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第二章 反撃のサナフ教国

第六十八話 タロとデイブ

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 いつの間にかデイブという男とその家族を救いだしていたことには驚いたものの、我輩、とにかくお腹が空いていた。それはバルディス達も同様で、先に食事をすることと相成った。

 ガツガツガツガツと、我輩達、無心で茹でたジャイアントスコーピオンを食べる。


「あ、あのー?」


 ガツガツガツガツ。


「えっと……」


 ガツガツガツガツ……。


「にゃふぅ(ごちそうさまなのだ)」


 我輩、久々の充分な食事に、しばし我を忘れていたが、ようやくひと心地つく。ただ、バルディス達はまだまだ足りないらしく、ガツガツとジャイアントスコーピオンを食らっていた。

 そこでふと、視線を感じて、我輩、顔を上げる。すると、そこには、デイブがちょこんと座っており……目が合った瞬間、パァッと目を輝かせる。それはもう、キラキラと。


「に、にゃあ? (な、何なのだろうか?)」


 よくは分からないが、デイブは喜んでいるように見える。そして、片手を出して、我輩に『おいで、おいで』と手招きしてきたではないか。


 む、むぅ、怪しいのだ。とってもとっても、怪しいのだ。


 デイブの様子に、我輩、思わず警戒する。しかし、バルディスに相談しようにも、バルディスは今、久々の食事に夢中だ。これを妨害するのは、きっと命の危険を伴う。


 い、行くしか、ないのだ。


 行動はとても怪しいが、デイブは我輩達に助けられたことを感謝している。きっと、悪いことにはならないだろう。

 我輩、重いお腹を持ち上げて、そっと、そーっと歩いていく。そして、デイブの目の前まで来てみると、我輩、脇に手を入れられ、抱き上げられた。


「よしよし。お前だけでも気づいてくれて嬉しいです。さっきから、あの方々は食事に夢中みたいですしね」


 朗らかに笑い、我輩を撫でるデイブの手つきは、明らかに慣れていない者のそれだったが、どうやら我輩に癒されているらしい。


「にゃあ(存分に撫でるが良いぞ)」


 我輩、ゴロゴロと喉を鳴らし、撫でられるがままになる。しかし、次のデイブの言葉に、我輩、凍りつくこととなった。


「あぁ、このモチモチ体型。親近感が湧くっ」


 モチモチ、体型?


 衝撃的な言葉に、我輩、思わず自分の体を見下ろす。そこには、いつもと変わらない、我輩の真っ白ボディ。そう、いつもと、変わらない……。


「に、にゃあぁっ!? (わ、我輩、痩せてなかったのだっ!?)」


 てっきり、数日の断食によって痩せたものだと思っていたのに、我輩、見るからに体型に変化がない。これはいけない。これは不味い。我輩、体重が気になるお年頃なのだ。


「にゃっ(運動をせねばっ)」

「あっ」


 そうして、我輩、泣く泣くデイブから逃れ、ドームの周りを走ることにしたのだった。


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


は、話がほとんど進まなかった。

食事風景と団らん風景だけって……つ、次は、ちゃんとシリアスモードになります!(というか、します!)

デイブの事情とか、色々書いていきます。

それでは、また!
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