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第三章 セイクリア教国の歪み
第二百十四話 タロとラーミア(三)
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『術者に気づかれないよう『操術』を解く方法は一つ。『操術』を絶った直後に同じく『操術』を用いて『操術』の糸を継ぎ足すことのみ』
我輩、とにかくラーミアを元に戻したいと考え、術者であるマギウスとやらに気づかれないようにするにはどうすれば良いかを探ると、この結果が出た。
ううむ、良く分からないのだ。
そもそも、『操術』の糸というものがどんなものか分からない。そんなもの、どんなにラーミアを注意深く眺めたところで見当たらないのだ。
こんな時は……『サポートシステム』なのだっ。
《『サポートシステム』起動します。これより、『操術』の説明を行います。
『操術』とは、生き物を操るための術であり、その精度は術者の魔力コントロール力に依存します。
魔力を細い糸のようにして伸ばし、頭を捕らえることで操作が可能です。ただし、操作への抵抗が強い場合、『操術』は破られる場合があります。また、それを回避するためには、抵抗力が強くなりそうな命令を下す場合、口頭での命令が有効です。
他者が『操術』を解く場合、魔力の糸を的確な方法で断ち切ることが必要となります。失敗すれば、術を受けている対象の暴走を招くこととなります。また、術者に気づかれぬように『操術』を解除することは非常に難しく、『操術』の糸を断ち切った直後にその糸を『操術』によって継ぎ足す必要があります。これは、継ぎ足した部分によって、送られる命令を撤回させるための処置でもあります》
……説明が、とっても詳しいのだ。そして、やっぱり我輩、良く分からない、というか、術者に気づかれずに『操術』を解除することはできそうにないのだ。
『サポートシステム』に任せたら、術者に気づかれないままに『操術』を解除することはできるのだろうか?
《解答、是。成功率、百パーセント。『操術』の解除、及び、『操術』の展開をします。サポートは必要ですか?
はい/いいえ》
……できそうなのだ。
ラーミアの『操術』を解除できることが分かり、我輩ホッとする。そして、ちょうどラーミアは今、人気のない区画に入ったところであったため、我輩、迷うことなく『はい』を選択する。すると、その瞬間ラーミアは頭を抱えて呻いた。
「っ、うぅっ」
「にゃっ(ラーミアっ)」
とうとうしゃがみ込んでしまったラーミアに、我輩、何か不手際があったかと不安になって駆けつける。
「ふにゃっ(お、おいっ)」
状況を知らないブチに慌てた声をかけられるものの、我輩、構っていられない。
「にゃあ、にゃあっ(ラーミア、ラーミアっ)」
「っ、タ、ロ……ですか?」
そうして必死に鳴いていると、ラーミアはついに、我輩のことを認識してくれたのだった。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
やっと、やっと、ラーミアが元に戻ったぁっ!!
長かった……。
「にゃにゃっ(次回はきっと、感動の再会なのだなっ)」
えっ?
いや、そんな予定は……。
「にゃあっ(楽しみにしているのだっ)」
………………。
と、とりあえず、次回をお楽しみにっ!
それでは、また!
我輩、とにかくラーミアを元に戻したいと考え、術者であるマギウスとやらに気づかれないようにするにはどうすれば良いかを探ると、この結果が出た。
ううむ、良く分からないのだ。
そもそも、『操術』の糸というものがどんなものか分からない。そんなもの、どんなにラーミアを注意深く眺めたところで見当たらないのだ。
こんな時は……『サポートシステム』なのだっ。
《『サポートシステム』起動します。これより、『操術』の説明を行います。
『操術』とは、生き物を操るための術であり、その精度は術者の魔力コントロール力に依存します。
魔力を細い糸のようにして伸ばし、頭を捕らえることで操作が可能です。ただし、操作への抵抗が強い場合、『操術』は破られる場合があります。また、それを回避するためには、抵抗力が強くなりそうな命令を下す場合、口頭での命令が有効です。
他者が『操術』を解く場合、魔力の糸を的確な方法で断ち切ることが必要となります。失敗すれば、術を受けている対象の暴走を招くこととなります。また、術者に気づかれぬように『操術』を解除することは非常に難しく、『操術』の糸を断ち切った直後にその糸を『操術』によって継ぎ足す必要があります。これは、継ぎ足した部分によって、送られる命令を撤回させるための処置でもあります》
……説明が、とっても詳しいのだ。そして、やっぱり我輩、良く分からない、というか、術者に気づかれずに『操術』を解除することはできそうにないのだ。
『サポートシステム』に任せたら、術者に気づかれないままに『操術』を解除することはできるのだろうか?
《解答、是。成功率、百パーセント。『操術』の解除、及び、『操術』の展開をします。サポートは必要ですか?
はい/いいえ》
……できそうなのだ。
ラーミアの『操術』を解除できることが分かり、我輩ホッとする。そして、ちょうどラーミアは今、人気のない区画に入ったところであったため、我輩、迷うことなく『はい』を選択する。すると、その瞬間ラーミアは頭を抱えて呻いた。
「っ、うぅっ」
「にゃっ(ラーミアっ)」
とうとうしゃがみ込んでしまったラーミアに、我輩、何か不手際があったかと不安になって駆けつける。
「ふにゃっ(お、おいっ)」
状況を知らないブチに慌てた声をかけられるものの、我輩、構っていられない。
「にゃあ、にゃあっ(ラーミア、ラーミアっ)」
「っ、タ、ロ……ですか?」
そうして必死に鳴いていると、ラーミアはついに、我輩のことを認識してくれたのだった。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
やっと、やっと、ラーミアが元に戻ったぁっ!!
長かった……。
「にゃにゃっ(次回はきっと、感動の再会なのだなっ)」
えっ?
いや、そんな予定は……。
「にゃあっ(楽しみにしているのだっ)」
………………。
と、とりあえず、次回をお楽しみにっ!
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