然と足取りは重くなるのだった。
空を眺めるのは好きだ。
広大に広がる蒼穹を見ていると、自分がいかにちっぽけな存在なのかわかる。
自分の悩みなんて大したことないんじゃないかという気になってくるのだ。
とはいえ、戦争に行くことになった鬱さは紛れていないわけですが。
徴税官のオッサン達が帰った後、とりあえず泣きわめくルーナ達を落ち着かせようと思って、我が家でお茶を飲むことにした。
しかし、お茶を飲んでいる最中も女達は泣き続け、まるで俺の葬式でもしているような雰囲気になった。
なので、気分転換に外の空気を吸いに来たのだ。
家の中がすげえ重苦しい。
あータバコ吸いたくなってきた。
というかですよ。
別に戦争に行くのが嫌なわけではないのだ。
日本特有の嫌戦ムードの中で育ったため、戦争にいいイメージなんてないが、いまいちモワッとして上手く想像できない。
まあ、なんとかなるんじゃねえの? っていうレベルだ。
ルーナ達の反応を見ていると、戦争に行く=死ぬみたいな印象を受けるのがそこはかとなく不安ではあるが。
それよりも!
あのオッサンはなんとかていう街に来いと言っていた。
それが嫌で仕方ない。
街に来いとか!
街には恐らくたくさんのニンゲンがいる。
思わず通勤ラッシュ時の新宿駅をイメージしてしまった。
吐き気がする。
そんな人がたくさんいるところになんて絶対に行きたくない!
ルーナに街でデートしようみたいな事を言われても、ずっと断ってきたのに。
ああ、鬱だ。
すこぶる鬱だ。
「どうしたんですか? 顔色が悪いですよ」
突然、かけられた声に振り返ってみると、そこにはカンナさんが立っていた。
「ああ、カンナさん……」
「何か悩み事ですか? お姉ちゃんに話してみて下さい」
カンナさんは優しく微笑んでくれる。
なので、俺は正直に話した。
戦争の事は置いておいて、いかに街に行きたくないかを熱弁した。
「戦争の事を置いとく意味がわかりませんが……。そんなことになっていたのですか。先程、うちにも徴税官がやってきたので、軽くあしらっておきましたよ」
「あしらえたんですか?」
「ええ。セレナお嬢様は名義的に女伯爵の爵位を貰っていますからね。あんな木っ端役人なんて相手をしなくていいのですよ」
そういえば、さっきオッサンがダーグリュン伯爵がどうのとか言っていた。
伯爵は徴税の対象外なのだろうか。
なんて羨ましい。
俺も伯爵になりたい。
というか、それなら俺達の徴税もなんとかしてほしかったのだが。
「……ねえ、コウくん。そういえばセレナお嬢様が廊下でつぶれたカエルみたいな格好で、しかも全裸で謎の液体まみれで倒れてたんですが、何か知りませんか?」
咄嗟に目を反らす。
どうしよう。
身に覚えがありすぎる。
あれは午前中のことだった。
ウールを生成する羊毛が足りなくなったので、さくっと辺りのヒツジを乱獲した帰りにセレナに会った。
ちょっと休憩がてら、お茶でもどうかと誘われたのでセレナ邸に行ったのだ。
セレナに案内されて食堂に向かう最中だった。
目の前にはセレナが魅力的な尻をふりふりさせながら歩いていて。
俺は思わずその場で押し倒してしまった。
だ、だって催したらいつでもさせてくれるって言ってたかんね!
そのまま何発かした後に、なんか物足りなさを感じて、その場で時間を止めさせて、あとはめくるめく淫靡な時間を過ごしたのだ。
「はあ、セレナお嬢様ならコウくんたちを守ることも出来たでしょうに」
な、なんだってー!
欲望をぶつけまくったセレナは、いつものように人格が変わるくらいに衰弱していたので、そっと見て見ぬふりをして放置してきたのだが……。
そのせいで戦争に行く羽目になってしまうとは、なんという不覚。
うぬう。
というか、最後にセレナは濁った目で「もっとしてください、ごしゅじんさま」とか言っていたが、伯爵の爵位を持つ女に言わせてたのだと思うと、ちょっと優越感を感じる。
自分で自分を褒めてやりたくなる。
「……とにかく、セレナお嬢様が正気に戻られたら一緒に伺います」
そう言い残して、カンナさんは帰っていった。
良かった。
セレナをぐちゃぐちゃにしてカンナさんに問い詰められるのは、これで、ええと、4回目? 5回目? くらいだが、さすがにカンナさんも慣れてきたようで、今回はあんまり怒られなかった。
一度怒られたら、呆れて怒られなくなるまで、同じことをしろ。
俺の処世術の1つである。
なんか今のカンナさんとのやり取りの中で取り返しのつかない致命的なミスが発覚してしまった気がしたが、考えても鬱になるだけなので、気にしないことにする。
既に起こってしまった事を悔やんでも仕方ないのである。
そんな事を考えながら、家の中に戻る。
相変わらず、我が家の空気はお通夜状態だった。
物凄く重い。
胃が痛くなってくる。
ルーナは涙を流しながら、どこか座りきった目で何かを真剣に考えている。
物凄く近寄りがたい。
ミレイは泣きはらした目で、何かを覚悟するかのような表情を浮かべている。
こちらも同じく近寄りがたい。
メグは相変わらずグズグズと泣いていた。
こっちは2人程の近寄りがたいオーラを出していなかったので、とりあえず頭を撫でてみた。
「うぐっ、ひっく、こ、コウさま……」
戦争に行く俺を哀れんでくれているのだろうか。
まだ出会ってからそんなに経っていないのに、泣くほど俺の身を案じてくれるのは、少し嬉しい。
「こ、コウさま、わ、わたし、うれしくて。コウさまが、わたしのことを、俺の女だっていってくれて、ぐすぐす」
ちょっと待て。
え、そっち?
あれはオッサンのセクハラからメグ達を守るために、便宜的に言っただけなのだが。
メグは思い切り空気を読み間違えていた。
夜になるとセレナがやってきた。
セレナは俺を見つけた瞬間、ギロリと睨みつけてきた。
うわ、怖っ。
セレナをぐちゃぐちゃにした後は、いつもこうなる。
そして、物凄く怒られる。
とはいえ、いつでもやらせてくれるし、なんだかんだ言いながらも、時間も止めてくれる。
セレナは意外と優しい。
「……それで? 徴兵されたと聞いたのだけれど」
セレナは席につくなり、そう口を開いた。
良かった。
今日は怒られないらしい。
とりあえず、セレナに赤札を見せる。
赤札を見るなり、セレナは大きなため息を漏らした。
「み、三日後になんとかっていう街に来いって……」
街に行くのが嫌すぎて、思わず声が震えた。
ミレイが、ぼそっと、そんなに戦争に行くのが嫌なんですね、とか言って勘違いしていた。
「……そう。恐らくサーガットの街ね」
そうそう。
そんな名前だった。
あー、行きたくない。
セレナは目を閉じて何かを考えている。
「今からお嬢様のお力で、コウくんの徴兵令を取りやめさせることはできませんか?」
カンナさんが俺を見ながら、そんな事を言ってくれる。
「赤札を出される前ならなんとでもなったでしょうけど、今からは無理ね。国の法に背くことになるから。だから、カンナ、悪いのだけれど――」
そう言いながら、セレナは俺をじっと見つめる。
気のせいだろうか。
目が濁って、頬が赤いような気がする。
「――今から一緒にあの王国を滅ぼしに行かない? 2人で行けば今夜のうちに――」
「お嬢様!? 正気に戻られたんじゃないんですか?」
「……だって、このままじゃ、ごしゅじんさまが」
カンナさんがセレナの肩を掴んでガクガクさせているが、セレナは濁った瞳で口から涎を垂らしていた。
うっ、頭がっ!
なんか同じようなセレナを午前中あたりに見た気がする。
いや、気のせいだろう。
とりあえず、そっとセレナ達から目を反らせる。
「王国を滅ぼしちゃったら、私達の食事はどうするんですか!」
カンナさんの悲痛な叫びが聞こえた。
食事とは何を指すのか、考えると鬱になるのでやめておく。
とにかく、今、セレナはあてにならないようだった。
クソ、なんだってこんな時に!
一体、誰のせいだ!?
私のせいなんですが。
あー、それにしても街とか行きたくないんだけど。
その時、がたっと席を立つ音が聞こえた。
立ち上がったのは、ミレイだった。
「コウさん、短い間でしたが本当にお世話になりました」
そう言いながら、ミレイは深々と頭を下げる。
どうした突然。
ミレイは頭を上げると、俺を見つめてにこっと微笑み、一筋の涙を流した。
「明日ここを発ちます。私、あの徴税官さんの女に――」
「ダメだ」
ミレイは俺の女だ。
まだ手は出してないが、隙あらばいつでも抱こうと思っている。
ルーナにバレても、土下座して許しを乞う準備はいつでも出来ている。
何が悲しくてあのオッサンにやらなくてはならないのか。
「で、でも」
反論しようとするミレイを遮るように、ずっと泣いていたルーナが口を開いた。
「そうだ。そんなのダメだ。ミレイがあんなヤツの女になる必要なんてない」
その目は相変わらず座りきっている。
一体、何を考えているのか。
ルーナは俺の方を向くと、真剣な眼差しを向けてきた。
「私もお前と一緒に戦場に行く。お前にどんな危険が迫っても、私が――」
「ダメだ。絶対にダメだ」
この女は何を言っているのか。
黙りこくって何を考えているのかと思えば。
そんな事をさせるわけがない。
もう2度とルーナを危険には晒さない。
戦場に連れていくなど論外だ。
「で、でも、ひとりじゃ寂しいし、お、お前にもしも何かあったら、私は、生きていけない」
真剣な眼差しは一瞬で崩れ、ルーナの目に涙が溜まっていく。
よく泣く女である。
ほぼ半日泣き続けているのにまだ涙が出るらしい。
ちょっと脱水症状が心配になったので、水魔法で水を飲ませておく。
ルーナは泣きながらも、大人しく俺の指を口に含んでこくこくと水を飲んだ。
夜、ルーナを抱いた後によくやっていることなので、もはや条件反射に近い。
雛鳥にエサをやる親鳥の心境だ。
ちょっと癒やされる。
さて、どうするか。
もう、こうなったら女達を連れて夜逃げするか。
こっそりいなくなれば徴税官も行方をつかめずに諦めるかもしれない。
せっかく作った家を捨てるのはもったいないが。
もともとルーナんちの誰かが、ルーナを探しに来たら夜逃げしようとしていたし。
逃げるなら、早いほうがいいだろうな。
ただ。
いざ逃げるとなると、物凄く腑に落ちない。
社畜時代に膨大な仕事を理不尽に振られた時と似ている。
そんなの放って逃げたって、誰も文句は言わないって。
誰が見ても明らかに多すぎる仕事量なのだから。
現に職場の仲間はすぐに辞めていく。
そう思いながらも、ひたすら仕事をこなしていった。
食事をする時間を削って、眠る時間を削って、命を削って。
なんであんな仕事を続けていたのだろう。
今にして思えば、逃げるのは負けた気がして嫌だったのだ。
「――行くか、戦争」
気づけば、そう口にしていた。
その日の夜、泣きじゃくるルーナを抱いた。
最初はあやすように優しくしていたのだが。
「……やっぱり、私もついてく。絶対にお前から離れない」
そんな事ばかり言うので、思い切り激しくして気を失わせた。
「…………わ、わたしもいく、から」
寝言でもそんな事を言い出したので、白目を向くまで抱いた。
またいつかの噴水ルーナになってしまったが、ぴくぴくしながらも俺の手を離そうとしなかったので、念の為、もう何発か抱いておいた。
ふう、これでついてきたくても、明日は起き上がれないだろう。
サーガットの街に期限通りに着くためには、明日の朝にはここを発たなければならないらしいのだ。
そのまま、心地よい疲労感を感じて眠りについた。
翌日の朝、狙い通りルーナは起き上がれない状態になっていた。
というか、まだ白目を向いたままだし、痙攣しているし、ひゅーひゅー心配になる呼吸をしている。
ちょっとやりすぎてしまった感が半端なかったので、見送りに来てくれたカンナさんに後のことを頼んでおいた。
鉄シリーズの防具を着て、月光魔剣を背負って外に出ると、皆が見送りに来てくれていたのだ。
「……コウくんは、お姉ちゃんをなんだと思っているんですか? やり散らかした女の後始末を押し付けすぎです」
ぐうの音も出ないことを言われたが、どんなに考えてもカンナさん以外には頼めないので仕方ない。
「まあ、これから戦場に行く弟の頼みなので聞いてあげますが……怪我をしないでくださいね、コウくん。がんばって男を磨いて帰ってきて下さい」
「はい。行ってきます」
カンナさんと軽く唇を合わせる。
「エインヘリヤルのあなたはいつか戦場に赴くとわかってはいたのだけれど。いざその時になるとダメね。……小娘に何も言う資格がないわ」
セレナは不安そうな顔をしている。
心なしか、やつれているようにも見える。
「これを」
セレナから鎖帷子(くさりかたびら)を渡された。
鎖帷子はメタリックに赤く染まっていて、鎖のひとつひとつが輝きを放っていて美しい。
「昨日慌てて作ったのだけれど、鎖帷子しか間に合わなかったの。本当は装備一式揃えたかったのだけれど」
鎖帷子はセレナお手製らしい。
そういえば、以前戦った時、血液から剣を作り出していた。
もしかして、この鎖帷子はセレナの血でできているのだろうか。
セレナがやつれているのはそのせいだろうか。
鉄の鎧を脱いで、鎖帷子を着てみる。
『〔真祖のブラッドチェーンメイル〕を装備しました。防御力補正+500』
さすがセレナサンだ。
防御力補正が物凄いことになっている。
この鎖帷子に比べれば、鉄の鎧なんて誤差みたいな防御力だが、一応鎖帷子の上に装備しておく。
「よかった。ぴったりね。よく似合っているわ」
セレナはそう言って笑顔を浮かべた。
わずかにコケた頬が痛々しい。
この鎖帷子を作るのに、どれほどの血を使ったのだろう。
血でできた鎖帷子ってちょっとどうなんだろうと思ったが、嫌悪感は全く感じない。
むしろセレナに包まれているようで安心する。
そんな事を考えていたら、本当にセレナが抱きしめてくれた。
「もうあなた以外の血を飲むなんて考えられないわ。その鎖帷子を作るのに結構な血を使ってしまったの。早く帰って来ないと餓死してしまうから」
「ああ、なるべく早く帰ってくるよ。ありがとう、セレナ」
セレナにもキスをする。
「……コウさん、ごめんなさい。私があの時、大人しく徴税官さんの女になっていれば、こんなことには」
ミレイはまだそんな事を言っていたので、最後まで言わせずに抱きしめた。
「お前は俺の女だ。誰にも渡さない。帰ってきたら、最後までさせてもらうからな?」
ルーナがいないのをいいことにミレイにそんな事を宣言してみた。
「……はい。なんでもしてあげますから、どうか無事で帰ってきてくださいね」
はい、確約頂きました。
帰ってきたら即座にミレイを抱こう。
ずっとセクハラだけで我慢していたので、嬉しくて仕方ない。
そのまま、ミレイにもキスをする。
「コ、コウさま!」
メグが何か言おうとしていたので、黙ってキスをする。
また何か空気の読めない事を言い出しそうな予感がしたのだ。
メグの唇は何やら新鮮な感触がした。
まるで初めてキスした女のような。
……そういえば、まだメグにはキスすらしてなかった。
「……やっと、キスしてくれました」
ぼうっとしながらメグはそう言ってくれた。
よかった。
お巡りさんを呼ばれたらどうしようと思った。
まあ、メグは16歳なので合法だ。
ゲート・オブ・ロリコンはまだ開かれていない。
「じゃあ、行ってくるから」
そう言いながら皆を見る。
その時、横でガシャリと謎の金属音が聞こえた。
見れば、いつの間にか横にフルプレートの鎧を着た騎士が立っていた。
よく城とかに飾られていそうな鋼の全身鎧だ。
セレナの城にもあったような気がする。
ただ、この騎士、妙に小さい。
俺より頭一つ分くらい小さい。
「行きましょう。コウ様」
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そういえば、見当たらなかったな。
「まったく、このバカ」
悪態をついたカンナさんが騎士鎧をバナナの皮のようにべろりと向く。
当然の如く、中からはフィリスが出てきた。
というか、カンナさんはどういう膂力をしているんだろう。
「あなたみたいな吸血鬼丸出しの子が行ったら、人間たちが怯えるでしょう?」
「だから、さすらいの放浪騎士のフリをしようとしたのに、カンナ姉様の馬鹿力のせいで台無しです。どうしてくれるんですか!」
「私に逆らうのフィリス? 妹のくせに生意気な」
「ええ、逆らいますとも! いつまでも私が姉様の言うことを聞くと思ったら痛い目見ますよ!?」
なんか、いつもの姉妹喧嘩が始まった。
「じゃ、じゃあ、皆さん、そういうことで」
さり気なくこの場を後にしようと思う。
「ああっ! コウ様、私まだチューしてもらってないです! 皆にしたのにずるいです!」
しかし、あっさりフィリスに見つかってしまった。
とりあえず、カンナさんに首を締められているフィリスにキスをする。
フィリスは嬉しそうに微笑んだ。
首がミシミシ言っているのが気になるが。
「コウ様、どうかお元気で。ご武運をお祈りしています」
そう言い残して、フィリスの首は嫌な音がして折れた。
普通なら絶対死んでいるが、フィリスなら大丈夫だろう。
こうして、皆に別れを告げて、俺は街に向かった。
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そう思うと、自然と足取りは重くなるのだった。
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