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第一章
十八 分身の術
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もうすぐ大岡川にかかる野毛橋に差しかかるというところで、敵の気配がして物陰に隠れる。
三人で息をひそめていると、すぐ脇を慌ただしい足音が駆けていった。
「俺が先を偵察してくる。待っていてくれ」
電信局からの書状を油紙に包んだ状態で懐に入れ、鞄は残す。
石走と藤田を残し、跳は足音を消して動き出した。
野毛橋が近付くと、建物が多くなってきた。民家や店もあるが、戸を閉ざし、誰も出てこようとはしない。異変を感じ取り、争いに巻き込まれないようにしているのだ。
船が通りやすいように造られた丸くふくらんだ橋のたもとには、十五人程の男達が手に武器を持ち、跳達を待ち構えていた。火縄銃を持つ者も三人いる。これは厄介だ。
跳は音もなくもときた道をたどり、石走と藤田のもとへ帰還する。
「確認出来ただけでも十五人いる。火縄銃を持っているのが三人。しっかり橋のたもとを固めている」
それを聞いて、石走も藤田も表情を暗くした。
「馬車道の橋には、さらに多くいるだろうな……」
跳なら泳いで渡れない川幅でもないが、みつかれば銃で撃たれるし、弓矢もあるかもしれない。なにより岩倉使節団の書状が水に濡れてしまう。
「火遁の術とかでどうにか出来ないのか?」
「忍びに変な幻想抱かないでくれ」
火の取り扱いは忍びの得意分野ではあるが、講談の忍びのように自由自在に火を出せるわけではない。それに火について忍びが優位であったのは、せいぜい徳川時代までだ。外国から優れた火薬の知識が入ってしまった今、時代に追いつかれ、追い越されてしまった。
「準備さえしっかりすれば、あいつらくらい橋ごとけしずみに出来るがな…」
まるで準備出来ていないことなど藤田も石走もわかっている。
「火遁の術が駄目なら、でっかいがま蛙でも出してみろ」
投げやりに藤田がつぶやく。
「そういうのは、講談の中だけだ」
藤田も本気で言っているわけではない。打開策のない現状に苛ついているのだ。
考えてみても打開策は思い浮かばない。三人に悲壮な沈黙が流れた。そうこうしているうちに時間だけが過ぎていく。このまま足踏みしていたら、切支丹は処刑されてしまう。
そんな時、跳の頭に一つの策が降りてきた。こちらの戦力は少ないが、上手く活用すれば、この危機を乗り越えられるかもしれない。
「がま蛙は出せん。分身の術でいく」
跳が作戦の詳しい内容を伝えると、藤田と石走の二人は、難色を示す。確かに命を懸けるには勝算が低い。
しばし逡巡した後、藤田が観念したように承諾の言葉をつぶやいた。
「他に選択肢も思いつかん。やってみるか」
藤田の言葉に、石走もうなずく。
静かに移動し、敵の位置が捕捉出来る物陰に身をひそませた。
頃合いを見計らっていると、これから戦いが始まるというのに、藤田と石走の士気が低いのを跳は感じた。この任務に意義をみつけられないようだ。
そんな藤田が、溜息まじりに語り出した。
「攘夷の思想のもと戦って、見事敗北。世の中は開国に進み、かつての敵の下で夷敵の宗教を守ろうとしている。何の因果か……」
藤田も跳と同じく、時代に乗れなかった者なのだ。
石走は何も語らないが、下っ端の警官など裕福なわけもない。勝ち組に入りながらも、富にはありつけなかった者だ。
「今日斬るのは、かつての自分か」
この戦いに確固たる意義をみつけているのは、敵の方なのかもしれない。
「お前らは何の為に敵を斬る?」
藤田の問いに、石走は短く答える。
「任務だからだ」
「つまらねえ答えだな」
跳は自問する。任務だからか。諸外国との国交の為か。日本の未来の為か。
るまの顔が浮かんだ。
「捕まっている切支丹の中に、昔惚れた女にそっくりな人がいる」
跳の答えを聞いて、藤田が軽く噴き出す。石走の顔にも暖かみがさしたように思えた。
「面白れえ」
藤田がにやりと笑う。
敵に気付かれぬよう、三人離れた場所に待機した。
頃合いを見て、跳は拳銃を構え、野毛橋の前を固める者達目がけ、小屋の陰から発砲する。
拳銃で正確に狙える距離ではなかったが、運良く一人倒した。
途端に敵の火縄銃が火を噴く。跳のすぐそばに着弾し、土煙を上げた。時代遅れの兵器でも当たれば死ぬ。
次に藤田が弾を飛ばす。銃は一丁しかないので、弾を即席の道具で固定し、撃鉄代わりに刀の頭金で雷管を叩いて弾丸を放つ。
一呼吸おいて、石走も同じ要領で弾を飛ばす。命中させるのは難しいが、戦力を多くみせかけ、敵の意思を引きつけることが狙いだ。
跳は喉仏を動かし準備をする。
藤田と石走は帽子と上着を脱ぎ、敵からほんの少しだけ見えるように設置し、小屋の裏手から敵には捕捉されぬよう、遠回りして野毛橋に向かった。
藤田と石走が走り出すのを見計らって、跳は声を上げる。
「ちゃんと狙え芋猿!」
忍び時代に培った声帯模写の技術で、藤田の声を真似して言う。久し振りの実践だが、上出来だ。
「うるせえ。黙って撃て犬!」
今度は、石走の声を真似る。
声帯模写と銃弾を使い、こちらには銃を持った人間が三人いると思わせ、注意を引きつける。そのすきに、藤田と石走を裏から敵に近付かせる作戦だ。種を明かせばどうにも陳腐な分身の術だが、現実の忍びなんてこんなものだ。
身をかすめて飛んでいく弾丸に肝を冷やしつつ、跳は注意を引く為に発砲する。
かぶっていた笠を弾丸に飛ばされ、自分の弾丸が最後の一発になった時、石走の猿叫が響き、悲鳴や人が倒れる音が続いた。
物陰から顔を出すと、敵陣で石走と藤田が、縦横無尽に暴れ回り、血煙が舞い上がっている。作戦は上手くいったようだ。
銃を持った者は、藤田と石走が既に倒している。怖れるものはない。跳は橋に向かって一直線に走りながら拳銃を腰に差し、抜刀する。
上半身肌着一枚で敵をなぎ倒す二人のところに駆けつけ、跳は刀を振るった。
藤田と石走が何人も倒してなお敵の人数の方が多い。それでも、勝機は三人の方にあると跳は感じた。敵はのまれている。
棍棒を振り上げて襲いかかってきた男を斬った跳の耳に、人々が駆け寄ってくる音が聞こえた。横浜方面に目を向けると、何人もの人間が、手に武器を持って向かってきている。敵の援軍だ。
それに気付き、さすがの藤田と石走も、顔色が青ざめる。
「行け郵便屋。俺達は剣客商売。お前は健脚商売だ!」
藤田と石走が刀を振るい、橋への血路を開く。
後ろめたさもあったが、跳は足を踏み出した。
「生きて文明開化しよう!」
老朽化の進んだ橋を軋ませ駆け抜ける。後ろからは激闘の音が聞こえるが、振り返りはしない。
町人風の男が怒鳴りながら物を投げつけてきたので、跳は走りながら避ける。橋を越してもまだ敵はいるのだ。
追いかけてくる者もいるが、跳の走りについてこられず、次々に脱落していく。
気付けば跳は一人で走っていた。小塚原刑場まではまだまだ遠い。間に合うのだろうか。とにかく走るしかない。身を軽くする為刀を捨て、鞄を捨て、迷いを捨て走った。
横浜道から東海道に出ても足は止めない。馬車や人力車も通っているが、跳が走った方が速い。走り続けねばならない。
今度こそ助けてみせる。
三人で息をひそめていると、すぐ脇を慌ただしい足音が駆けていった。
「俺が先を偵察してくる。待っていてくれ」
電信局からの書状を油紙に包んだ状態で懐に入れ、鞄は残す。
石走と藤田を残し、跳は足音を消して動き出した。
野毛橋が近付くと、建物が多くなってきた。民家や店もあるが、戸を閉ざし、誰も出てこようとはしない。異変を感じ取り、争いに巻き込まれないようにしているのだ。
船が通りやすいように造られた丸くふくらんだ橋のたもとには、十五人程の男達が手に武器を持ち、跳達を待ち構えていた。火縄銃を持つ者も三人いる。これは厄介だ。
跳は音もなくもときた道をたどり、石走と藤田のもとへ帰還する。
「確認出来ただけでも十五人いる。火縄銃を持っているのが三人。しっかり橋のたもとを固めている」
それを聞いて、石走も藤田も表情を暗くした。
「馬車道の橋には、さらに多くいるだろうな……」
跳なら泳いで渡れない川幅でもないが、みつかれば銃で撃たれるし、弓矢もあるかもしれない。なにより岩倉使節団の書状が水に濡れてしまう。
「火遁の術とかでどうにか出来ないのか?」
「忍びに変な幻想抱かないでくれ」
火の取り扱いは忍びの得意分野ではあるが、講談の忍びのように自由自在に火を出せるわけではない。それに火について忍びが優位であったのは、せいぜい徳川時代までだ。外国から優れた火薬の知識が入ってしまった今、時代に追いつかれ、追い越されてしまった。
「準備さえしっかりすれば、あいつらくらい橋ごとけしずみに出来るがな…」
まるで準備出来ていないことなど藤田も石走もわかっている。
「火遁の術が駄目なら、でっかいがま蛙でも出してみろ」
投げやりに藤田がつぶやく。
「そういうのは、講談の中だけだ」
藤田も本気で言っているわけではない。打開策のない現状に苛ついているのだ。
考えてみても打開策は思い浮かばない。三人に悲壮な沈黙が流れた。そうこうしているうちに時間だけが過ぎていく。このまま足踏みしていたら、切支丹は処刑されてしまう。
そんな時、跳の頭に一つの策が降りてきた。こちらの戦力は少ないが、上手く活用すれば、この危機を乗り越えられるかもしれない。
「がま蛙は出せん。分身の術でいく」
跳が作戦の詳しい内容を伝えると、藤田と石走の二人は、難色を示す。確かに命を懸けるには勝算が低い。
しばし逡巡した後、藤田が観念したように承諾の言葉をつぶやいた。
「他に選択肢も思いつかん。やってみるか」
藤田の言葉に、石走もうなずく。
静かに移動し、敵の位置が捕捉出来る物陰に身をひそませた。
頃合いを見計らっていると、これから戦いが始まるというのに、藤田と石走の士気が低いのを跳は感じた。この任務に意義をみつけられないようだ。
そんな藤田が、溜息まじりに語り出した。
「攘夷の思想のもと戦って、見事敗北。世の中は開国に進み、かつての敵の下で夷敵の宗教を守ろうとしている。何の因果か……」
藤田も跳と同じく、時代に乗れなかった者なのだ。
石走は何も語らないが、下っ端の警官など裕福なわけもない。勝ち組に入りながらも、富にはありつけなかった者だ。
「今日斬るのは、かつての自分か」
この戦いに確固たる意義をみつけているのは、敵の方なのかもしれない。
「お前らは何の為に敵を斬る?」
藤田の問いに、石走は短く答える。
「任務だからだ」
「つまらねえ答えだな」
跳は自問する。任務だからか。諸外国との国交の為か。日本の未来の為か。
るまの顔が浮かんだ。
「捕まっている切支丹の中に、昔惚れた女にそっくりな人がいる」
跳の答えを聞いて、藤田が軽く噴き出す。石走の顔にも暖かみがさしたように思えた。
「面白れえ」
藤田がにやりと笑う。
敵に気付かれぬよう、三人離れた場所に待機した。
頃合いを見て、跳は拳銃を構え、野毛橋の前を固める者達目がけ、小屋の陰から発砲する。
拳銃で正確に狙える距離ではなかったが、運良く一人倒した。
途端に敵の火縄銃が火を噴く。跳のすぐそばに着弾し、土煙を上げた。時代遅れの兵器でも当たれば死ぬ。
次に藤田が弾を飛ばす。銃は一丁しかないので、弾を即席の道具で固定し、撃鉄代わりに刀の頭金で雷管を叩いて弾丸を放つ。
一呼吸おいて、石走も同じ要領で弾を飛ばす。命中させるのは難しいが、戦力を多くみせかけ、敵の意思を引きつけることが狙いだ。
跳は喉仏を動かし準備をする。
藤田と石走は帽子と上着を脱ぎ、敵からほんの少しだけ見えるように設置し、小屋の裏手から敵には捕捉されぬよう、遠回りして野毛橋に向かった。
藤田と石走が走り出すのを見計らって、跳は声を上げる。
「ちゃんと狙え芋猿!」
忍び時代に培った声帯模写の技術で、藤田の声を真似して言う。久し振りの実践だが、上出来だ。
「うるせえ。黙って撃て犬!」
今度は、石走の声を真似る。
声帯模写と銃弾を使い、こちらには銃を持った人間が三人いると思わせ、注意を引きつける。そのすきに、藤田と石走を裏から敵に近付かせる作戦だ。種を明かせばどうにも陳腐な分身の術だが、現実の忍びなんてこんなものだ。
身をかすめて飛んでいく弾丸に肝を冷やしつつ、跳は注意を引く為に発砲する。
かぶっていた笠を弾丸に飛ばされ、自分の弾丸が最後の一発になった時、石走の猿叫が響き、悲鳴や人が倒れる音が続いた。
物陰から顔を出すと、敵陣で石走と藤田が、縦横無尽に暴れ回り、血煙が舞い上がっている。作戦は上手くいったようだ。
銃を持った者は、藤田と石走が既に倒している。怖れるものはない。跳は橋に向かって一直線に走りながら拳銃を腰に差し、抜刀する。
上半身肌着一枚で敵をなぎ倒す二人のところに駆けつけ、跳は刀を振るった。
藤田と石走が何人も倒してなお敵の人数の方が多い。それでも、勝機は三人の方にあると跳は感じた。敵はのまれている。
棍棒を振り上げて襲いかかってきた男を斬った跳の耳に、人々が駆け寄ってくる音が聞こえた。横浜方面に目を向けると、何人もの人間が、手に武器を持って向かってきている。敵の援軍だ。
それに気付き、さすがの藤田と石走も、顔色が青ざめる。
「行け郵便屋。俺達は剣客商売。お前は健脚商売だ!」
藤田と石走が刀を振るい、橋への血路を開く。
後ろめたさもあったが、跳は足を踏み出した。
「生きて文明開化しよう!」
老朽化の進んだ橋を軋ませ駆け抜ける。後ろからは激闘の音が聞こえるが、振り返りはしない。
町人風の男が怒鳴りながら物を投げつけてきたので、跳は走りながら避ける。橋を越してもまだ敵はいるのだ。
追いかけてくる者もいるが、跳の走りについてこられず、次々に脱落していく。
気付けば跳は一人で走っていた。小塚原刑場まではまだまだ遠い。間に合うのだろうか。とにかく走るしかない。身を軽くする為刀を捨て、鞄を捨て、迷いを捨て走った。
横浜道から東海道に出ても足は止めない。馬車や人力車も通っているが、跳が走った方が速い。走り続けねばならない。
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※人名が分かりづらくなるのを避けるため、アザナは一切使わないことにしました。ご了承ください。
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