上 下
20 / 99

講習

しおりを挟む
さて、メルちゃんとダーブくんをからかったんだが…なにをしようか…。

依頼でも受けるか?

「アミナさんこんにちは」

「マサヤさん!今日はどうされたのですか?」

「今日は初めてですが依頼を受けようかと思っていまして…。」

「やっと依頼を受けられるのですね!どのような依頼がご希望ですか?」

「なんでも大丈夫ですよ」

「っと…その前に…マサヤさんは冒険者になってまだ1回も講習を受けていらっしゃいませんよね?」

「講習…ですか?」

「はい!講習というのは先輩冒険者が新人の冒険者に対して行う戦闘訓練のことです。その戦闘訓練で技術を学ぶことができます。戦闘訓練は受けても受けなくてもいいのですが…受けられますか?」

これで冒険者の大体の実力がわかるかな?バルネスさんの戦闘はちょっと判断材料にするのは難しいからな…。ならばこの選択は…

「お願いできますか?」

「わかりました!もう少ししたら始まりますので少々お待ちください」

そろそろ出入りする人が多くなってきたな…。みんな依頼を受けに来ているのかな?

「おーい!講習を受けるやつはついてこい!そろそろ始めるぞ!」

ぞろぞろとついて行っているメンバーがいるんだが…全員子供じゃね?

「ん?おっさんも受けるのか?」

「まだ加入したばかりでアミナさんに進められましたので…」

「なるほど…わかった!俺は今回の先生をさせてもらうリオンだよろしくな!」

「俺はマサヤだよろしく!」

「あぁ、じゃあ行こうか!」

「今日は先生がふたりいるんですか?」

やっぱりそう思うよね…。いや、わかるよ?俺だって彼らのような立場だったら絶対に思うし。

「俺は生徒の方だよ。」

「えっ…でも…。」

「この人は加入したばかりなんだってさ。加入したばかりだからって実力が低いかはわからないものだよ?ランクばかり見ているやつらはまだ三流だな。俺がしってる強いやつでも面倒くさそうだって言ってランク低いまんまのやつもいるしな。」

「でも強いかどうかはわからないんですよね?」

「ガルルゥ…(主を馬鹿にするなんて…殺すぞ…)」

パーンがキレた!?
猛獣みたいな唸り声あげてる!?
ていうか威圧しちゃってるから…気づいてないし…。

ガツンッ

「プリッ!?(痛いっ!?)」

「お前が暴れると俺の責任になるんだよ…ここのヤツら殺したら俺は犯罪者になるんだけど?それでもやるつもりか?」

「プルリッ!(申し訳ありません!)」

「わかったら威圧をやめろ。殺気が漏れてるんだよ…。」

「プルリッ!(わかりました!)」

「申し訳ありませんでした…俺の従魔が…。」

「い、いえ、お強いんですね…。」

「そうですか?じゃじゃ馬ですから扱いが難しいですけどね。」

「あ、いや、従魔じゃなくてマサヤさんですよ。」

「俺?」

「それほどの魔物を躾ているのですから相当な実力なのですよね?」

「いや~そんなことはないと思いますよ?」

「…そうですか…おっと!そろそろ始めましょうかね!それじゃあ…」

講習が始まったんだけどレベルが低すぎる…。基礎の基礎…戦闘において大事なこととか知ってるっての…。

「マサヤさんも戦ってみますか?」

「そうですね、是非お願いします。」

「じゃあ…」

「俺がやるよ!」

「それじゃあ君にお願いしようかな。」

「手加減はしてやらねぇぜ!おっさん!怪我しても恨むなよ!」

「あ、うん」

この子って…さっきリオンさんに色々と教えて貰っていた…。

「…はぁ…こいつは…」

いや、ため息つくだけじゃなくて危なそうなら止めなよ…。

「行くぞ!まずは足から切ってやるぜ!」

ジャンプでかわす。

「かわしたか…じゃあ次はこれだ!」

「いや、攻撃が単純すぎるっての…」

剣を流して剣を持っている方の手を掴む。

「君が先に俺の四肢を切ろうとしたよね?俺もお返しに君の剣を持つ利き手を切り落としてあげるよ…」

「や、やめろ!やめろぉぉぉ!」

「な~んちゃって」

「うぇ?」

「こうなるかもしれないからあんまり自信過剰にならないほうがいいよ?あと理想をいうなら利き手じゃない方の手も使えるようにしとくといいかもよ?」

「う、う、うわぁぁん!腕があるよ~!良かったよ~!」

「え~…号泣ですか?」

「いえ、これくらいしといたほうが良かったでしょう…。私の代わりに教えてくれてありがとうございます。」

「いえいえ、ですがまさか号泣されるとは…」

「それは…俺も予想外ですけどね…とりあえず講習は終わりです。今日はありがとうございました」

「こちらこそありがとうございました」

講習が終わって外に出たわけだが…いつの間にこんなに暗くなったんだ?そんなに長かったとは思わなかったけど意外にももう夜になってたみたいだ。

「酒でも飲んでから帰るか…」
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

日本帝国陸海軍 混成異世界根拠地隊

北鴨梨
ファンタジー
太平洋戦争も終盤に近付いた1944(昭和19)年末、日本海軍が特攻作戦のため終結させた南方の小規模な空母機動部隊、北方の輸送兼対潜掃討部隊、小笠原増援輸送部隊が突如として消失し、異世界へ転移した。米軍相手には苦戦続きの彼らが、航空戦力と火力、機動力を生かして他を圧倒し、図らずも異世界最強の軍隊となってしまい、その情勢に大きく関わって引っ掻き回すことになる。

47歳のおじさんが異世界に召喚されたら不動明王に化身して感謝力で無双しまくっちゃう件!

のんたろう
ファンタジー
異世界マーラに召喚された凝流(しこる)は、 ハサンと名を変えて異世界で 聖騎士として生きることを決める。 ここでの世界では 感謝の力が有効と知る。 魔王スマターを倒せ! 不動明王へと化身せよ! 聖騎士ハサン伝説の伝承! 略称は「しなおじ」! 年内書籍化予定!

クラス転移で無能判定されて追放されたけど、努力してSSランクのチートスキルに進化しました~【生命付与】スキルで異世界を自由に楽しみます~

いちまる
ファンタジー
ある日、クラスごと異世界に召喚されてしまった少年、天羽イオリ。 他のクラスメートが強力なスキルを発現させてゆく中、イオリだけが最低ランクのEランクスキル【生命付与】の持ち主だと鑑定される。 「無能は不要だ」と判断した他の生徒や、召喚した張本人である神官によって、イオリは追放され、川に突き落とされた。 しかしそこで、川底に沈んでいた謎の男の力でスキルを強化するチャンスを得た――。 1千年の努力とともに、イオリのスキルはSSランクへと進化! 自分を拾ってくれた田舎町のアイテムショップで、チートスキルをフル稼働! 「転移者が世界を良くする?」 「知らねえよ、俺は異世界を自由気ままに楽しむんだ!」 追放された少年の第2の人生が、始まる――! ※本作品は他サイト様でも掲載中です。

せっかくのクラス転移だけども、俺はポテトチップスでも食べながらクラスメイトの冒険を見守りたいと思います

霖空
ファンタジー
クラス転移に巻き込まれてしまった主人公。 得た能力は悪くない……いや、むしろ、チートじみたものだった。 しかしながら、それ以上のデメリットもあり……。 傍観者にならざるをえない彼が傍観者するお話です。 基本的に、勇者や、影井くんを見守りつつ、ほのぼの?生活していきます。 が、そのうち、彼自身の物語も始まる予定です。

異世界転移した先で女の子と入れ替わった!?

灰色のネズミ
ファンタジー
現代に生きる少年は勇者として異世界に召喚されたが、誰も予想できなかった奇跡によって異世界の女の子と入れ替わってしまった。勇者として賛美される元少女……戻りたい少年は元の自分に近づくために、頑張る話。

三男のVRMMO記

七草
ファンタジー
自由な世界が謳い文句のVRMMOがあった。 その名も、【Seek Freedom Online】 これは、武道家の三男でありながら武道および戦闘のセンスが欠けらも無い主人公が、テイムモンスターやプレイヤー、果てにはNPCにまで守られながら、なんとなく自由にゲームを楽しむ物語である。 ※主人公は俺TUEEEEではありませんが、生産面で見ると比較的チートです。 ※腐向けにはしませんが、主人公は基本愛されです。なお、作者がなんでもいける人間なので、それっぽい表現は混ざるかもしれません。 ※基本はほのぼの系でのんびり系ですが、時々シリアス混じります。 ※VRMMOの知識はほかの作品様やネットよりの物です。いつかやってみたい。 ※お察しの通りご都合主義で進みます。 ※世界チャット→SFO掲示板に名前を変えました。 この前コメントを下された方、返信内容と違うことしてすみません<(_ _)> 変えた理由は「スレ」のほかの言い方が見つからなかったからです。 内容に変更はないので、そのまま読んで頂いて大丈夫です。

一人だけ竜が宿っていた説。~異世界召喚されてすぐに逃げました~

十本スイ
ファンタジー
ある日、異世界に召喚された主人公――大森星馬は、自身の中に何かが宿っていることに気づく。驚くことにその正体は神とも呼ばれた竜だった。そのせいか絶大な力を持つことになった星馬は、召喚した者たちに好き勝手に使われるのが嫌で、自由を求めて一人その場から逃げたのである。そうして異世界を満喫しようと、自分に憑依した竜と楽しく会話しつつ旅をする。しかし世の中は乱世を迎えており、星馬も徐々に巻き込まれていくが……。

女神様から同情された結果こうなった

回復師
ファンタジー
 どうやら女神の大ミスで学園ごと異世界に召喚されたらしい。本来は勇者になる人物を一人召喚するはずだったのを女神がミスったのだ。しかも召喚した場所がオークの巣の近く、年頃の少女が目の前にいきなり大量に現れ色めき立つオーク達。俺は妹を守る為に、女神様から貰ったスキルで生き残るべく思考した。

処理中です...